AWS IoT Analytics は、完全マネージド型の IoT 分析サービスで、IoT デバイスデータの大規模な収集、事前処理、強化、保存、分析を行います。パッケージ化された独自のカスタム分析コードをコンテナに持ち込んで AWS IoT Analytics で実行することもできます。

AWS IoT Analytics は従量課金制です。データ処理、データストレージ、クエリの実行、カスタム分析の実行は、別個に課金されます。この方法で、広範なワークロードにわたってコストを低く抑えることができます。使用する個別の AWS IoT Analytics コンポーネントに対してのみ料金が発生します。

料金の概要

以下は、AWS IoT Analytics を使用できるすべての AWS リージョンに該当します。

データ処理

AWS IoT Analytics では、定義したパイプラインを使ってデータを処理します。このパイプラインを使用すると、分析に備えて IoT データをフィルタリング、変換、エンリッチ化できます。ギガバイト単位 (GB) の処理済みデータの量に基づいて料金が発生します。すべてのデータは MB 単位で計算され、すべてのクエリは最低 10 MB 単位で算定されます。

データストレージ

AWS IoT Analytics では、2 つの形式のデータストレージが提供されます。

  1. 処理済みデータ (時間最適化されたデータストアに格納され、パフォーマンスの高いクエリを可能にします) とデータセット (SQL クエリを通じて取得したデータ):

2.未加工データ: Amazon S3 に保存され、標準の S3 の料金で課金されます (Amazon S3 の料金ページをご覧ください)。

クエリの実行

AWS IoT Analytics では、標準の SQL クエリを使用して処理済みのデータを分析できます。クエリの実行については、各クエリでスキャンされたデータ量に基づいてテラバイト単位 (TB) で課金されます。すべてのデータは MB 単位で計算され、すべてのクエリは最低 10 MB 単位で算定されます。AWS の他のサービスを使用した場合は、追加料金が発生します。

カスタム分析の実行

AWS IoT Analytics では、Analytics Compute Unit (ACU) を使用して、コンテナ内の独自の分析コードを実行できます。1 つの Analytics Compute Unit (ACU) で 4 つの vCPU および 16 GB のメモリーが提供されます。課金は 1 秒単位で行われます。カスタム分析コードの実行に使用した Analytics Compute Units (ACU) の数に基づく時間レートが適用されます。

AWS IoT Analytics では、実行中の分析コンテナを一時的に保存するために、分析あたり最大 40 GB の EBS ストレージも無料で提供しています。より多くの EBS ストレージが必要な場合は、お問い合わせください。

無料利用枠

AWS 無料利用枠として、1 か月あたり以下の使用量までは AWS IoT Analytics を無料で利用できます。無料期間は、AWS のお客様として登録後 12 か月間です。

  • パイプラインで処理されたデータ 100 MB
  • 処理済みデータストレージ 10 GB
  • 未加工データストレージ 10 GB
  • クエリの実行用にスキャンされたデータ 10 GB

この使用量を超える分については、公開されている料金で課金されます。


料金の例

パイプライン

1,000 台のデバイスを所有し、各デバイスで毎月 10 MB の分析用データが生成される場合、まずこのデータをパイプラインに送信し、異常値をフィルタリングして分析用にデータを準備します。料金は以下のとおりです。

  • 1 か月にパイプラインで処理されるデータ (MB) = 1,000 デバイス x デバイスあたり 10 MB/月 = 10,000 MB/月
  • 1 か月にパイプラインで処理されるデータ (GB) = 10,000 MB/月 ÷ 1,024 MB/GB = 9.8 GB/月
  • 月額料金 = 9.8 GB/月 x 0.20 USD/GB = 1.96 USD/月

データストレージ

その後の分析のためにパイプラインで処理した 9.8 GB のデータを保存する場合、処理済みデータストレージの費用は以下のとおりです。

  • 保存されたデータ = 処理済みデータ 9.8 GB = 9.8 GB
  • 月額料金 = 9.8 GB x 1 GB あたり 0.03 USD/月 = 0.29 USD/月

AWS IoT Analytics では、デフォルトで未加工の IoT データを保存できるようになっているため、パイプラインで簡単に再処理できます。未加工データストレージの費用は以下のとおりです。

  • 保存されたデータ = 未加工データ 9.8 GB = 9.8 GB
  • 1 GB あたりの料金/月 = S3 料金 = 1 GB あたり 0.023 USD/月 (米国東部)
  • 月額料金 = 9.8 GB x 1 GB あたり 0.023 USD/月 = 0.225 USD/月

クエリの実行

データを分析するために、1 か月間で 9.8 GB の処理済みデータをスキャンするクエリを 1 つ実行する場合、料金は以下のとおりです。

  • スキャン済みデータ (GB) = 1 か月間のスキャン済みデータ x 処理済みデータ 9.8 GB/月 = 9.8 GB
  • スキャン済みデータ (TB) = 9.8 GB ÷ 1,024 GB/TB = 0.0096 TB
  • 月額料金 = スキャン済みデータ 0.0096 TB x 6.50 USD/TB (スキャン済み) = 0.062 USD

カスタム分析の実行

カスタム分析コンテナを毎日 1 回実行するようにスケジュールし、各実行の完了所要時間は 5 分とします。コンピューティング料金は以下のとおりです。

  • 1 か月のコンピューティング合計時間 (時間単位): (5 分/日 x 30 日) ÷ 60 分/時 = 2.5 時間
  • 月額料金 = 0.36 USD/時 X 2.5 時間 = 0.90 USD/月

合計月額料金

AWS IoT Analytics の合計月額料金は以下のとおりです。

  • 合計月額料金 = 1.96 USD パイプライン料金 + 0.29 USD 処理済みデータストレージ料金 + 0.225 USD 未加工データストレージ料金 + 0.062 USD クエリ実行料金 + 0.90 USD カスタム分析実行料金 = 3.437 USD/月

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