Wine Access が AWS パートナーの JBS Solutions と連携してモダナイズし、サイトトラフィックの 400% 増加を実現

エグゼクティブサマリー

ワインの小売業者である Wine Access は、AWS でサーバーレスアーキテクチャを使用することで、コストを削減し、パフォーマンスを向上させながら、モダナイゼーションを実現しました。同社はオンプレミスサーバーから AWS に移行しました。この際、AWS リテールコンピテンシーパートナーである JBS Solutions が AWS Lambda でのアーキテクチャの変革をサポートしました。新しいソリューションは、システム停止を発生させることなく、ウェブサイトトラフィックが 400% 増加するのに合わせて自動的にスケールしました。これにより、コンピューティングコストが大幅に削減されるとともに、データベースコストが約 50% 削減されました。現在、Wine Access は、新たなビジネスアイデアとイノベーションの追求をサポートして、カスタマーエクスペリエンスを改善するとともに、数百時間に及ぶ社内の労働時間を短縮し、新たな収益源を生み出すアジャイルな e コマースソリューションを提供しています。

時代遅れのテクノロジーを超えて

2014 年、消費者直販のワインの小売業者である Wine Access は、自社の時代遅れのテクノロジースタックによって、過去に縛り付けられていることに気づきました。1996 年に設立され、40 名の従業員を擁するこの企業は、小規模生産のワインを厳選して販売しています。これは主に、ダイレクトメールによる販売チェーンと、高コストかつ古いサーバーで自らホストしているウェブサイトを通じて行われていました。成長をサポートするために、Wine Access は Amazon Web Services (AWS) 上の最新の e コマースソリューションを模索しました。

同社は、新しいウェブサイトとインフラストラクチャへの移行をサポートしてもらうために、AWS リテールコンピテンシーパートナーである JBS Solutions を頼ることにしました。このプロジェクトは大成功を収めたため、Wine Access は引き続き JBS Solutions と協力して、AWS Lambda 上に構築されたサーバーレスアーキテクチャへのデジタルトランスフォーメーションに取り組みました。AWS Lambda は、サーバーをプロビジョニングまたは管理することなく、事実上あらゆる種類のアプリケーションやバックエンドサービスのコードを実行するために利用されるサービスです。現在、Wine Access は顧客により優れたサービスを提供し、新たなビジネスアイデアや販売機会を追求するための俊敏性を備えています。

「AWS Lambda に移行することで、サイトトラフィックを増加させながら、コンピューティングコストを以前の数分の 1 に削減できました」

- Wine Access、Director of Engineering、Thomas Halpin 氏

最新の e コマースソリューションの採用

JBS Solutions は、カスタムソフトウェアとモバイルアプリケーションを開発およびモダナイズすることにより、企業がビジネスやテクノロジーにおける課題を解決するのをサポートします。JBS Solutions は、AWS リテールコンピテンシーパートナーとしての地位に支えられながら、小売業者がビジネス目標を定め、カスタムソフトウェア、モバイルアプリケーション、および他のソリューションを設計して、その小売業者がそれらの目標を達成できるようサポートします。AWS リテールコンピテンシーパートナーであることは、企業におけるあらゆる領域で、小売業者のモダナイゼーションとイノベーションの取り組みを加速する革新的なテクノロジーサービスを提供できることを意味します。

2015 年、Wine Access は急速な成長を遂げていましたが、古いテクノロジースタックが開発およびイノベーションの能力を低下させていました。同社は、1 台あたり 20 万 USD のコストがかかる 1990 年代のサーバー上で動作するセルフホスト型のウェブサイトを運営していました。「当社は 10 年以上時代遅れのテクノロジーを利用していましたが、新しいテクノロジーに切り替えることを切望していました」と Wine Access の Director of Engineering である Thomas Halpin 氏は述べています。「しかし、当社がサポートを依頼した企業のうち 2 社は、この取り組みに失敗しました」。

Wine Access は、2014 年末に初めてつながりを持った JBS Solutions にサポートを依頼することにしました。JBS Solutions は、Django Python フレームワークで開発され、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) で実行される最新の e コマースウェブサイトに同社を移行することに成功しました。Amazon EC2 は、クラウド上で安全かつサイズ変更可能なコンピューティング性能を提供するウェブサービスです。このプロジェクトは、両社の長期にわたる協力関係のきっかけとなりました。「当社は、長期にわたるテクノロジーパートナーになることを目指しています」と JBS Solutions の Director of Delivery である Donald Morrone 氏は述べています。「当社が献身的にサービスを提供することで、お客様により良い結果がもたらされます」。 2018 年、Wine Access はアーキテクチャをさらにモダナイズするために再び JBS Solutions に依頼しました。

継続的な成長のためのサーバーレスアーキテクチャの実装

JBS Solutions は AWS Lambda Delivery で AWS Service Validation を受けていたため (これは AWS Lambda を利用したベストプラクティスに従っていることが検証されていることを意味します)、Wine Access のためにサーバーレス e コマースソリューションを構築するのに適したパートナーでした。2019 年 10 月、JBS Solutions は、テストとして、Wine Access のウェブサイトのコンポーネントを Amazon EC2 から AWS Lambda アーキテクチャに段階的に移行しました。2020 年 2 月までに、ウェブサイト全体の移行が完了しました。その後すぐに、COVID-19 のパンデミックが始まり、需要が増加しましたが、サーバーレスアーキテクチャは Wine Access のウェブサイトに対する 400% 増加したトラフィックにもシームレスに対応できました。「AWS Lambda に移行していなければ、キャパオーバーしていたでしょう」と Halpin 氏は述べています。「JBS Solutions は、当社が想定していた成長の先を見据えていたため、非常にスケーラブルなアーキテクチャを持つことができたのです」。 JBS Solutions は AWS Lambda を利用することで、この状況を簡単に管理できました。「当社は何もしませんでした。キャパシティを追加したり、サーバーを管理したりすることもありませんでした」と Morrone 氏は述べています。「AWS Lambda を利用して余剰トラフィックをすべて処理しました。システム停止や速度の低下は発生しませんでした」。

Wine Access では、AWS Lambda でパフォーマンスが向上しただけでなく、コンピューティングコストも大幅に削減できました。「AWS Lambda に移行することで、サイトトラフィックを増加させながら、コンピューティングコストを以前の数分の 1 に削減できました」と Halpin 氏は述べています。また、JBS Solutions は、Wine Access の 1 か月あたりのコストが最も高い分野 (データベース) にも取り組みました。同社は、Amazon Aurora (リレーショナルデータベースサービス) の MySQL 互換エディションである Amazon Aurora for MySQL に Wine Access を移行することで、この問題に対処しました。Amazon Aurora for MySQL は、利用ニーズに合わせてより適切に調整できるデータベースです。Wine Access は米国のみにサービスを提供しているため、トラフィックの増減が激しくなっています。同社のウェブサイトのトラフィックは、日中 (米国のタイムゾーン) に非常に多くなりますが、西海岸の夕方から東海岸の朝の時間帯にかけては極めて少ない傾向にあります。Amazon Aurora は、トラフィックが多いときにはスケールアップし、トラフィックがないときにはスケールダウンします。「Amazon Aurora に移行しても問題は発生しませんでした。利用した分の料金のみを支払えばよいため、データベースのコストを約 50% 削減できました」と Halpin 氏は述べています。

AWS Lambda アーキテクチャでは、JBS Solutions は Wine Access の顧客向けの新機能を迅速に追加したり、以前は手作業で実行していたプロセスを自動化したりして、Wine Access のワークロードを軽減しながら、カスタマーサービスを改善できます。以前は、Wine Access の従業員は、毎週何千もの貨物について、天候と移動時間を確認しなければなりませんでした。温度が高すぎたり、低すぎたりすると、ワインが劣化してしまうからです。現在、このプロセスは AWS で自動化され、従業員は 1 年間で数百時間を節約できるようになりました。2021 年 1 月、JBS Solutions は、フルマネージド型のメッセージングサービスである Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) を利用して、特定の少量生産のワインが再入荷されたときに顧客に自動テキストメッセージまたは E メールを送信するウェブサイト通知機能を Wine Access のために構築しました。「そのソリューションはお客様のニーズに応え、当社に貴重な収益源をもたらしてくれました」と Halpin 氏は述べています。JBS Solutions は Amazon SNS を迅速に実装しました。「AWS パートナーである当社は、Amazon SNS を利用できること、つまり、ゼロから生み出す必要はないことを認識していました」と Morrone 氏は述べています。

「当社は何もしませんでした。キャパシティを追加したり、サーバーを管理したりすることもありませんでした。AWS Lambda を利用して余剰トラフィックをすべて処理しました。システム停止や速度の低下は発生しませんでした」

- JBS Solutions、Director of Delivery、Donald Morrone 氏

AWS でのカスタマーエクスペリエンスのパーソナライズ

Wine Access と JBS Solutions は、Amazon Personalize を利用して、ユーザーの閲覧アクティビティに基づく動的なウェブサイトコンテンツを作成することを計画しています。Amazon Personalize は、カスタム機械学習モデルをトレーニング、調整、デプロイして、小売業などのさまざまな業界のお客様に高度にカスタマイズされたレコメンデーションを提供するフルマネージドサービスです。例えば、顧客がカベルネフランに興味がある場合、Wine Access は Amazon Personalize を利用して、その顧客がウェブサイトを利用する際に、カベルネフランの発祥地であるフランスのシノンで生産されたワインを特集できます。

Wine Access は、モダナイズされたインフラストラクチャ上で、古いテクノロジーが妨げとなっていた E メールを中心的に活用するビジネスから、アジャイルな e コマース企業へと変革しました。「ビジネスの目標や問題があるときはいつでも、JBS Solutions は、当社がそれを解決するのをサポートしてくれます」と Halpin 氏は述べています。「JBS Solutions と協力することで、当社が最も得意とすること、つまりワインに注力できるのです」。

Wine Access

お客様について

Wine Access は、少量生産のワインを専門とする消費者直販の小売業者です。毎年、同社が擁するワインの目利きが世界中の 20,000 を超える種類のワインをテイスティングし、厳選したワインを個別に、またはクラブプログラムを通じて販売しています。

パートナーについて

JBS Solutions は、ビジネスやテクノロジーの課題を解決するカスタムソフトウェアとアプリケーションベースのソリューションを提供しています。JBS Solutions は、AWS リテールコンピテンシーパートナー、Authorized Commercial Reseller、AWS 公共部門パートナー、および APN Immersion Days のメンバーです。

2021 年 12 月公開