Knowt が AWS でオンライン教育アプリケーションを構築し、生徒と教師をサポート

2021 年

急成長中の教育テクノロジースタートアップである Knowt は、生徒と教師の学習や評価の方法を変えるアプリケーションを開発しました。このアプリケーションはパワフルなアルゴリズムと人工知能を活用して、迅速かつ自動的に生徒と教師のノートをクイズとフラッシュカード (文字、数字、絵などを瞬間的に見せて読み取らせるための学習用カード) に変換します。アプリケーションのオリジナルバージョンは、2016 年、Knowt の CEO である Abheek Pandoh 氏が高校を卒業した直後に作られました。同氏と Knowt の共同創設者である Daniel Like 氏は学校で、生徒が書いたノートから教材を生成して生徒の学習方法を改善する機会を見出しました。Knowt は Android 用アプリケーションの構築を開始し、すぐに iOS 用およびウェブ版の開発にも着手しました。

そして 2018 年までに、同社は改善が必要な領域を発見しました。多くのユーザーは自身でノートやフラッシュカードを作成するだけでなく、他人が既に作成した教材も利用したがっていることに気付いたのです。より良いサービスを提供するため、Knowt はノートのクラウドソース化と教材の共有に舵を切りました。「当社は、ノート、クイズ、フラッシュカードのワンストップショップでありたいと思っています」と Pandoh 氏は言います。「そして共有コンテンツを重視する必要がありました」。 Knowt はこの時点で、アマゾン ウェブ サービス (AWS) に全面移行することを決定し、サポートと専門知識を提供する教育テクノロジースタートアップのアクセラレーターである AWS EdStart に参加しました。「AWS EdStart チームは、当社が目指していた製品の最適な構築方法を理解していました」と Knowt のチーフオペレーティングオフィサーである Abhi Patel 氏は言います。「当社は課題を迅速に解決し、リリース予定に間に合わせることができました」。

Shot of two young women using a laptop together in a college library
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「AWS Amplify および GraphQL API on AWS AppSync を導入することで、開発プロセス全体を効率化できました。これらの AWS のサービスにより、クラウドでの構築が大幅に簡素化されました」。

Abhi Patel 氏
Knowt、チーフオペレーティングオフィサー

サーバーレスアーキテクチャの俊敏性の向上と規模の拡大

2018 年後半、Knowt は新しいクラウドアーキテクチャの構築を開始しました。使用したのは AWS AmplifyAWS AppSync です。AWS Amplify は、迅速かつシンプルな方法でスケーラブルなモバイル/ウェブアプリケーションを構築できるサービスです。AWS AppSync は GraphQL API の開発を容易にするフルマネージドサービスであり、データソースや他の AWS のサービスを安全に接続するための面倒な作業を処理します。GraphQL API を使用することで、Knowt のアプリケーションはリクエストを実行し、複数ソースからのデータを 1 つのネットワークリクエストに結合して、バックエンドからユーザーへのデータフローを簡素化および最適化することができます。Knowt は AWS Lambda も活用しています。AWS Lambda は、サーバーをプロビジョンまたは管理することなくコードを実行してデータベースをクエリできる、サーバーレスコンピューティングサービスです。AWS AppSync が情報の各リクエストを受け取り、適切な Lambda 関数を呼び出してフロントエンドに迅速にデータを返します。さらに、AWS AppSync は自動的にスケールするため、Knowt はサーバー管理に時間を費やすことなく、アプリケーションの機能改善に注力できます。

それと同時に、AWS Amplify は Knowt アプリケーションのアカウント作成、ユーザー認証、アカウント管理も処理します。AWS Amplify により、Knowt はアプリケーションのサインアップやサインインなどの共通ワークフローの開発を加速し、より良いユーザーエクスペリエンスを提供できるようになりました。GraphQL API のシンプルさと AWS のパフォーマンスを活用することで、Knowt は迅速な開発とデプロイを実現できました。「AWS Amplify および GraphQL API on AWS AppSync を導入することで、開発プロセス全体を効率化できました」と Patel 氏は言います。「これらの AWS のサービスにより、クラウドでの構築が大幅に簡素化されました」。 わずか半年で、Knowt はこのアプリケーションの新バージョンをリリースしました。

AWS での機械学習による、クイズ/フラッシュカード生成の高速化

Knowt はクイズ/フラッシュカード生成ツールを高速化および改善して、ユーザーが作成、共有するフラッシュカードやクイズに、他のユーザーが簡単にアクセスできるようにすることを目指していました。Knowt はアルゴリズムの開発に Amazon SageMaker を活用しています。Amazon SageMaker は、データサイエンティストとデベロッパーが高品質の機械学習モデルを迅速に準備、構築、トレーニング、デプロイすることを支援します。Amazon SageMaker を使用することで、Knowt はユーザーのノートをほぼリアルタイムでクイズやフラッシュカードに変換できます。「ノートには必要な情報をすべて書き込めます」と Pandoh 氏は言います。「書き込まれた情報は Knowt が整理し、ユーザーが学習を開始できるように表示します」。 Amazon SageMaker のクラウドベースのトレーニングツールとオートメーション機能を活用することで、Knowt はアプリケーションのパフォーマンスを大幅に改善できました。アプリケーションのデプロイは Amazon SageMaker によって円滑化され、時間の節約とメンテナンスに関わるチームリソースの削減も実現しました。

クラウドでの継続的な成長とイノベーション

Knowt は既存の AWS 環境で、クラウドテクノロジースタックの迅速な構築を継続できました。「当社チームは当初、小規模なものでした」と Patel 氏は言います。「その理由は、早い段階から AWS に展開された基礎的なフレームワークを有していたことです。このフレームワークは容易に構築を継続できました」。 2021 年の前半に、Knowt はユーザーベースを 35% 増やし、20,000 アカウントから 27,000 アカウントとしました。「当社は既存の自習ツールを、共有ノートを活用した学習ツールに変えました」と Pandoh 氏は言います。生徒や教師の生成したコンテンツの共有やそれらへのアクセスをしやすくするため、Knowt は既存のマネージド GraphQL API を活用した検索機能を構築しました。1 回の API コールで AWS AppSync が複数ソースから迅速かつ安全にデータを返すことで、スピーディーなユーザーエクスペリエンスが実現します。

Knowt はクラウドインフラストラクチャを拡張し、さらに大きな変更を行いました。教育者向けの完全オンライン学習管理システムをリリースしたのです。「教師は Knowt を利用して、自分のノートから即座に生徒向けの課題を作成できます」と Pandoh 氏は言います。生徒が Knowt で課題を完了すると、生徒の評価が直ちに教師のダッシュボードに表示されます。「当社はオンライン授業をより良いものにすることに注力しています」と Pandoh 氏は言います。「簡単にオンライン課題を作成できるように教師をサポートすることが目標です」。 月間アクティブユーザーは 4,000 人以上にのぼり、その数は急速に増加中です。Knowt はより多くのコンテンツをデータベースに追加することに注力しています。同社は KnowtTakers プログラムを立ち上げました。これは、新しいノートの作成に貢献した生徒が、ボランティア時間やお金を取得できるプログラムです。コミュニティには 200 人以上の参加者がいて、60 種以上の教科書に合わせたノートが作成されています。

2021 年の春に、Knowt はアプリケーションを更新しました。「最新バージョンのリリース後、AWS チームは当社が実装したいと思うような多数の革新的アイデアを提供してくれました」と Patel 氏は言います。競争力のある新機能を構築することに加えて、Knowt はコンテンツライブラリをさらに拡張することを計画しています。既に、教科書に基づいたコンテンツの追加を開始し、授業で使用する教材からノートを見つけやすいように生徒を支援しています。「アプリケーションを数回、進化させて、多数のコア機能を変更しました」と Pandoh 氏は言います。「現在では、AWS で最適なソリューションを確立できています」。

Knowt について

Knowt は教育テクノロジーのスタートアップであり、人工知能を活用して、生徒のノートから数秒でクイズやフラッシュカードを自動的に生成することを実現しています。同社のアプリケーションでは、教師が生徒向けの課題を自動生成することも可能です。

AWS の利点

  • 人工知能を活用したアルゴリズムの高速化
  • スケーラブルな GraphQL API を活用した迅速なデータアクセス
  • モバイル/ウェブアプリケーションのパフォーマンス改善
  • ノート、クイズ、フラッシュカードの共有のサポート
  • ユーザーベースを 35% 拡大 (20,000 アカウントから 27,000 アカウントへ)
  • 完全に検索可能なユーザーコンテンツの実現
  • オンライン学習管理システムのデプロイ


使用されている AWS のサービス

AWS EdStart

AWS EdStart は、教育テクノロジー (EdTech) に関する AWS のスタートアップアクセラレーターであり、起業家が AWS クラウド上で次世代のオンライン学習、分析、キャンパス管理ソリューションを構築できるように考案されています。

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AWS Amplify

AWS Amplify は、それぞれを連携させたり個別で使用したりできる、ツールとサービスのセットです。これらの機能により、フロントエンドウェブおよびモバイルのデベロッパーが、AWS によるスケーラブルなフルスタックアプリケーションを構築できるようにします。

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AWS AppSync

AWS AppSync は、GraphQL API の開発を容易にするフルマネージドサービスです。このサービスは、AWS DynamoDB や Lambda といったデータソースとの安全な接続に必要となる面倒な作業を、自動的に処理します。

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Amazon SageMaker

Amazon SageMaker は、機械学習専用に構築された幅広い一連の機能をまとめて提供することにより、データサイエンティストとデベロッパーが高品質の機械学習 (ML) モデルを迅速に準備、構築、トレーニング、およびデプロイするのを支援します。

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開始方法

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