Openpay

Openpay、AWS でのデータプラットフォームで国際的に拡大とイノベーションを促進

2022 年

「今買って、後で支払う」(BNPL) は、オンライン購買者にとって好ましい支払いオプションになりつつあります。BNPL プランは、POS ローンとも呼ばれ、購買者が商品代金を一定期間毎に分割して支払うことができます。2028 年までに、BNPL の世界市場は 204 億 USD に達すると予想されています。BNPL プランは、クレジットカードや従来のクレジットカードよりもコスト効率が高く、消費者にとって入手も簡単であるようです。

Openpay Group Ltd. は、世界の BNPL 決済ソリューション市場で急成長している企業です。同社の強固なプラットフォームにより、ローン期間は 2〜24 か月、融資額は最大 20,000 USD という柔軟なプランを市場に提供できます。

このフィンテック企業は、自動車、ヘルスケア、住宅改修、教育などの業界で、さまざまな支払いソリューションを提供することに重点を置いています。同社は、消費者に透明性と管理を提供する「今買って、よりスマートに支払う」(BNPS) と呼ばれる次世代の BNPL ソリューションを開発しました。Openpay は、オーストラリア、ニュージーランド、英国、米国の決済処理業者、加盟店、消費者にサービスを提供しており、Opy というブランド名で運営されています。 

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Amazon Redshift を使用してクエリを実行するのにかかる時間はわずか 20 秒で、しかもそれは最適化がされていない状態です」。

Baher Maher 氏
Openpay、データエンジニアリングチームリーダー

迅速なレポート作成のための単一の分析プラットフォーム

Openpay は、加盟店との安全なアプリケーション統合、ローン申請の円滑化と処理から、ローン申請が通った場合の申請者への通知に至るまで、すべてのテクノロジースタックを Amazon Web Services (AWS) で運用しています。「基本的に、バックエンドで行うことはすべて AWS を利用しています」と、Openpay のデータエンジニアリングチームのリーダーである Baher Maher 氏は述べます。

Openpay は既に強力なクラウド基盤が整っているため、2020 年 8 月にデータ分析への注力を強化しました。当時、チームは最大 13 の個別のシステムから情報を抽出し、グローバルチーム間でレポートを共有していました。同じ時期に、事業は大幅に成長し、米国への進出を計画していました。しかし、データ抽出プロセスは非効率的であったため、成長するにつれてスケーラブルではなくなっていきました。

Openpay は、グローバルなレポート作成を迅速に行えるように、業務全体をまとめて把握できる単一の分析プラットフォームを構築することを目指していました。そこで、AWS アカウントチームにサポートを求め、数回のワークショップを経て、グローバルデータプラットフォームの設計を作成しました。

グローバルデータプラットフォームを 4 か月で立ち上げ

Openpay は AWS アカウントチームのサポートを受けて、2020 年 10 月にグローバルデータプラットフォームのグリーンフィールドでの実装を開始しました。そして、わずか 4 か月で、そのプラットフォームはオーストラリア、ニュージーランド、英国で稼働することになりました。

同社では、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) にプラットフォーム用のデータレイクを作成して、未処理のデータ容量を確保しました。次に、各地域のデータ保護法を確実に遵守するために、データレイクを複数の AWS リージョンにデプロイしました。これに続いて、Openpay は Amazon Redshift を使用してデータレイク情報を分析用の構造化された形式で保存するデータウェアハウスを構築しました。

Openpay は、すぐに使えるツールである AWS Database Migration Service (AWS DMS) を活用して CRM システムを移行しました。Maher 氏は次のように説明しています。「AWS アカウントチームとの話し合いを通じて、品質やパフォーマンスを犠牲にすることなく、グローバルデータプラットフォームを効率的に構築する方法を簡単に理解できました」。

クエリを 20 秒で実行

グローバルデータプラットフォームが稼働した今、Openpay のデータアナリストは 30 秒未満でデータウェアハウスでクエリを実行できるようになりました。Maher 氏は次のように語っています。「Amazon Redshift を使用してクエリを実行するのにかかる時間は、最適化が行われていない状態でわずか 20 秒です。以前は同じクエリで 30 分かかっていたのに」。

さらに、データアナリストは夜遅くまで複数のシステムからデータを抽出する必要がなくなりました。「Amazon Redshift に移行することで、レポートはより妥当な時間枠で作成されるようになりました。アナリストはレポート作成のために残業する必要がなくなり、勤務中の生産性と効率性が向上しています」と、Maher 氏は述べます。

30 分でパフォーマンスに関するインサイトを取得

Openpay は、クエリの高速化に加えて、グローバルおよび各地域ごとのカスタマーの動向をより理解できるようになりました。データアナリストは、特定の国や人口統計に基づいたレポートを数時間ではなく 30 分で作成し、データが正確で最新であることを確認できます。

「当社のクライアントエクスペリエンスチームは、カスタマーが当社の製品をどのように使用していて、どこに問題点があるかを把握できます。これで、改善すべき分野と、全体的なカスタマーエクスペリエンスを向上させる方法を特定できるようになりました」と、Maher 氏は述べます。

アドホックレポート機能で米国での発売を推進

必要に応じてレポートを作成することも、同社の拡大を促進するのに役立ちました。2021 年 10 月に米国で BNPS サービスを開始するために、Openpay は州ごとに異なる規制要件の複雑さを克服する必要がありました。

AWS のグローバルデータプラットフォームにより、同社は必要なレポートを金融規制当局にタイムリーに提供することができ、同社が事業に必要なライセンスを確保するのに役立ちました。「すべてのデータを 1 か所にまとめることができて非常に助かりました。これにより、財務チームは迅速に処理をやり直し、要求が来るたびに規制当局に情報を再提出することができました」と、Maher 氏は述べます。

機械学習で開発力を向上

Openpay は将来、Amazon SageMaker と Amazon S3 上のデータレイクを使って会社のデータをより深く理解し、機械学習 (ML) モデルを構築、トレーニング、デプロイすることを計画しています。モデルからのインサイトを活用することで、同社はマーケティングと製品開発の改善を目指しています。現在、機械学習を使用してキャンペーンを自動化し、それぞれのカスタマーグループがウェブを閲覧しているときにターゲットを絞ったオンライン広告を表示する方法を模索しています。

Maher 氏は次のように締めくくっています。「国際業務の規制要件を満たすと同時に、重要なビジネス上の意思決定を促進し、イノベーションを可能にするために必要な柔軟性を備えた、最新のグローバルデータプラットフォームを構築することは、絶妙なバランスが必要です。Openpay は AWS を使用することで、柔軟でスケーラブルなプラットフォームで、データアナリストやサイエンティストから成るグローバルチームがコアデータおよび分析機能を確立できるようになりました」。

詳細

 詳細については、aws.amazon.com/financial-services をご覧ください。


Openpay について

Openpay Group Ltd. は、世界の「今買って、後で支払う」(BNPL) 決済ソリューション市場で急成長している企業です。Openpay は、加盟店と消費者に柔軟性をもたらし、オンラインと店舗で本当の変化を生むことのできる業界に焦点を当てています。現在、オーストラリア、ニュージーランド、英国、および米国で事業を展開しています。

AWS の利点

  • グローバルデータプラットフォームを 4 か月で立ち上げ
  • クエリを 20 秒で実行
  • 30 分でグローバルなパフォーマンスインサイトを入手
  • アドホックレポートで米国での発売を促進
  • より深いインサイトで開発を後押し

使用されている AWS のサービス

Amazon Redshift

Amazon Redshift は、SQL を使用して、データウェアハウス、運用データベース、データレイクにわたる構造化および半構造化データを分析し、AWS が設計したハードウェアと機械学習を使用して、あらゆる規模で最高の料金パフォーマンスを実現します。

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Amazon Simple Storage Service

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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AWS Database Migration Service

AWS Database Migration Service (AWS DMS) は、データベースを AWS に迅速かつ安全に移行するのに役立ちます。

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Amazon SageMaker

フルマネージドインフラストラクチャ、ツール、ワークフローを使用して、あらゆるユースケース向けの機械学習 (ML) モデルを構築、トレーニング、デプロイします。

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