PayByPhone が AWS の Windows コンテナを使用してモダナイズ

PayByPhone は 2001 年に設立され、2023 年までに欧州と北米で 8,000 万人以上の利用者を抱えるまでになりました。ピーク時に 1 秒間に 20 件の取引を処理する同社は、世界で最も使用されている駐車場決済アプリケーションです。PayByPhone は毎年何百万件もの取引を処理するため、Payment Card Industry Data Security Standard (PCI DSS) の厳しいコンプライアンス要件を満たさなければなりません。

PayByPhone はシステムをモダナイズしたいと考えていましたが、大部分が .NET Framework で記述されたアプリケーションコードに大幅な変更を加えるのに時間をかけたくありませんでした。同社は Windows コンテナを AWS 上で実行し、パフォーマンスを向上させるために拡張することで適切なバランスをとりました。移行前に、PayByPhone は AWS Optimization and Licensing Assessment (AWS OLA) を採用しました。これは、新規のお客様と既存のお客様の両方が、オンプレミス環境とクラウド環境を評価および最適化し、必要なインスタンスを削減し、リソース効率を高めることができるプログラムです。「Windows コンテナを Amazon ECS に移行したことで、コードへ必要最小限の修正を行うだけでモダナイズする良い選択肢が得られました」と PayByPhone の Principal Architect である Richard Beier 氏は語っています。「システムが AWS 上にあるので、プロセスの重要な部分はかなり速くなりました」。

Amazon ECS への移行の一環として、PayByPhone は、追加の大幅なメンテナンスコストを必要とせずにパフォーマンスニーズを満たすコンピューティングサービスを必要としていました。AWS チームとの話し合いの結果、同社はコンテナ用のサーバーレスで従量制料金のコンピューティングエンジンである AWS Fargate を使用することにしました。PayByPhone は AWS Fargate と Amazon ECS を組み合わせて使用することで、コンプライアンスのニーズをサポートし、デベロッパーのエクスペリエンスを向上させています。PayByPhone のクラウドアーキテクトである JD Stuart 氏は、「AWS を利用することで、開発チームはオンプレミスよりもはるかに速いペースで新しいテクノロジーやパターンを採用しています」と述べています。

PayByPhone は、プロジェクト全体を通じて AWS チームと緊密に連携しました。システムを Amazon ECS に移行することを決定した後、同社はコストを削減し移行を自動化するツールを提供する AWS Migration Acceleration Program (AWS MAP) に参加しました。PayByPhone のデベロッパーは、AWS Immersion Day (Windows Containers on AWS) や、AWS ソリューションアーキテクトとの特別なワークショップでもスキルを磨きました。PayByPhone はこれらのトレーニングセッションを活用して、AWS Fargate で Windows コンテナを実行するという、コンピューティングニーズに応える革新的なソリューションを開発することができました。実際、本番環境に約 670 のコンテナがある PayByPhone は、Windows コンテナワークロードを AWS で運用している最大の企業の 1 つです。

重要な移行カットオーバーには、48 人の PayByPhone チームメンバーで構成されるチームが関与しました。同社の統合プラットフォームは世界規模で展開されているため、メンテナンスの機会はほとんどありませんでした。PayByPhone は、混乱を最小限に抑えるため、トラフィック量が最も少なく、主要な顧客イベントが発生しない土曜日の夜を戦略的に選択しました。その後、いくつかの小さな問題は発生しましたが、同社は中核となるビジネスサービスを移行し、最終的に移行を成功させました。

移行後、多くの顧客がカスタマーエクスペリエンス全体で応答性が向上したことを確認しました。例えば、同社は駐車場見積もりの応答時間を 50% 短縮しました。「今では、顧客は駐車場の見積もりを以前の半分の時間で受け取ることができます」と PayByPhone の Senior Technical Project Manager である Guy McAll 氏は述べています。「それは私たちにとって大きな勝利であり、お客様にとってはるかに良い体験をもたらしました」。

PayByPhone は、舞台裏でもはるかに優れたパフォーマンスを見せています。複数の AWS リージョンにデプロイできるため、同社はより強固なディザスタリカバリ体制を構築できます。同様に、PayByPhone には、AWS 上の複数のアクティブ/アクティブデータセンターを使用する自動フェイルオーバー機能があります。また、費用対効果が高くフルマネージド型のポリシーベースのサービスである AWS Backup を使用して大規模なデータ保護を簡素化することで、バックアップポリシーへの準拠を検証しています。これで、同社はスナップショットからデータベースを迅速に復元できるようになりました。さらに、PayByPhone はデータセンターから移行することでセキュリティリスクを軽減しました。その結果、以前のソリューションよりもはるかに耐障害性の高いグローバルシステムが生まれました。

デベロッパーはモダナイゼーションの取り組みによって活気づけられました。インフラストラクチャに縛られることなく、解放されて新しいソリューションを試すことが可能になりました。この自由は、社内の文化的な変化を促しました。「誰かがデータセンターに実装するのを待たなくても、チームがさまざまなテクノロジーやテクニックを探求できるので、人々は新しい考え方を持つようになりました」と Stuart 氏は言います。