Amazon Chime SDK と Salesforce を使用することで、患者がどこからでもパーソナライズされた医療にアクセスできるよう支援

Salesforce と AWS には、顧客関係の管理に Salesforce を使用し、コンピューティング、ストレージ、データベース、その他のマネージドサービスソリューションに AWS を使用する共通のお客様が多数います。2021 年 6 月、Salesforce と AWS は、AWS と Salesforce Customer 360 を組み合わせた一連の新しいインテリジェントアプリケーションを立ち上げる計画を発表しました。共通のお客様は、AWS の音声、動画、人工知能サービスを、スケーラブルな方法で Salesforce ビジネスアプリケーション内にネイティブでシームレスにデプロイできます。

2022 年 10 月、Salesforce は最初のアプリケーションである Virtual Care を発表しました。Virtual Care は AWS を使用して構築され、Salesforce Health Cloud 内で機能します。Salesforce Health Cloud は、臨床および非臨床の患者データの一元管理プラットフォームとして機能します。Salesforce は、医師が医療成果を大幅に向上できるように、遠隔でこのより効率的なケアを大規模に提供したいと考えていました。Virtual Care の目的は、患者が交通、場所、移動、または予約利用などの制限に左右されることのないよう支援することで、ヘルスケア体験から生じる摩擦を取り除くことでした。「当社の Virtual Care ソリューションは、患者全体のすべての価値を実現したり、患者およびメンバーに公平なケアサービスを提供したりするという当社のビジョンの重要な一部です」と Salesforce の製品担当 Senior Director である Divya Daftari 氏は言います。

AWS を利用することで、Salesforce はビデオ通話ソリューションをゼロから構築して維持する手間を省くことができました。患者は、HIPAA コンプライアンスの環境において、自分自身でオンライン予約を入れ、診察前の予定事項を調整し、バーチャル診察を受けることができます。患者の予約リクエストは Amazon Chime SDK にルーティングされます。その後、臨床医は患者の受付フォームを確認し、Amazon Chime SDK メッセージングを利用して患者を Virtual Care セッションに関連付けます。Amazon Chime SDK メッセージングはウェブおよびモバイルアプリケーションでの安全かつスケーラブルなメッセージングで医療提供者と患者を繋げます。Amazon Chime SDK コントロールプレーンは、デフォルトのイベントバスを介して Amazon EventBridge にイベント通知を送信します。Amazon EventBridge は、組織がイベントを受信、フィルタリング、変換、ルーティング、配信するのに役立つサーバーレスイベントバスです。ヘルスケア専門家がほぼリアルタイムでインターネット経由で診察を提供するため、予約の無断キャンセルは大幅に減少しました。「Amazon Chime SDK を利用することで、ビデオ通話の仕組みについて心配する必要がなくなりました」と Daftari 氏は言います。「当社は、市場で私たちの製品を差別化するのに役立つ特徴や機能に焦点を当てると同時に、市場投入までの時間を大幅に短縮できます」。

Salesforce では、Amazon Chime SDK のライブトランスクリプションを使用してビデオ通話の字幕を埋め込むことで、アクセシビリティをさらにサポートしています。Amazon Chime SDK は、音声をテキストに自動的に変換する Amazon Transcribe にライブオーディオストリームを送信します。Salesforce Health Cloud のお客様は、ライブトランスクリプション機能を使用して字幕を表示したり、会議の議事録を作成したり、コンテンツを分析したりすることができます。Virtual Care はさらに一歩進んで、音声アプリケーションに医療音声テキスト変換機能を簡単に追加できる自動音声認識サービスである Amazon Transcribe Medical を組み込んでいます。

このソリューションには、イベント配信が失敗した場合の保護機能も組み込まれています。Salesforce のお客様は Amazon EventBridge を使用して、マイクロサービス、分散システム、およびサーバーレスアプリケーション向けのフルマネージドサービスメッセージキューを提供する Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) などのさまざまなターゲットにイベントをルーティングできます。Amazon SQS キューの深さを監視し、設定されたしきい値を超えたときにアラートを送信するために、Salesforce Health Cloud は Amazon CloudWatch を使用しています。これにより、ログ、メトリックス、イベントデータがほぼリアルタイムで収集され、自動化されたダッシュボードに視覚化されます。Amazon CloudWatch アラームは、アプリケーション間およびアプリケーションから個人へのメッセージング用フルマネージドサービスである Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) を使用して、ステークホルダーへの E メール通知を開始します。「ビデオ診察が安全で、応答性も信頼性も高いことが重要です」と Daftari 氏は言います。「AWS を利用することで、これらすべてを高性能かつスケーラブルな方法で提供できます」。