Sportradar、クラウドへ移行し、AWS でデータレイテンシーを 76% 低減

スポーツテクノロジーの世界的大手企業である Sportradar は、スポーツファンやベッター向けの没入型体験を創造しています。同社は、コンピューティングインフラストラクチャをクラウドへ移行することで、その競争力を維持したいと考えていました。前年比で成長を遂げていたものの、オンプレミスのデータセンターが従業員の時間とリソースを浪費していました。過去に米国部門でアマゾン ウェブ サービス (AWS) ソリューションを使用したことがあった Sportradar は、AWS に移行し、19 か国に点在する他の部門でクラウドコンピューティングの可能性を探ることにしました。 

その結果として AWS から勧められたのが、AWS Migration Acceleration Program (AWS MAP) でした。AWS MAP は、何千社ものエンタープライズのお客様によるクラウド移行に基づいた、実証済みの包括的クラウド移行プログラムです。AWS MAP に加入したことをきっかけに、Sportradar は 複数の AWS ソリューションを組み合わせて導入し、技術スタックを最新化しました。Sportradar はクラウドへ移行し、AWS ソリューションの最適な組み合わせを発見できたことで、俊敏性と従業員の生産性の向上に加え、より多くのコスト削減に成功しました。さらに、スピードが重視されるデータをリージョン間で転送する際のレイテンシーを抑え、製品の市場投入までの時間を短縮することもできました。

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AWS MAP は、サービス品質の追求に必要なサポートを提供してくれました。お客様が倍増し、容量を心配する必要もなくなりました」。

Ben Burdsall氏
Sportradar、最高技術責任者

オンプレミスからクラウドへの移行

2001 年に Software as a Service 企業として創業した Sportradar は、データ駆動型のベッティングと、スポーツエンターテイメント製品およびサービスを提供する、スポーツテクノロジー企業のグローバルリーダーへと成長を遂げました。同社では現在、世界 19 か国の 2,300 人以上がフルタイム従業員として働いています。同社のミッションは、試合の勝敗予想から八百長の発見、24 時間体制でのスポーツデータサポートまで、幅広いサービスを消費者に提供し、スポーツエンターテイメントの魅力を高めることにあります。主な顧客は、スポーツの競技連盟やリーグ、メディア企業です。 

Sportradar は AWS MAP に加入するまで、大半の部門で従来型のオンプレミスデータセンターを使用していました。システム管理チームのメンバーは、作業時間の最大 90% をサーバーの修正やセットアップに費やし、ネットワークの設計やアプリケーション開発のサポートといった重要度の高いタスクには 10% しか充てることができていませんでした。最高技術責任者である Ben Burdsall 氏は次のように述べます。「Sportradar の収益は、毎年 20~40% と 2 桁で成長してきました。しかし、このままオンプレミスを使用し続けると、そのペースを維持できなくなるときが来ます」。 スポーツエンターテイメント業界における競争力を維持するために、Sportradar は物理的なインフラストラクチャを必要に応じて構築する方法から脱却し、システム管理チームがアプリケーション開発に専念できるようにしたいと考えました。 

この目標を達成するために同社が注目したのが AWS でした。過去に AWS のサービスを使用したことがあったためです。AWS MAP に加入する以前、Sportradar の米国部門では AWS のクラウドコンピューティングを使用していました。「AWS を頼りにしています。問題が発生したときは、まず AWS に連絡します」と Burdsall 氏は言います。 AWS のチームは 2019 年、Sportradar の残りのコンピューティングインフラストラクチャをクラウドへ移行するために AWS MAP の利用を提案しました。同社はこのプログラムを通じて、移行プロセスを促進し、コストの最適化に集中するためのサポートを受けることができました。また、複数の AWS ソリューションにまたがるアプリケーション移行の進行状況を一元的に追跡できる、AWS Migration Hub の使用も開始しました。「AWS では、トランザクションあたりのコストとその引き下げに重点を置くために必要な、あらゆるツールを利用できます。オンプレミスでは不可能なことです」と Burdsall 氏は言います。

AWS を使用したデジタルトランスフォーメーションの実施

Sportradar はクラウドに移行したことで、システム管理チームが重要度の低いタスクに費やしていた時間を短縮できました。「AWS に移行したことで、管理者やネットワークエンジニアを雑用から解放できました。今やその作業時間の 80% は設計に充てられ、重要度の低いタスクに要する時間は 20% にまで減りました」と Burdsall 氏は言います。 この変化は従業員の生産性向上にもつながり、新しい製品とサービスを開発して市場投入までの時間も短縮されました。さらにこの移行によって、コンピューティングの需要にかかわらず高価値体験の提供に専念できるようになりました。「AWS MAP は、サービス品質の追求に必要なサポートを提供してくれました。お客様が倍増し、容量を心配する必要もなくなりました」と Burdsall 氏は言います。 

Sportradar は移行の完了後、サービスのイノベーションと最新化を目指してさらなる選択肢を模索し始めます。「コンピューティングインフラストラクチャに AWS を採用した私たちはすぐに、より価値の高いマネージドサービスを使い始めました」と Burdsall 氏は言います。Sportradar が使用を開始したのは、AWS Global Accelerator です。AWS のグローバルネットワークインフラストラクチャを利用して、ユーザーのトラフィックに対するパフォーマンスを最大 60% 高めるネットワークサービスです。同社はこれにより、リージョン間のデータ転送で生じるレイテンシーを低減し、海外の顧客に、より良い体験をもたらすことができました。Burdsall 氏は次のように述べています。「AWS Global Accelerator をローカルの処理と組み合わせることで、収集されたデータのデータレイテンシーをアジアと米国で平均 76 %、シンガポールでは 87% 削減できました。このソリューションによってネットワーク上の POP (Point Of Presence) が増えたため、私たちはアジア、米国、欧州のユーザーとの接続を、良好な状態に保てています」。 

Sportradar はワークロードの AWS Lambda への移行も開始しました。AWS Lambda は、ユーザーがサーバーをプロビジョンしたり管理したりする必要なくコードを実行できる、サーバーレスコンピューティングサービスです。AWS Lambda を使用したことでコンピューティングコストの削減が可能になりましたが、Sportradar は時間を節約できることが最大の運用メリットだと考えています。「AWS Lambda による高速化で、お客様の待機時間を 75~80% 短縮できました」と Burdsall 氏は言います。また、コードを書くという点で、Sportradar のエンジニアリングチームはさらなる柔軟性を手に入れました。「単に関数を利用できるだけでなく、可用性、回復力、容量、水平スケーリングといった、関数以外の利点も得られました」と Burdsall 氏は言います。AWS ソリューションを活用したことで、Sportradar のトランザクションは飛躍的に増え、同時にサービスの総合的な質も向上しました。さらに、システムにおけるトランザクションあたりのコストが 51% ほども削減されました。

新たな提携と買収の推進

AWS への移行を加速させた Sportradar では、リーチをこれまで以上に拡大する態勢が整いました。Sportradar は 2021 年 6 月、北米のナショナルホッケーリーグとの 10 年間の公式提携を発表しました。この提携により同社は、ホッケーのエンターテイメント体験を強化し、最新化した技術スタックを活用して試合に関するインサイトをより奥深いものにする計画を立てています。 

さらに、新たな買収を通じてこの勢いを保ち、AWS をフルに活用して引き続き成長していく予定です。「当社は非常に探求心旺盛な会社なのです」と Burdsall 氏は言います。「年に 3~4 社を次々に買収しています。新たなシステムを構築するための最初の選択肢が AWS でした」。 


Sportradar について

Sportradar は、データ駆動型のスポーツエンターテイメント製品とサービスを提供しているグローバル企業です。同社のミッションは、試合の勝敗予想から八百長の発見まで、幅広いサービスを消費者に提供し、スポーツエンターテイメントの魅力を高めることにあります。

利点:

  • 従業員が重要性の低い作業に費す時間を 90% から 20% に短縮
  • 従業員がアプリケーション設計に費せる時間を 10% から 80% に増加
  • 従業員の生産性を向上
  • トランザクションあたりのコストを 51% ほども削減
  • サービスの質を改善
  • 顧客の待機時間を 75~80% 短縮
  • データレイテンシーを 76% 低減
  • コンピューティングコストを節約

使用されている AWS のサービス

AWS Migration Acceleration Program

AWS Migration Acceleration Program (MAP) は、実績のある包括的クラウド移行プログラムであり、何千ものエンタープライズのお客様をクラウドに移行した AWS の経験に基づいています。 

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AWS Migration Hub

AWS Migration Hub は、クラウド移行と最新化の一元的支援サービスであり、AWS を活用した移行を加速および簡素化するためのツールを提供します。 

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AWS Global Accelerator

AWS Global Accelerator は、アマゾン ウェブ サービスのグローバルネットワークインフラストラクチャを利用して、ユーザーのトラフィックに対するパフォーマンスを最大 60% 高めるネットワークサービスです。 

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AWS Lambda

AWS Lambda は、サーバーレスのイベント駆動型コンピューティングサービスです。サーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、あらゆる種類のアプリケーションやバックエンドサービスのコードを実行できます。

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開始方法

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