Supr Daily が青緑色、それに続く Swiggy がオレンジ色で書かれた Supr Daily のロゴ画像

AWS で機械学習を使用してパートナーエクスペリエンスとカスタマーエクスペリエンスを向上させる Supr Daily

2022 年

バンガロールを拠点とする Supr Daily は、お客様が手間をかけずに自宅から新鮮な食料品を注文できるようにする、食料品の注文および配達サービスです。200,000 人を超えるお客様が Supr Daily を使用して、毎日午前 7 時までの配達のために牛乳、卵、新鮮なフルーツと野菜、およびその他食料品を注文しています。しかし、6 つの都市にまたがる何千もの配送パートナーのネットワークをサポートし、何千もの製品の在庫を管理するために、Supr Daily は注文の配達検証と在庫計画システムをスケールする必要がありました。それと同時に、新型コロナウイルス感染症パンデミックに伴う規制によって店頭での買い物が制限されたことから Supr Daily の成長が高速化され、新規ユーザーが 70 パーセント急増する一因となりました。

woman accepting groceries box from delivery man at home
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インフラストラクチャのプロビジョニングから画像認識と在庫計画システムの構築まで、AWS は私たちが必要とする事柄すべてに対処してくれます。当社のユースケースをサポートするためのスケールアップも簡単です。”

Siddardha Garimella 氏
Supr Daily、シニアエンジニアリングマネージャー

この成長をサポートし、その在庫および配送システムをスケーラブルにするため、Supr Daily は Amazon Web Services (AWS) で新しいソリューションを構築しました。機械学習 (ML) によって画像分析を自動化する Amazon Rekognition などの一連の AWS サービスを使用することで、Supr Daily は継続的な成長をサポートするために、その配達検証プロセスを迅速化し、在庫管理を簡素化して、全体的なアーキテクチャをよりスケーラブルにしました。

ML を使用した正確な画像認識の大規模な実現

Supr Daily は、2015 年に創立された食料品配達のスタートアップ企業です。オンライン食品注文配達企業 Swiggy の子会社である Supr Daily は牛乳配達企業として創業されましたが、6 都市のお客様に数千ものアイテムを朝配達するまでに拡大しました。配送パートナーは、Supr Daily 注文ごとに、配達が正しく行われたことの証明として写真をアップロードします。これらの画像は、カスタマーサポートニーズのため、およびお客様の信頼を築くために、高品質である必要があります。しかし、配送パートナーは時折、ピンボケの写真や悪い角度から撮った写真を送信することがありました。これは、返金処理を遅らせ、不必要または詐欺的な返金請求につながる可能性があります。Supr Daily は、25 パーセントにのぼる返金が誤って行われたと推測しています。これは主に、配達写真が低品質または存在しないことに起因するものですが、画像の検証を手動で行うには、リソースがかかりすぎます。Supr Daily で製品供給とカスタマーエクスペリエンスを担当する製品ディレクターである Praveen Kumar 氏は、「画像の 5~10 パーセントしか調べられず、それを行うことですら困難で、時間がかかっていました」と話しています。それに加えて、ほとんどの配達が午前 4 時から午前 7 時までの約 3 時間内で行われるため、リアルタイムで写真を確認することは困難でした。

Supr Daily は、配送パートナーがよりよい写真を撮る必要があるかどうかに関する即時的なフィードバックを提供できるように、写真検証プロセスを自動化したいと考えました。同社は、ML を使用して手動での作業を削減し、システムの速度と正確性を向上させることにしました。社内でこのテクノロジーを構築することはコストがかかりすぎるうえに複雑であると認識した Supr Daily は、2020 年に Amazon Rekognition を使用して複数の概念実証に着手しました。「AWS のサービス上に構築することによって、インフラストラクチャを管理する必要がなくなりました」と話すのは、Supr Daily のシニアエンジニアリングマネージャーである Siddardha Garimella 氏です。「Amazon Rekognition の使用もソリューションを簡素化したので、ML 経験が浅い人にも参加してもらい、モデルを迅速に構築し始めることができました」。

AWS での画像認識の迅速化と予測の強化

配送パートナーが配達された商品の写真を送信するたびに、Supr Daily はその写真を Amazon Rekognition に自動送信します。Amazon Rekognition は、ML を使用して写真の品質をチェックし、配達の証明として有効であることを検証します。このシステムは、配達が完了したこと、および確認画像が高品質であることのほぼリアルタイムでの検証を円滑化します。Amazon Rekognition Custom Labels は、企業が画像内にあるそのビジネスニーズに固有の物体とシーンを特定するための機能ですが、それを使用すると、このプロセスは 1 画像あたり 350 ミリ秒しかかかりません。Paraveen 氏は、「私たちは、よりよく機能するだけでなく、より迅速に機能するソリューションを開発することができました。判断を人に任せることをやめ、その代わりに定量的データに頼ることで、実際に何が起こっているかを理解することができます」と話しています。 Supr Daily は、業界最高水準のスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスである Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) に保存された画像を使用して、画像内のアイテムを 95 パーセントの精度で認識できるカスタム Amazon Rekognition モデルを構築しています。「チームの誰かが機能を更新または改善したい場合は、すぐさま Amazon Rekognition を使用して新しいモデルを構築できます」と Siddardha 氏は話しています。「システムを更新すると、ほんの数秒で最新モデルの使用を開始します」。 Amazon Rekognition を使用することで、Supr Daily は画像認識のコストも削減しました。 

2020 年以来、Supr Daily は、カスタマー行動データを分析するため、そして需要を満たすために適切な在庫があることを確認するために、ML を使用してビジネス成果を簡単かつ正確に予測できる Amazon Forecast も使用しています。需要予測ワークフローはかつて手動で行われていましたが、Supr Daily はそれを AWS で自動化して、Amazon S3 内に保存されたデータで予測を実行し、結果を迅速に取得しています。その後、マイクロサービス、分散システム、およびサーバーレスアプリケーションのためのフルマネージドメッセージキューイングを提供する Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) を使用して、注文を行い、アイテムの在庫があることを確認する調達チームに結果が含まれるメッセージを送信します。「私たちのビジネスユーザーは、ダッシュボードにアクセスしてデータをアップロードするだけで結果を見ることができます」と Siddardha 氏は語ります。「このプロセスは非常に高速です」。 Supr Daily は、AWS でその平均絶対パーセント誤差を 25 パーセント向上させました。

インフラストラクチャは AWS が管理するため、Supr Daily はより迅速にイテレーションし、新しい機能の市場投入までの時間を高速化できます。その間、アプリのバックエンドは、ウェブアプリケーションとサービスのデプロイとスケーリングのための使いやすいサービスである AWS Elastic Beanstalk でホストされるので、ソリューションは複数の都市内の何百万人ものお客様をサポートするのに十分な拡張性を得ます。 これらのサービスの実装は簡単でした。Siddardha 氏は、「AWS サービスの使用において最も優れた点の 1 つは、テクノロジーにそれほど精通していない人がすぐさま使用して、ビジネス課題のためのソリューションを構築し始めることができるように作られているという点です」と話しています。専門のデータサイエンティストがいなくても、Supr Daily はパートナーとお客様のためにそのアプリを改善し、複数の都市を含めるようにスケールできるソリューションを構築しました。 「AWS は、実験をよりシンプルにし、デプロイを迅速化して、データへのアクセスをより便利にしてくれます」と Siddardha 氏は話しています。

ユーザーのためのパーソナライゼーションをほぼリアルタイムで実現

Supr Daily は、継続的な成長に向けて計画しており、AWS を使用して買い物客のための配達アプリを改善する方法を探しています。目標の 1 つは、デベロッパーがリアルタイムのパーソナライズされたユーザーエクスペリエンスを迅速かつ大規模に生み出すために使用できる Amazon Personalize を使用して、ユーザーがアプリを閲覧するときにユーザーの関心に合わせてカスタマイズされた提案を提供することです。

「インフラストラクチャのプロビジョニングから画像認識と在庫計画システムの構築まで、AWS は私たちが必要とする事柄すべてに対処してくれます。当社のユースケースをサポートするためのスケールアップも簡単です」と Siddardha 氏は語っています。


Swiggy について

Swiggy は、2014 年に創立されたインド最大の食品注文および配達企業の 1 つです。Swiggy の子会社である Supr Daily は、翌日午前 7 時までの配達のために、買い物客がいつでも食料品を注文できるようにします。

AWS のメリット

  • 95% の精度で機能するカスタム ML モデルを構築
  • ユーザー数の 70% 増加をサポートするために、少ないオーバーヘッドでシームレスにスケール
  • カスタム画像検証 ML モデルを 350 ミリ秒に高速化
  • 在庫管理を簡素化することで、平均絶対パーセント誤差を 25 パーセント向上
  • 在庫予測と通知を自動化

使用されている AWS のサービス

Amazon Rekognition

Amazon Rekognition は、画像と動画から情報と洞察を抽出するために、事前にトレーニングされたカスタマイズ可能なコンピュータビジョン (CV) 機能を提供します。

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Amazon Forecast

Amazon Forecast は機械学習 (ML) に基づく時系列予測サービスで、ビジネスメトリクス分析用に構築されています。

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Amazon S3

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界随一のスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、パフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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Amazon SQS

Amazon Simple Queue Service (SQS) は、完全マネージド型のメッセージキューイングサービスで、マイクロサービス、分散システム、およびサーバーレスアプリケーションの疎結合化とスケーリングが可能です。

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