法執行機関による児童売買被害者の早期発見に AWS を使用

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簡単で幅広いコミュニケーションツール、「足がつかない」使い捨ての携帯電話、シンプルな写真編集ツール、これらは – インターネットの世界で売人が、法の目をかいくぐり、匿名で暗躍するための手段の一部に過ぎず – 特に、子供たちを性の商品としてオンラインで扱う売人に用いられています。

そのような状況において、Spotlight は生まれました。

Spotlight を作成したのは、カリフォルニアに拠点を置く NPO の Thorn です。Thorn のマーケティングコミュニケーション部門責任者、Sarah Potts 氏は、「虐待者は、子供たちを手に入れるために、高度なテクノロジーをどう使用すればいいかを理解しています」と語っています。Thorn は、オンラインでの児童虐待に立ち向かうため、Ashton Kutcher と Demi Moore の両氏によって 2012 年に設立されました。Potts 氏はさらに、「法執行機関が現状を打破し、被害児童を迅速に見つけるために、高度なテクノロジーを役立ててほしいと願い、Spotlight を作成しました」とも語っています。

Spotlight の洗練された機械学習能力が、人員不足で負担の大きい調査官の捜査時間を節約しています。危険にさらされている子供たちに関係していそうな広告に自動でフラグを立て、インターネットのデータの海で法執行機関の調査官が手がかりを見失わないようにしています。このような処理は、サーバーレスアマゾン ウェブ サービス (AWS) アーキテクチャで実行されています。それには、深層学習ベースの画像と動画の分析サービスである Amazon Rekognition と、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) C5 インスタンスが含まれます。Amazon EC2 C5 インスタンスは、3.0 GHz Intel Xeon スケーラブルプロセッサで動作しており、要求の厳しい推論アプリケーションに最適なメモリ対 vCPU 比を提供しています。

「Spotlight を使うと、子供の性的人身売買の広告を、紙とペンを使う古い方法よりもはるかに速く特定できます」

Brooke Istook 氏、Thorn、戦略運用部門ディレクター


  • Thorn について
  • 利点
  • 使用する AWS のサービス
  • Thorn について
  • Thorn は、子供たちを性的虐待から守るテクノロジーを開発するため、2012 年に設立されました。Thorn は、法執行機関の調査官、テック企業、非営利団体と提携しています。Thorn の職員は 25 名で、米国をバーチャルチームの拠点としています。

  • 利点
    • 21,000 件の人身売買を摘発
    • 人身売買調査の時間短縮
    • 子供 6,000 人を含む 18,000 人の被害者を特定
  • 使用する AWS のサービス
Thorn では、法執行機関による子供の性的人身売買被害者の早期発見を AWS で支援 (日本語字幕)

AWS を使用し挑戦に答える

Thorn が 2012 年に実施した、子供の性的人身売買の被害者に関する調査により、75% がオンラインで取引され、その大半がエスコートサイトを通じてであったことが明らかになりました。法執行機関の調査官が売人を捕まえ子供を救う方法の 1 つが、未成年者の売買をほのめかすエスコート広告を特定し調査することです。しかし、そのためには多くの障害があります。

最も大きな障害の 1 つが、そのような広告の多さです。Thorn で、調査官が被害児童を特定するツールの開発に着手したとき、米国では毎日 150,000 件を超えるエスコート広告がインターネット上で新たに投稿されていました。これほどの規模の問題には、プロセスの自動化が求めらます。しかし、別の大きな障害として、エスコート広告に関するデータは一貫性を持たないという事実があります。売人は隠語、スラング、再利用コンテンツを使い、機械による検出を免れようとします。

こうしたさまざまなハードルを調査官が突破できるよう、Thorn では AWS およびコグニティブコンピューティングソリューションを専門とする Digital Reasoning と連携して Spotlight を作成しました。Spotlight の機械学習モデルは、新しいエスコート広告をリアルタイムで分析するとともに、インテリジェントな画像解析および自然言語処理 (NLP) を使用して、リスクプロファイルにマッチする広告にフラグを立てます。このリスクプロファイルは、法執行機関の調査官の協力を得て開発されたものです。調査官は、調査の手がかりを得るために、カスタムのアラートを設定したり、拡大を続ける Spotlight の広告データベースを検索したりできます。

被害者の特定を加速させる

Spotlight の分析パイプラインは、毎日 100,000 件を超えるインターネット上の新しいエスコート広告を取り込む、サードパーティー製のソリューションから始まります。取り込まれたテキストおよび画像データは、オブジェクトとして Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) のバケットに保存されます。AWS Lambda 関数が Amazon Simple Queueing Service (Amazon SQS) を編成して、新しい広告をキューに入れます。それらの広告は、Spotlight の分析エンジンである Digital Reasoning Synthesys が処理します。法執行機関の調査官にアラートを送信するために、Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) も使用されています。

Spotlight の機械学習モデルは、Amazon EC2 C5 インスタンスでトレーニングおよび実行されます。Amazon EC2 C5 インスタンスは、3.0 GHz Intel Xeon スケーラブルプロセッサで動作しており、要求の厳しい推論アプリケーションに最適なメモリ対 vCPU 比を提供しています。法執行機関や協力組織に無償提供されている Spotlight は、Amazon Cognito を使用して、何百万人ものユーザーにスケールできる安全なユーザーディレクトリを提供しています。

Amazon Rekognition が使用され、深層学習により、Amazon S3 に保存された画像と動画内の物体、人、活動、イベントを正確に識別します。それは Spotlight における 1 つの最重要機能の中心をなしています。Amazon Rekognition の顔分析機能は、インテリジェントに欠ける画像検索エンジンの目を欺こうと編集された、同一人物の写真を見つけるのに役立ちます。

Thorn の製品管理部門ディレクター、Kristin Boorse 氏は、「複数の顔認識サービスをテストしましたが、Amazon Rekognition は非常に正確でした。AWS が Amazon Rekognition のような最善のソリューションをすでに提供しているのに、独自の顔認識サービスを構築しても意味がありません。Thorn が課題に直面したときはいつも、Amazon Rekognition チームがすぐにサポートしてくれました」と語っています。


被害者をすばやく見つける

2016 年以来、Spotlight は、米国とカナダの調査官が 21,000件を超える人身売買を摘発し、子供 6,000 名を含む 18,000 名の被害者を特定するのに役立ってきました。

Thorn の戦略運用部門ディレクター、Brooke Istook 氏は、「協力関係にある法執行機関から、Spotlight を使うと、子供の性的人身売買の広告を、紙とペンを使う古い方法よりもはるかに速く特定できると聞いています。AWS が提供する柔軟性と統合の簡単さのおかげで、Spotlight のような新しい製品を実験して試作できます。別の方法では、開発に桁違いのコストがかかっていたでしょう。AWS により、調査官からの機能に関する要求に数週間または数日で応えることができます。これは、公的機関がめったに体験しない対応速度です」と語っています。

インターネット上の子供の性的人身売買を撲滅することがチームによる取り組みだとし、Istook 氏は「 すべてのテクノロジーパートナーが、この闘いで重要な貢献をされています。AWS からの甚大な投資とサポート、またはインテルが作成した基盤となるテクノロジーがなければ、Spotlight はこれほど成功しなかったでしょう」と語っています。


詳細

Amazon EC2 C5 インスタンスの詳細についてはこちらを参照してください。