Upserve の導入事例
2016 年
Upserve は、販売時点情報管理 (POS) のソフトウェアとモバイルアプリを提供する企業です。全米のレストランオーナーに、クラウドベースのレストランマネジメントプラットフォームを提供しています。同社はかつて Swipely という社名でした。同社のソフトウェアは、売上や傾向のデータに基づくリアルタイムのガイダンスで、レストランの店主が知るべきすべてのことを一元的に提供します。このソフトウェアは POS システムおよび端末と統合されており、レストランの店主は顧客の支払額やソーシャルメディア、その他のデータを活用できます。
当社では Amazon Machine Learning を使用して、一晩にレストランに入店する顧客の総数を予測できます。その結果、店主はその晩の準備とスタッフ配備の計画を整えることができるのです」
Bright Fulton 氏
Upserve インフラストラクチャエンジニアリングディレクター
課題
Upserve はクレジットカード決済やメニューの傾向などといったデータストリームを分析レポートに変換し、店主に提供します。「レストランのオーナーがデータを通して顧客により良いサービスを提供できるよう、当社は献身的に取り組んでいます」と Upserve のインフラストラクチャエンジニアリングディレクターの Bright Fulton 氏は語ります。「支払いと予約システムのデータを提供しているほかに、オンラインのレビューサイトと統合して感情分析も行っています。これらすべての情報を収集し、モバイルアプリを通じて、意思決定に必要なレポートとインタラクティブダッシュボードに落とし込みます。多忙なレストランの店主にとって、当社はクラウド内のゼネラルマネージャーのようなものです」
過去数年にわたって、Upserve はより高度な予測分析をレストランに提供するよう努めてきました。「売上やメニュー品目の傾向をレストランのオーナーに伝えるのは非常に大事なことです。しかしさらに効果的なのは、これから何が起きるのかを伝えることです」と Fulton 氏は話します。「機械学習の技術を利用して、ユーザーに予測機能を提供するにはどうすればいいのかを私たちは見つけたかったのです」
同社はさまざまな機械学習 (ML) 技術を検討し、すぐにクラウドベースのソリューションが最もふさわしいだろうということに気がつきました。「われわれは何千ものレストランにサービスを提供していたことから、あるレストランで機能する機械学習モデルには、別のレストランで顧客の行動をうまく予測できない可能性があることを知っていました」と Fulton 氏は言います。「それぞれの顧客に合わせて、たくさんの機械学習モデルをつくるというのは、大きな課題のように思われました。また、入ってくるデータの量に合わせて、モデルを簡単にスケールできるようにすることも必要でした。これらの理由から、当社は Machine Learning as a Service (MLaaS) のプロバイダを探すことに決めたのです」
アマゾン ウェブ サービスが選ばれた理由
Upserve は Amazon Machine Learning (Amazon ML) を選びました。Amazon ML はクラウドベースのサービスで、可視化ツールとウィザードを提供します。開発者は、機械学習のアルゴリズムを学ぶ必要なく、モデルの作成とトレーニングを行うことができます。「Amazon ML では、自社内で ML モデルを素早く開発できるところが気に入りました」と Fulton 氏は話します。
加えて Upserve はすでに、アマゾン ウェブ サービス (AWS) クラウドに多額の投資をしていました。Upserve はプロビジョニングとサービスコンテナの管理に Amazon EC2 Container Service (Amazon ECS) を使用し、フレキシブルなバッチ処理には AWS Data Pipeline と Amazon Elastic Map Reduce (Amazon EMR)、何百テラバイトものレストランデータの処理と保存には Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、 Amazon DynamoDB、 Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) を使用しています。「当社は AWS をとても信頼しています。特に新しいサービスのときには AWS ですね」と Fulton 氏は語ります。「当社は早くから Amazon ECS と Data Pipeline を採用していましたが、両方とも素晴らしい投資だったことがわかりました。AWS は当社にとって常に素晴らしい選択肢です」
Upserve は同社の Shift Prep というアプリケーションで予測モデルを構築するために、 Amazon ML を使い始めました。Shift Prep は、テーブル管理や POS などのシステムを統合し、ある晩に夕食を取る客の人数や、人気が出るメニュー品目を予測します。Upserve は Amazon ML を使用して、注文情報や支払処理データなどをレストランからリアルタイムで収集する機械学習モデルを 100 種以上開発しました。このモデルでは予約の数、前年同日の売上統計、顧客の支払額、好まれるメニューの履歴などの要素を使用します。Upserve はこのモデルを週ごとに再トレーニングします。
同社では、Shift Prep でレストランのオーナーに毎日送られるメールに機械学習による分析も記載しています。「当社では Amazon Machine Learning を使用して、一晩にレストランに入店する顧客の総数を予測できます」と Fulton 氏は言います。「その結果、店主はその晩の準備とスタッフ配備の計画を整えることができるのです。たとえば、来客数が増えることが予想されるなら、店主はスタッフを追加することができます。加えて、当社が Shift Prep を通して提供する分析を使用して、店主は販売履歴や人気に基づくぴったりのメニュー品目を開発することができます。
利点
Amazon ML を利用することで、Upserve は予測モデルの開発とトレーニングを素早く簡単に行うことができました。「私たちにとって本番環境に至るまでのスピードが重要な要素だったため、Amazon Machine Learning を選びました。できる限り素早く店主に予測分析を渡したかったのです」と Fulton 氏は言います。「この技術を使おうと決めてから、当社で送信する毎日のメールに予測データを使い始めるまで 2 週間しかかかりませんでした。そしてすぐに、Amazon ML は毎晩の状況をこれまで以上のレベルで予測できることがわかったのです」
Upserve が Amazon ML を非常に素早く導入し、利用を開始できたのは、この技術の使いやすさのおかげです。「Amazon Machine Learning は API 中心の設計になっており、モデルの開発とトレーニング、予測の開始が非常に簡単でした」と Fulton 氏は言います。「それほど多くの設定は必要ありませんでした。使い慣れたツールを使ったためです。Amazon Machine Learning のおかげで、開発の複雑さが大きく軽減される一方、予測の正確さは向上しました」
同社は、顧客の収益増加も可能にします。レストランの店主は、自分の店が混雑するのはいつなのかを予測し、労働力と食材のコストを効率化できるためです。「お客様本人と、お客様が何を求めているのか理解することはとても大事です。また、お客様が気づく前に先回りして、何をお望みなのか知ることも重要です」と、マサチューセッツ州ボストンにある Tremont 647 レストランのオーナーシェフ、Andy Husbands 氏は言います。「Upserve で、物事の見方が本当に変わりました。過去から学び、未来を予測することがより簡単になります。お客様のことを理解し、より良い方法でフォローし、コミュニケーションをとることができます」
Upserve は Amazon ML の利用を拡大して、より多くの予測モデルを開発する計画です。「すぐにモデルを数千種類にまで増やす予定です」と Fulton 氏 は話します。「ゆくゆくは、これを当社の 7,000 を超えるすべての顧客に向けて拡大したいと考えています。この技術の将来がとても楽しみです」
Upserve について
Upserve は、販売時点情報管理 (POS) のソフトウェアとモバイルアプリを提供する企業です。全米のレストランオーナーに、クラウドベースのレストランマネジメントプラットフォームを提供しています。同社はかつて Swipely という社名でした。
使用されている AWS のサービス
Amazon ML
お客様に代わって、機械学習がすべての開発者に普及するのを妨げている、いくつかの難しい課題を解決することに注力しています。
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Amazon S3
Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。
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Amazon ECS
Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) は、Docker コンテナをサポートする拡張性とパフォーマンスに優れたコンテナオーケストレーションサービスです。これにより、コンテナ化されたアプリケーションを AWS で簡単に実行およびスケールできます。
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Amazon EMR
Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) は、Docker コンテナをサポートする拡張性とパフォーマンスに優れたコンテナオーケストレーションサービスです。これにより、コンテナ化されたアプリケーションを AWS で簡単に実行およびスケールできます。
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Amazon RDS
Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) を使用すると、クラウド上のリレーショナルデータベースのセットアップ、オペレーション、スケールが簡単になります。
AWS Data Pipeline
AWS Data Pipeline は、指定された間隔で、AWS のさまざまなコンピューティングサービスやストレージサービスのほか、オンプレミスのデータソース間で信頼性の高いデータ処理やデータ移動を行うことを支援するウェブサービスです。
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Amazon DynamoDB
Amazon DynamoDB は、規模に関係なく数ミリ秒台のパフォーマンスを実現する、key-value およびドキュメントデータベースです。
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開始方法
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