Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2021/3/22週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
週刊AWSは、AWSの一週間の新発表をコンパクトにお届けするのが目的ですが、このところ発表の量が多くて絞り込むのに苦労をしています。今週もやや多めのボリュームになっていますので、さっそく先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2021年3月22日週の主要なアップデート
- 3/22(月)
- Amazon EC2 が仮想マシンを EC2 に移行するときに UEFI ブートのサポートを開始
オンプレミスからAmazon EC2にマシンイメージを移行する際に、仮想マシンイメージの方式としてUEFIがサポートされました。(これまではLegacy BIOSに変換する必要がありました)。UEFIブートはAWS Nitro System上に構築されたIntel/AMDベースのEC2インスタンスの多くでサポートされます。詳細はこちらのドキュメントを参照してください。 - AWS Database Migration Service がソースとして新たに Db2 LUW バージョン 11.5 をサポート
AWS Database Migration Service (DMS)はデータベースの異機種間移行や定期的なレプリケーションを実現するサービスです。今回ソース(データ元)としてIBM Db2 (LUW)バージョン11.5がサポートされました(11.1や10.x等のバージョンは以前からサポートされています)。 DMSはこの他にも多様なデータソースからの移行をサポートしています。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。
- Amazon EC2 が仮想マシンを EC2 に移行するときに UEFI ブートのサポートを開始
- 3/23(火)
- Amazon EC2 の Amazon VPC エンドポイントがアジアパシフィック (大阪) で利用可能に
大阪リージョンでVPCエンドポイント経由でEC2のAPIにアクセスできるようになりました。VPCエンドポイントは、VPC内からインターネットに出ずにAPI通信を確立する機能で、VPCにインターネットゲートウェイを付けられないようなケースでも対応したAWSサービスへのアクセスを実現します。 - Amazon Redshift Spectrumが新たに4つのAWSリージョンで提供開始
Amazon Redshift Spectrumが大阪リージョンでも利用可能になりました。SpectrumはAmazon S3上に置かれているファイル(CSVやParquet、JSONなど)をロードせずに表として参照する、一種の外部表の機能です。 - AWS Glue Studio、SQL で定義したトランスフォームのサポートを開始
AWS Glue StudioはGlueのジョブをGUIで構築するための機能です。トランスフォームジョブというパーツを利用するとその中にSparkのコードを入れることが可能であり、GUIによる操作性とコードによるカスタマイズ性を両立しています。今回発表された機能でSQLを使ったトランスフォームが定義可能になりました。これによってSparkのコードに慣れていないユーザでもSQLを使うことで処理を柔軟にカスタマイズできるようになります。 - Amazon QuickSight は、カスタムツールチップ、異常検出の更新などを開始します
BIサービスのAmazon QuickSightに複数の機能が追加されました。1つはカスタムツールチップで、マウスをビジュアル上に置いた際のツールチップをAuthorがカスタマイズできるようになりました。合わせて異常検知機能の強化等が追加されています。
- Amazon EC2 の Amazon VPC エンドポイントがアジアパシフィック (大阪) で利用可能に
- 3/24(水)
- Amazon and Red Hat announce the General Availability of Red Hat OpenShift Service on AWS (ROSA)
Red Hat OpenShift Service on AWS (ROSA)が一般提供開始(GA)になりました。東京リージョンでも利用可能になっています。ROSAはその名から想像できる通りフルマネージド型で提供される Red Hat OpenShift サービスです。詳細はこちらのブログを参照してください。 - Now available AWS SSO credential profile support in the AWS Toolkit for VS Code
AWS Toolkit for VS CodeがAWS SSOを利用したシングルサインオンをサポートしました。これにより、Visual Studio Code内で個別にクレデンシャルを管理する必要なく、AWS SSO経由で一次クレデンシャルを得て、各種サービスにアクセスしながら開発を進めることが可能です。こちらのブログに掲載されている動画が分かりやすいと思いますので、ご参照ください。 - Amazon AppFlow now supports Zendesk as a destination
Amazon AppFlowは各種SaaSからS3へのデータ転送を自動化したり、逆にSaaSへのデータ転送を自動化するデータ連携のためのサービスです。今回データの送信先としてZendeskが追加されました。App Flowの詳細についてはサービスホームページをご覧ください。 - Now you can use AWS CloudTrail to log data-plane API activity to monitor, alarm, and archive item-level activity in your Amazon DynamoDB tables
Amazon DynamoDBの表への操作(データの追記、削除等)をCloudTrailに連携して記録できるようになりました。アイテム単位での操作記録が可能になっており、各種監査や調査に利用可能です。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon Elasticsearch Service announces Auto-Tune feature for improved performance and application availability
Amazon Elasticsearch ServiceにAuto-Tune(自動チューニング)機能が追加されました。今回のリリースではメモリ管理の自動化機能が利用可能になっています。ElasticSerach Serviceの各種メモリ設定(ヒープや、キャッシュサイズ等)をワークロードに合わせて自動的に調整してくれるものです。詳細はこちらのブログをご確認ください。 - Amazon Timestream now supports Amazon VPC endpoints
時系列データベースのAmazon TimestreamのAPIがVPCエンドポイントに対応しました。VPCにインターネットゲートウェイなどがついていない環境からでも、VPCエンドポイントを設定することで、Timestreamsの操作が可能になります。
- Amazon and Red Hat announce the General Availability of Red Hat OpenShift Service on AWS (ROSA)
- 3/25(木)
- AWS Backup is now available in the AWS Asia Pacific (Osaka) Region
AWSの各種サービスのバックアップ&リストアを集中的に管理するAWS Backupが大阪リージョンで利用可能になりました。現時点ではクロスアカウントバックアップが使えないなど、いくつか制限がありますので、詳細はリンク先のWhat’s new記事を参照してください。 - Lower Cost Storage Classes for Amazon Elastic File System are now available in Asia (Osaka) region
NFSサービスのAmazon EFSにおける安価なストレージクラス、One Zoneが大阪リージョンで利用可能になりました。通常のストレージクラスは複数のAZ(アベイラビリティゾーン)にデータを保存しますが、One Zoneはその名の通り、1つのAZにだけデータを保存することにより、より安価に利用いただけるオプションです。 - Detect anomalies in your metrics, and diagnose issues quickly with Amazon Lookout for Metrics – now generally available
Amazon Lookout for Metricsが一般提供開始(GA)になりました。東京リージョンでご利用いただけます。Lookout for Metricsは与えられたデータの各メトリクスの異常を自動的に検出し、その根本原因を特定することを支援する機械学習ベースのサービスです。詳細はこちらのブログ(日本語)をご覧ください。
- AWS Backup is now available in the AWS Asia Pacific (Osaka) Region
- 3/26(金)
- Amazon EKS now supports P4d instances
Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS)でP4dインスタンスが選択可能になりました。P4dはNVIDIA A100 Tensor Core GPUを搭載し、広いネットワーク帯域をもつインスタンスで、主にハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) や大規模な機械学習で利用されます。 - Amazon EKS now supports Elastic Fabric Adapter
Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS) からElastic Fabric Adapter (EFA)の利用が可能になりました。EFAはネットワークデバイスの一種で、TCPと比較して低いネットワークレイテンシを提供できることが特徴です。こちらもP4dと同様にHPCや大規模な機械学習で利用されます。こちらのドキュメントの図を参照していただくと、TCPを使った通信との違いや制約がイメージできると思います。 - Amazon Kinesis Data Analytics now supports Python with Apache Flink v1.11
Amazon Kinesis Data Analyticsは、ストリーミングデータに対してリアルタイムに分析を実行するサービスです。分析方法としてはSQLベースのものと、Apache Flinkベースから選択可能です。今回このKinesis Data Analytics for Apache FlinkでJavaに加えてPython 3.7がサポートされるようになり、言語選択の幅が広がりました。
- Amazon EKS now supports P4d instances
最後にお知らせを。以前より予告されていましたように、AWS LambdaでのPython 2.7サポートが2021/7/15で終了になります。 Python Software Foundation (PSF)も2020年1月にPython 2.xのサポート終了を宣言されていますので、まだPython 2.7のコードをLambdaで実行されている方はぜひ早めにPython 3.8等へのアップグレードをご検討ください。詳細はこちらのBlogに解説されています。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)