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週刊AWS – 2024/9/30週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。

10 月 31 日 (木) 14:00-18:00 に、AWS AI Day を開催します。物理的に来場する点に加えて、ライブ配信での視聴が事前登録できるようになりました。現地では、QuizKnock が審査員を行う AI ハッカソン決勝戦、展示ブース、スピーカーと会話ができる Ask a Speaker の場があるため、可能でしたら来場いただいたほうが良いですが、お時間の都合で難しい場合は、ライブ配信をご利用ください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2024年9月30日週の主要なアップデート

  • 9/30(月)
    • Amazon Aurora MySQL で RDS Data API のサポート
      Amazon Aurora MySQL で RDS Data API をサポートしました。これにより、MySQL のコネクションを管理する必要なく、AWS SDK や API 経由で SQL ステートメントを実行できるようになりました。Aurora MySQL では Serverless v1 のみサポートしていましたが、これが Serverless v2、Provisioned で利用可能になった形です。コネクションプーリングを Data API 側で管理をしてくれるため、例えば Lambda からの接続がやりやすくなるメリットがあります。Aurora MySQL の 3.07 以降のバージョンで Data API をサポートしています。
    • AWS CloudShell で VPC 連携、Docker 対応、起動時間の高速化など最新機能を全リージョンでサポート
      AWS CloudShell で、VPC のサポート、起動時間の改善、Docker サポートといった最新機能をすべての商用リージョンでサポート開始しました。これらの機能は、CloudShell の一部のリージョンで利用可能でしたが、今回のアップデートですべての商用リージョンで提供開始になりました。CloudShell の VPC サポートにより、VPC 内にCloudShell 環境を作成できるようになりました。また、Docker 統合により、CloudShell の環境で Docker を扱えるようになり、コンテナの開発やデプロイが可能となりました。
    • AWS re:Post で生成 AI バーチャルアシスタント機能の追加
      AWS re:Post と呼ばれる、Q&A コミュニティがあります。AWS のお客様、パートナー、AWS の従業員が参加しており、オンラインコミュニティを通じてエキスパートの回答を得られる仕組みがあります。今回のアップデートで、AWS re:Post に投稿した質問に、生成 AI を活用したバーチャルアシスタントが回答を提供してくれるようになりました。質問を投げた直後に回答が得られるため、一般的な技術ガイダンスをすばやく確認できます。場合によってはハルシネーションが発生することがあり、正確性を精査する必要がありますが、回答までの待ち時間をショートカットでき、便利にご活用いただけます。
  • 10/1(火)
    • Amazon Redshift で RA3.large インスタンスの提供開始
      Amazon Redshift で、新たに小さなインスタンスタイプの RA3.large (2 vCPU と 16 GiB メモリ) を提供開始しました。RA3 世代は、コンピュートとストレージが分離されており、それぞれ個別にスケールを変更できる柔軟性があります。加えて、データシェアリング、Zero-ETL、マルチ AZ といった機能を利用できます。RA3 世代の中で一番小さいインスタンスサイズは、ra3.xlplus (4 vCPU と 32 GiB メモリ) でしたが、より小さいインスタンスがサポートされ、ワークロードにあわせた最適なリソースを構築しやすくなりました。
    • Amazon ElastiCache でリザーブドノードのサイズ柔軟性をサポート
      Amazon ElastiCache でリザーブドノードのサイズ柔軟性をサポートしました。これまでは、特定のノードタイプ (例 : cache.r7g.xlarge) を指定してリザーブドノードを購入し、指定したタイプでのみ割引が提供される方式でした。このアップデートで、購入したノードタイプに設定されているレートに基づき、同じノードファミリーに所属する他のノードタイプに自動的に割引が適用されるようになりました。例えば、r7g.xlarge ノードを購入し、r7g.2xlarge のより大きなノードにスケールアップをした場合、r7g.2xlarge ノードの 50% の使用量に対して、割引レートが自動的に適用されます。詳細はこちらのブログをご確認ください。
    • AWS Incident Detection and Response で日本語対応のサポート
      AWS Incident Detection and Response サービスで、日本語でのインシデント対応をサポートしました。AWS Incident Detection and Response は、AWS Enterprise Support をご利用いただいているお客様を対象に、プロアクティブな対応とインシデント管理を提供するサービスです。インシデント管理エンジニア (IME) が、24 時間 365 日体制で、お客様のワークロードからのアラームを 5 分以内に検知して対応を行い、緩和と復旧のためのガイドをお客様に提供します。従来は英語のみのサポートでしたが、このアップデートで日本語を話す IME とコミュニケーションができるようになりました。ミッションクリティカルで重要なシステムに活用することで、問題が発生したときに迅速な対応がしやすくなります。利用を進める際には、担当営業にご確認ください。詳細は DocumentFAQ をご覧ください。
  • 10/2(水)
    • Amazon AppStream 2.0 で自動タイムゾーン変更機能を提供
      Amazon AppStream 2.0 で、アプリケーションおよびデスクトップストリーミングセッションにおいて、自動タイムゾーン変更機能を有効にできるようになりました。この新機能により、例えば、クライアントデバイスが日本語のタイムゾーンとなっている場合、アクセス先の AppStream 2.0 の環境においても、タイムゾーン、言語、入力方法が自動的に日本語タイムゾーンに基いて調整されます。この機能を利用するためには、2024 年 9 月 18 日以降にリリースされた AppStream 2.0 エージェントが含まれるイメージを使用する必要があります。
    • Amazon AppStream 2.0 のマルチセッションフリートで、プリンターリダイレクトとユーザーが選択した地域設定が利用可能
      Amazon AppStream 2.0 のマルチセッションフリートで、ローカルプリンターリダイレクトとユーザー選択の地域設定をサポートしました。これらの機能はすでにシングルセッションフリートで利用可能でしたが、今回のローンチによりマルチセッションフリートにも拡張された形です。ローカルプリンターリダイレクトにより、ユーザーはストリーミングアプリケーションから印刷ジョブをローカルコンピューターに接続されたプリンターにリダイレクトできます。なお、AppStream 2.0 ストリーミングインスタンスにプリンタードライバーをインストールする必要はありません。
  • 10/3(木)
    • Amazon Aurora Serverless v2 で最大 256 ACU が利用可能に
      Amazon Aurora Serverless v2 で、最大 256 Aurora Capacity Unit (ACU) をサポートするようになりました。Aurora Serverless v2 は、オートスケールの仕組みがあり、最小、最大の ACU を指定する中で、ワークロードに合わせて自動的にオートスケールできます。1 ACU は、約 2 GiB のメモリと、それに対応する CPU、ネットワークリソースが提供されます。元々は、128 ACU が最大でしたが 256 ACU までサポートされるようになり、よりリソースが要求されるワークロードに適用しやすくなりました。
    • AWS Glue インタラクティブセッションでオートスケールの一般提供開始
      AWS Glue のインタラクティブセッションでオートスケール機能の一般提供を開始しました。AWS Glue インタラクティブセッションは、AWS Glue のジョブ開発を効率化するためのサーバーレス機能です。Jupyter 互換のノートブックや PyCharm、IntelliJ、VS Code などの IDE を使用して、リモートの Apache Spark ランタイム環境にアクセスできます。今回のアップデートで、Glue バージョン 3.0 以上の AWS Glue インタラクティブセッションで、ワークロードに基づいてリソースを動的に拡大縮小できるようになりました。自動スケーリングにより、セッションのリソースを過剰にプロビジョニングしたり、ワーカー数の最適化に時間を費やしたり、アイドル状態のワーカーに対して支払いをしたりする心配がなくなります。
  • 10/4(金)
    • Amazon Workspaces で、ローカルデバイス間とのファイル転送機能を提供開始
      Amazon WorkSpaces は、WorkSpaces パーソナルセッションとローカルコンピュータ間のファイル転送をサポートしました。従来は S3 や FSx などの他のサービスを経由してファイル転送を実現していましたが、直接のファイル転送ができるようになり、より利便性が向上しました。ファイル転送機能は、デフォルトでは無効化されており、グループポリシーを変更することでファイル転送機能を有効化できます。詳細はこちらをご覧ください。
    • Amazon EC2 でインスタンス作成後に vCPU の数変更やハイパースレッディングの無効化が可能に
      Amazon EC2 でインスタンス起動後に、CPU オプションを変更できるようになりました。停止中の EC2 インスタンスを対象に、vCPU 数の変更やハイパースレッディングの無効化が可能になり、ライセンスコストを削減できる場合があります。どのように費用が変わるかはライセンスによりますので、詳細はライセンス元などにご確認ください。この機能はすべての商用リージョンで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントを参照ください。
    • AWS Application Composer は AWS Infrastructure Composer に名称変更
      AWS Application Composer が AWS Infrastructure Composer に名称変更しました。re:Invent 2022 でローンチ以来、シンプルなドラッグアンドドロップインターフェースによって、サーバーレスアプリケーションアーキテクチャの構成を提供していました。ローンチ以降、CloudFormation リソースへのサポートを拡大し、お客様が必要とするアーキテクチャを構築できる選択肢が広がり、よりわかりやすく AWS Infrastructure Composer という名称に変更しました。

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Suguru Sugiyama

杉山 卓(Suguru Sugiyama) / @sugimount

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、幅広い業種のお客様を担当しています。最近は生成 AI をお客様のビジネスに活かすためにアイデア出しやデモンストレーションなどを多く行っています。好きなサービスは仮想サーバーを意識しないもの全般です。趣味はゲームや楽器演奏です