Amazon Web Services ブログ

インフラストラクチャを超えて: スタートアップのスピードでビジネス変革に取り組む方法

Steven JonesはAmazon Web Services (AWS)のテクノロジーディレクターで、KK RamamoorthyはSAPデジタルコンサルタントです。

私たちのお客様は、SAPワークロードをAWSに移行することでビジネス上の大きなメリットを享受されています。例えば、オーストラリア大手の包装・リサイクル会社であるVisyは、SAPシステムをAWSに移行したことで、数週間から数ヶ月かかっていたSAP導入のプロビジョニング時間を数日に短縮でき、パフォーマンスは最大46%向上しました。SAPワークロードをAWSに移行した他の多くのお客様にも、同様のメリットを享受いただいています (ケーススタディーをご参照ください)。

これらはビジネス上の具体的かつ重要なメリットですが、多くの場合、AWSへの移行がお客様のイノベーションの第一歩になります。お客様は、AWSインフラストラクチャ上で基盤を構築した後、SAPへの投資として、拡張または統合できるアプリケーションにより、ビジネス全体を変革し、費用を節約し、実験を行い、そして市場投入をより迅速に進めます。

お客様は、ビッグデータ & アナリティクス、IoT、アプリケーション & APIs、DevOpsの4つの柱に焦点を当てて、ビジネス変革を実現しようとされています。これらの重点分野はすべて、AWSの機械学習とコンピューティングサービスの強力な基盤によってサポートされています。これらのソリューションの多くは、AWSで直接構築することも、SAP Cloud Platform (SCP)を使用して構築することもできます。SCPは世界中の4つのAWSリージョンで利用可能です。

4つの柱によりビジネス変革を実現する好機として、詳細を知るためにSA​​PPHIRE NOWの現場を見に行きましょう。

ビッグデータ & アナリティクス

データは至る所で生成されます。Veritasのレポートによると、データの52%はダークデータとして残っています。つまり、生成されたデータの48%のみが収集・分類され、さらにその 15%のみが分析されて洞察と実行に活用されます。すべてのデータをデータレイクに取り込み、強力な分析ツールにより、それらをクレンジングして分析することができる、その可能性を想像してみてください。

2017年のAberdeenの調査では、データレイクを導入する企業は、本業収益の伸び率が9%と同業の企業を凌駕しました。以下のAWSサービスを使用してデータレイクを構築できます:

AWSを使ったビッグデータ & アナリティクスのお客様ストーリーをご覧ください。

モノのインターネット (IoT)

すべての状態を知ることができ、そのデータに意味を見出すことができたら、どのような問題を解決することができるでしょうか。これは、多くのお客様がIoTを活かしたビジネスプロセスについて尋ねる質問です。AWS IoT Coreは、すべての状態を把握することで、得ようとするビジネス上の成果を達成するための基盤技術を提供します。

AWS IoTでは、AWS GreengrassAWS Lambdaを使用してデバイスを大規模に展開、保護、管理し、エッジでコンピューティングと機会学習の推論を実行でき、さらにAWS IoT Analyticsを使用して大量のIoTデータに対して洗練された分析を実行できます。AWSを使ったIoTに関する興味深いお客様ストーリーをご覧ください。

アプリケーション & APIs

アプリケーションはエンタープライズに役立ちます。お客様と従業員は、ビジネスプロセスをより簡単に処理する方法を求めています。様々なデバイスから柔軟にデータにアクセスできる必要があります。実際、ガートナーは、2020年までにウェブブラウジングセッションの30%が画面なしで行われると予測しています。”ボイス・ファースト”なアプリが現実のものとなり、ユーザーはエンタープライズアプリケーションでも同じことを期待しています。

しかし、複雑さとメンテナンスコストの増加により、コアビジネスアプリケーションをカスタマイズしたくないというお客様の声を聞いています。どちらかと言えば、クラウドアプリケーションを使用して主要なSAP機能をAPIとして実行し、需要が増してもスケールできるマイクロサービスとしてカスタム拡張を構築することで、SAP機能を拡張することを検討しています。

Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)は、Dockerコンテナアプリケーションのデプロイと管理をすることができます。Amazon API GatewayLambdaを使用してSAPサービスとセキュアに接続でき、AWS AppSyncAWS Mobile Hubを使用してデータ駆動型のWebおよびモバイルアプリケーションを構築でき、Amazon Cognitoを使用してすべてのサービスをまたがったユーザーIDの連携ができます。AWSを使ったアプリケーション & APIsのお客様ストーリーをご覧ください。

DevOps

DevOpsは、企業の俊敏性を急速に向上させるための、テクノロジソリューションの構築とデプロイにおけるプロセスとツールの組み合わせです。自動化は、DevOpsの主要なコンポーネントの1つです。インフラストラクチャをコードとして扱うことで、AWSの範囲内で多くのSAPオペレーションを自動化することができます。以下のAWSサービスを使用してビジネスの俊敏性を高めることができます:

AWSを使ったDevOpsのお客様ストーリーをご覧ください。

強力な基盤の構築

お客様のイノベーションの志をサポートするために、AWSソリューションはコンピューティング、ストレージ、およびネットワーク機能の堅固な基盤上に構築されており、ソリューションのあらゆる面で機械学習と連携しています。

Amazon SageMakerにより、インフラストラクチャの心配をする必要なく、迅速にお客様自身の機械学習モデルを構築、トレーニング、デプロイできます。機械学習の大半のユースケースに向いている、Amazon RekognitionAmazon LexAmazon ComprehendAmazon TranslateAmazon TranscribeAmazon Polly、そしてAWS DeepLensといったAPIを呼び出すだけですぐ使えるソリューションが用意されています。

SAPPHIRE NOWで確認

これらのサービスをどのように使用し、お客様の特定のビジネスニーズに合わせて微調整したらいいか、お悩みでしょうか。恐れないでください!私たちは、これらの機能を紹介するために、社内ラボでサンプルアプリケーションの開発とPoCに取り組んでいます。そして、これらをSAPPHIRE NOWで皆さんに喜んで共有したいと考えています。

私たちは、以下のような一連のデモを用意しています:

  • AWS DeepLensによる顧客の認識 – 顔認識を使用して顧客を特定し、自動的にSAPの顧客レコードを引き当て、顧客サービスエージェントがその顧客にパーソナライズドエクスペリエンスを提供します。
  • AWS DeepLensによる製品の認識 – Amazon SageMakerを使用してカスタムの機械学習モデルを構築し、製品を認識し、SAPの製品カタログと照合して、注文するための製品情報を自動的に引き当てます。
  • SAPのためのAPI活用 – AWS AppSyncを使用して構築されたエンドツーエンドのモバイルアプリケーションからAPI Gatewayを使用したバックエンドのSAPシステムに連携、Amazon Rekognitionの画像認識によるユーザー体験の向上、Amazon Lexによるチャットボット機能、およびAmazon Sumerianによる3D製品カタログへのアクセス。
  • サーバーレスなSAPリフレッシュ – SAPシステムリフレッシュは、SAPランドスケープ管理において最も時間がかかり、エラーが発生する可能性の高いタスクですが、AWS Step FunctionsやAWS LambdaなどのAWSサーバーレスサービスを使用することで、SAPシステムリフレッシュに一貫性をもたらし、完全に自動化することができます。ソリューションの詳細については、ブースでご覧ください。
  • SAPマイグレーションのためのAWS SMS – 仮想化されたSAPアプリケーションの移行は、思っている以上に簡単です。実際に、ジョブのスケジュール方法を知っている場合、仮想化されたSAPアプリケーションをAWSに簡単に移行できます。また、AWS Server Migration Service (AWS SMS)はSAPアプリケーションを段階的に移行する機能を提供し、ダウンタイムを大幅に削減します。
  • サーバーレスなSAPデータレイク – SAP HANAからAmazon S3ベースのデータレイクへのクエリを、Amazon Athenaを使用してサーバーレスで実行します。この機能により、SAP HANAでアナリティクス環境を構築しつつ、SAP HANAにデータを取り込むことなく、データレイクにあるデータと結合することができます。
  • SAP HANAの可用性構成 – SLES for SAPにおけるSAP HANAの高可用性 (HA)の設定は、手順を手動で実施する必要があり、手動で構成するのは煩雑です。オンプレミスのシナリオでは、これを構築するのに数日かかることもあります。AWS上でSAP HANAの2ノードHAクラスタを40分以内に構築する方法を紹介します。
  • などなど…

例えば、SAPにおけるAWS DeepLensの使用例の図を以下に示します:

AWSでは、お客様に最高のエクスペリエンスを提供するため、幅広く豊富な機能を備えたサービスを用意しています。これらのサービスは、SAPだけでなく、SAPを取り巻くアプリケーション (お客様のビジネスの中核となるすべてのアプリケーション)でも、新しいビジネスチャンスの発掘、調整された顧客体験の提供、さらに費用の節約に役立ちます。

SAPPHIRE NOWのAWSブースにあるBuild On バーにお越しいただき、これらの豊富なデモを体験したり、SAP on AWSのエキスパートとの1:1の時間を活用して、お客様独自のカスタムソリューションを導入してください。より詳細な情報は、ウェブサイトAmazon Web Services at SAPPHIRE NOWをご覧ください。SAPPHIRE NOWには参加していませんか?お気軽に直接お問い合わせください。お会いできるのを楽しみにしております。そして、Build Onしましょう!

翻訳はPartner SA 河原が担当しました。原文はこちらです。