Amazon Web Services ブログ

大学スポーツ ✕ クラウド。機械学習でゲームチェンジする。

今回のブログでは、 AWSジャパン・パブリックセクターより、「次世代のスポーツのあり方を、クラウドを用いて変革する」取り組みを紹介します。
AWSでは、類似の取り組みを日本でも推進していくべく、各関係機関との対話を歓迎します。ご不明の点、「Contact Us」までお問合せください。(以下、米国現地のAWS Public Sector Blog Teamが執筆したブログの翻訳となります。)

テクノロジーをスポーツに応用

イリノイ大学アーバナ シャンペーン校 (以下、イリノイ大学UC) は、「テクノロジー」こそが教職員と学生たちがキャンパスで成果を出し、イノベーションを推進するための強力なツールである──と確信しています。同大学の最高情報責任者である Mark Henderson 氏は、部門の課題を特定してテクノロジーを使用した革新的なソリューションを構築するためのタスクフォース (Data and Technology Innovation Lab と呼ばれる) を設立しました。イリノイ大学UC校がテクノロジー・ドリブンなソリューションを投入することを決定した分野の 1 つは、機械学習 (ML) を使用した「スポーツ・アナリティクス(分析)」でした。

Photo by Dave Adamson on Unsplash

ゲームプランニングシートを構築、データインサイトを発見

AWSがNFLなどプロ・スポーツの現場で実現してきた先進事例(こちら)に触発され、暫定 CIO である Greg Gulick 氏とインター・カレッジ運動競技部は、データをどのように活用すれば、フットボールのコーチングへ応用ができるか──を模索し始めました。この取り組みを支援するため、アソシエイト・アスレチック・ディレクターの Nick Rogers 氏とフットボール ヘッドコーチの Lovie Smith 氏は、Kinglsey Osei-Asibey 氏を「アナリティクス&フットボール・テクノロジー担当ディレクター」として採用しました。イリノイのフットボール・プログラムへの加盟に伴い、毎週の試合に向けた準備段階においてデータを活用する方法について、Kingsley氏 はコーチスタッフ達に毎週の指示を始めました。

Kingsley 氏によれば、「すべてのフットボールの試合は、一連のプレイの連続(sequence of plays)と見なすことができます。一つ一つのプレイとは、プレイヤー、フィールドポジション、ダウンおよびディスタンス、その他の要因に基づいてプレイヤーが行ったアクションのことです。試合に勝てる可能性を最適化するために、コーチはこれらの各プレイでの成功率を最適化する必要があります。対戦相手がしていること全てに関しても、データが教えてくれるようにできるのです。」

しかし、データの「本質」を明らかにしようとする試みは、プレイを行うための必要なすべての要因と、コーチが分析できるデータの量を考え合わせると、とても複雑であると言わざるを得ません。通常、コーチは (ゾーン、ダウン、ディスタンスなどの要素を考慮しながら)発見的な意思決定手法(heuristics / decision-making strategies)を通じてゲーム・プランニング・シートを手作業で生成し、利用可能なデータセットから少数の特徴のみを使用して、最適な戦術の分析を行います。コーチングスタッフは、毎回の対戦相手の新しいデータを使って毎週ゲーム・プランニング・シートを作成しなくてはなりませんが、これは時間がかかり、[対戦数が増えて行くスケジュールに応じて]スケールさせることが困難です。

この課題に対処するために、Kingsley氏、イリノイ大学UC校 の Data and Technology Innovation Lab、Amazon Machine Learning ソリューションラボの3者が協力して、 機械学習ソリューションを構築しました。過去数か月にわたって、彼らは協力して、増え続けるデータセットに基づいてコーチ向けに毎週のゲーム・プランニング・シートを自動生成することができる機械学習モデルを構築したのです。

この 機械学習モデルを導入することで、コーチ陣は毎週更新されたゲーム・プランニング・シートに基づいて、対戦相手に対する準備を整え、パフォーマンス戦略に関するインサイトを向上させ、時間を節約できるのです。並行して、Amazon Web Services (AWS) は イリノイ大学UC校の Data and Technology Innovation Lab との 機械学習に関するナレッジ・トランスファー・セッションを実施し、モデルの再トレーニング方法を教えることで、時間の経過とともに分析の精度(accuracy )を向上させていくことも可能となりました。

ゲームの「準備」は、機械学習で行う。

イリノイ大学とAWSの合同チームは、データを整理して、プレイの成功または失敗のラベル付けを行う「教師あり」の 機械学習問題として解くことにしました。データセットを準備するために、ワンホットエンコーディング(one-hot encoding)を使用してカテゴリ列をエンコードし、データセットはアップサンプリング手法を使用してバランスを取りました。チームは、65.2パーセントの加重精度(weighted accuracy)でプレイの結果を予測するために、Amazon SageMaker で XGBoost モデルを構築しました。トレーニング中、Amazon SageMaker HPO (Hyper-parameter Optimization) を使用してモデルのパフォーマンスを向上させました。

XGBoost モデルの特徴量の重要度スコア(feature importance scores)と相関分析に基づいて、新しいゲーム・プランニング・シートの機能も使われるようになりました。これには、モデルによって提案された対戦相手ごとに特化した追加機能も含まれており、イリノイ大学UC校 のフットボール・コーチ陣にフィードバックを提供しました。フットボールのシーズン中、コーチ達はこれらの新しいテンプレートを使用して、最新のデータセットに対して簡単なAWS Lambda 関数を呼び出して、毎週さまざまなシナリオで最も頻繁に使用されるプレイタイプが生成されます。XGBoost モデルは 3~4 週間ごとに、特徴量の重要度スコアを調べ、ゲーム・プランニング・シート・テンプレートに採り入れられるべき新しい重要な戦術的な特徴があるかどうかが確認されます。

Kingsley氏とイリノイ大学のコーチングスタッフ陣は、コーチングの際の行動を変えることがどれほど難しいかを認識していますが、こうした一連の取り組みはフットボール・プログラムの進化にとって重要な一歩であると、確信しています。Kingsley氏の発言を引いて、今回のブログを締めくくりましょう。彼は、コーチングスタッフ達にこう話しています。「ゲームの準備には、録画を見るだけは不十分だ。データは物語(Story)を教えてくれるんだ。」

このストーリーの詳細については、ウェビナー「Cloud Across Campus: How one university is reaping big rewards」でご確認ください。 また、AWS Machine Learning が、スポーツの技術革新の次世代のトレンドをどのようにリードしているか、そして高等教育現場で用いられるクラウドについての詳細もご覧ください。

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このブログは英文での原文ブログを参照し、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 パブリックセクター 統括本部長補佐(公共調達渉外担当)の小木郁夫が翻訳・執筆し、ソリューション・アーキテクトの櫻田武嗣と今井真宏が訳語の監修を行いました。

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小木 郁夫
AWSジャパン パブリックセクター
統括本部長 補佐(公共調達渉外)
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