アイデアを形にするために、AWS でできること

~ Civictech Challenge Cup U-22 参加学生向けの登壇内容を共有します ~

2021-10-05
How to be a Developer

Author : 金澤 圭

テクニカルソリューションアーキテクトの金澤 (@ketancho) です。秋真っ只中の涼しい季節になってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか ? この季節は過ごしやすくて好きなのですが、年末へのカウントダウンが始まり、年頭に立てた目標が達成できなさそうでワタワタする時期で辛くもある今日この頃です。

この記事では、そんなワタワタされている方々向けに、学生の方々が社会課題や地域課題に取り組む開発コンテスト Civictech Challenge Cup U-22  (CCC U-22) の紹介と、このコンテストに参加される方々に対して、AWS として支援させていただいた内容の一部を紹介したいと思います。コンテストの最終審査会が 10/9 (土) に開催されるので、こちらに参加することでいい刺激をもらい、年末にむけて一緒にラストスパートしていきませんか ? (自戒の念をこめながら書いています)


Civictech Challenge Cup U-22 について

CCC U-22 は 22 歳以下の学生の方、主に中学生から大学生が参加する開発コンテストです。世の中にある社会課題を克服するためのアイデアを持ち込み、それをチームで実装していくイベントです。この「チームを組んで」という点が特徴で、エントリ後に興味があるテーマに沿ってチームビルディングすることも可能です。また、協賛企業や Code for Japan の社会人メンバーによるワークショップやメンタリングも開催され、学生の皆さまのプロトタイプ開発を後押しする体制が取られています。私が学生時代にこういう企画があれば参加してみたかったです。

こちらの CCC U-22 の特別協賛として AWS も参加させていただいており、参加者の方に AWS が実際に使える無償の教育用演習環境を提供しておりました。加えて、Code for Japan の方から「せっかくなので AWS のセッションをしていただけませんか ?」とお声がけいただき、7 月末に AWS を CCC U-22 でどうご活用いただくか、をテーマにしたセッション、また、9 月頭に AWS 初学者向けのハンズオンを行いました。ここで紹介した内容は、きっと How to be a Developer カテゴリな皆さまにもお役立ていただける情報だと思いますので、お話しした内容を抜粋して紹介したいと思います。


アイデアを形にするために、AWS でできること

7 月に行った登壇では、「アイデアを形にするために、AWS でできること」というテーマでお話させていただきました。学生の方向けにお話するのが久しぶりだったこともあり、いきなり AWS の話をするというよりも、私自身のものづくりにおける (たくさんの) 失敗談と (少しの) 成功談を共有するところから始めました。

過去の失敗として、以前参加したハッカソンイベントの話を取り上げました。その際は「開発すること」に夢中になりすぎてしまい、解決したい世の中の「不」をどう解決するか (したいか) がブレブレになり、最終的に何を作っているのかがよく分からなくなってしまう、ということがありました。新しい技術に触れられたので技術的な楽しさはあったものの、結局ものづくりとしては中途半端な出来になり、当然結果も伴わない、そんな失敗をしたことがあります。

その経験をしたおかげ、と言ってはなんですが、それ以降は「課題の当事者の話を聞く」「解くべき課題を明確にし、ものづくりの対象を定義する」という意識を持つようになりました。アンケートやヒアリングを行い、必要最低限の機能 (Minimum Viable Product) を定義する。それに絞って開発を行い、動くものをまずは作る。そして、それを課題の当事者の人に見せて、プロダクトを進化させていく。そんな進め方をすることで、前述のような失敗を回避でき、意味のあるものづくりができるのではないでしょうか ? という話を参加者の皆さまにさせていただきました。(実はこの話は私の普段の業務でもお客様とよく話す話だったりします。)

その上で、AWS をどう活用していただくか、という話をさせていただきました。参加者の方々は皆さま学生の方々なので、開発だけをしていればいいわけではありません。その貴重なリソースはプロダクトのコア部分の開発に投入し、逆にコア以外の部分で AWS に任せられる部分は AWS に任せるのはどうですかね ? という話をさせていただきました。

例えば、何か画像認識をする必要があるプロダクト開発をするのであれば、そのモデルをイチから作るのではなく、Amazon Rekognition を試してみる。もし、期待する動きになれば、独自でモデルを作る時間が浮いた分、他のコア部分を作り込むのに時間を使っていただく、といったイメージです。AWS のマネージドサービスを活用いただくことで、限られた期間での開発をうまく進めていただきたいと願っています。

その後、私が独断と偏見で選んだ CCC U-22 においてご活用いただけそうな AWS サービス群とその利用シーンについて共有しました。(具体的に何を紹介したかは、参加者の皆さまと私だけの秘密です😊)


はじめての AWS ハンズオン

9 月には、CCC U-22 参加者の方向けに AWS ハンズオンを行いました。元々、初学者の方向けのハンズオン を 7 月の登壇でご紹介していたのですが、さらにその手前の躓きポイントを取り除くような内容で 2 時間ほど手を動かしていただきました。
そのような観点で、CCC U-22 で役立てていただけそうな AWS サービス群をいくつか紹介し、具体的な利用シーンを共有させてもらいました。

具体的には、

  • Amazon EC2 インスタンスを作り、Web サーバーとして公開する
  • サーバーレスサービスを使い、モバイルアプリから呼び出す Web API を作る
  • AWS SDK を利用し、プログラムから AWS のサービスを呼び出す

といったような内容を取り組んでいただいてます。公開されているハンズオンとしては、はじめの一歩編サーバーレス Web API 編 に近く、それぞれの手順をより丁寧に解説することを意識したバージョンでお届けしました。

また、登壇の中で、少し Advanced な内容にはなりますが、builders.flash のクラウドレシピカテゴリ を紹介しました。「社会課題を克服する」というテーマにそのままは合致しないレシピも多いのですが、技術の使いどころを変えるだけで、そのまま良いソリューションにしていただくことができると考えています。今、この記事を読んでいただいている方も、技術の種からアイデアを考えるというのも面白いと思いますので、クラウドレシピの記事もあわせてご覧いただければと思います。

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10/9 (土) に最終審査会が開催されます !

Civictech Challenge Cup U-22 は 9 月下旬に作品の提出が終わり、予選を勝ち抜いたチームによる最終審査会が 10/9 (土) に行われます。こちら、一般の方も視聴でき、かつ、視聴者によるオーディエンス賞に投票することもできるとのことです。私も視聴させていただき、久しく遠ざかってしまっている個人開発をするためのエネルギーを頂戴しようとと企んでおります。

この記事を書いているのが 9 月中旬なのですが、参加者の皆さまは絶賛開発のラストスパート中だと思います。この 2 ヶ月の間に様々な苦労があったかと思いますが、楽しくものづくりを仕上げていただければと願っております。最後になりましたが、熱量の高い学生の皆さまと関わる機会を作っていただいた Code for Japan、CCC U-22 の運営の皆さまに感謝いたします。またこのような機会がありましたら、ぜひお声がけいただければと思います。それでは ! ✋


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筆者プロフィール

金澤 圭 (@ketancho)
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
技術統括本部 ソリューションアーキテクト

サーバーレスが好きなテクニカルソリューションアーキテクト。業種業界問わず、お客様のプロダクト開発をサポートさせていただいています。「AWS Hands-on for Beginners」というオンデマンドで視聴できるハンズオンも企画・推進しており、楽しく学べるコンテンツを日々考えています。好きなサービスは AWS Lambda と Amazon Personalize で、好きな休日の過ごし方は娘ふたりと川の字になって昼寝です👧👧

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