AWS 認定インストラクターによる有償トレーニングコースの選び方

2022-03-02
How to be a Developer

Author : 吉田 慶章

builders.flash 読者の皆さん ! こんにちは !
シニアテクニカルトレーナーの吉田慶章です。

私はトレーナー (AWS 認定インストラクターとも言います !) として、主に有償トレーニングを通して、お客様の学びを支援しています。本記事は「How to be a Developer」というカテゴリーに所属しています。AWS を学ぶために「まずは有償トレーニングに参加するぞ !」というお客様もいらっしゃるのではないでしょうか !

さて、私は有償トレーニングを担当するだけではなく、有償トレーニングの受講に悩んでいるお客様に対してコース提案をさせていただく機会もあるのですが、よく聞かれる共通的な質問があります。大きく分類すると以下の 3 つでしょうか !

  • 「どのコースを受講すれば良いですか ?」
  •  「有償トレーニングのメリットは何ですか ?」
  •  「コースを申し込んだけど学習効果を高めることはできますか ?」

それぞれの質問に対する回答を、私自身の個人的な見解も含めて、builders.flash の記事としてまとめます。今回の記事では、1 番目の「どのコースを受講すれば良いですか ?」という質問にフォーカスします。

Here We Go ===┌(・_・)┘

注意 : コースは増減する可能性があります。またコースコンテンツの更新により内容が変わる可能性もあります。本記事は 2022 年 2 月時点の情報に基づいています。

この連載記事のその他の記事はこちら

選択
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  • AWS 有償トレーニングのメリットってなんだろう
  • AWS 有償トレーニングをもっと楽しむために

ウェブサイトに全て載っている !

有償トレーニングとして提供しているコース一覧は、こちらのウェブサイト に全て載っています。

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ウェブサイトを少しスクロールして「今すぐ始める」と「役割またはソリューション別にコースを探す」のところを見てみましょう ! 現時点で「計 14 カテゴリ」で「計 29 コース」も提供していて、多種多様なラインナップですよね ! もしかしたら「えっ ! 有償トレーニングのコースってこんなにあるの ? 知らなかったー !」と驚かれる方もいるのではないでしょうか !

一部、日本では未開催のコースもあるため、以下に現時点で提供もしくは提供予定のある「計 12 カテゴリ」と「計 20 コース」を一覧にしました。

基礎

  • AWS Cloud Practitioner Essentials
  • AWS Technical Essentials

アーキテクト

  • Architecting on AWS
  • Advanced Architecting on AWS
コンテナ
  • Running Containers on Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)
データ分析
  • Big Data on AWS
  • Building Data Lakes on AWS
  • Data Warehousing on AWS
データベース
  • Planning and Designing Databases on AWS
デベロッパー
  • Developing on AWS
  • Advanced Developing on AWS
DevOps エンジニア
  • DevOps Engineering on AWS
機械学習
  • MLOps Engineering on AWS
  • Practical Data Science with Amazon SageMaker
  • The Machine Learning Pipeline on AWS
移行と転送
  • Migrating to AWS
運用
  • Systems Operations on AWS
サーバーレス
  • Developing Serverless Solutions on AWS
セキュリティ
  • AWS Security Essentials
  • Security Engineering on AWS

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では、どのコースを受講すれば良いのでしょうか ? 

コース名から何となく内容を予想できるものもありますが、お客様の期待値と異なる可能性もあるため、コースの詳細情報まで確認していただくのがおすすめです。確認手順をザッと紹介します。

例えば「DevOps Engineering on AWS」をクリックしてみると、コース専用ウェブサイトに遷移します。ここで「学習目標」や「本コースの受講対象」、「受講に必要となる経験」などを確認できます。さらに「コースの概要を入手する」というリンクをクリックすると、PDF 形式で、より詳細なコース情報を確認できます。モジュール (座学中心に学ぶ時間のことです !) とラボ (AWS 環境を使って演習をする時間のことです !) 構成、そして学べるトピックや AWS サービス名も確認できます。

よって、「どのコースを受講すれば良いですか ?」という質問に含まれているであろう「どういう技術的トピックや AWS サービスを学べますか ?」「どういう AWS サービスをラボで体験できますか ?」という疑問の多くはウェブサイトで解決できるはずです。

注意 : コースによってはウェブサイトや PDF が英語のままになっている可能性があります。順次、日本語化を進めていく予定です。

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もう少し紹介を続けましょう。コース専用ウェブサイトにある「クラスを探す」ボタンを押すと、コースの開催日や残席数を確認できます。こちらのように [言語] を [日本語] に変更する必要があります。

頻繁に開催されているコースもあれば、1 ヶ月に 1 回程度の開催になっているコースもあるため、定期的に開催日を確認してみてください。また、提供元として Amazon Web Services 以外の選択肢として、ATP (AWS Training Partners) も表示されています。全て、AAI (Authorized AWS Instructor : AWS 認定インストラクター) による有償トレーニングです。どのインストラクターでも基本的に同じコース内容での提供となります !

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コースを選ぶ前に追加で確認しておくべきこと !

コース専用ウェブサイトでコース情報を確認できると紹介しました。既に気になったコースがあり、受講したい ! と感じられているかもしれませんが、もう少し待ってください ! コースを選ぶ前に、追加で確認しておくべきことを 4 点紹介します。

1. レベル

ウェブサイトに載っている通り、コースには大きく 3 種類のレベルが設定されています。

  • 基礎
  • 中級
  • アドバンスト (≒ 上級)

「基礎」コースに関しては、コースで取り扱うトピックのエッセンスをわかりやすく学べます。できる限り、専門用語を使わずに説明する工夫も行っているため、あまり経験がなくて不安 ! というお客様も安心して受講できます。詳しく学ぶというよりは「全体概要を学ぶ場合」に効果的です。

「中級」コースに関しては、正確に言えば「基礎 ~ 中級」と考えると良いと思います。基礎部分は復習をしつつ、コースで取り扱うトピックをある程度まで深く学べます。現時点では多くのコースが「中級」に設定されています。「実務で使うときに知っておくべき内容を学びたい場合」に効果的です。コースによっては、ディスカッションをしてお客様同士コミュニケーションを取っていただくこともあります。

「アドバンスト」コースに関しては、正確に言えば「中級 ~ アドバンスト」と考えると良いと思います。コンテンツとしては、詳しく学べるように作られているため「コースで取り扱うトピックを実践的に深く学びたい場合」に効果的です。しかし一般的に、トレーニングを受講されるお客様のレベルや前提知識はバラバラであるため「中級」レベルの復習から行うことが多いです。よって、常に「アドバンスト」な内容で進行するわけではありません。

なお、自分自身のレベルを正確に判断できないことも多いと思います。例えば「自分は少し現場で AWS を使っているし中級ぐらいかな ?」と考えるのも良いですし、先ほど紹介をした「受講に必要となる経験」という部分を満たしているのかを確認するのも良いです。そして、あくまで個人的な見解ではありますが、せっかく有償トレーニングで学ぶのであれば「少し背伸びをして受講をしたい」と感じることもあるのではないでしょうか。良いと思います ! コースを申し込んでから予習もできますので、そこまで「自分はコースのレベルに達していないのではないか」と不安に感じる必要はないと思います !

2. 期間

ウェブサイトに載っている通り、現在日本で開催しているコースの期間は大きく 3 種類あります。

  • 1 日間
  • 3 日間
  • 4 日間

まず、「1 日間」コースは速習をしたい場合におすすめです。独学をするよりも効率的に学べます。9 時半開始で 17 時半終了です。お昼休みと合間の休憩時間を考慮すると実質 6.5 時間ほどとなり、時間も限られているため、予定している進行通りに進めることが多いです。学習効果を考えると、翌日以降に復習をしていただくと良いでしょう。

次に、「3 日間」コースと「4 日間」コースですが、毎日お客様とのリレーションを築きながら、柔軟に進行できます。例えば、1 日目の最後にお客様から「○○をうまく理解できなかった」というフィードバックがあれば、2 日目の内容を変更して、追加で説明をするなど、フォローアップを行えます。また、当然ながら必須ではありませんが、お客様自身がトレーニング後に復習をし、疑問が出てきた場合は、翌日にトレーナーに直接質問もできます。そして、シンプルに 3, 4 日連続で学ぶ続けることにより、反復学習の効果も得られます。じっくり学びたい場合におすすめです。

3. 分類 (ソリューションカットとサービスカット)

コースを完全に分類することは難しいのですが、大きく「ソリューションカットなコース」と「サービスカットなコース」があります。お客様の受講目的によって意識する必要があります。以下にわかりやすい例を載せてみました。

例えば「DevOps」では、DevOps というカルチャーの紹介から、AWS を使って DevOps を実現するための多種多様なソリューションを学べます。Code サービスを使った CI/CD パイプラインやサーバーレスのデプロイなど、取り扱うサービスは幅広くなります。しかし、DevOps を実現するためのツールは AWS 以外にも多くありますよね!よって、お客様の技術選定によっては「会社では使う予定のないサービスだけどトレーニングで学べた」という体験にも繋がります。

また「Amazon EKS」などは、ある程度決まったサービスをどのように活用するのかを学べます。特定のサービスを学ぶために有償トレーニングを検討されている場合は、期待値とのズレが少なくおすすめです。当然ながら、Kubernetes 関連ツールも多種多様ですから、お客様の技術選定によっては「会社では使う予定のないツールだけどトレーニングで学べた」という体験にも繋がります。

皆さんは「どんな目的で」コースを受講されますか ?

ソリューションカットなコース例

「DevOps」
  • DevOps Engineering on AWS
「サーバーレス」
  • Developing Serverless Solutions on AWS
「ビッグデータ」
  • Big Data on AWS
「セキュリティ」
  • Security Engineering on AWS

サービスカットなコース例

「Amazon EKS」
  • Running Containers on Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)
「Amazon SageMaker」
  • The Machine Learning Pipeline on AWS
「Amazon Redshift」
  • Data Warehousing on AWS

4. プライベートトレーニング

トレーニングの開催形態は実は大きく 2 種類あります。既に紹介した開催日に申し込む「パブリックトレーニング」と、個社向けに開催する「プライベートトレーニング」です。会社単位でコースを受講することで、お客様のレベルやバックグラウンドを揃えられたり、開催日を柔軟に設定できるメリットがあります。また、ベストエフォートではありますが、お客様に沿ったトレーニングを提供できます。プライベートトレーニングの事例は こちら から確認できます。

そして、コースを選ぶところからお手伝いできます。最低開催人数などの条件はありますが、まずは以下の「チームをトレーニングする」というボタンからリクエストをお願いします。

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私のおすすめコース 4 選 !

ここまでの内容で、お客様の期待に沿ったコースを選べるようになったのではないでしょうか。最後は私のおすすめコースを 4 個ピックアップをしてみました。悩みました ! 私以外のトレーナーによるおすすめコース紹介記事も読んでみたいですね !

Architecting on AWS

まずは「中級レベル (3 日間)」の「Architecting on AWS」です。AWS を活用して、スケーラビリティや可用性やコスト効率などを意識したアーキテクチャを設計できるようになります。また、取り扱う AWS サービスも多岐にわたるため、各サービスの立ち位置も体系的に整理できます。お客様より「3 日間で多くのサービスを学べて、ほぼ未経験の状態からアーキテクチャを考えられるようになり驚きました。」といったコメントをいただいたこともあります !

Running Containers on Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)

次は「中級レベル (3 日間)」の「Running Containers on Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)」です。Kubernetes や Amazon EKS に入門するところから開始し、3 日間で実践的な知識を獲得できます。具体的には Amazon EKS クラスタを構築し、アプリケーションをデプロイし、耐障害性や効率性やセキュリティを考慮した設計を学べます。「質疑応答や議論もでき、Kubernetes 基礎と EKS 基礎を学べました。ラボではセットアップされたクラスタがあり体験できたのも良かったです。」といったコメントをいただいたこともあります !

Developing Serverless Solutions on AWS

サーバーレスに特化したコースもあります。「中級レベル (3 日間)」の「Developing Serverless Solutions on AWS」です。AWS Lambda に限らず、Amazon EventBridge や AWS Step Functions、Amazon SQS など、多くのサーバーレスプラットフォームサービスを組み合わせたベストプラクティスやソリューションを実践的に深く学べます。「サーバーレスを使うときに、深くて理解できていなかった部分まで網羅的にカバーされていてとても勉強になるコースでした。」といったコメントをいただいたこともあります !

もしサーバーレス未経験である場合は、事前に「中級レベル (3 日間)」の「Developing on AWS」を受講しておくと前提知識を満たせます。

The Machine Learning Pipeline on AWS

最後に紹介するのは機械学習に特化した「中級レベル (4 日間)」の「The Machine Learning Pipeline on AWS」です。もちろん Amazon SageMaker 自体も学べますが、機械学習パイプラインに沿って、問題の定式化からデータの前処理、トレーニング、評価、特徴量エンジニアリング、ハイパーパラメータ最適化、デプロイまで、一般的な機械学習に関連する知識も学べます。機械学習の初学者から経験者まで幅広く受講できます。「今まで断片的に学んでいたことを、機械学習パイプラインに当てはめて、一貫して学べました。」といったコメントをいただいたこともあります !

なお、コース名の通り、機械学習パイプラインに沿ったトピックを扱うため、もし継続的な運用を意識した MLOps を専門的に学びたい場合は、「中級レベル (3 日間)」の「MLOps Engineering on AWS」をおすすめします。

注意 : あくまで個人的な見解で選んでいます。もちろん、ピックアップしなかったどのコースもおすすめです !


ラーニングパスと組み合わせる

学習リソースは今回紹介をした有償トレーニングだけではありません。無料で視聴できるデジタルトレーニングもあります。それらをまとめて「ラーニングパス」として公開しているものが「AWS Ramp-Up Guides」です。2021 年 7 月の記事で紹介しているため、合わせて確認すると良いでしょう。なお、現在は一部日本語化されています !


まとめ

今回は、トレーナーとしてよく聞かれる共通的な質問の「どのコースを受講すれば良いですか ?」に回答するべく記事にまとめてみました。少しでも、有償トレーニングを知っていただくきっかけになればと思っています。

  • 「どのコースを受講すれば良いですか ?」
  • 「有償トレーニングのメリットは何ですか ?」
  • 「コースを申し込んだけど学習効果を高めることはできますか ?」

残っている質問に回答する記事も順次公開予定です ! お楽しみに !

では、有償トレーニングでお会いしましょう !


FAQ

最後に FAQ をまとめておきます。本記事で紹介している内容と重複している点もあります。また、よくある質問は ウェブサイト にも載っています。

Q. ATP とは何ですか ?

AWS トレーニングパートナーのことです。AWS Training Partners の略で ATP です。有償トレーニングの提供が認められているお客様です。詳しくは こちらのウェブサイト に載っています。

Q. AAI とは何ですか?

AWS 認定インストラクターのことです。Authorized AWS Instructor の略で AAI です。AWS 社員のインストラクターに限らず、ATP のインストラクターやフリーランスのインストラクターもいます。詳しくは こちらのウェブサイト に載っています。

Q. 有償トレーニングの費用はいくらですか ?

申し込みサイトにも載っていますが、1 日間コースだと ¥70,000 (税別)、3 日間コースだと ¥210,000 (税別) です。また、トレーニングバウチャーを利用するとボリュームディスカウントを受けられますが、条件もあるため、詳しくは こちらのフォーム もしくは AWS 担当者までお問い合わせをお願いします。

この連載記事のその他の記事はこちら

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筆者プロフィール

吉田 慶章
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
AWS トレーニングサービス本部 シニアテクニカルトレーナー

ウェブエンジニア/プログラミング講師などの経験から AWS テクニカルトレーナーに。教えることを本職とし、効果的な学習メソッドを考え続けている。教えることは最高の学習である。Keep on Learning 👍

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