AWS Cloud Quest のソリューションアーキテクト編をやってみた
Author : 吉田 勇人
こんにちは ! テクニカルトレーナーの吉田です。
突然ですが、皆さんはどのように AWS の学習をしていますか ? AWS の学習を楽しめていますか ?
今回は、ロールプレイングゲームを通して AWS の学習ができる AWS Cloud Quest (以下、Cloud Quest) というサービスについて紹介します !「Cloud Quest とはどんなサービスなのか ?」、「Cloud Quest はどんな人にオススメのサービスなのか ?」、「Cloud Quest を始めるにはどうしたら良いのか ?」などを解説します。さらに、実際に Cloud Quest ソリューションアーキテクトをプレイした感想などもまとめてみました !
Cloud Quest とは
Cloud Quest は、実用的な AWS Cloud スキルを身につけるための 3D ロールプレイングゲームです。
ロール (クラウドプラクティショナー、サーバーレスデベロッパー、ソリューションアーキテクト、機械学習スペシャリスト、セキュリティスペシャリスト、ネットワークスペシャリスト、またはデータ分析スペシャリスト) を選択し、クラウドスキルを学習して応用し、仮想都市の市民を助けましょう。
ロール内には「クエスト」と呼ばれる課題が用意されており、ロールごとに全てのクエストを完了すると、デジタルバッジで成果をアピールできます。クラウドを基礎から学ぶ場合でも、専門的なスキルを習得したい場合でも、Cloud Quest は、魅力的な方法で学習できます。
* 2023 年 10 月時点では、クラウドプラクティショナーロールのクエストのみ、日本語版が提供されています。
ソリューションアーキテクトロールは、英語ではありますが、クエスト内では AWS マネジメントコンソールの画面キャプチャを使った操作の説明を見ながらプレイできるようになっています。詳しくは、実際にクエストをやってみた のセクションをご覧ください !
クエストとは ?
クエストとは、Cloud Quest 内でクリアするべき課題のことです。上述したそれぞれのロールに適したクエストが用意されています。
2023 年 10 月時点では、ソリューションアーキテクトのロールだと 26 個のクエストが用意されています。今回は 5 つのクエストを抜粋して以下の表にまとめてみました。上から 1 つ目のクエストである「Cloud Computing Essentials」をみてみると、クエストのシナリオとして「市のウェブポータルは、信頼性を向上させるために、ビーチの波の大きさの予測ページを AWS に移行する必要があります。」と記述されています。さらに学習目標として、「AWS クラウドコンピューティングプラットフォームの特徴を明確に説明できるようになる。」、「Amazon S3 を使用して静的 Web ページのホスティングを実装できるようになる。 」などと記述されています。
このようにクエストを通して、AWSのソリューションアーキテクトとして必要な知識を身につけることができます。クエストの進め方については、実際にクエストをやってみたのセクションをご覧ください !
* 以下の表は、Skill Builder 内に英語で記載された表を、私が独自に日本語に翻訳したものです。
クエスト | クエストのシナリオ | 学習目標 |
Cloud Computing Essentials | 市のウェブポータルは、信頼性を向上させるために、ビーチの波の大きさの予測ページを AWS に移行する必要があります。 | AWS クラウドコンピューティングプラットフォームの特徴を明確に説明してください。 AWS の製品とサービスを使用する主な利点を説明してください。 AWS クラウドサービスとオンプレミスインフラストラクチャを比較対照してください。 Amazon S3 を使用して静的ウェブページのホスティングを実装します。 |
Cloud First Steps | 島の安定化システムは故障しており、計算モジュールの信頼性と可用性を高める必要があります。 | AWS インフラストラクチャの利点をまとめてください。 AWS のリージョンとアベイラビリティーゾーンについて説明してください。 Amazon EC2 インスタンスを複数のアベイラビリティーゾーンにデプロイしてください。 |
Serverless Foundations | 遊園地の IT 部門がサーバーをプロビジョニングせずにコードを実行できるようにします。 | サーバーレスコンピューティングの原則を説明してください。 AWS Lambda について、その用途と利点を詳しく説明してください。 AWS Lambda 関数を作成してデプロイしてください。 |
Computing Solutions | スケジューリングソリューションを実行する学校のサーバーは、より多くのメモリが必要です。学校が Amazon EC2 インスタンスの垂直スケーリングをするための支援をしましょう。 | Amazon EC2 インスタンスファミリーとインスタンスタイプについて説明してください。 水平スケーリングと垂直スケーリングについて説明してください。 Amazon EC2 インスタンスに接続するためのオプションを認識してください。 |
Deploying RESTful APIs | アミューズメントパークの IT スタッフがライドシェアアプリ用の API を作成するのを手伝ってください。 | AWS Lambda と統合する REST API を作成してデプロイしてください。 Amazon API ゲートウェイと AWS Lambda のリンクについて説明してください。 API ゲートウェイが REST API をどのように利用しているかを説明してください。 API ゲートウェイの用途と利点を説明してください。 マイクロサービスのコアコンセプトを理解してください。 |
オススメポイント
このセクションでは、Cloud Quest のオススメポイントを 3 つに絞って説明します !
- AWS のマネジメントコンソールを触りながら学習ができる
Cloud Quest では、AWS のマネジメントコンソールを触りながら学習を進めることができます。本や公式ドキュメントなどの Web ページを通して、AWS の学習を進めるだけでなく、AWS のマネジメントコンソールから様々な AWS サービスに触ることで、より知識が定着しやすくなります。 - ゲームを通して楽しく AWS を学習できる
前述の通り、Cloud Quest は、ロールプレイングゲームです。ゲーミフィケーションを利用した学習コンテンツであるため、無理なく、楽しく、継続的に、AWS の学習を進めることができます。ゲームを通して楽しく AWS を学習をしたい方には、特にオススメです。
また、2023 年 10 月時点で、AWS では 12 個の 認定試験 があります。Cloud Quest での学習を通して習得した AWS に関するスキルのレベルを確認したい方には、認定試験 の受験をオススメします。例えば、本ブログ記事で扱っている Cloud Quest ソリューションアーキテクトの学習を進めていただいた後に、AWS Certified Solutions Architect - Associate を受験をしてみるのも良いかもしれません。 - ロールにあった AWS サービスを学習できる
Cloud Quest には、2023 年 10 月時点で 7 つのロール (クラウドプラクティショナー、サーバーレスデベロッパー、ソリューションアーキテクト、機械学習スペシャリスト、セキュリティスペシャリスト、ネットワークスペシャリスト、またはデータ分析スペシャリスト) があります。興味があるロール、将来なってみたいロール、を選ぶとそのロールでよく使用する AWS サービスについて学ぶことができます。
例えば、データ分析に興味がある場合は、データ分析スペシャリストのロールのクエストを進める中で、ETLのために使われる AWS Glue や、AWS 上でデータウェアハウスを構築する際に使われる Amazon Redshift を動かすこともできます。
Cloud Quest 始め方
Cloud Questを始めるためには AWS Skill Builder のアカウントを作成していただく必要があります。2023 年 10 月時点では、無料プランの場合、Cloud Practitioner ロールの 12 個のクエストをプレイできます。有料プランに加入いただくと残りのクエストもプレイできます。 AWS Skill Builder の登録方法、及び Cloud Quest の始め方の詳細については、下記の YouTube の動画をご覧ください。
実際にクエストをやってみた
実際に、Cloud Quest ソリューションアーキテクトの「Cloud Computing Essentials」というクエストをプレイしてみました。クエストは、Learn → Plan → Practice → DIY の 4 つのステップに分かれています。それぞれのステップ毎にどんなことをするのかみていきます。
Learn
Learn のステップでは、クエストで扱う各 AWS サービスの概要やアーキテクチャ全体について解説してくれます。
例えば、この画像では、Amazon S3 について説明しています。また、必要に応じてこの画像の左側にある Video のアイコンをクリックすると動画コンテンツで学習することもできます。クエスト内で扱う AWS サービスについて学習してから以降のステップに進むため、未知の AWS サービスが出てきても安心して学習を進めることができます。
Plan
Plan のステップでは、以降のステップである Practice と DIY で取り組む内容を確認することができます。
例えば、こちらの画像の左側を見ると Practice では 「Amazon S3 のバケットを作成し、静的ウェブサイトのホスティングの設定を有効化し、最後に、バケットポリシーを用いて作成した Amazon S3 バケットを保護する」と記述されています。さらに、 DIY では「 index.html の名前を変更して waves.html にしよう」と記述されています。
このように、 Plan のステップを通して Practice 及び DIY で取り組む内容の全体像を確認することができます。
Practice
Practice のステップでは、Plan のステップで確認したことを 実際に AWS のマネジメントコンソールを使って取り組んでいきます。
画像左上の Start Lab を押すと AWS のマネジメントコンソールにアクセスできます。
AWS のマネジメントコンソール内でどんな操作をするかは、この画像のように文章及び、AWS マネジメントコンソールの画面キャプチャをもとに説明してくれるので、AWS のマネジメントコンソールの操作に慣れていない方でも安心してプレイすることができます。
DIY
DIY のステップでは、ここまでの Learn、Plan、Practice の 3 つのステップで学んだことを活かし、自分の力で課題をクリアする必要があります。3 つのステップで取り組んだことを理解できていれば、そこまで悩まずにクリアできると思います !
まとめ
ここまで、 Cloud Quest について解説してきました。本記事を通して、Cloud Quest をプレイしてみようと思っていただけたら幸いです !
改めてですが、Cloud Quest のオススメポイントは以下の 3 つです。
- AWS のマネジメントコンソールを触りながら学習ができる
- ゲームを通して楽しく学習することができる
- ロールにあった AWS サービスに関する学習ができる
Cloud Quest をプレイして、楽しみながら AWS について学習してみてください !!
筆者プロフィール
吉田勇人
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 テクニカルトレーナー
より多くの人に「 AWS の学習は面白い ! もっと学んでみよう !」と思っていただくために、AWS でテクニカルトレーナーをしています。
最近は、Cloud Quest にハマっています。
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