ROS 向けのクラウド拡張機能

Robot Operating System (ROS) は最も広く使用されているオープンソースのロボット工学ソフトウェアフレームワークで、ロボット工学アプリケーションの構築に役立つソフトウェアライブラリを提供しています。AWS RoboMaker には ROS 向けのクラウド拡張機能が用意されているため、一般にインテリジェントロボット工学アプリケーションに必要でリソースを大量に消費するコンピューティングプロセスをクラウドで実行し、ローカルのコンピューティングリソースを解放することができます。これらの拡張機能により、ビデオストリーミングのための Amazon Kinesis Video Streams、画像と動画の分析のための Amazon Rekognition、音声認識のための Amazon Lex、音声合成のための Amazon Polly、ログ記録とモニタリングのための Amazon CloudWatch といった AWS のサービスと簡単に統合できます。RoboMaker ではそれぞれのクラウドサービス拡張機能をオープンソースの ROS パッケージとして提供されるため、クラウド API を活用してロボットの機能を構築できます。これらの API はすべて使い慣れたソフトウェアフレームワークに含まれています。

Amazon Kinesis と Amazon Rekognition によるコンピュータビジョン

Amazon Kinesis と Amazon Rekognition を使用してコンピュータビジョンアプリケーションを構築し、クラウドのコンピューティングリソースを使用してローカルの負担を軽減できます。Amazon Kinesis Video Streams のストリーミングデータを Amazon Rekognition Video に入力し、お客様が提供する最大数千万件の顔データと照らし合わせて、非常に低いレイテンシーで顔認識を実行できます。

Amazon Lex および Amazon Polly による音声コマンド

Amazon Lex では、高品質の音声認識と自然言語理解に加えて、インテントチェイニングを利用できるため、ロボットに対して行われる複雑な会話を小さい構成要素に分解して単純化できます。応答と音声合成について言うと、Amazon Polly では、何十種類ものリアルな音声をさまざまな言語でサポートしているため、最適な音声を選択して、音声対応のロボット工学アプリケーションを多数の国で配信できます。

Amazon CloudWatch によるモニタリングとログ記録

Amazon CloudWatch から得られる実用的なインサイトは、アプリケーションパフォーマンスの最適化、リソース使用率の管理、ロボットフリートに関するシステム全体のオペレーション状態の把握に役立ちます。CloudWatch では、メトリクスとログデータを 1 秒単位で確認できます。データ (メトリクス) は 15 か月間保持され、メトリクスに対して計算を実行することもできます。これにより、ロボットの使用状況やパフォーマンスを把握できます。

開発環境

AWS RoboMaker は、ロボット工学アプリケーションを構築および編集するためのロボット工学開発環境を提供します。RoboMaker の開発環境は AWS Cloud9 に基づいているため、ロボット工学アプリケーションコードを編集、実行、デバッグするための専用ワークスペースを起動できます。RoboMaker の開発環境には、オペレーティングシステム、開発ソフトウェア、ROS が、自動的にダウンロード、コンパイル、設定されます。また、RoboMaker のクラウド拡張機能とロボット工学アプリケーションのサンプルもこの環境に事前に統合されているため、すぐに使用を開始できます。

事前設定済みの ROS ツール

ROS は、開発環境に事前にインストールされ、設定されているため、すぐに編集を開始できます。ロボット工学アプリケーションのコードを更新したら、更新したシミュレーションジョブを開発環境から実行できます。また、ROS ビルドツールは依存関係を構築し、ROS コードにバンドルするように事前に設定されているため、お客様のハードウェアで実行できます。

事前に統合されたサンプルアプリケーション

RoboMaker の開発環境には、事前に組み込まれているサンプルアプリケーションや、いつでもダウンロードできる状態のサンプルアプリケーションがいくつか用意されています。それぞれのサンプルアプリケーションには、ロボット工学アプリケーションやシミュレーションアプリケーションのビルド済みコードが組み込まれているため、各アプリケーションで微調整やビルドを行えば、簡単に使用を開始できます。それぞれのサンプルアプリケーションでは、ROS 向けの RoboMaker のクラウド拡張機能を利用しており、対応するシミュレーションワールドのサンプルが提供されます。サンプルアプリケーションは RoboMaker コンソールでシミュレーションジョブとして実行し、仮想的にテストできます。また、ロボットのハードウェアと互換性があるため、現実世界でテストするために物理的なロボットに簡単にデプロイできます。

十分な機能を備えたエディタ

RoboMaker の開発環境にはブラウザベースのエディタが付属しており、プロジェクトの作成、実行、デバッグが容易になります。入力時には、コード補完とコードヒント候補がエディタに表示されるため、コード作成時間の短縮とエラーの回避に役立ちます。

シミュレーション

シミュレーションを使用すると、複雑な環境や変化する環境でロボット工学アプリケーションがどのように動作するのかを把握できるため、高価なハードウェアに投資したり、物理的なテスト環境を用意したりする必要がありません。物理的なハードウェアにデプロイする前に、シミュレーションを使用してロボット工学アプリケーションのテストと微調整を行うことができます。AWS RoboMaker は完全マネージド型のロボット工学シミュレーションサービスを提供し、大規模なシミュレーションおよび並列シミュレーションをサポート、さらに土台となるインフラストラクチャをシミュレーションの複雑さに基づいて自動的にスケールします。また、RoboMaker では、屋内の部屋、小売店、サーキットなど、事前に構築された仮想 3D ワールドを利用できるため、これらのワールドをダウンロードし、自分のシミュレーションで変更して使用できます。これにより、シミュレーションを短時間で簡単に開始できます。

さまざまなシミュレーションユースケース

RoboMaker のシミュレーションでは、さまざまなシミュレーションユースケースがサポートされています。シミュレーションジョブは、ロボット工学アプリケーションの開発中に行う反復テストや、新しいロボット工学アプリケーションのリリースサイクルごとに行う回帰テストで実行できます。また、機械学習モデルをトレーニングするためのシミュレーションデータを生成するためにも実行できます。

事前に統合されたオープンソースのツール

RoboMaker のシミュレーションは、オープンソースの Gazebo (シミュレーションエンジン)、物理演算用の ODE エンジン、レンダリング用の OGRE エンジンと統合されています。このため、これらのエンジンで構築した既存のシミュレーションジョブを簡単に移行して、RoboMaker のシミュレーションで実行できます。また、RoboMaker のシミュレーションでは、シミュレーションジョブの操作や可視化のために、Gazebo クライアント、rviz、rqt といったコマンドラインツールや可視化ツールを利用できます。

自動スケーリング

RoboMaker のシミュレーションでは、ロボット工学アプリケーションとシミュレーションアプリケーションの複雑さに応じて基盤となるインフラストラクチャが自動的にスケールされます。キャパシティープランニング、コンピューティングリソースのプロビジョニング、ソフトウェアの更新、OS のパッチ適用といったインフラストラクチャ関連のタスクは自動的に実行されるため、お客様が実行する必要はありません。お支払いいただく料金は、シミュレーションジョブで使用したリソースの分のみです。

モニタリングとログ記録

RoboMaker のシミュレーションは、シミュレーションジョブのモニタリングとログ記録を行えるように Amazon CloudWatch および Amazon S3 と統合されています。シミュレーションジョブの実行中に衝突、速度、バッテリーレベルといったメトリクスをロボット工学アプリケーションから出力し、アプリケーションのパフォーマンスを分析することができます。また、rosbag (ROS メッセージデータを保存するための ROS のファイル形式) と gzlog (シミュレーションワールド全体の開始時の説明全体を含む Gazebo ログファイルで「ワールドの状態」に先行) を有効にして、シミュレーションジョブの完了後にそのジョブの分析、リプレイ、デバッグを行うことができます。

フリート管理

アプリケーションの開発または変更が完了したら、アプリケーションを安全にロボットにデプロイしたり、後でロボットの使用中にアプリケーションを更新したりするための無線通信経由 (OTA) システムを構築する必要があります。AWS RoboMaker は、ロボットの登録簿、セキュリティ、耐障害性といった機能が組み込まれたフリート管理サービスを提供しています。これを使用することで、ロボット工学アプリケーションを、デプロイしたり、OTA により更新したり、ロボットのライフサイクル全体において管理したりすることが可能です。RoboMaker のフリート管理では、ロボットをグループ化することや、バグ修正または新しい機能に伴う更新を行うことができます。これらはすべて、コンソールで数回クリックするだけで実行できます。

ロボットの登録と管理

ロボットを RoboMaker のフリート管理に登録して、ベータフリートや本番フリートといったフリートに編成できるため、必要なフリートのみに対してデプロイや更新を行うことができます。

無線 (OTA) によるデプロイ

RoboMaker のフリート管理では、無線によるデプロイを使用し、数回クリックするだけでロボット工学アプリケーションをロボットフリートにセキュアにデプロイできます。OTA によるデプロイは、新しいアプリケーションのデプロイのほか、既存のアプリケーションにおけるバグの修正や新しい機能の実装に使用できます。

AWS IoT Greengrass との統合

RoboMaker のフリート管理は AWS IoT Greengrass と統合されているため、ローカルの Lambda 関数、ローカルのメッセージング、機械学習の推論といった IoT Greengrass の追加機能を活用できます。AWS IoT Greengrass では x86 と ARM の両方のアーキテクチャがサポートされているため、ロボットのハードウェアが x86 ベースか ARM ベースかにかかわらず、RoboMaker のフリート管理を使用できます。

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