導入事例 / IT サービス

2022
株式会社デジタルキューブ

株式会社デジタルキューブ

デジタルキューブ、AWS Marketplace を活用し、
アジア圏で初めて海外進出。ワールドワイドなサービスを展開

約 5,200

『AMIMOTO』のサブスクリプションユーザー数

約 5,600

『Shifter』のサブスクリプションユーザー数

約 20%

海外での売上比率

AWS Marketplace 掲載による世界市場での販売

FTR の活用による技術者のレベルアップ

概要

WordPress 専業事業者として、WordPress ホスティングソリューションを提供する株式会社デジタルキューブ。同社は、SaaS 型の『AMIMOTO(アミモト)』と『Shifter(シフター)』のプラットフォームに アマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用し、ビジネスを展開しています。2012 年にはアジア圏で初めて、AWS Marketplace を活用した海外進出に成功。海外売上比率は約 20% に達しています。

ビジネスの課題 | WordPress ホスティングソリューションをサーバーレスで開発

デジタルキューブは 2006 年に神戸で創業し、WordPress 専業の Web 制作会社として事業を開始しました。2010 年には AWSのシンガポールリージョンのオープンに合わせてフルマネージド WordPress ホスティングの『AMIMOTO』を開発し、SaaS ソリューションとしてリリースしました。

「これまでは顧客先のサーバー環境に合わせて Web サイトを構築してきましたが、個別の対応が必要となり、開発・運用に負荷がかかっていました。自社による環境提供を熱望していたところ、AWS がアジア圏で利用できるようになり、迷うことなく採用を決めました」と語るのは、代表取締役の小賀浩通氏です。

以来、小賀氏はアーリーアダプターとして AWS/WordPress のコミュニティに深く関わり、マネジメントやイベントなどで活躍を続けています。

『AMIMOTO』の売上が順調に増えていく中、2016 年には WordPress サイトを静的な HTML に置き換えてホスティングする『Shifter』を新たに開発し、SaaS ソリューションとして提供を開始しました。

『Shifter』は、HTML/CSS を CDN から配信することで WordPress と公開領域を分離し、安全かつ高速なサイトを構築するサービスです。同社では、『Shifter』のプラットフォームを AWS のサーバーレス/マネージドサービスで構築しました。CTOの岡本渉氏は次のように語ります。

「『Shifter』は、常にセキュリティ対応が求められる WordPress を、安全かつ簡単に利用したいというユーザーのために開発しました。2016 年頃になると AWS の技術が第 2 世代に進化し、Docker コンテナや AWS Lambda といった新たなサービスが出てきたことから、コンテナやサーバーレス/マネージドサービスありきでアーキテクチャを設計しました」

『Shifter』は、ユーザーアプリケーション、フロントエンド、パブリッシングの 3 つのマイクロサービスで構成されています。ユーザーアプリケーションは、AWS Lambda と Amazon Elastic Container Service(Amazon ECS) で構成し、必要な時だけコンテナを立ち上げて提供します。静的コンテンツは、AWS Lambda を介して Amazon S3 に書き出し、Amazon CloudFront 経由でユーザーに配信します。

「サーバーレス/マネージドサービスにより、『Shifter』の安定稼働が実現しています。多くの運用を自動化しているため、2、3 名ほどの要員で管理を回すことが可能です。当初はアーリーアダプターが中心だったユーザーも、セキュリティの高さやメンテナンスの容易性が認知されるようになり、近年はエンタープライズのユースケースも増えています」(岡本氏)

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AWS Marketplace であれば自社で販売環境を整備する必要がありません。営業活動をしなくても世界中で自動的に売れていくので、使わない選択肢はありません

小賀 浩通 氏
株式会社デジタルキューブ 代表取締役

ソリューション | 世界中のフィードバックを受けながらプロダクトを進化

今や、世界各国で利用されている『AMIMOTO』と『Shifter』が、広く認知されるきっかけが、2012年に WordPress のホスティング環境を自動で立ち上げるマシンイメージ『AMIMOTO AMI』を AWS Marketplace で公開したことでした。

「世界シェアの高い WordPress であれば AMI のニーズも大きいと判断し、世界中のAWS ユーザーが集まる AWS Marketplace での販売を決めました。AWS Marketplace であれば自社で販売環境を整備する必要もなく、課金の仕組みも用意できます。自らが営業活動をかけなくても世界中で自動的に売れていくので、使わない選択肢はありません」(小賀氏)

とはいえ、AWS Marketplace の活用は同社がアジア圏で初ということもあり、さまざまな壁がありました。準備を開始した 2011 年当時、AWS Marketplace に登録できるのは US 企業で、かつ US に口座を持っていることが条件でしたが、1 年がかりで掲載にこぎ着けました。その後、AWS Marketplace の担当者の目に止まり、トップバナーで紹介されたことを契機に販売数が急増し、利用者から高い評価を獲得しました。現在もフィードバックを受けながら、プロダクトを進化させています。

「現在は、北米、南米、欧州、アフリカなど多くの国のユーザーに利用され、売上全体の約20% が海外で占めています。販売開始当初は平均単価が 1 万円程度のプランが中心でしたが、10 年が経った現在はスペックの高いプランを使うエンタープライズのユーザーが増え、平均単価も 3 倍以上になりました」(小賀氏)

アーキテクチャ

Architecture Diagram Title

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導入効果 | AWS パートナーネットワークを積極的に活用

国内外の販売力強化に向けては、AWS パートナーネットワークを積極的に活用。『AMIMOTO』と『Shifter』ともに、『AWSファンデーショナルテクニカルレビュー(FTR)』を通過し、『AWS ISV Accelerateプログラム』のサービス認定を取得しています。

FTR とは、AWS のパートナーソリューションアーキテクトが、AWS Well-Architectedベストプラクティスに沿って、ソリューションのリスクや信頼性を検証する評価プログラムです。FTR を通過したサービスは、AWS 認定ソフトウェアとして登録されます。AWS が共同販売を支援する AWS ISV Accelerate プログラムが利用可能になり、新たな販路の拡大につながります。カスタマーサクセスマネージャーの赤塚誠二氏は、これらのメリットについて以下のように語ります。

「FTR を通過するためには AWS ベストプラクティスに沿ってアーキテクチャを構成することになります。その際、エンジニアは AWS を学ぶ機会となり、技術レベルの底上げが実現しました。お客様は、AWS のお済み付きを得たサービスを利用することで、リスクが軽減されます。AWS ISV Accelerate プログラムは、専任の営業担当者を置いていない当社において、AWS の営業担当者との接点が生まれ、デジタルキューブという会社や提供ソリューションを認知していただけるきっかけとなっています」

2022 年 9 月現在、『AMIMOTO』と『Shifter』のサブスクリプションユーザー数は、それぞれ約 5,200 と約 5,600 と、両サービスともに順調に成長を続けています。今後もユーザーのニーズに応じて、SAML 認証などのエンタープライズ向けの機能を強化していくほか、AWS の最新技術を使ってアーキテクチャを定期的にアップデートしながら技術的負債を解消していく予定です。

AWS Marketplace では近年、掲載できるプロダクトの種類も増えていることから、同社では『AMIMOTO AMI』のプロフェッショナルサービスを新たに登録し、WordPress のアップデートやマイグレーションなど、ユーザーのサポートニーズに応える販売体制を強化しています。

「AWS には引き続き、技術面とビジネス面の双方からサポートいただき、各種イベントやマーケティング施策を通して、『AMIMOTO』や『Shifter』の売上拡大に貢献していただければと思います」(赤塚氏)

企業概要:株式会社デジタルキューブ

「デザイン、アート、テクノロジーの交点に立ち価値を創造する」をビジョンに、WordPress+AWS の専業事業者として、Web 構築からホスティングサービス、保守に至るまで、顧客の課題や目的に応じたサービスを提供している。2006 年の創業当初からフルリモートワークを基本とし、神戸本社のほか、埼玉、長岡、仙台にもオフィスを設置して、場所に縛られることなく働いている。2012 年にAWS パートナーネットワークに登録。

ご利用中の主なサービス

AWS Lambda

AWS Lambda を使用することで、サーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、コードを実行できます。料金は、コンピューティングに使用した時間に対してのみ発生します。

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Amazon ECS

Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) は、完全マネージド型のコンテナオーケストレーションサービスです。Duolingo、Samsung、GE、Cook Pad などのお客様が ECS を使用して、セキュリティ、信頼性、スケーラビリティを獲得するために最も機密性が高くミッションクリティカルなアプリケーションを実行しています。

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Amazon CloudFront

Amazon CloudFront は、データ、動画、アプリケーション、および API をすべて開発者にとって使いやすい環境で、低レイテンシーの高速転送により世界中の視聴者に安全に配信する高速コンテンツ配信ネットワーク (CDN) サービスです。

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Amazon S3

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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