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Merkle が AWS にカスタマー 360 とデータクリーンルームを構築し、プライバシーが安全に維持されるパーソナライズされたマーケティングを実現

2021 年

データプライバシー関連規制により、世界中のマーケティングおよび広告業界は、コンプライアンスを維持しながら顧客データを収集および利用することを可能にする新しいシステムを見つけることを余儀なくされています。テクノロジーを活用して Fortune 1000 企業がカスタマーエクスペリエンスを変革するのを支援している Merkle は、Amazon Web Services (AWS) を利用して、マーケティング担当者がパーソナライズされた広告を実現しながら、消費者のプライバシーを保護し、規制を遵守できるようにするソリューションの構築をサポートしています。

Merkle は AWS を利用して、ID 解決ソリューションの Mercury を開発しました。これで、マーケティング担当者が顧客データを統合し、データクリーンルーム (プライバシーを安全に維持するデータ共有ワークスペース) でオーディエンスのセグメント化、アクティベーション、測定を行うための分析が可能になります。

マーケティング領域の専門家グループが、あるプロジェクトで協力しています
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当社では、データを利用可能な状態にするために、Amazon Redshift を頻繁に利用しています。構造化されたクエリ言語クエリを実行し、それに対してビジネス分析を実行します”

Ankur Jain 氏
Merkle、Senior Vice President 兼 Global Cloud Practice Lead

顧客がデータプライバシー関連規制に迅速に適応できるようサポートする

Merkle はデータとデジタルトランスフォーメーションを通じて、ヘルスケア、金融サービス、製造、および他の業界の企業がカスタマーエクスペリエンスを変革する、パーソナライズされたオムニチャネルマーケティングを構築できるようサポートしています。クリエイティブ、分析、テクノロジー、コンサルティング、データ管理に関するサービスを提供しています。Merkle は 150 を超えるマーケティングデータベースと 37 億件の顧客記録を管理しており、150,000 件のキャンペーンを実施してきました。

欧州連合の一般データ保護規則やカリフォルニア州消費者プライバシー法など、広範に適用されるデータプライバシー関連規制の施行により、デジタルマーケティングに大きな変化が生じました。主要なインターネットブラウザでは、サードパーティー Cookie が廃止されました。これは、かつて企業が広告やマーケティングキャンペーンの参考にしていたオーディエンスのデータや識別子の標準的なソースでした。今日、マーケティング担当者が利用できるのは、同意が得られている匿名顧客データのみであり、個人を特定できる情報は利用できません。そのようなデータは、規制を遵守して収集および利用される必要があります。「マーケティングチームは、規制を遵守した状態でのデータの収集および利用を適切に実行できるようにするソリューションに移行する必要があります」と Merkle の分析担当 Senior Vice President である Sunil Rao 氏は述べています。「安全かつプライバシーを確保した状態で、同意を得てお客様にリーチし、マーケティングの効果を測定する方法について、イノベーションを起こす必要があるのです」。

2016 年から AWS を利用している Merkle は、AWS 上に Merkury を構築することにしました。2020 年、Merkle は AWS セレクトコンサルティングパートナーとなり、AWS との戦略的協業契約を締結し、顧客のための使いやすいソリューションの開発を加速させました。「AWS はテクノロジーで、Merkle はマーケティングの専門知識で協力し合うことで、当社のエンドユーザーにとって価値のあるものを生み出すことができます」と Mercle の Vice President 兼 Global Cloud Practice Lead である Ankur Jain 氏は述べています。

AWS で顧客のデータを保護しながらマーケティングをパーソナライズする

企業は Merkury を利用して、カスタマー 360 (顧客の詳細なプロファイル) に基づいてマーケティングキャンペーンを所有、構築、アクティブ化できます。その際、Cookie は使用しません。その代わり、このソリューションでは、組織のファーストパーティーの顧客関係管理データと、ウェブサイトへの訪問、ログイン、アウトバウンド E メールキャンペーン、アドレス指定可能なメディアリーチなどのインタラクションを利用します。カスタマー 360 を活用することで、クロスチャネルのターゲティング、パーソナライゼーション、測定などに有益な情報をもたらします。

例えば、世界的なエンターテインメント企業が世界中でテーマパークを再開したとき、ターゲットを絞ったマーケティングとパーソナライズされたサービスを通じてゲストのエクスペリエンスを改善したいと考えていました。同社は Merkury を利用して、どこに滞在したのか、どのアトラクションに乗ったのか、シーズンパスや 1 日パスを利用したかなどのデータを収集することで、平均的なゲストの 4~5 倍高い価値のあるゲストに関する 360 度ビューを構築しました。「ウェブサイトや公園など、特定のゲストがブランドと関わりを持つあらゆる場所でエクスペリエンスをパーソナライズするために、当社は AWS を利用して、これらのインタラクションを統合し、カスタマー 360 を構築して、その後に高度な分析を行いました」と Jain 氏は説明しています。

Merkury のもう 1 つの機能は、データクリーンルームです。これにより、マーケティング担当者は、プライバシーが安全に保たれた環境において、共有されたファーストパーティーデータをパートナーとともに分析および結合し、基礎となる未加工データを他の関係者にどの程度公開するかを制御できます。「クリーンルームがあることで、これらの分析環境を統合する際のオーバーヘッドや制限の層を排除できます」と Merkle のテクノロジーおよびデータ管理担当 Vice President である Jon Regan 氏は述べています。「そこには個人を特定できる情報が含まれないため、コンプライアンスとセキュリティへのアプローチが簡素化されるのです」。

AWS を利用することで、Merkle はインフラストラクチャのメンテナンスや 1 年を要する開発時間を回避し、顧客に良質なサービスを提供することに注力できます。「AWS のフルマネージドサービス内にはあらゆるものが事前にパッケージングされています」と Jain 氏は言います。「インフラストラクチャの設定、ソフトウェアのインストール、日常的な環境管理の煩わしさが解消するため、当社のイノベーションサイクルが短縮します」。 Merkle と AWS の顧客は、AWS Marketplace からシームレスに Merkury を購入できます。AWS Marketplace は、AWS で実行するソフトウェアの検索、テスト、購入、デプロイを簡単にするデジタルカタログです。「すべてのお客様のためにこのサービスを独自で開発するには、非常にコストがかかるでしょう」と Jain 氏は述べています。「AWS をご利用のお客様の場合、数日から数週間以内にソリューションを稼働させることができます。これをゼロから行うとすれば、何か月間もかかることでしょう」。

カスタマー 360 のデータは Amazon Redshift に格納されます。Amazon Redshift は、データから新しいインサイトを簡単に得られるようにする高速クラウドデータウェアハウスです。「当社では、データを利用可能な状態にするために Amazon Redshift を頻繁に利用しています」と Jain 氏は述べています。「構造化されたクエリ言語クエリを実行し、それに対してビジネス分析を実行します」。 顧客のマーケティングシステムからの未加工データを格納するのは、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) です。これは、業界をリードするスケーラビリティ、データの可用性、セキュリティ、パフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。そのデータを変換して処理するために、Merkle は AWS Glue を利用しています。これは、分析、機械学習、アプリケーション開発向けにデータを簡単に検出、準備、組み合わせることを可能にするサーバーレスのデータ統合サービスです。

リアルタイムでのエンゲージメントがますます重要になる中、Merkle は AWS Lambda を利用して、ほぼリアルタイムでデータを変換しています。AWS Lambda は、企業がサーバーのプロビジョニングや管理を行うことなくコードの実行を可能にするサーバーレスコンピューティングサービスです。また、Merkle は、Amazon Kinesis を利用してほぼリアルタイムでのストリーミングを実現しています。Amazon Kinesis は、ほぼリアルタイムのストリーミングデータを簡単に収集、処理、分析できるようにするサービスで、これにより、企業はインサイトを適時得て、新しい情報に基づいて迅速に対応できます。Merkle は、AWS の人工知能および機械学習サービスも利用しています。例えば、Amazon Rekognition を利用してクリエイティブ広告内のオブジェクトを識別しています。Amazon Rekognition は、高度にスケーラブルな深層学習テクノロジーを利用して、画像や動画の分析をアプリケーションに簡単に追加できるようにします。

AWS を利用して次世代のマーケティングソリューションを構築する

AWS を利用することで、Merkle は、業界の変化にシームレスに適応し、消費者のプライバシーを保護するとともに、パーソナライズされた関連性の高いマーケティングメッセージを配信し続けることを可能にする革新的なソリューションを顧客に提供できます。将来的には、Merkle は Amazon Redshift の共有機能を利用して、顧客がほぼ瞬時にデータを交換できるようにする予定です。Merkle は、AWS 上でインテリジェントなマーケティングソリューションを構築することにも取り組んでいます。「当社では、ブランドが AWS の力を活用して次世代のマーケティングソリューションを構築するのをサポートできるよう、いくつかの戦略的な取り組みを計画しています」と Jain 氏は述べています。


Merkle について

Merkle は、テクノロジーを活用したデータドリブン型のカスタマーエクスペリエンス管理企業で、Fortune 1000 の企業が顧客中心のビジネス戦略を構築および実行するのをサポートしています。世界 25 か国で 50 を超えるオフィスを展開しています。

AWS のメリット

  • 顧客向けのソリューションを数か月ではなく、数日から数週間で実装
  • 開発コストを削減
  • イノベーションサイクルを短縮
  • セキュリティとコンプライアンスを簡素化
  • チームのインフラストラクチャメンテナンスの負担を軽減

利用している AWS のサービス

Amazon Redshift

すべてのデータからこれほど簡単に新しいインサイトを得られるデータウェアハウスは、他にありません。Redshift では、標準的な SQL を使用することで、データウェアハウス、運用データベース、およびデータレイクにあるエクサバイト規模の構造化データと半構造化データに対するクエリの実行や、これらのデータの結合が可能になります。

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AWS Glue

AWS Glue はサーバーレスのデータ統合サービスで、分析、機械学習、アプリケーション開発に使用するデータの検出、準備、結合を簡単に行うことができます。

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Amazon Rekognition

Amazon Rekognition では、機械学習の専門知識を必要とせずに、実績のある高度にスケーラブルな深層学習テクノロジーを使用して、アプリケーションに画像および動画分析を簡単に追加できます。

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AWS Lambda

AWS Lambda はサーバーレスコンピューティングサービスで、サーバーのプロビジョニングや管理、ワークロード対応のクラスタースケーリングロジックの作成、イベント統合の維持、ランタイムの管理を行わずにコードを実行できます。

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開始方法

あらゆる業界のさまざまな規模のお客様が、AWS を活用してビジネスを日々変革しています。AWS のエキスパートにお問い合わせのうえ、今すぐ AWS クラウドジャーニーを開始しましょう。