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週刊AWS – 2024/10/21週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。

10 月 31 日 (木) 14:00 – 18:00 に AWS AI Day が開催されます。ザ・プリンス パークタワー東京の物理開催に加えて、ライブ配信も行います。現地の展示ブースでは、私を含む AWS Japan のスタッフが展示員として立つ予定です。ぜひ皆様ご参加いただき、イベントを楽しみながら、新しい学びを持ち帰っていただけますと幸いです。事前登録制になっておりますので、ぜひご登録の上ご参加ください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2024 年 10 月 21 日週の主要なアップデート

  • 10/21(月)
    • AWS Console Mobile Application でシームレスリンク体験の提供
      AWS Console Mobile Applicaton は、iOS や Android などのモバイルデバイスにインストールできるアプリケーションで、プッシュ通知によるお知らせを確認、専用ダッシュボードでリソースのモニタリング、サポートされている AWS サービスの詳細確認などができます。今回のアップデートで、AWS リソースに関する URL をモバイルデバイスで開く際に、AWS Console Mobile Applicaton の画面が直接開くシームレスリンク体験を提供するようになりました。ラップトップを開けない時などで利用体験が向上するアップデートです。
    • RDS Custom for SQL Server で Windows 認証をサポート
      RDS Custom for SQL Server で WIndows 認証をサポートするようになり、既存の Active Directory を利用してアクセスを管理できるようになりました。AWS Managed Microsoft AD や、お客様がセルフで管理している Active Directory のいずれかで連携可能です。RDS Custom for SQL Server を提供しているすべてのリージョンで利用可能です。
  • 10/22(火)
    • Amazon Bedrock で Claude 3.5 Sonnet v2 モデルの提供開始と、Computer Use 機能のパブリックベータ提供
      Amazon Bedrock で、アップグレードされた Claude 3.5 Sonnet v2 モデルを提供開始しました。前のバージョンから全面的に改善されており、特にコーディング分野で大きく進化しています。Anthropic によると、公開されているすべてのモデルの中で最高のスコアを記録されています。料金については、従来の Claude 3.5 Sonnet と同じ価格で利用ができます。また、Computer Use 機能のパブリックベータを提供開始しました。Claude がコンピューターの画面を認識し操作できるようになり、人間の指示を基にして、画面を識別、マウスの操作、ボタンのクリック、テキストの入力などを行ってくれる機能となります。この機能はまだ初期段階であるため、リスクの低いタスクから検証を行うことをお勧めします。Claude 3.5 Sonnet v2 は、オレゴンリージョンで利用可能です。詳細はこちらのブログを参照ください。
    • AWS Lambda で Code-OSS (VS Code – Open Source) ベースのコードエディター機能の提供開始
      AWS Lambda のマネジメントコンソール画面に、コードを直接編集する機能があります。今回のアップデートで、Code-OSS (VS Code – Open Source) ベースのインターフェースにアップデートされました。VS Code に慣れている方は、デスクトップ版の VS Code と同様なインターフェースで利用いただけます。また、Amazon Q Developer の拡張機能を有効化することができ、コード生成やインサイト提供など開発者の生産性向上のメリットがあります。詳細はこちらのブログを参照ください。
    • Amazon Redshift でクエリー監視と診断を行う Query Profiler の提供開始
      Aamzon Redshift でクエリーの可視性向上や問題発生時の分析作業を強化する Query Profiler 機能を提供開始しました。AWS マネジメントコンソールで、Redshift に投げられた SQL クエリーに対して、実行計画や、統計情報を視覚的に確認ができるようになり、クエリーパフォーマンスを改善するための分析作業やトラブルシュートなどに利用できる機能です。Redshift Serverless 、Redshift provisioned Cluster の両方で利用可能です。
    • Amazon Aurora の Global Database writer endpoint の提供開始
      Amazon Aurora で、Global Database writer ednpoint の提供を開始しました。Amazon Aurora の Global Database は、Aurora クラスターを複数の AWS リージョンにまたがって構成でき、リージョン単位の障害に対する耐障害性向上や、各リージョンでの高速な読み取りを利用できる仕組みです。このアップデートで、異なるリージョン間のフェールオーバーやスイッチオーバーを行ったときに、writer endpoint の名前をそのまま保持するようになりました。writer endpoint の裏側で切換を行うため、アプリケーション側の接続先を変更する負担を軽減できます。なお、DNS キャッシュなどの考慮点があり、詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。
  • 10/23(水)
    • Bottlerocket で NVIDIA GPU Time-slicing をサポートし AI/ML の利用効率を向上
      コンテナのホスティング用途で設計されている Linux ベースの OS である Bottlerocket で、NVIDIA GPU Time-slicing をサポートしました。Bottlerocket はセキュリティ、最小限のフットプリント、安全なアップデートを重視されて設計されています。NVIDIA GPU Time-slicing は、コンテナ上で実行する複数の AI/ML 処理のために、GPU リソースを共有する仕組みを提供するものです。例えば、マルチテナントの環境があり、複数の機械学習のタスクで GPU が必要になった際に、GPU の処理時間をより小さな間隔 (スライス) に分割することで、1 つの GPU に同時にアクセスできるようになります。詳細は Bottlerocket の Document をご覧ください。
    • AWS Billing Conductor でリザーブドインスタンスと Savings Plans のカバレッジや使用率レポートをサポート
      AWS Billing Conductor (ABC) は、組織内の複数の部門にまたがって、事前に指定したルールに基づき費用の按分を行う用途などに利用できる、カスタム請求サービスです。たとえば、AWS を管理している組織 (CCoE, Cloud Center of Excellence など) が、複数の利用部門に AWS 環境を提供する場合、一定の管理費を追加して請求する、といったカスタム請求管理ができます。今回のアップデートで、リザーブドインスタンスと Savings Plans の利用率レポートにより、プロフォーマデータ (請求額) を調整しやすくなりました。各部門の Saving Plans などの利用割合に基いて、請求額をコントロールすることがやりやすくなるアップデートです。
    • Amazon Timestream for LiveAnalytics で Query Insights を提供開始
      大量の時系列データを取り込み、分析する用途に利用できる Amazon Timestream for LiveAnalytics で Query Insights の提供を開始しました。クエリを実行した際にレスポンス内に、詳細を確認するためのデータが含まれており、パフォーマンス最適化のための改善点を深ぼる際に便利に活用できます。データ取得効率、非効率なテーブル、その他メトリクスなどの詳細情報を提供します。
  • 10/24(木)
    • AWS Lambda で Java ランタイムを利用した際のカスタムシリアライザーの利用をサポート
      AWS Lambda で Java の関数を起動する際に、invoke リクエストに含まれる入力データを Java の Object として扱うために、デシリアライズがされます。また、関数の実行結果を返却する際に、Lambda サービスにデータを送信するためのシリアライズ処理がされます。今回のアップデートで、シリアライザーを独自にカスタムすることが出来るようになりました。たとえば、「vehicleType」というデータがリクエストに含まれる想定だったが、実際には「vehicle-type」というデータが来た場合、デフォルトのシリアライザーではエラーになります。これに対して、カスタムシリアライザーを独自に実装することで、エラーにせずに正常に扱うための制御が可能になります。詳細はこちらの Document をご覧ください。
    • Elastic Fabric Adapter (EFA) を Elastic Network Adapter (ENA) から切り離す新しいインターフェースタイプの提供開始
      ENA は高性能ネットワーキングを提供するハードウェアインターフェースで、EC2 インスタンスの基盤となるハードウェアレベルで動作するコンポーネントです。EFA は HPC や 機械学習のワークロードに最適化されているネットワークインターフェースです。これまで、EFA インターフェースは、ENA デバイスと合わせて提供され IP アドレスを消費する動作となり、VPC 内で利用できる IP アドレスの不足などで、スケーリングの制限が生じる可能性がありました。今回のアップデートで、ENA から切り離された「EFA のみ」のインターフェースが提供されました。「EFA のみ」では、IP アドレスは利用せず、Mac アドレスを基にした SRD プロトコルを利用するため、IP アドレスに起因する制限を緩和できるメリットがあります。
  • 10/25(金)
    • AWS でクレジットカードやデビットカードで支払う際に、一部支払いに対応
      クレジットカードやデビットカードで AWS 利用料金をお支払いしている場合は、毎月の請求に対して、「一部支払い」が可能になりました。「一部支払い」は、AWS の請求額を複数に分割して、異なるカードで決済を可能にするものです。これまで AWS カスタマーサービスの問い合わせ窓口経由で利用ができましたが、AWS マネジメントコンソール上で、「一部支払い」が設定できるようになりました。例えば、部門やプロジェクトごとに異なるカードを利用したいときに、柔軟な支払いがしやすくなります。
    • CloudWatch Logs で異常検知やパターン分析における機能改善とService Quota の緩和
      CloudWatch Logs Insights は、機械学習を利用してログをいくつかの共通的なパターンに集約し、数千行のログを数行に要約することで分析をやりやすくできます。今回のアップデートで、Logs Insights で pattern や diff コマンドを含めたクエリーを実行する際に、フィールドを解析し名前を付けることで、ログデータの分析をより簡単にできるようになりました。例えば、ARN 値を含むフィールドは「ARN-1」、IP アドレスを含むフィールドは「IPV4-1」といった名前に名付けられます。この名前付きパターンを使用することで、リクエスト ID、HTTP レスポンスコードなど、ログに出現する共通フィールドを容易に特定し検査することができます。

11 月 7 日 (木) に、AWS オンラインセミナーのデータガバナンス事例祭りを開催します。組織横断でデータ利活用を促進するデータガバナンスに関して、AWS サービスと最新のアプローチを活用しているお客様より、その具体的な取り組みの背景とソリューションについてお話いただきます。ぜひ事前登録の上ご参加ください。

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Suguru Sugiyama

杉山 卓(Suguru Sugiyama) / @sugimount

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、幅広い業種のお客様を担当しています。最近は生成 AI をお客様のビジネスに活かすためにアイデア出しやデモンストレーションなどを多く行っています。好きなサービスは仮想サーバーを意識しないもの全般です。趣味はゲームや楽器演奏です