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Import/Export for NSX によるネットワーク構成データのエクスポート

本稿は、2024 年 12 月 3 日に AWS Migration & Modernization Blog で公開された “Exporting network configuration data with Import/Export for NSX” を翻訳したものです。

Import/Export for NSX は、新しい AWS オープンソースツールで、VMware Cloud on AWS (VMC-A) またはオンプレミスの VMware Cloud Foundation (VCF) の環境から、VMware NSX 構成を ZIP ファイルにエクスポートできます。エクスポートした ZIP ファイルを、Amazon Q Developer transformation capabilities for VMware にインポートすることができます。Q Developer は、NSX 構成を、VPC、サブネット、セキュリティグループなどの AWS ネイティブな構成要素に変換します。このブログ記事では、NSX-T 構成のエクスポートプロセスについて説明します。また、Q Developer で新しくリリースされた VMware 機能については、概要ブログ使用開始ガイドを公開しています。

Import/Export for NSX の前提条件

  1. Python3 – ローカル環境に Python3 (バージョン 3.10 以上) をダウンロードしてインストールします。
  2. Import/Export for NSX – GitHub で利用可能
    • Git をご存知であれば、リポジトリをローカル環境にクローンします。
      git clone https://github.com/awslabs/import-export-for-nsx.git


      図 1 : git clone コマンドを表示したターミナルウィンドウ

    • Git を利用していない場合は、リリースページから最新のリリースを ZIP 形式でダウンロードし、ローカル環境で解凍します。
  3. Python3 をインストールした後は、Python の仮想環境を有効にすることを検討してください。必須ではありませんが、推奨されるベストプラクティスです。Python の仮想環境機能を使用することで、このプログラムで使用されるライブラリがローカル環境上の既存のバージョンと競合するのを防ぐことができます。初めて Python をインストールしたために競合がない場合でも、仮想環境の使用方法を学ぶことで、より多くの Python プロジェクトを使用する意欲が湧くかもしれません。仮想環境を使用することで、将来の技術検証がより容易になります。
    cd import-export-for-nsx
    python3 -m venv .venv
    source .venv/bin/activate
    cd import-export-for-nsx
    python -m venv venv
    .\venv\Scripts\Activate.ps1


    図 2 : Python 仮想環境のコマンドを表示したターミナルウィンドウ

  4. 必要な Python ライブラリをインストールします。
    pip3 install -r requirements.txt
    python -m pip install -r .\requirements.txt

    コマンドを実行すると、スクリーンショットでは出力が省略されていますが、このようにインストールされます:


図 3 : Python ライブラリのインストール状況を示すターミナルウィンドウ

重要:VMware Cloud on AWS からエクスポートする場合は、次のセクションをお読みください。オンプレミスの NSX からエクスポートする場合は、その次のセクションにお進みください。

ステップ 1a – VMware Cloud on AWS から NSX 設定をエクスポートする

  1. VMware Cloud on AWS トークンを生成します。このトークンには、VMware Cloud on AWS Administrator ロールと VMware Cloud on AWS NSX Cloud Admin ロールが必要です。
  2. VMware Cloud on AWS SDDC から組織 ID と SDDC ID を取得します。これらは SDDC のサポートタブで確認できます。
  3. 環境変数を作成します。
    EXP_source_refresh_token="xxxxx"
    export EXP_source_refresh_token
    EXP_source_org_id="xxxxx"
    export EXP_source_org_id
    EXP_source_sddc_id="xxxxx"
    export EXP_source_sddc_id
    $env:EXP_source_refresh_token = "xxxxx"
    $env:EXP_source_org_id = "xxxxx"
    $env:EXP_source_sddc_id = "xxxxx"

ステップ 1b – オンプレミス NSX から NSX 設定をエクスポートする

  1. /config_ini フォルダ内の vmc.ini を探します。auth_mode の値を local に、nsx_endpoint_type の値を nsx に変更します。


    図 4 : vmc.ini 設定ファイルを表示している Visual Studio Code の画面

  2. NSX Manager の URL を確認します。また、ツールに NSX Manager の認証情報を入力する必要があります。VMware Cloud on AWS とは異なり、オンプレミスの NSX からエクスポートを行う場合は、管理者権限が必要ありません。読み取り専用の NSX 監査ユーザーを使用することができます。
  3. 環境変数を作成します。
    EXP_srcNSXmgrURL=https://nsxmgr.fqdn.com
    export EXP_srcNSXmgrURL
    EXP_srcNSXmgrUsername="admin"
    export EXP_srcNSXmgrUsername
    EXP_srcNSXmgrPassword="password-for-admin"
    export EXP_srcNSXmgrPassword
    $env:EXP_srcNSXmgrURL = “https://nsxmgr.fqdn.com”
    $env:EXP_srcNSXmgrUsername = "admin"
    $env:EXP_srcNSXmgrPassword = "password-for-admin"

ステップ 2 – エクスポートの実行

VMware Cloud on AWS からエクスポートする場合でも、オンプレミスの NSX からエクスポートする場合でも、同じコマンドを実行します。

python3 nsx_import_export.py -o export
python ./nsx_import_export.py -o export

エクスポートコマンドの開始と終了:


図 5 :エクスポートコマンドの開始を示すターミナルウィンドウ


図 6 :エクスポートコマンドの終了を示すターミナルウィンドウ

プログラムが _json-export.zip で終わる名前の圧縮ファイルを /json ディレクトリに配置します。このファイルを Amazon Q Developer transformation capabilities for VMware で使用することができます。Amazon Q Developer transformation capabilities for VMware の詳細については、こちらのテクニカルウォークスルーをご参照ください。

クリーンアップ

環境をクリーンアップするには、以下の手順を実行します:

  1. 認証情報をメモリから消去するため、ターミナルウィンドウを閉じます。
  2. /json ディレクトリ内にある _json-export.zip で終わる名前の圧縮ファイルを削除します。
  3. ツールを再度使用する必要がない場合は、プロジェクトフォルダー全体とコンテンツ全体を削除することができます。

まとめ

Import/Export for NSX は、AWS のオープンソースプロジェクトで、オンプレミスまたは VMware Cloud on AWS の NSX 構成をエクスポートできます。このブログ記事では、GitHub で利用可能な Import/Export for NSX ツールを使用して、NSX の構成をエクスポートするためのステップバイステップガイドを提供しています。このクラウド移行の重要な側面を効率化することで、Amazon は VMware ワークロードの AWS への移行を加速・簡素化する革新的な顧客中心のソリューションを提供することへのコミットメントを示し続けています。私たちの言葉を信じるだけでなく、今すぐツールを試してみてください! Amazon ではお客様から逆算して考えているため、このツールを使用する中でのフィードバックをお待ちしています。お客様のご意見は、私たちが常に最高のエクスペリエンスを提供できるよう、継続的な改善とイテレーションに役立てさせていただきます。

Patrick Kremer

Patrick Kremer

パトリック・クレマーは、VMware ワークロードの移行に特化したシニアスペシャリストソリューションアーキテクトです。2022 年に AWS に入社し、15 年以上にわたる VMware の経験を活かしてお客様のマイグレーションとモダナイゼーションを支援しています。AWS 認定ソリューションアーキテクトプロフェッショナルの資格を保有しており、教育とブログ執筆に情熱を注いでいます。

翻訳をソリューションアーキテクトの Furuya が担当しました。原文はこちらです。