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学生と教員が無料で使える機械学習の新しい学習リソースを提供開始しました

パブリックセクター教育・研究分野の事業開発マネージャー澤です。AWS と機械学習を学んでいる、学びたいなと思ってらっしゃる学生の方、また学生に機械学習を知る・学ぶ機会を提供したいとお考えの教員の方に、二つの新しい実践的な機会( SageMaker StudioLab と AWS Academy Machine Learning Foundation )をご紹介します。

SageMaker Studio Lab

学生が費用をかけずに AWS 上で機械学習を学ぶ方法はこれまで主に、

  1. 所属する教育機関が AWS Academy に加盟し教員から教材と演習環境の提供を受ける
  2. AWS の無料利用枠や機械学習の無料オンライン教材を AWS Skill Builder 上で自分で探して学習する

の二つの方法がありましたが、いずれも利用に制約があり、また上記1は教員のサポートも必要であることから学生が自主的に学び始めやすいかという点で課題となっていました。2021年12月にプレビューが始まりました  SageMaker Studio Lab  は、どなたでも AWS 上で機械学習を学び、実験できる無料のサービスです。すでに日本の大学の授業でも利用が始まっています。

SageMaker Studio Lab の5つの特長

  1. オープンソースの JupyterLab をベースにしており、AWS 上のコンピューティングリソースに無料でアクセスして機械学習の学習と実験をすぐに始められる。
  2. 費用がかからない仕組みであり、クレジットカード登録も不要。
  3. ユーザーセッション  1  回あたり12 時間の CPU または  4  時間の GPU のいずれかを選択して利用でき、利用できるユーザーセッションの数は無制限。
  4. プロジェクトごとに最低 15 GB の永続的ストレージを利用可能。セッションの期限が切れると、SageMaker Studio Lab は環境のスナップショットを取得します。これにより、中断したところからすぐに再開可能。
  5. GitHub と緊密に統合されており、Git コマンドラインを完全にサポート。

アカウントは amazon や AWS のアカウントは異なりますのでこちらからお申し込みください。

SageMaker Studio Lab

SageMaker Studio Lab

SageMaker Studio Labのより詳細に触れた記事「プレビュー開始 – 機械学習を学び、実験できる無料のサービス、Amazon SageMaker Studio Lab」はこちらです。

AWS Academy で機械学習を基礎から学ぶコース(日本語)

AWS Academy は高等教育機関にクラウドを学ぶためのカリキュラムパッケージ(教材、演習環境、教員の講師トレーニングなど)を提供する無償のエデュケーションプログラムです。コースは大きく foundation (基礎)と associate (中級)に分かれていますが、この度 foundation コースに AWS Academy Machine Learning Foundation が加わりました。

このコースでは次のことを目標としています。

  • 機械学習の基本事項の理解
  • Amazon SageMaker を使い機械学習パイプラインを実装する
  • マネージド型の機械学習サービスを使い予測する
  • マネージド型の機械学習サービスでコンピュータービジョンを実装する
  • マネージド型の機械学習サービスを自然言語処理に利用する

受講の前提条件は以下になります。

  • AWS Academy の最も基礎的なコースである AWS Academy Cloud Foundations【注1】 (または別のクラウドコンピューティングの基礎的なトレーニング)の受講経験
  • Python または同等のスクリプトの使用経験
  • 統計の基礎知識

講師が対面で授業を行った場合、 約20時間を想定したコースになりますが、学生が自分のペースで進めるデジタルトレーニングとしてもお使いいただけます。

AcademyMLSections

コース内の各セクション

AWS では学生、教員の双方に機械学習を学び始める機会を提供し、卒業研究などでの応用、クラウドスキル将来的に仕事に結びつく支援を行っています。また、学生が参加できる機械学習を使ったスキルコンテストも計画しています。

【注1】AWS Academy Cloud Foundationsでは、クラウドの概念、AWS の主要なサービス、セキュリティ、アーキテクチャ、料金、サポートの概要について詳しく説明します。このコースには、20 時間のコースコンテンツが含まれています。学生が AWS 認定クラウドプラクティショナーの認定を取得するときに役立ちます。


研究用途でのAWSのご利用に関するその他のお問い合わせはaws-jpps-qa@amazon.comで承ります。

また公共機関における AWS 導入のためのお役立ちサイトもご参照ください。


【著者】

sawafumi culture ambassadorパブリックセクター 事業開発マネージャー(教育・研究担当) 澤 扶美
新卒で入社した外資系コンピュータ会社の技術者から理化学研究所にスーパーコンピュータの技師に。2018 年 10 月 AWSにエデュケーションプログラムマネージャーとして入社、2021年9月より現職。AWS カルチャーアンバサダー。公私にわたり STEM 分野で働く女性を増やす活動も積極的に行っている。大阪出身。好きな AWS のサービスは AWS Cloud9。