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週刊生成AI with AWS – 2024/10/7週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの木村です。
2024 年 10 月 17 日 (木) に「生成 AI と AWS Ad/Marketing Tech Services で実現する広告・マーケティングイノベーション」というイベントをオンラインで開催します。クッキーレス時代における広告やマーケティングの最新技術とビジネスの動向、AWS のお客様事例をお届けします。広告やマーケティングに携わる方はぜひご参加ください。
コンテンツ回りでは「2024 年 9 月の AWS Black Belt オンラインセミナー資料及び動画」が公開されています。「Amazon Bedrock Agents 自律型 AI の実現に向けて: 検討編」、「Amazon Bedrock Knowledge Bases」、「Amazon Bedrock モデル推論 a. 準備編, b.実践編」と Bedrock のコンテンツが盛りだくさんです。資料でも動画でもご都合良い方でご覧ください。
これまで何度か紹介していた「AWSジャパン生成AI実用化推進プログラム」は、受付期限が 2024 年 11 月 22 日 に延長されました。引き続き募集中ですのでよろしくお願いします。
それでは、10 月 7 日週の生成AI with AWS 界隈のニュースを見ていきましょう。
さまざまなニュース
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- AWS生成AI国内事例ブログ: 大阪ガス株式会社様、生成 AI を使った高精度のカーボンクレジット評価システムを構築
こちらのブログは前半と後半の連載となっています。大阪ガス様は、2050 年までにカーボンニュートラルを実現することを目標としており、その一環としてカーボンクレジットの活用推進を行っています。カーボンクレジットとは、企業の温室効果ガス排出削減量をクレジットとして発行し取引可能にする仕組みです。カーボンクレジットを利用する際は、企業の取り組みの品質を評価することが非常に重要です。そこで、大阪ガス様ではカーボンクレジットの計画書を生成 AI で解析し、品質評価を行う仕組みを AWS 上に開発しました。計画書に対し、Claude 3.5 Sonnet などのモデルを使って重要な評価基準に基づいたリスク評価を行うことができます。格付会社による評価結果との一致率を測る検証の結果、Claude 3.5 Sonnet では、正解率 97.5%、再現率 96.4%、適合率 99.1% と高い精度の結果を得ることができました。今後は、本システムを気候変動対策のための共通プラットフォームとすることを目指し、精度と信頼性向上に取り組んでいくとのことです。 - AWS生成AI国内事例ブログ: ANA X様、生成 AI によるお客様の声 (VoC) 分析により、分類作業や分析時間を60%削減
ANA X様は、商品の改善策の検討のために、コンタクトセンターの通話内容の分析を行っています。分析では、「えーっと」などの意味のない言葉が上位ワードとして捉えられてしまう、言葉の意味を踏まえた問い合わせの分類が難しい、といった課題があり、分類作業を含めた分析作業に1週間程度の時間を要していました。そこで、Amazon Bedrock を使ったお客様の声 (VoC) 分析を行いました。Bedrock の利用により、文脈に沿った問い合わせ理由の自動分類や、これまで見過ごされていた詳細な問い合わせ理由の可視化が実現でき、分類作業、詳細分析時間が 60% 削減されました。、プロンプトエンジニアリングの設計には、生成 AI 練習帳の活用や異なる部門のメンバーを巻き込んだ社内プロンプトワークショップの開催を行なった点も参考になります。 - ブログ記事「経済産業省 GENIAC 基盤モデル開発支援事業 (第2期) における採択事業者への支援を開始」を公開
2024年10月10日、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) が協力して実施する Generative AI Accelerator Challenge (GENIAC) の一環として実施している基盤モデル開発支援事業の第2期 (2024年7月公募) における採択事業者のキックオフが行われ、本事業の採択事業者が発表されました。AWS は、計算リソース提供事業者として、技術支援や事業化支援等を行います。ブログではAWSを利用する採択事業者とコメントを掲載しています。 - ブログ記事「流通・小売・消費財企業のイノベーションを生成 AI で促進する」を公開
AWS は生成 AI を活用した流通・小売・消費財企業の変革を支援しています。本ブログでは、こちらのe-book に記載されている生成AI のユースケース、導入のステップ、関連する技術のハイライトを解説しています。 - ブログ記事「Amazon Bedrock で利用可能になった Meta からの Llama 3.2 モデルの紹介: 新世代のマルチモーダルビジョンモデルと軽量モデル」を公開
先々週の週刊生成AI with AWS にて、Amazon Bedrock で Meta 社の Llama 3.2 が利用できるようになったとお知らせしました。このブログ記事では、その話題をさらに深掘りする記事の和訳バージョンです。4つのモデル (90B、11B、3B、1B) それぞれの特徴や使用方法を解説しています。 - ブログ記事「AI21 Labs の Jamba 1.5 ファミリーのモデルが Amazon Bedrock で利用可能に」を公開
こちらも先々週の週刊生成AI with AWS でお知らせした AI21 Labs の Jamba 1.5 ファミリーモデルの解説を行う和訳記事です。Jamba 1.5 Mini と Jamba 1.5 Large の特徴について解説しています。 - ブログ記事「生成 AI ワークロードのインシデント対応方法論」を公開
生成AI ワークロードにおけるインシデント対応は、 AWS セキュリティインシデント対応ガイドに記載されているガイダンスに加えて生成AI ならではの要素も考慮する必要があります。本ブログでは、インシデント発生前の準備、対応方法、インシデント例を紹介しています。 - ブログ記事「Amazon Connect で簡単に実現する、生成 AI を活かしたより良いカスタマーエクスペリエンス」を公開
このブログは、カスタマーエスクペリエンス (CX) 向け生成 AI ブログシリーズのパート1、パート2 に続くパート 3 の記事です。今回の記事では、エージェントの効率性の向上、分析と品質のモニタリングといったカスタマーサービスのユースケースに対して、生成 AI を迅速かつ簡単に有効化する方法を紹介しています。
- AWS生成AI国内事例ブログ: 大阪ガス株式会社様、生成 AI を使った高精度のカーボンクレジット評価システムを構築
サービスアップデート
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- コンソールからコードを生成する Console to Code の一般提供を開始
AWS マネジメントコンソールから本番デプロイメント用のコード作成を行う Console to Code の一般提供を開始しました。Console to Code を使用すると、コンソールで実行したアクションを、CLI、CloudFormation、CDK 形式から選択したコードに簡単に変換できます。コード変換には Amazon Q Developer が活用されています。現在は、EC2・VPC・RDS に対応しています。 - Amazon Q in Connect のプロンプトカスタマイズ機能が利用可能に
コンタクトセンターのエージェント向け生成AI搭載アシスタントである Amazon Q in Connect にて、LLMプロンプトを事前設定する機能を提供開始しました。スーパーバイザーはプロンプトをカスタマイズすることで、応答に特定のフレーズを組み込んだり、ビジネスガイドラインに従った応答をしたりすることが可能になりました。利用可能なリージョン情報はこちらをご覧ください。 - Amazon Q in Connect にてパーソナライズされたガイダンス機能を追加
Amazon Q in Connect にて、CRM システム内の顧客データを使用して、パーソナライズされたガイダンスをエージェントに推奨する機能が追加されました。リアルタイムの音声から顧客の意図を検出するのに加えて、顧客データを理解した上で、エージェントがどのようなアクションを取るべきかを推奨します。顧客にパーソナライズされた対応によって、顧客満足度向上に繋げることができます。 - プレビュー:Amazon Q Business が Smartsheet との統合をサポート
Amazon Q Business が、エンタープライズ向け業務管理プラットフォームである Smartsheet との統合をサポートするようになりました。Smartsheet のデータを Amazon Q Business に同期することで、Smartsheet のプロジェクトやタスクに関する情報をAmazon Q Business に問い合わせることができます。本機能は、Amazon Q Business が利用可能なすべての AWS リージョンで利用できます。 - Amazon Polly向けの4つの新しい音声合成を追加
Amazon Polly は、テキストを音声に変換するサービスです。今回、アメリカ英語とオーストラリア英語に対応した4つの新たな音声合成の一般提供を開始しました。より自然な発音やイントネーションを備えており、教育、出版、マーケティングなど、様々な産業や目的で使用が可能です。 - Amazon Bedrock モデル評価機能が、カスタムモデルの評価に対応
Amazon Bedrock のモデル評価機能は、精度、堅牢性、有害性などの指標に対して基盤モデルを評価、比較することができる機能です。今回、ファインチューニングや継続事前学習による独自のカスタムモデルを評価できるようになりました。これにより、お客様はベースモデルの選択、カスタマイズ、評価、本番環境への移行という一連のサイクルを迅速に回すことができるようになりました。対応リージョンについてはこちらをご覧ください。
- コンソールからコードを生成する Console to Code の一般提供を開始