ナカの人に聞いてみた ~

Amazon CodeCatalyst で開発環境の構築とチームコラボレーションを加速しよう!

2023-04-03
How to be a Developer

米倉 裕基, 金森 政雄

builders.flash 読者の皆様こんにちは。
テクニカルライターの米倉 裕基と申します。

ナカの人に聞いてみた」と題した本シリーズは、実際に AWS で働くソリューションアーキテクトの皆さんに、各種 AWS サービスの機能や利点を聞いてみようというインタビュー形式の記事になります。

第三回のゲストは、DevAx ソリューションアーキテクト として活躍されている金森 政雄 (かなもり まさお) さんです。

本記事では、開発チーム向けの DevOps サービス「Amazon CodeCatalyst」が提供するアプリケーション開発やデプロイ、チームコラボレーションを促進する機能について、インタビュー形式でご紹介いただきます。

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米倉 裕基

こんにちは、金森さん。
この度は、第三回「ナカの人に聞いてみた」のインタビューをお引き受けいただきありがとうございます。

金森 政雄

こんにちは、米倉さん。
本日はどうぞよろしくお願いいたします!

米倉 裕基

よろしくお願いいたします!
まずは読者の皆さまに自己紹介をお願いできますでしょうか。

金森 政雄

はい。
2018 年にパートナーソリューションアーキテクトとして AWS に入社した金森 政雄 (かなもり まさお) です。

これまで、クラウド専業のパートナー様や地方のパートナー様など、幅広いパートナー様と一緒にお仕事をさせていただいてきました。
2021 年からは、DevAx (Developer Acceleration) チームに異動し、元々 Web アプリケーション開発者だった経験を活かし、開発者向けのイベント企画やクラウドを活用したモダンアプリケーションの開発支援を中心に活動しています。

読者の皆さま、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

米倉 裕基

自己紹介ありがとうございます。

2021 年以前、金森さんはパートナー SA として活動されてたんですね!
私はちょうど 2021 年末入社なので、金森さんは DevAx チームの活動の一環として多岐にわたるイベントで活躍してらっしゃる印象が強くありました。

初耳の方もいらっしゃると思いますので、DevAx チームの活動領域やミッションなどをお教えいただいてもよろしいでしょうか。

金森 政雄

そうですね。
まず、DevAx チームが活動する背景として、近年ビジネス環境の変化がますます激しくなっており、そのようなビジネス環境の中で IT 技術がますます重要な役割を果たすようになっていることが挙げられます。
そのため、ソフトウェアデリバリのアジリティを高め、ビジネス環境の変化に迅速に対応し、問題を素早く修正することが求められるようになっています。

米倉 裕基

これまで以上に、ソフトウェアデリバリや開発に速度と柔軟さが求められているわけですね。

金森 政雄

はい。
そのような素早く変化していけるアプリケーションを開発するためには、自動化を組み込んだモダンな開発手法はもちろん、ドメインをソフトウェアに正しく反映し、必要に応じて正しい境界を分けることや、それぞれが疎結合で独立したデプロイが実現できるようなパターンを考慮したアーキテクチャを構築することが求められます。

米倉 裕基

近年、DevOps やドメイン駆動開発など、モダンな開発手法を耳にする機会が多いのはそのような背景によるものなんですね。

金森 政雄

はい。
そのような状況にあって、DevAx チームは AWS サービスの紹介にとどまらず、モダンなアプリケーション開発をサポートすることで、お客様のビジネスに貢献すると同時に、開発者の皆さまのクラウド活用の促進をミッションとして活動しています。

DevAx はアジア全域のチームなので、日本はもちろんアジア各国のメンバーと情報やナレッジを共有しながら、お客様のシステム開発に深く Dive Deep しています。
刺激的な環境で、私自身も日々学びの多い、エキサイティングな経験をさせていただいています。

米倉 裕基

アジア全域のチームですか!
各国のシステム開発には、共通している部分も異なっている部分も多くあるでしょうし、知見を共有することで新たな気づきが生まれそうですね!
ありがとうございます。
金森さんの所属する DevAx チームの活動領域やミッションについてとてもよく理解できました。


Amazon CodeCatalyst とは?

米倉 裕基

それでは今回紹介いただく「Amazon CodeCatalyst (以下 CodeCatalyst)」も、DevAx チームのミッションと関わりのあるサービスなんでしょうか?
詳細な機能の説明に入る前に、まずは CodeCatalyst の概要についてお聞かせいただけますでしょうか。

Amazon CodeCatalyst (Preview) のサービスサイト

金森 政雄

CodeCatalyst は、アプリケーションの開発、ビルド、デプロイ、およびテストを簡単かつ迅速に行うための「統合ソフトウェア開発サービス」です。
モダンなアプリケーション開発を促進するサービスという意味では、DevAx チームのミッションとも関わりが深いサービスと言えますね。

米倉 裕基

統合ソフトウェア開発サービス」ですか?
初めて聞く用語ですが、よく言われる「統合開発環境 (IDE)」とは違うわけですよね。

金森 政雄

はい。
現代のアプリケーション開発において、IDE はもちろん、CI/CD パイプラインや、Issue 管理、Git によるバージョン管理など、さまざまなツールを組み合わせて開発することが一般的ですよね。
これらのツールの多くは、他のツールとの連携機能を備えているため、自社の開発スタイルに合わせてオーダーメイドのツールチェーンを作ることができます。
また、特定の企業が提供するサービススイートを利用することで、より簡単な連携や統一された体験を得ることもできます。

米倉 裕基

たとえば、ソフトウェアのバグや改善などの Issue が発行されたら、リポジトリでブランチを切って修正し、Pull Request がマージされたら CI/CD でテストやビルド、デプロイなどを自動で実施する、といったワークフローですね。

金森 政雄

はい。
ただ、実際にそのようなワークフローを実現するツールチェーンを、各開発チームが独自で構築して運用するにはさまざまな困難が伴います。

その点、CodeCatalyst は、ソースコードリポジトリ、Pull Request によるコミュニケーション、CI/CD パイプライン (Workflow)、クラウド上のマネージドな開発環境、Issue 管理機能、Slack への通知機能など、現代の開発に必要なツール群をあらかじめ統合した形で提供し、お客様がアプリケーション開発をすぐに開始できるように意図されたサービスです。

この開発プロセス全般で必要となるツール群やワークフローが統合されている点が、「統合ソフトウェア開発サービス」と呼ばれる所以です。

統合ソフトウェア開発サービス「Amazon CodeCatalyst」
(クリックすると拡大します)

米倉 裕基

なるほど・・・

お話を聞いて思ったのは、たとえば開発チームごとに「ビルド職人」と呼ばれる人がいるように、開発環境が複雑化するにつれ、ビルドや CI/CD の設計一つとっても一部の専門家に任される俗人化されたタスクになりがちなのかもしれないですね。

統合ソフトウェア開発サービスである CodeCatalyst を利用することで、開発環境の構築や管理に煩わされることなく、アプリケーション開発に集中できるようになるわけですね。
CodeCatalyst が提供するサービスの本質がとてもよく理解できました。


BluePrint を使って手軽に環境構築

米倉 裕基

一つ気になったのですが、開発の種類によっては、必ずしも同じツールセットやワークフローがフィットするわけではないですよね。
たとえばですが、ウェブアプリケーション開発やモバイルアプリ開発、API エンドポイント開発など、開発の種類によって必要なツールセットやワークフロー、デプロイ先などが変わってくるのではないでしょうか。
そういうプロジェクトごとに変わる開発環境のバリエーションを、CodeCatalyst はどのようにカバーしているのでしょう?

金森 政雄

まさにその点において、CodeCatalyst は大きな強みを持っています!
ユーザーは、CodeCatalyst の提供するすべての機能を利用する必要はありません。
プロジェクトごとで必要な機能だけをピックアップして利用することができるんです。

米倉 裕基

おお、ではプロジェクトごとに最適化された開発環境をオンデマンドで構築できるということですね。

金森 政雄

そのとおりです!
スクラッチで一からお好みの環境を作ることもできますし、BluePrint と呼ばれるプロジェクトテンプレートを利用することであらかじめ特定のユースケースに最適化された開発環境を素早く構築することもできます。

米倉 裕基

BluePrint ですか...。
日本語で「青写真」とか「設計図」という意味ですよね。

金森 政雄

そうですね。
BluePrint は、AWS 上でよくあるアプリケーション開発プロジェクトの雛形として、まさに「設計図」の役割を果たします。

BluePrint では、シングルページアプリケーション (SPA) や、RESTful API、Web 3層のアプリケーションなど、主要な開発プロジェクト用のテンプレートがあらかじめ用意されています。
ユーザーは、用意されたテンプレートの中からユースケースに最も適したものを選択するだけで、最適な開発環境の雛形を構築し、初回のデプロイまで自動で行うことができるわけです。

BluePrint 選択のイメージ

米倉 裕基

それは便利ですね!
BluePrint を使えば私でも迷わず CodeCatalyst を始められそうな気がしました!

金森 政雄

環境構築が苦手な方でも、難しい設定に煩わされることなく、クラウドを活用したアプリケーション開発をすぐに始めることができると思いますよ。


スクラッチから作る柔軟な環境構築

米倉 裕基

BluePrint で多様なユースケースに応じたテンプレートがあらかじめ用意されているのに、あえて BluePrint を使用せずスクラッチから環境を構築するのはどのようなケースが考えられますか?

金森 政雄

通常、開発チームごとに、皆さん使い慣れたツールや、既存の資産があるものですよね。
CodeCatalyst を導入する場合も、そうした既存のツールや資産は引き続きご利用いただけます。
スクラッチで空のプロジェクトを作成し、一部は既存のツールや資産などのリソースを利用し、一部は CodeCatalyst の提供する機能を利用するといったハイブリッドな運用が可能なんですよ。

スクラッチから開発環境を設定するイメージ
(クリックすると拡大します)

米倉 裕基

完全新規の開発プロジェクトでもない限り、既存の開発ツールや資産などがきっとあるでしょうしね。
CodeCatalyst はそういう既存ツールに置き換わる代替サービスというわけではなく、それらを統合するサービスって感じなんですね。

金森 政雄

その通りです。
ちなみに JiraGitHub のような開発者の皆さんが使い慣れているツールとの連携機能も提供しています。

米倉 裕基

JiraGitHub の利用が必須というプロジェクトは多いでしょうし、それは助かりますね!
CodeCatalyst を導入するからといって、使い慣れたツールの利用をやめる必要はないわけですね。

金森 政雄

はい。
それに、今後さらに連携先を増やす予定もあります。
CodeCatalyst は、ユーザーの多様なニーズに柔軟に対応する統合ソフトウェア開発サービスとして拡張し続けます。

米倉 裕基

連携機能がさらに強化される予定なんですね!
開発ツールにもその時々のトレンドがありますもんね。
CodeCatalyst が最新の人気ツールとの連携をサポートしてくれるなら、安心して導入することができそうです。


クラウド上のマネージドな開発環境

米倉 裕基

少し大袈裟かもしれませんが、多くの開発者にとってお気に入りのコードエディタは、たとえば料理人にとっての包丁のように欠かせない仕事道具だと思います。
開発者はいつでも効率的で使いやすい開発環境を求めるものですし、プラグインで機能拡張したり、カラースキームやフォントでビジュアルを調整したり、自分好みに最適化されたコードエディタは生産性に直結する重要な存在ですよね。

金森 政雄

あはは、けして大袈裟じゃないと思いますよ。

米倉 裕基

そこでお聞きしたいのは、CodeCatalyst には独自のコードエディタがあるのでしょうか?
CodeCatalyst を導入しても使い慣れたツールの利用をやめる必要がないということは理解したのですが、コードエディタがどうなるのか気になりました。

金森 政雄

簡易なオンラインエディタはありますが、使い慣れたエディタも使い続けられますよ。
CodeCatalyst では、リポジトリのブランチに紐付けたマネージドな開発環境を提供します。
たとえば Cloud9Visual Studio CodeJetBrains など、使い慣れた IDE をそれらの環境に接続して開発を行うことができるんです。

米倉 裕基

それでは、同一のプロジェクトでも異なる IDE で開発できるんでしょうか?
たとえば A さんは Cloud9 を使って、B さんは Visual Studio Code を使うみたいな。

金森 政雄

はい、可能です。
同一のソースリポジトリにある複数のブランチに異なる IDE を設定することで、開発者ごとにお好きな IDE を使うことができます。

米倉 裕基

なるほど。
ブランチごとに、それぞれ好みの IDE を設定すればいいわけですね。


マルチアカウント構成の簡単な実装

金森 政雄

IDE の使い分けだけでなく、CodeCatalyst では、マルチアカウント戦略 を活用することで、リソースや CI/CD パイプラインを含む開発環境を完全に分離することができます。

米倉 裕基

マルチアカウント戦略というのは、AWS のリソースを複数の AWS アカウントに分散させることで、リソースのセキュリティ、管理、コスト最適化などを実現する手法のことですよね。

金森 政雄

はい。
AWS における開発においては、環境ごとに AWS アカウントを分けるマルチアカウント戦略が一般的になっています。
そうした中で、CI/CD のようなさまざまな環境と連携する必要がある機能については、たとえば「DevOps アカウント」のような AWS アカウントを作成し、そのアカウントにリソースを配置するような戦略が推奨されています。

米倉 裕基

CI/CD パイプライン専用の AWS アカウントを作ることで、複数の開発環境やプロジェクトにまたがるリソースを一元管理できるわけですね。

金森 政雄

そうですね。
ただ、このような方法では、通常、複数の AWS アカウントを跨いだ CI/CD パイプラインの構築や、「DevOps アカウント」自体の管理に手間が発生することがあります。
一方、CodeCatalyst の CI/CD パイプライン (Workflow) は AWS アカウントの外部で利用でき、開発環境と AWS アカウントを紐付けて管理する機能を提供しています。
これにより、CodeCatalyst ではマルチアカウント戦略による複雑な管理をよりシンプルに実現することができます。

米倉 裕基

CodeCatalystマルチアカウント戦略が簡単に実現できることは理解したのですが、開発環境ごとに別の AWS アカウントを紐づける利点は何でしょう?

金森 政雄

たとえば、ステージング環境と本番環境に、それぞれ個別の AWS アカウントを紐づけることで、リソースや CI/CD パイプラインなどを完全に分離することができます。

このように、マルチアカウント戦略を利用することで、リソースやユーザーのアクセス権限の管理などが容易になるなどの利点があります。
また、分離した各環境に対して異なるセキュリティポリシーやアクセス制御を設定することで、セキュリティレベルを上げることができます。

マルチアカウント戦略を使った構成
(クリックすると拡大します)

米倉 裕基

なるほど。
環境ごとに、アクセス可能なリソースや、CI/CD パイプラインが完全に分離できるわけですね。
CodeCatalyst ではマルチアカウントの構成が簡単に実現でき、マルチアカウント戦略を用いれば、セキュリティも向上するし、リソース管理も容易になることがよくわかりました。


AWS 環境へのセキュアなアクセス

米倉 裕基

マルチアカウント戦略のご説明でも少し触れていただきましたが、色々なツールを連携する際に特に気をつけるべきなのはやはりセキュリティでしょうか。
一部のツールに見つかった脆弱性がツールチェーン全体を危険にさらしたり、悪意ある第三者が連携している外部ツールから AWS のリソースにアクセスしてしまうなどありえるのかなと思ったのですが。

金森 政雄

セキュリティには常に注意を払う必要がありますが、CodeCatalyst は AWS リソースへのアクセスを制御し、適切なセキュリティ対策が施されているため、安心して利用できますよ。
AWS のセキュリティベストプラクティスに従い、IAM ロール に基づくアクセス制御を行うことでセキュリティを確保できます。

米倉 裕基

IAM ロールを使ったアクセス制御が可能なんですね。

金森 政雄

AWS のリソースに CI/CD などのツールからアクセスする場合、それぞれのツールには適切なアクセス権限が付与されている必要がありますよね。
その際、通常は AWS IAM を使ってアクセス権限を付与しますが、最近では OpenID Connect (OIDC) などアクセスキーとシークレットキーを使わない認証プロトコルを利用するケースも増えてきています。

米倉 裕基

自分の理解では、OIDC を使えばキーの管理が要らなくなるし、異なるサービスでも認証情報を共有できるし、管理上の手間が省ける印象があります。

金森 政雄

はい。
ただ、OIDC をサポートしていない AWS リソースやサービスへのアクセスなど、特定のシナリオにおいては OIDC の利用が難しいケースがあります。
そのようなケースでは、本来推奨されていないアクセスキーやシークレットキーを利用しなければいけないのですが、セキュリティを確保するためには、キーのローテーションなどの運用業務が必要になってきますね。

米倉 裕基

OIDC がサポートされていても、結局キーローテーションなどの管理が必要になる場合があるんですね。

金森 政雄

その点、CodeCatalyst は AWS に統合されており、機能として AWS アカウントに接続し IAM ロールを引き受けることができるようになっています。
そのため、皆さんのアプリケーションをデプロイする AWS 環境へのセキュアなアクセスを簡単に実現することができます。

米倉 裕基

セキュリティはしっかり確保しつつ、キーローテーションなどの運用業務は不要ということですね。


パブリックプレビュー版の提供

米倉 裕基

CodeCatalyst がソフトウェア開発で必要となるツールやワークフローを単一のインターフェイスで管理するサービスであることがとてもよくわかりました。
実は、今回のインタビューで初めて CodeCatalyst というサービス名を知ったのですが、そのことがちょっと不思議な気がします。
これだけ高機能なサービスなんだから、どこかで名前を耳にする機会があってもよさそうなものなのですが...。

金森 政雄

きっと CodeCatalyst が、AWS re:Invent 2022 で発表されたばかりの新サービスだからだと思います。
今のところ CodeCatalyst は正式リリース前のパブリックプレビュー中のステータスになっています。

米倉 裕基

正式リリース前の新サービスだったんですね!
どおりで初耳だったわけだ。

金森 政雄

パブリックプレビュー中ではありますが、CodeCatalyst のサービスサイト から無料でお試しいただけるようになっています。
今後仕様が変更される可能性があるので、ご利用の際にはプレビュー期間中であることを十分に理解した上でお試しいただければと思います。

米倉 裕基

サービスサイトの 料金ページ を見ると、無料枠として、月 2,000 分のコンピュータ時間、60 時間分の開発環境利用、10GB のソースストレージ、64GB の 開発環境ストレージが含まれているようですね。
これだけ無料で使えるなら、CodeCatalyst の使い勝手を知るには十分なのかもしれませんね。

金森 政雄

読者の皆さまには、ぜひプレビューリリース版をお試しいただき、率直な感想をお寄せいただきたいと思います。
現在一般提供 (GA) に向けて、鋭意準備に取り組んでいるところです。
一般提供が開始された際には、できる限り多くのお客様に満足いただけるよう、皆さまからのフィードバックを参考にさせていただきサービスの改善に取り組みたいと思っています。

米倉 裕基

より良いサービスの提供のためにも、ユーザーの皆さまからのフィードバックはとても貴重ですね。

金森 政雄

本当ですね!
将来的に、CodeCatalyst の連携可能なサービスや BluePrint の種類をさらに充実させていきたいと考えています。
たとえば「こんなサービスと連携して欲しい」とか「こんな BluePrint が欲しい」などのご要望があればぜひともお教えいただければと思います。

米倉 裕基

フィードバックや要望はどのように行えばよいのでしょう。
何か専用のフォームがあるのでしょうか?

金森 政雄

CodeCatalyst の起動画面に [Give feedback] ボタンを用意しておりますので、そちらから表示されるフィードバックフォームから送っていただくこともできます。
もしお近くに AWS 社員がいれば、直接感想をお伝えいただいても大丈夫ですよ!

Amazon CodeCatalyst のフィードバックフォーム
(クリックすると拡大します)

米倉 裕基

なるほど、CodeCatalyst の起動画面から直接フィードバックすることもできるわけですね!
それは簡単ですね!


Amazon CodeCatalyst の始め方

米倉 裕基

先ほどサービスページからプレビューリリース版を利用できるとうかがいましたが、具体的にはどうやって利用を始められますか?

金森 政雄

サービスサイト の [Sign up] ボタンか 製品ページ の [CodeCatalyst の使用を開始する] ボタンで、 CodeCatalyst のサインアップページにアクセスできます。
ただ CodeCatalyst にログインするには、AWS アカウントに加えて、AWS Builder ID を作成する必要がありますね。

米倉 裕基

AWS Builder ID ですか?

金森 政雄

AWS Builder ID は、AWS で開発を行う個人向けのプロファイルです。
CodeCatalyst を利用するには、AWS アカウントに加えて、この AWS Builder ID が必要になります。
ただ、メールアドレスとパスワードを設定するだけですし、CodeCatalyst のサインアップページ に従えば簡単に作成できるはずですよ。
もし AWS Builder ID について詳しくお知りになりたければ、こちらのドキュメント が参考になります。

米倉 裕基

ありがとうございます。
サインアップページで AWS Builder ID を作って CodeCatalyst にログインするわけですね。

金森 政雄

はい。
CodeCatalyst にログインしたら、手順に従ってスペースを作成し、お好みの BluePrint を選択してプロジェクトを作成することから始めてみるのはいかがでしょう。

BluePrint の選択画面
(クリックすると拡大します)

米倉 裕基

あっ、なるほど!
BluePrint を使えば、さまざまなユースケースに適した開発環境が自動で構築されるわけですもんね。
初めて CodeCatalyst を使うなら、BluePrint で使い方に慣れることから始めてもよさそうですね。

金森 政雄

はい。
もしさらに理解を深めたいなら、こちらの ワークショップ を実践していただければと思います。
CodeCatalyst の提供するさまざまな機能をウォークスルーで体験できますよ。

米倉 裕基

すでにワークショップが提供されてるんですね!
実際に手を動かしながら学べば、より理解が進みそうです。

金森 政雄

現在は英語版のみですが、翻訳作業が進んでいるので、今後日本語版もリリースされる予定ですよ。


Amazon CodeCatalyst の料金体系

米倉 裕基

最後に料金体系についてお聞きしたいと思います。
CodeCatalyst は現在プレビューリリース中のサービスではありますが、料金ページ を公開していますし、詳細な料金体系が決まっているようですね。

金森 政雄

はい。
CodeCatalyst は、基本料金無料でご利用いただけます。
また、CodeCatalyst の利用には、無料の Free Tierと有料の Standard Tier の2つのプランがあります。

米倉 裕基

基本料金無料かつ Free Tier プランもあるなら、もし最小限の利用であれば完全無料で使うこともできるんですね。

金森 政雄

先ほど米倉さんがおっしゃったように、Free Tierでは 1 か月に 2,000 分の CI/CD (Workflow) 用のコンピュータ時間や、60 時間の開発環境などが利用可能です。

一方、Standard Tier では 1 人あたり月額 4 ドルの利用料が発生しますが、CI/CD 用のコンピュータ時間が 3,000 分、開発環境が 200 時間まで延長されますし、さらに強力なインスタンスの選択や、CI/CD 用にコンピュート環境を事前にプロビジョニングすることができるなど、追加の機能が利用可能になります。

米倉 裕基

Standard Tier は、月額 4 ドルなんですね!
非常に安価でありながら、それだけのリソースが利用可能なのは驚きですね。

金森 政雄

また、月ごとに割り当てられているリソースをオーバーした場合は、追加のリソースを購入していただくことも可能ですよ。
その他、詳細なプラン内容については料金ページを参照いただければと思います。

Amazon CodeCatalyst の料金ページ
(クリックすると拡大します)

米倉 裕基

ちなみに、お支払いはどうなるのでしょう。
他のサービスと同様、AWS アカウントに対して請求されるんでしょうか?

金森 政雄

CodeCatalyst は AWS アカウントとは独立したサービスですが、料金のお支払いに関しては AWS アカウントからお支払いいただけます。
そのため、Billingアカウントという形で、CodeCatalyst のスペースごとにお支払いに利用する AWS アカウントを設定いただく必要があります。

米倉 裕基

なるほど!
利用料金支払い用の AWS アカウントを設定するんですね。


まとめ

米倉 裕基

ありがとうございました。
これで、第三回「ナカの人に聞いてみた」のインタビューは終了になります。

開発ツールが高機能化する反面どんどん複雑化していき、開発環境の構築や管理が難しくなっている中で、CodeCatalyst がソース管理やチーム内のコミュニケーション、デプロイにいたる開発ライフサイクル全体を AWS 上に統合するサービスということがよく分かりました。

最後に、金森さんから読者の皆さまにお伝えしたいことがあればお聞かせいただけますでしょうか。

金森 政雄

こちらのインタビュー記事を通じて、新サービス CodeCatalyst を試していただける方が一人でも増えることを心より願っています!
現在はプレビューリリース中ですが、サービス改善のためにも、仕様面のフィードバックや要望などをいただけたら幸いです。
もっと気軽に SNS などでの感想をシェアしていただけるだけでも大変励みになります。
プレビューリリース中ではありますが、サービスサイトや製品ページ、ワークショップなど、参考になる情報がありますので、是非この機会に Amazon CodeCatalyst をお使いいただければと思います。

読者の皆さま、米倉さん、本日はありがとうございました。

米倉 裕基

私も BluePrint でプロジェクトを立ち上げることから CodeCatalyst をトライしてみます!
金森さん、改めまして本日はありがとうございました。

本シリーズのその他の記事はこちら

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参加者プロフィール

米倉 裕基
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
テクニカルライター・イラストレーター

日英テクニカルライター・イラストレーター・ドキュメントエンジニアとして、各種エンジニア向け技術文書の制作を行ってきました。
趣味は娘に隠れてホラーゲームをプレイすることと、暗号通貨自動取引ボットの開発です。
現在、AWS や機械学習、ブロックチェーン関連の資格取得に向け勉強中です。

金森 政雄
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
デベロッパースペシャリスト ソリューションアーキテクト

Web、モバイル向けの自社サービスの開発やクラウドを活用したシステムの請負開発を経験後、パートナーソリューションアーキテクトとして、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社に入社。2021 年から DevAx チームとして、開発者の方に向けたイベントやワークショップの提供を中心に活動。
最近の個人的ニュースは家の近くのラーメン屋で、「まさお」という自分の名前と同じメニューがあったこと。

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