Choco Up が AWS 上でレベニューベースドファイナンスプラットフォームを利用して、1 時間でクライアントの与信を決定

2022 年

ビジネスを始めるには一連の課題が伴います。最大の課題の 1 つは資本へのアクセスです。起業家は、融資に必要な担保が不足しているため、従来の銀行からの資金調達に苦労することがよくあります。このことは、キャッシュフロービジネスモデルを採用しているサービスベースのデジタルビジネスには特に当てはまります。

香港とシンガポールに拠点を置くフィンテックプラットフォームである Choco Up は、この資金調達におけるギャップを認識し、デジタルマーチャントにサービスを提供するためのレベニューベースドファイナンスプラットフォームを開発しました。これにより、ブランドやスタートアップ企業に、これまで利用できなかった資金調達のための手段を提供しています。Choco Up の創業者は金融およびテック系スタートアップの両方の分野における経験を備えているため、現代の小規模な企業の成長には迅速な資金調達が必要であることを理解しています。Choco Up から融資を受けたクライアントは、資金の支払いを受けた後の数か月間に上げた収益に基づいて返済します。

Choco Up は、クラウドテクノロジーとビッグデータを活用することで、スタートアップ企業が迅速に資金調達できるようにするための簡単なプロセスを考案しました。クライアントは Choco Up のウェブサイトにアクセスして [Get Funded] (資金提供を受ける) をクリックするだけで、わずか 1 時間で資金を受け取ることができます。Choco Up は現在、デジタルマーチャントやスタートアップ企業を中心に、アジアパシフィック地域の 10 以上のマーケットのクライアントにサービスを提供しています。  

1891054342
kr_quotemark

AWS は、マイクロサービスの構築とデプロイに幅広い選択肢を提供するデータおよび分析インフラストラクチャで高く評価されています”

Lewis Pong 氏
Choco Up、製品担当 VP

スタートアップ企業としてロードマップサポートを受ける

Choco Up が提携しているデジタルマーチャントの多くはクラウドネイティブであるか、Shopify や Stripe などのクラウドベースのコマースプラットフォームや支払いゲートウェイで運営されています。あるいは、その両方である場合もあります。これらのマーチャントは、資金提供を受けるためにサインアップした後、Choco Up が Shopify またはこれらのマーチャントが使用している e コマースサイトのダイレクトアプリケーションプログラミングインターフェイス (API) プラグインを通じて、売上高や平均注文額などのストアデータにアクセスすることを承認します。

Choco Up はクラウド上でビジネスを構築することとし、プラットフォームでの好ましい経験とスタートアップ企業へのサポートに基づいて Amazon Web Services (AWS) を選定しました。「AWS のチームは時間をかけて当社のビジネスを理解し、貴重なリソースを提供してくれました。当社が有料の顧客になる前から、チームが当社と連携してくれたことには感動しました」と Choco Up の共同創業者兼最高執行責任者である Brian Tsang 氏は述べています。 

マイクロサービスを活用して自動スケールし、コストを管理する

AWS で成長を遂げるという決定の背景にあるもう 1 つの重要な考慮事項は、テクノロジーの観点からのものでした。Choco Up は、ビッグデータアーキテクチャにマイクロサービスを活用し、コンテナを使用してアプリケーションを自動スケールおよび分離し、サーバーレスコードとともにオンデマンドインフラストラクチャでコストを制御します。

Choco Up は、AWS のソリューションアーキテクトのサポートやオンラインドキュメントなどのリソースの恩恵も受けることができました。これにより、分析、人工知能 (AI)、機械学習 (ML) サービスの採用が加速しました。「AWS は、マイクロサービスの構築とデプロイに幅広い選択肢を提供するデータおよび分析インフラストラクチャで高く評価されています。AWS のチームは、当社のデータパイプラインが安定性を保ちながら大量のデータを高速に処理できるようにしてくれました」と Choco Up の製品担当 VP である Lewis Pong 氏は述べています。

リリース以来、Choco Up のプラットフォームではダウンタイムが発生していません。このビジネスでは、コンテナオーケストレーションに Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) を使用し、Infrastructure as Code をデプロイするために AWS Lambda を使用しています。また、Choco Up は Amazon Redshift を大規模なシナリオ分析のためのデータ分析ウェアハウスとして活用し、信用リスクチームが資金調達に関してデータ駆動型の意思決定を行うことを可能にしています。クライアントは収益の一定割合に基づいて資金を返済するため、Choco Up が入手可能なあらゆるデータに基づいて、6~12 か月間の信頼性の高い収益予測を作成することが重要です。「当社のデータベースには膨大な独自データがあり、そこから各クライアントをベンチマークして信用リスクを評価できます」と Tsang 氏は説明しています。 

迅速で公平な与信判断を下す

ほぼリアルタイムのデータ処理機能により、Choco Up はクライアントが申請を完了するとすぐに暫定的なオファーを行うことができます。通常、完全なオファーは 1 時間以内に生成され、資金はわずか 24 時間で提供されます。

一方、銀行に融資を申請する場合、企業は通常、承認されて資金の提供を受けるまでに少なくとも 3 か月間は待たなければなりません。ブラックフライデーやサイバーマンデーなどの繁忙期にオンラインマーチャントがマーケティングキャンペーンを実施するには、10,000 USD といった比較的少ない金額であっても迅速に資本にアクセスできることが不可欠であるため、これは Choco Up にとって重要な差別化要因です。

さらに、Choco Up は与信決定が公平に行われていることに誇りを持っています。「今日では、多くのことが仮想的に起こり、必ずしもクライアントと直接会うとは限らないため、従来の機関のように人間関係や『直感』に頼ることはめったにありません。その結果、客観的にアンダーライティングし、純粋にパフォーマンスの観点から各店舗を見ることができるようになりました」と Tsang 氏は述べています。

予測モデリングを使用してアンダーライティングリスクを軽減する

データは Choco Up のデータウェアハウスを通過した後、資金提供に関する最終的な意思決定が下される前に、Amazon SageMaker で構築された AI および ML モデルを通過するため、信用リスクチームがさらに検証を行うのに役立ちます。「いくら注意しても、注意し過ぎることはないため、クレジットアンダーライティングは終わりのないプロセスです」と Tsang 氏は述べています。「AI や ML モデルの利用が増えるにつれ、構造化されているか否かにかかわらず、はるかに多くのデータを有意義な態様で処理できるようになりました」。

Choco Up は現在、より多くの AI や ML を信用リスクエンジンに統合する方法を模索しており、Amazon SageMaker を使用して、オンラインでの顧客との関わり方に基づいてクライアント企業を評価するなどの新しいユースケースを実現しています。例えば、顧客がソーシャルメディアやマーケットプレイスサイトにコメントを残したときのクライアントの応答時間を評価します。「この種の非構造化データは、クライアントのビジネスの成功を示す強力な指標になる可能性があります。そして、AI や ML を使用してそのようなデータをより多く取り込めるようになれば、今後の与信判断に非常に役立ちます」と Tsang 氏は説明します。 

安定性を維持しながら新たなマーケットで事業を拡大する

Choco Up は創業してから急速な成長を遂げており、マレーシア、タイ、インドネシアの新規顧客にサービスを提供しています。また、アジアパシフィック地域でも事業をさらに拡大する予定です。2021 年には 6,000 万 USD の資金提供を処理し、2022 年には 1 億 5,000 万 USD を目標としています。また、AWS Activate などのプログラムや、スケーラブルで最新のテクノロジーを活用して事業を成長させることで、2023 年には 5 億 USD の資金提供を目指しています。

「当社は世界中のクライアントと年中無休で業務を行っているため、AWS の安定性とスケーラビリティはプラットフォームを維持する上で不可欠です」と Tsang 氏は述べています。「AWS は、現在のスケールアップとマーケティングの段階を含め、スタートアップ企業として次の段階に成長する当社をサポートし続けてくれています」。

詳細はこちら

詳細については、aws.amazon.com/big-data/datalakes-and-analytics/ にアクセスしてください


Choco Up について

Choco Up は、香港とシンガポールを拠点とするレベニューベースドファイナンスプラットフォームです。デジタルマーチャントやスタートアップ企業には、1 万 USD から 1,000 万 USD までの柔軟な成長資本を提供しており、多くの場合、顧客が資本を申請してから 1 時間以内に暫定的なオファーを行います。 

AWS の利点

  • 2021 年に提供された資金額が 400% 増加
  • 運用初年度に 100% の稼働時間を維持
  • サーバーレスとマイクロサービスを使用したコスト管理
  • 継続的なロードマップ、テクノロジー、マーケティングサポートの利用が可能
  • ML を使用して今後 6~12 か月間の収益を予測

使用されている AWS のサービス

Amazon SageMaker

フルマネージドインフラストラクチャ、ツール、およびワークフローを使用して、あらゆるユースケースの機械学習 (ML) モデルを構築、トレーニング、デプロイします。

詳細はこちら »

Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)

Amazon ECS は、フルマネージドコンテナオーケストレーションサービスであり、コンテナ化されたアプリケーションを簡単にデプロイ、管理、およびスケールできるようにします。

詳細はこちら »

AWS Lambda

AWS Lambda は、サーバーレスでイベント駆動型のコンピューティングサービスであり、サーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、事実上あらゆるタイプのアプリケーションやバックエンドサービスのコードを実行することを可能にします。200 を超える AWS のサービスや Software as a Service (SaaS) アプリケーションから Lambda を起動することができ、お支払いいただくのは使用した分の料金のみです。

詳細はこちら »

Amazon Redshift

Amazon Redshift は、SQL を使用して、データウェアハウス、運用データベース、データレイクにわたる構造化および半構造化データを分析し、AWS が設計したハードウェアと機械学習を使用して、あらゆる規模で最高の料金パフォーマンスを実現します。

詳細はこちら »


開始方法

あらゆる業界のさまざまな規模のお客様が、AWS を活用してビジネスを日々変革しています。AWS のエキスパートにお問い合わせのうえ、今すぐ AWS クラウドジャーニーを開始しましょう。