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Lion Parcel が AWS でより迅速なデータインサイトを取得し、カスタマーエクスペリエンスを強化

2022

世界の物流業界は、特に e コマース関連の物流の急増、コンテナ不足、船混みを引き起こす主要港の閉鎖、航空貨物市場における輸送能力の制限により、2022 年から 2030 年にかけて年間成長率 6.8% で着実に成長することが予測されています。この分野は過去 2 年間に大きな変革を経験しましたが、効率的に適応し、複数の新たなトレンドに合わせて進化を続けています

Lion Parcel は、データ駆動型の意思決定を下して、国内外の競合他社との差別化を図るためにテクノロジーを強化しています。Lion Group の子会社として、Lion Parcel は、インドネシアの 17,000 の島々の顧客のために、ファーストマイル、ミドルマイル、ラストマイルの配送サービスを提供しています。また、Lion Parcel は、インドネシア全土の 7,000 を超えるサービスポイントから 25 か国の顧客に配送サービスを提供しています。「テクノロジーが既存の物流エコシステムを効率的に改善するのに役立つと考えています」と Lion Parcel の Head of Information Technology である Probosetyo Krishna 氏は述べています。

2019 年まで、Lion Parcel はオンプレミスのインフラストラクチャを使用してビジネスを運営していました。翌年には、従量制料金モデルと無制限のスケーリング機能を活用するために、コアシステムを Amazon Web Services (AWS) に移行しました。Krishna 氏は次のように述べています。「AWS とそのパートナーから提供されるサポートは一流のものでした。当社は、価値観を共有できる、信頼に足るパートナーと協力して業界での進歩を目指す中で、それらのサポートを高く評価しています。これは、クラウド上でさらに構築して実行することを目指している当社にとって重要なことです」。

Lion Parcel の導入事例
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データパイプラインの実装は当社が想定していたよりも迅速に完了し、思い描いていた以上のことができるようになりました」

Probosetyo Krishna 氏
Lion Parcel、Head of Engineering

AWS でデータパイプラインを使用して 1 分でレポートを配信する

2021 年の初めに、Lion Parcel は AWS 上にデータパイプラインを構築することを目的として、設計と実装をサポートしてもらうために AWS パートナーである Deloitte と連携しながら、データチームの結成を開始しました。過去に、Lion Parcel はオンプレミスでデータレイクを構築する実験を行ったことがあります。しかし、パフォーマンスとデータ処理速度はビジネス上の期待値を満たすものではありませんでした。例えば、6 か月間の配送レポートを作成するために、Lion Parcel はデータがロードされるまで 15 分間待つ必要がありました。AWS では、同じレポートを 1 分未満で作成できます。

Lion Parcel は、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を構造化データと非構造化データを保存するデータレイクとして、AWS Glue をデータ変換とクレンジングのために、Amazon Redshift をデータウェアハウスとして、それぞれ利用しています。

アイデアを出して実装までを 6 週間で完了

Deloitte および AWS との話し合いを開始してから 6 週間以内に、Lion Parcel はデータレイクとデータウェアハウスを稼働させることができました。「実際、データパイプラインの実装は当社が想定していたよりも迅速に完了し、当初思い描いていた以上のことができるようになりました」と Krishna 氏は述べています。データパイプラインの最初のユースケースとして、社内レポートの可視化の改善と、顧客をセグメント化するための Amazon SageMaker を利用した機械学習 (ML) の適用を目指すことになりました。

以前は、レポートクエリは Lion Parcel のトランザクションデータベースを経由していました。しかし、データ量が増加するにつれて、同社は情報抽出に遅れを生じさせるボトルネックに悩まされるようになりました。最新のデータパイプラインを使用することで、トランザクションデータベースは分離され、「クリーン」な状態で維持されると Krishna 氏は述べています。また、従業員は必要なデータをデータウェアハウスから直接抽出できます。

プロアクティブなカスタマーサービスで高い可視性を実現する

レポート作成を高速化して詳細なデータの可視性を高めることで、Lion Parcel はよりプロアクティブなカスタマーサービスモデルに移行できるようになりました。管理担当者とカスタマーサービス担当者は、配送のさまざまな段階で荷物の状況に関するレポートを迅速に作成できます。顧客中心の企業として、Lion Parcel は現在、配送における障害を迅速に検出し、苦情が発生する前に先んじて対応するために、AWS 上のモニタリングシステムからアラートを作成しています。

Lion Parcel は、スピードに加えて、Amazon QuickSight のビジネスインテリジェンスダッシュボードを利用して、事業運営に関するほぼリアルタイムのインサイトを得ることができます。同社の IT チームはこれまで、管理担当に提示するために、前日のパフォーマンスレポートを作成していました。現在では、管理担当は当日のレポートに直接アクセスして、わずか 1 時間前のデータを取得できるようになりました。

「Amazon QuickSight を利用することで、可視化が劇的に改善されました。簡単に接続でき、料金に比してとても大きなメリットがあり、以前のオープンソースのビジュアライゼーションツールよりも多くの機能を備えています」と Krishna 氏は述べています。

顧客セグメンテーションに ML を適用する

ビジュアライゼーションを強化した後、Lion Parcel は分析パイプラインの拡張として ML モデルの構築に注目しました。セグメンテーションは、Lion Parcel の ML ジャーニーの最初のステップでした。管理チームとマーケティングチームは現在、顧客関係管理 (CRM) の取り組みを確立するために使用している ML 駆動型の顧客行動分析を通じて、個別の顧客プロファイルを表示できるようになりました。

Lion Parcel は、顧客がどの購入段階にあるか、顧客離れの可能性、およびターゲットマーケティングに役立つ他の特性を分析できます。同社は Salesforce CRM ソフトウェアの利用を開始し、顧客データを AWS クラウド上でシームレスに統合できるようになりました。

AWS で成功するためのルートを確立する

AWS クラウドのスケーラビリティは、新しいサービスポイントの最適な場所の決定などの現在の ML イニシアティブだけでなく、ルートの最適化や需要主導の料金などの将来のイニシアティブを実行するための鍵となります。「AWS を利用することで、高性能サーバーをスケールしてデータモデルをトレーニングおよび作成し、その後にスケールダウンできるため、ML のコスト効率が向上します」と Krishna 氏は述べています。

また、次のように結論付けています。「AWS クラウドテクノロジーの可能性を見出すことは、私のチームにとって本当に楽しい経験でした。私たちは AWS と Deloitte のガイダンスから多くのことを学んでおり、管理チームもその結果に満足しています」。

詳細

詳細については、aws.amazon.com/big-data/datalakes-and-analytics にアクセスしてください。


Lion Parcel について

Lion Group の子会社である Lion Parcel は、総合物流配送サービスを提供するインドネシアの物流企業です。2022 年の時点で、同社はインドネシアで最大 98% の市場シェアを誇り、25 か国で国際配送サービスを提供しています。

AWS の利点

  • データレイクとデータウェアハウスを 6 週間で実装
  • 重要なレポートの作成にかかる時間が 15 分から 1 分未満に短縮
  • すべての従業員によるレポートデータへの簡単なアクセスを実現
  • ML 駆動型の分析を使用して顧客をセグメント化
  • レポート用にほぼリアルタイムのデータを取得
  • 最大 7 か月後までのビジネスの量を予測
  • データをサードパーティーのソフトウェアと統合

利用している AWS のサービス

Amazon QuickSight

Amazon QuickSight を利用すると、組織内のすべてのユーザーが、自然言語で質問したり、インタラクティブなダッシュボードを通じて調査したり、機械学習を利用してパターンや外れ値を自動検索したりすることで、データを理解できます。

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Amazon SageMaker

フルマネージドインフラストラクチャ、ツール、およびワークフローを使用して、あらゆるユースケースの機械学習 (ML) モデルを構築、トレーニング、デプロイします。

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Amazon Redshift

Amazon Redshift は、SQL を使用して、データウェアハウス、運用データベース、データレイクにわたる構造化および半構造化データを分析し、AWS が設計したハードウェアと機械学習を使用して、あらゆる規模で最高の料金パフォーマンスを実現します。

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Amazon Simple Storage Service

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界随一のスケーラビリティ、データの可用性、セキュリティ、パフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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あらゆる業界のさまざまな規模の組織が AWS を活用してビジネスを変革し、日々ミッションを遂行しています。当社のエキスパートにお問い合わせいただき、今すぐ AWS ジャーニーを開始しましょう。