AWS Wavelength は、モバイルエッジコンピューティングアプリケーション用に最適化された AWS インフラストラクチャサービスです。Wavelength Zone は、5G ネットワークのエッジにある電気通信サービス事業者 (CSP) のデータセンター内に AWS のコンピューティングサービスとストレージサービスを組み込んだ AWS のインフラストラクチャのデプロイです。このため、通信事業者のネットワークから出ることなく、アプリケーショントラフィックを Wavelength Zone で実行されているアプリケーションサーバーに送信できます。これにより、アプリケーショントラフィックが送信先に到達するまでにインターネットで複数のホップを経由しなくてはならないことが原因で生じるレイテンシーが回避され、お客様が最新の 5G ネットワークによって実現されるレイテンシーと帯域幅のメリットを最大限に活かすことが可能になります。
AWS Wavelength Zones は、米国 10 都市 (Verizon 提供)、東京 (KDDI 提供)、デジョン (韓国、SKT 提供) でご利用いただけます。
利点
新しいビジネスチャンス
5G エッジで幅広いクラウドサービスに瞬時にアクセスできるため、すべての業界のスタートアップ、企業、および ISV は、エンドユーザーまたはエンドデバイスへの超低レイテンシーのアクセスを必要とする産業オートメーション、スマートシティ、ML 支援診断、自律走行車などの革新的な 5G アプリケーションがもたらす新しいビジネスチャンスを探索できます。
変わらない AWS の使用体験
Wavelength は、世界中の複数の 5G ネットワークで一貫した体験を提供します。デベロッパーは、現在使い慣れている強力な AWS サービス、API、ツールを使用して、次世代の超低レイテンシーアプリケーションを構築できます。また、伸縮性、高可用性、従量課金制など、AWS のメリットを同じくご利用できます。
柔軟でスケーラブル
アプリケーションは、追加の変更やサービス契約なしで、さまざまな CSP の複数の Wavelength Zone にデプロイできます。これにより、運用と管理プロセスが簡素化され、大規模なデプロイが可能になります。 AWS リージョンへ高帯域幅で安全に接続でき、デベロッパーは同じ API とツールセットを介して AWS リージョンの全範囲のサービスにシームレスに接続できます。
グローバルな 5G ネットワーク
米国、欧州、日本、韓国などの通信プロバイダー (Verizon、Vodafone、KDDI、SK Telecom など) の CSP ネットワークにおいて Wavelength を利用することで、世界中のエンドユーザーと接続デバイスに超低レイテンシーアプリケーションを提供できます。
仕組み
始めるのは簡単です。AWS マネジメントコンソールにログインして、ご自分のアカウントで使用する Wavelength Zone を有効にするだけです。

ユースケース
AWS Wavelength は、ゲームストリーミング、バーチャルリアリティ、ライブイベントでの会場内体験など、インタラクティブで没入型の体験を提供する 5G アプリケーションを実現します。また、Wavelength により、5G デバイスからネットワークエッジへのデータ処理タスクのオフロードが可能になり、自律走行車やスマートファクトリーなどのアプリケーションを実現する電力、メモリ、および帯域幅などのリソースを節約できます。

コネクテッドカー
AWS Wavelength は、センサーからのデータをリアルタイムで監視し、安全な接続、車内テレマティクス、自動運転を実現します。

インタラクティブなライブ動画ストリーム
Wavelength は、高解像度のライブ動画と高音質のオーディオをライブでストリームするため、およびインタラクティブな体験をライブ動画ストリームに埋め込むために必要な超低レイテンシーを提供します。

AR/VR
Wavelength は、AR/VR アプリケーションが現実的な顧客体験を提供するために必要な 20 ミリ秒未満をベンチマークとして、モーションからフォトン (MTP) までのレイテンシーを削減する際に役立ちます。

スマートファクトリー
AWS Wavelength により、産業オートメーションアプリケーションは、エッジで ML 推論を使用して画像と動画を分析し、高速移動する組立ラインの品質問題を検出できます。

リアルタイムのゲームプレイ
AWS Wavelength を使用すれば、これらのゲームを Wavelength Zone のゲームサーバーからストリーミングすることにより、処理能力が制限されているエンドデバイスで最も要求条件の厳しいゲームを利用できるようになります。

ヘルスケア向けの ML 支援診断
Wavelength Zone のコンピューティングリソースで実行される AI/ML 駆動の動画分析および画像マッチングアプリケーションは、医師が手技中のポリープの認識など、監視状態の診断速度を上げる際に役立ちます。
お客様事例

「重要なのは、システムのプライバシーを保護しながら、セキュリティサービスをタイムリーに提供するために、低レイテンシーと高スループットを備えたコンピューティングリソースをすばやくスケーリングする能力です。AWS Wavelength への超低レイテンシーアクセスを備えた C-V2X パイロットにより、信頼できる関連情報のみを共有するタイムリーなメッセージフィルタリングが可能になり、車両間における交通安全と移動性を向上します」
Rick Kreifeldt 氏、LG America R&D Lab、シニアバイスプレジデント

「重要な GPU ワークロードは AWS Wavelength と 5G の帯域幅の組み合わせによってレンダリングされるため、データがマシンとクラウドの間をシームレスに流れて、エッジでの AI を使ったリアルタイムの意思決定を可能にする、真のコネクテッドファクトリーへの道を実現するための低レイテンシーと優れた接続性を達成することができます。」
Shanky Viswanathan 氏、Media and Information Service Business Group、CTO コミュニケーション

「私たちが提供する優れたエクスペリエンスには、ユーザーとそのデバイスへの超低レイテンシーの接続が必要です。それを提供できるのは、キャリアの 5G エッジにある AWS Wavelength だけです」と語るのは、Ubitus 社の CEO である Wesley Kuo 氏です。「当社の GameCloud プラットフォームは最近、Wavelength の GPU インスタンスを使用して、超低レイテンシーでゲームをエンドユーザーに直接レンダリングし、ストリーミングしました。その結果、ユーザーはダウンロードやインストールなしで即時にゲームをプレイし、継続的なゲームエクスペリエンスによってリアルタイムでやり取りすることができ、デバイスを変更しても、中断した箇所からゲームを再開できます。」
Wesley Kuo 氏、

「今日のライブイベントビジネスは非常に厄介で、インフラ集約的であるとともに、コストも高くなっています。当社が Verizon 5G と AWS Wavelength Zone で行っていることは、そのプロセスを合理化し、経済性やそのやり方を変え、体験のしかたを変えることです。4K ワークフローやさらに低いビットレートのメディアワークフローを 5G を使って生でテストしたのは、これが世界で初めてです。5G MEC によってもたらされるレイテンシーの効果は驚くべきものです。通常のサテライトワークフローはプラス 7 秒以上です。1 秒未満で非常に低秒のレイテンシーを実現すると、ライブイベントの方法が変わり、スポーツのベッティングが変わり、ニュースが変わります。本当にすべてが変わります。」
Gordon Brooks 氏、Executive Chairman 兼 CEO
パートナー

KDDI の au 5G ネットワークと AWS クラウドサービスの組み合わせは、お客様が当社の高スピード、大容量、かつ低レイテンシーの機能を活用することによってリアルタイムのフィードバックを実現し、そのビジネスに新たな価値を生み出すことを可能にします。

SKT の 5GX Edge サービスは、AWS クラウドサービスを SKT の全国的な 5G 対応エリアに基づく通信インフラストラクチャに導入することによって、完全なセキュリティを備えた超高速、超低レイテンシー、かつ超広帯域のサービスを実装するための環境を提供します。

Verizon 5G Edge は、Verizon の 5G 超広帯域ネットワークと AWS クラウドサービスを統合して、デベロッパーとエンタープライズカスタマーがエッジでレイテンシーの影響を受けやすい大規模なアプリケーションを構築できるようにします。

AWS クラウドと Vodafone の 4G および 5G ネットワークを統合させる Vodafone Business Distributed Edge は、すばらしい次世代ユーザーエクスペリエンスを実現します。