Amazon Web Services ブログ

AWS公共部門サミット 各国事例を紹介。本年 4/16(金) 開催分の「登録」受付も始まりました。

2021年4月16日(金)に、AWS公共部門サミット・オンラインが開催されます(登録はこちら)。午前10時からの無料配信となりますので、ぜひご登録ください。米 国防総省の関連機関であるアメリカ国防兵站局など海外政府機関の事例を中心に40以上のセッションが予定されており、日本からも京都大学より事例登壇をいただく予定です(過去の登壇動画は、下部のRead Moreをご覧ください)。

今年の「AWS公共部門サミット・オンライン」の登録開始に併せまして、AWSジャパン・パブリックセクターより、今回のブログでは、2020年の10月に開催された「AWS Public Sector Summit Online 2020(以下、”昨秋の公共部門サミット”)」のキーポイントを振り返ります。

 昨秋の公共部門サミットにて、公共部門のインターナショナル・セールス担当バイスプレジデントである Max Peterson は、COVID-19 の世界的大流行に対応する私たちの「ニュー・リアリティ(新しい現実)」について語り、併せて、デジタル化への一歩をすでに踏み出した顧客が、これまでにAWSの採用によりどのような恩恵を受けているかについて話しました(*キーノート動画は こちら)。Max は基調講演で、顧客企業とパートナー企業の経験から学んだ教訓と、そうした教訓をクラウドジャーニーに適用する方法について語りました。
 4 つの重要な教訓とは、何でしょうか?   1) 速く動き[Move Fast]、 2) アジャイルなプラットフォームを持ち[Have an agile platform]、 3) イノベーションを継続し[Keep Innovating]、 4) 大きく考えましょう [Think Big]。
 ぜひ、以下の基調講演の詳細をお読みください。

速く動く: スピードの必要性

組織を変革するには、速く動くこと、そしてイノベーションが不可欠です。COVID-19 は、アジャイルに動ける人々のほうが予期しない変化に対応する準備ができ、かつ、すでにクラウドを使用している組織のほうが迅速に新しい行動様式へと移行できること──これらの事実を明らかにしました。中東の EdTech 企業である Alef Education は、数万人の学生を対象に、学習ソリューションへのリモートアクセスを迅速に拡張、提供することができました(【事例#1】)。イタリアの Comune di Codogno は、Amazon Connect を使用して 1 週間足らずで コールセンターを構築し、スタッフに直接電話をルーティングし、市民からの質問に迅速に対応できるようにしました(【事例#2】)。

AWS パートナーは、イノベーションのペースを加速するサポートをします。CDSM Thinqi社 はエジプト教育省と協力し、学生を e ラーニングプラットフォームにつなげました。このプラットフォームは、立ち上げ後最初の 5 時間で 730 万以上のページビューを獲得しました。3 月に学校が閉鎖されて以来、毎月何百万人ものユーザーに対応しています(【事例#3】)。

コミュニティメンバーの安全保持: Juniper

非営利団体(NPO)は、IT導入 に伴いがちな負担を軽減し、ミッションに必要なリソースに資金を集中させるためにクラウドを利用することがよくあります。 西オーストラリアのNPOのエイジケアプロバイダーのEve Currie 氏( the executive director of planning and strategy)は、JuniperというNPO組織がどのようにしてそれを行ったかについて話しました。COVID-19 に襲われた時、Juniper は介護者とコミュニティメンバーを保護するために迅速に対処しなければなりませんでした。クラウドを使用することで、Juniper はサービスの品質を維持し、中断を回避し、コミュニティメンバーの安全を確保することができました(【事例#4】)。

アジャイルなプラットフォーム: 市民サービスの俊敏な提供

パンデミックにうまく対処できた組織は、俊敏かつ柔軟な方法で市民サービスを提供する工夫をしました。 遠隔医療では、デジタル技術が大きな影響を与えました。 シンガポールに拠点を置く Doctor Anywhere は、遠隔医療サービスを東南アジア地域の他の国へ迅速に拡大しました(【事例#5】)。

また、柔軟な組織になることは即ち、IT 予算を効果的・機動的に支出できることを意味します。 Hello Sunday Morning は、パンデミックによるロックダウンとアルコール消費量の増加の中で、彼らの禁酒・節酒アプリの需要が急上昇したことに気付きました。重要なソーシャル・ヘルスサービスの支援を提供するアプリである Daybreak は、予算に影響を与えることなく、すぐにスケールアップすることができました(【事例#6】)。

Smart Selangor Delivery Unit (SSDU): 最新の優れた設計で、安全なクラウドベースのシステムへの投資

クラウドを活用することで、各組織は予期しない事態に直面したときにどのように柔軟に対応できるでしょうか?  マレーシアのセランゴール州政府は、パンデミックが襲いかかった時、すでにクラウドでの構築を開始していました。彼らが完了した作業は、COVID-19 の危機に対処するための重要な新しいサービスを迅速に提供するのに役立ちました。SSDU のマネージングディレクターである Mohammad Fahmi Ngah 博士は、セキュリティを向上させながら、俊敏性を高めるために、最新かつ優れた設計の、安全なクラウドベースのシステムにどのように投資したかをサミットの場で共有してくれました(【事例#7】)。

イノベーションを続ける: 継続的なイノベーションへの取り組み

旧式の IT インフラストラクチャやテクノロジーにより負わされる「限界」をなくすことで、公的機関は、まったく新しい方法でサービスを提供するための柔軟性を備えることができます。

2020年3 月に、AWS は AWS Diagnostic Development Initiative (DDI)を開始しました。このイニシアチブは、診断ソリューションの研究のために 2,000 万 USD の AWS 販促クレジットとテクニカルサポートをコミットしています。Diagnostic Development Initiative は、ウイルスの突然変異をモデル化し、検出されない可能性がある感染数を推定することにより COVID-19 テストのギャップに対処するプロジェクトを含めて、数十超のプロジェクトを支援しています。AWS の機械学習によって胸部 X 線を分析し、COVID-19 による肺炎の検出に役立てている研究者もいます。これは、現在利用可能な他の COVID-19 テストと比較してより速く結果が得られます(【事例#8】)。

AWS は、医学分野の研究にとどまらず、公的機関がクラウドでイノベーティブに「実験」を行うためのプログラムと機会を提供し続けています。政府、学校教育関連機関、非営利団体はいずれも、現在、世界中の公的機関を対象としている City on Cloud 2020 コンテストに応募できます。コンテストの参加者は、市民にポジティブな影響を与えたり、社会問題を解決したり、都市を強化するなど、プロジェクトをアイデアから現実へと導くために AWS サポートを受ける機会が得られます(【事例#9】)。

労働力のレディネスを高める: エジプト通信情報技術省 (MCIT)

各国が競って取り組んでいるインパクトの高い施策として、クラウド上での構築スキルを備えた労働力を育成する政策が挙げられます。エジプトでは、AWS は MCIT(Ministry of Communications and Information Technology) と協力して、機械学習 (ML) および人工知能 (AI) 機能を使いこなすための人材開発およびスキル構築プログラムを設計しました。「Administrative Development, Digital Transformation, and Automation」を担当する同省の副大臣である Khaled El Attar 氏は、クラウドの可能性を最大限に引き出すために労働力への国家規模での投資が、いかに必要であるかを力説しました(【事例#10】)。

Think Big : 可能性の芸術

各組織が従来のサービス提供を超えて実験に集中するようになると、これまでは不可能とされてきた「Think Big」が実現可能になります。ここ数か月の間、各団体・組織は、通常の 10 倍のボリュームになるとしても、所属メンバーとコミュニケーションするための新しい方法を見つけなければなりませんでした。これは、最新技術を駆使したコールセンターを検討し、チャットボットや自動音声応答システムなどのツールをクラウド上で採用することを意味しています。

AWS パートナーである Smartronix は、米国の 14 の州政府と協力し、失業保険給付のオペレーションの合理化に努めました。 ウェストバージニア州では、クラウドベースのコンタクトセンターが、わずか「3 日足らず」で稼働を開始しました。テキスト読み上げサービスの Amazon Polly のような自動化ツールは、電話を掛けてきた市民に大枠の基本情報を提供することで、初期通話フローの合理化に役立ちました。通話の 96% が対話型音声応答システムによって処理されるため、同州は市民の需要に十分応えることができました(【事例#11】)。

中南米の医療では、AWS パートナーである Whyline 社が AI を活用して、患者に待機時間を表示してリモートかつバーチャルに「列」へと並ぶことができるようにすることで、病院の過密や混雑を軽減しています(【事例#12】)。 シンガポールでは、非営利団体の We Care Community Services は、カウンセリングセッションをビデオ通話に移行し、プロバイダーがリモートで働くことを可能にし、患者に提供される治療セッションの量を倍増させました(【事例#13】)。

すべてをまとめる: 先進コンピューティング開発センター (C-DAC)

インドでは、C-DAC (Centre for Development of Advanced Computing)の健康情報学のアソシエイトディレクターである Sanjay Sood 博士が AWS と協力し、わずか 19 日でインドの医療提供システム全体向けに患者と医師の間での遠隔医療ソリューションを開始しました。 彼は自分の経験を登壇し共有してくれました(【事例#14】)。これは、速く動く、俊敏性、継続的なイノベーションへの取り組み、大きく考えるという 4 つの原則すべてがどのようにミッション主導的な結果をもたらすかについての示唆に富んだ例です。

* * * 

このMax Petersonの基調講演に続いて、アジア、オーストラリア、ニュージーランド、中東、アフリカの各国のリーダーたちが、地域のニュース、アナウンス、顧客事例を登壇し共有しました。今すぐ登録して、オンデマンドでこれらの講演をご覧ください。

また、National Institution for Transforming India (NITI Aayog) による新しいクラウドイノベーションセンターの発表や、バーレーン大学が AWS にオールインするという話も、ぜひお読みください。

AWS 公共部門サミットオンラインにご参加いただきありがとうございます。これからオンデマンドで利用可能なセッションにアクセスするために登録しても、遅すぎることはありません。(登録後の視聴ランディングページは、こちら。)

Read More

各国政府機関からの登壇を予定しています。

4/16当日は、各国政府機関からの登壇を予定しています。

日本の公共部門の皆様へのご案内

AWSでは、政府・公共部門、パブリックセクターの皆さまの各組織におけるミッション達成が早期に実現するよう、継続して支援して参ります。

今後ともAWS 公共部門ブログで AWS の最新ニュース・公共事例をフォローいただき、併せまして、「農水省DX室」「気象庁の衛星ひまわり8号のデータセット」や「第二期 政府共通プラットフォーム」など日本の関連機関との取り組みを紹介した過去のブログ投稿に関しても、ぜひご覧いただければ幸いです。

* * * *

このブログは、「An IT infrastructure to meet our new reality: What you missed at the AWS Public Sector Summit Online 2020」と題した英語原文の投稿をもとに、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 パブリックセクター 統括本部長補佐(公共調達渉外担当)の小木郁夫が翻訳・執筆しました。

TAGS: AWS Educate (米国),カスタマーソリューション, 教育, 政府,ヘルスケア,公共部門, 公共部門パートナー, 州政府・地方政府