一般的な質問
Q: AWS IoT SiteWise とは何ですか?
A: AWS IoT SiteWise は、産業企業が複数の産業施設全体から何千ものセンサーデータストリームを収集、保存、整理、および可視化できるようにするマネージドサービスです。AWS IoT SiteWise には施設内に設置されたゲートウェイデバイスで実行されるソフトウェアが含まれており、ヒストリアンまたは専門の産業用サーバーから継続的にデータを収集してクラウドに送信します。データは、MQTT プロトコルを経由、または REST API を使用して AWS IoT Core から AWS IoT SiteWise に取り込むこともできます。AWS IoT SiteWise を使用することによって、数か月におよぶ付加価値を生まないデータコレクションの開発とソリューションのカタログ化を省くことができます。そのかわりに、機器の問題の検出と修理、非効率性の洗い出し、および生産量の向上のためにデータを使用することに集中できます。
Q: AWS IoT SiteWise を使用するメリットは何ですか?
A: AWS IoT SiteWise では、産業活動で一般に発生する無駄を削減するために、機器のデータを簡単に収集して洞察を得ることができます。センサーデータは機器別に構造化できるため、データを識別および取得できます。AWS IoT SiteWise は、機器およびプロセスに対して指定したパフォーマンスメトリクスのコンピューティングも行います。このメトリクスにより、機器の問題、生産量のばらつき、品質不良といったさまざまなタイプのムダを特定できます。SiteWise Edge ソフトウェアを使用すれば、これらの機能をオンプレミスで利用できるため、クラウドへの接続が一時的に中断された場合でも、工場フロアでほぼリアルタイムにデータを視覚化し、またはローカルアプリケーションをサポートできます。
AWS IoT SiteWise では、特に以下のことが可能になります。
単一の産業サイトまたは複数の施設にわたるプロセスを把握し、改善します。多くの場合、無駄を削減するには機器のデータメトリクスを計算し、各種ビジネスの目標を追跡する必要があります。AWS IoT SiteWise では、産業技術者がセンサーデータストリームを生産ライン別にグループ化して、生産ラインを施設ごとに分けることができます。これにより、企業本部のアナリストは、全施設にまたがるセンサーデータを簡単にクエリできるようになります。AWS IoT SiteWise を使用することにより、組織全体で使用するための、機器およびプロセス別に整理された信頼性の高いデータソースを作成することができます。
機器の問題を効率的に把握して解決。産業エンジニアが物理機器の問題を特定するには、パフォーマンスメトリクスが必要です。AWS IoT SiteWise では、エンジニア技術者が各風力タービンと太陽光発電設備の状態をリモートで把握し、適切なリソースを派遣して問題をより迅速に解決することができます。これにより、技術者は現場の運用に関する問題を調整しなくてもよくなり、その主要業務であるより優れたシステムの理解と設計により多くの時間を割くことができます。SiteWise Edge を使用すると、これらのパフォーマンスメトリックをオンプレミスで計算し、フィールドで実行されているローカルアプリケーションで利用できるようにすることができます。
SiteWise Monitor の機能を使用してデバイスと機器の運用データを可視化します。コードを書くことなく、AWS IoT に接続されたデバイスと機器からの運用データを可視化し、やり取りするフルマネージド型のウェブアプリケーションを作成します。AWS IoT SiteWise が既に取り込んでモデル化したアセットからのデータを自動的に検出し、可視化します。ユーザー定義の期間全体における履歴的な時系列のアセットデータプロットに加えて、現行のデータ値、およびアセットデータのライブの傾向チャートを表示することができます。インターネットに一時的に接続していない場合でも、SiteWise Edge を使用してこれらのウェブアプリケーションにローカルでアクセスすることもできます。
Q: SiteWise Monitor を使用するための前提条件は何ですか?
A: SiteWise Monitor ウェブアプリケーションを使用する前に、AWS IoT SiteWise にデータを送信するようにエッジデバイスと機器が設定されている必要があります。エッジデータがオンプレミスのデータヒストリアンに保存されている場合は、AWS IoT SiteWise ソフトウェアをエッジゲートウェイで実行してデータを AWS に送信することができます。エッジデータが MQTT プロトコルを使用して AWS IoT Core に送信される場合、Rules Engine で AWS IoT SiteWise が送信先エンドポイントとして選択されている必要があります。データが AWS に流れだしたら、AWS IoT SiteWise でエッジデバイスと機器のデジタルモデルを作成する必要があります。最後に、AWS IoT SiteWise に取り込まれた機器データを作成されたアセットモデルにリンクし、実際のエッジデバイスと機器を表すモデルをインスタンス化する必要があります。SiteWise Monitor は、AWS IAM アイデンティティセンター (AWS SSO の後継) を使用して、ユーザーが企業 ID でサインインできるようにします。これを有効にするには、企業 ID プロバイダーを IAM アイデンティティセンターに接続する必要があります。
Q: SiteWise Monitor はどのようにセットアップすればよいですか?
A: ウェブアプリケーションを作成するには、管理者ユーザーが AWS マネジメントコンソールにログインして、AWS IoT SiteWise コンソールを開きます。その後、AWS IoT SiteWise Monitor メニューにある [開始方法] ページに移動します。開始方法ページは、1) ウェブポータルの作成、2) シングルサインオンログインのための Active Directory の設定、3) ウェブポータルの管理者としてのユーザーの選択、4) ウェブポータルにアクセスできるユーザーの追加を行うためのシンプルなステップバイステップのワークフローについて管理者をガイドします。
Q: 運用データは SiteWise Monitor 内でどのようにセキュア化されますか?
A: SiteWise Monitor ウェブアプリケーションユーザーは、その企業 ID 認証情報、または AWS IAM アイデンティティセンター (AWS SSO の後継) で設定した組み込み型のユーザー認証情報に基づいて認証されます。管理者ユーザーは、ウェブアプリケーションでどのアセットとアセットデータをアクセス可能にするか、およびどのユーザーがウェブアプリケーションの使用を許可されるかを設定できます。
Q: 取り込み後、どのくらい早くデータの視覚化を開始できますか?
A: AWS IoT SiteWise は、AWS IoT に接続されたデバイスおよび機器からの運用データの視覚化およびそれらとのやり取りのために、SiteWise Monitor を使用してノーコードのフルマネージド型ウェブアプリケーションを作成する機能を備えています。SiteWise Monitor を使用すると、アセットデータと計算データをほぼリアルタイムで表示できます。データのこのほぼリアルタイムの可視化を可能にするために、AWS IoT SiteWise は、一連の時間間隔にわたる平均、合計、カウントなどの一般的に使用される統計的集計を自動的に計算します。これらの自動計算された集計は、時系列データストアに保存され、カスタムアプリケーションによってクエリすることもできます。
Q: AWS IoT SiteWise で産業用機器を仮想的に表現するにはどのようにアセットを使用すればよいですか?
A: AWS IoT SiteWise のアセットを使用して、産業用機器またはプロセスの仮想表現を作成できます。アセットは、クラウドに 1 つ以上のデータストリームをアップロードするデバイス、機器、またはプロセスを表します。例えば、風力タービンは、気温、プロペラ回転速度、電力出力の時系列測定値を AWS IoT SiteWise の対応するアセットに送信できます。温度データを摂氏から華氏に変換するなど、数式を使用して受信測定データを変換するようにアセットを設定できます。 ユーザー指定の時間間隔でアセットデータのメトリクスを定義することもできます。アセットを拡張して、風力発電所全体などのデバイスの論理グループを表すことができます。アセットを他のアセットに関連付けて、複雑な産業活動を表すアセットの階層を作成できます。このようなアセットは、関連付けられた子アセット内のデータにアクセスできるため、風力発電所の正味電力出力などの集計メトリクスを計算できます。
Q: SiteWise Edge を使用するにはどうすればよいですか?
A: AWS IoT SiteWise コンソールから SiteWise Edge ソフトウェアをダウンロードし、サードパーティーの産業用コンピュータや Linux オペレーティングシステムをサポートするゲートウェイなどのローカルハードウェアにインストールします。または、SiteWise Edge ソフトウェアを AWS Outposts または AWS Snow Family コンピューティングデバイスにインストールすることもできます。次に、クラウドの AWS IoT SiteWise コンソールを使用して、SiteWise Edge ソフトウェアのランタイム機能を設定します。コンソールを使用して、プロペラ回転速度センサーや風力タービンの気温センサーなど、すでにモデル化されている利用可能な機器一覧からデータソースを選択します。次に、事前定義された関数一覧から選択して、データをサンプリングしたり、一般的なパフォーマンスメトリック (設備総合効率など) を計算したり、独自のカスタム関数を定義してデータを処理したりできます。また、クラウドの AWS IoT SiteWise にデータを送信するように設定するか、Simple Storage Service (Amazon S3) や Amazon Timestream などの他のクラウドの送信先から選択することもできます。データフローをマッピングしたら、SiteWise Monitor ウェブアプリケーションを構成することにより、データと計算されたメトリックを視覚化する方法を構成できます。最後に、1 回のクリックで、これらすべての構成設定をコピーして、ローカルゲートウェイで実行されている SiteWise Edge ソフトウェアにデプロイします。エッジとクラウド全体の開発を簡素化するために、SiteWise Edge はクラウドと同じ SiteWise クエリ API をローカルで提供します。プロセスエンジニアとオペレーター向けに構築されたローカルアプリケーションは、これらの API を使用して、オンプレミスゲートウェイからほぼリアルタイムのデータとメトリックを読み取ることができます。
Q: SiteWise Edge がサポートされているオペレーティングシステムはどれですか?
A: SiteWise Edge は現在、Linux オペレーティングシステムを実行しているデバイスでサポートされています。
Q: SiteWise Edge はどのハードウェアでサポートされていますか?
A: SiteWise Edge は、サードパーティーの産業用ゲートウェイやコンピュータ、AWS Outposts、および AWS Snow Family コンピューティングデバイスにインストールできます。
Q: SiteWise Edge ソフトウェアを実行するためのハードウェアの最低要件を教えてください。
A: ハードウェアは、4 コア CPU、RAM 16 GB、使用可能なディスク容量 256 GB といった最低技術仕様を備えた、AWS IoT Greengrass 認定デバイスである必要があります。
Q: エッジゲートウェイではどのくらいの期間データを保持できますか?
A: エッジゲートウェイでは、最大 30 日間データを保持することができます (ディスク容量が許す限り)。
Q: AWS IoT SiteWise に機器データを取り込むにはどうすればよいですか?
A: AWS IoT SiteWise では、機器データを収集するために複数の方法を使用できます。まず、サードパーティーの産業用コンピュータとゲートウェイ、または AWS Outposts と AWS Snow Family コンピューティングデバイスで SiteWise Edge ソフトウェアを実行し、Modbus TCP や EtherNet/IP などのプロトコルを使用して機器からデータを読み取るか、OPC-UA データアグリゲータと履歴データベースから、1 秒あたり数千のデータストリームをアップロードします。 ゲートウェイは、遠隔施設にありがちなインターネットへの断続的な接続が発生した場合、データをローカルにキャッシュできます。2 番目に、AWS IoT SiteWise は、AWS IoT Core との統合により、MQTT データの取り込みをサポートしています。IoT Core のメッセージブローカーを使用して産業機器からのメッセージをパブリッシュしているトピックにサブスクライブすることができ、その後 AWS IoT Core Rules Engine を使用して AWS IoT SiteWise にメッセージをルーティングします。最後に、AWS SDK を使用して、任意のカスタムエッジまたはクラウドアプリケーションからデータを送信できます。
Q: カスタムアプリケーションで AWS IoT SiteWise データを使用するにはどうすればよいですか?
A: AWS IoT SiteWise では、2 つの方法により、カスタムクラウドアプリケーションで機器データおよび計算データを使用することができます。まず、プロパティ通知を使用して、MQTT メッセージを通じて構造化された IoT データのストリームを公開できます。アプリケーションは MQTT トピックをサブスクライブし、機器データおよび計算データが到着したときにメッセージの受信を開始できます。これらの通知は個々のアセットプロパティレベルで設定できるため、アプリケーションが受信するデータを選択できます。次に、AWS SDK の AWS IoT SiteWise クエリ API を使用して、ライブデータと履歴データ、および計算された変換とメトリックを取得できます。カスタムエッジアプリケーションの場合、ローカルで実行されている SiteWise Edge ソフトウェアに対して同じ AWS IoT SiteWise クエリ API を使用して、ライブデータと履歴データ、および任意のアセットプロパティの計算された変換とメトリックを取得できます。
Q: Grafana で AWS IoT SiteWise を使用するにはどうすればよいですか?
A: Grafana 用の AWS IoT SiteWise プラグインを使用すれば、Grafana ダッシュボードのさまざまな視覚化オプションを使用して、AWS IoT SiteWise からの機器データとメトリックをほぼリアルタイムで視覚化および監視できます。また、複数のソース (例えば AWS IoT SiteWise、Amazon Timestream、Amazon CloudWatch など) からのデータを容易に結合でき、それらすべてを Grafana ダッシュボード 1 つで監視できます。詳細については、ドキュメントを参照してください。Grafana ダッシュボードのサンプルスクリーンショットについては、以下を参照してください。

Q: AWS IoT SiteWise は AWS CloudFormation をサポートしていますか?
A: はい。お客様は、AWS IoT SiteWise コンソールから手動でプロビジョニングしたり、カスタムスクリプトを記述したりすることなく、AWS CloudFormation テンプレートを作成して、データの取り込みとアセットのモデル化を行うための AWS IoT SiteWise リソースの作成と管理を自動化できます。お客様は一貫性を保つために、アカウント間やリージョン間でこうしたテンプレートを再利用することもできます。