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BMW Group は AWS ベースのデータレイクを使用してデータの力を引き出す

2020

BMW Group は、ドイツのミュンヘンに本社を置く、高級自動車および高級オートバイの世界的な製造企業です。所有ブランドには BMW、BMW Motorrad、MINI、Rolls-Royce があります。また、プレミアムな金融サービスやモビリティサービスも提供しています。

ここ数年、BMW グループは、データと予測分析を用いて、自動車業界のデジタルトランスフォーメーションの最前線を躍進し続けています。BMW Group のデータ変革、AI、データおよび DevOps プラットフォーム副社長、Kai Demtröder 氏はこう言っています。「イノベーティブであり続けるために、デジタルでコネクテッドな新しいエクスペリエンスを生み出すことに力を入れています。また、データに基づいた判断を可能にすることで、効率性と効果両方の向上を目指した当社のバリューチェーンにおける変化を促進しています。」このようなイノベーションを生み出すために、BMW Group は 2015 年に、車両のセンサー、運転システム、データウェアハウスから得られる匿名化されたデータを収集し結合して、履歴からのインサイト、リアルタイムのインサイト、予測インサイトを取得する、一元管理のオンプレミスデータレイクを作成しました。

しかし、社内外の関係者からの増え続ける需要に対応するため、データレイクをより簡単にスケールする必要がありました。データは無数のサイロ化された環境に散らばっていて簡単にアクセスできるものではなかったため、新しいイニシアチブをサポートするには独自の IT インフラストラクチャと長いリードタイムが必要であり、そのために BMW Group のイノベーションは鈍化していました。BMW Group は、俊敏なソリューションを開発する必要に迫られました。このソリューションは、社内のさまざまな事業部門すべてのデータ需要に応え、同時に顧客が次から次へと求めるユースケースを解決するために会社が迅速に対応できるものである必要がありました。

BMW Group はまた、データ消費者が、例えば車両テレメトリ (速度、場所、温度、バッテリーとブレーキのレベル、エンジンの状態などの情報) にリアルタイムでアクセスできる方法を模索していました。さらに、データレイクに分析と機械学習を統合して、新しい革新的なサービスの開発を加速させようともしました。そして、大前提として、ソリューションはプライバシーとセキュリティの規制に確実に準拠するために必要なガバナンスを提供できなければなりませんでした。

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AWS とともに歩む私たちの行程は始まったばかりです。未来に向かってイノベーションを促進するという戦略を私たちのビジネスが遂行するための力となるのが楽しみです。

BMW Group
データ変革、AI、データおよび DevOps プラットフォーム副社長
Kai Demtröder 氏

データ駆動型アプローチを強化する

BMW Group は、このような課題に対応して、オンプレミスのデータレイクを再構築し、アマゾン ウェブ サービス (AWS) クラウドに移動することにしました。同社の Cloud Data Hub (CDH) は、企業全体の車両センサーやその他のソースからの匿名化されたデータを処理および結合して、顧客向けアプリケーションおよび社内用アプリケーションを作成する社内チームが簡単にアクセスできるようにします。最終的に、必要としていた俊敏性と柔軟性が AWS によって提供されたことが確認できました。また、世界中のユーザーをサポートするために必要な規模も得られました。

移行前は、BMW Group の融通のきかないオンプレミスデータレイクでは、データエンジニアやアナリストからの増え続ける需要に応えることができていませんでした。相互に依存しあうワークフローを実行する古いデータレイクでは、複数のテナントをうまく処理できませんでした。その結果、BMW Group でプラットフォーム、データ取り込み、ユースケースを担当する各チームは、プロジェクトに取り組むために複雑な調整を必要とし、組織のボトルネック状態に陥って、ペースを落としていました。

BMW Group は、Amazon AthenaAmazon Simple Storage Service (Amazon S3)、Amazon Kinesis Data FirehoseAWS Glue などの AWS マネージドサービスの組み合わせに目を向け、コンポーネントを差別化することでセットアップの煩雑さを軽減し、データエンジニアのニーズに合わせてスケールできる環境を作成しました。さらに、チームはエンドツーエンドでそれぞれ独自の DevOps プロセスを持てるようになり、イノベーションを続けるために必要な自律性と俊敏性が備わりました。また、BMW Group は、CDH のユーザーが高度な検索アルゴリズムを使用して信頼できるデータセットを発見し、データを簡単にクエリして新しいインサイトを得られるように、現代的なウェブポータルも実装しました。 

データ使用の大規模な民主化

BMW Group は、AWS のサービスを使用して、毎日膨大なデータを取り込んでいます。現在では、BMW と MINI の何百万台もの車両が、BMW Group の高度に安全が保たれたバックエンドを経由して CDH に接続されており、毎日匿名のテレメトリデータがテラバイト単位で処理されています。同社はこのデータを使用して、チェック制御エラーなど車両のヘルスインジケーターをモニタリングし、車両ライン全体の潜在的な問題を識別しています。このおかげで、BMW Group は CDH から取り込み、収集、精錬された車両データを活用し、実際に顧客に影響が出る前に問題をより優れた方法で解決できます。

このデータ管理の効率性を上げるため、BMW Group は「データプロバイダー」と「データコンシューマー」という観念を導入し、ソフトウェアエンジニアリングチームの自律性と俊敏性の両方を向上させました。データプロバイダーは、Amazon Kinesis Data FirehoseAWS Lambda、AWS Glue、Amazon EMR など AWS のサービスを使用してデータを取り込み、変換します。データコンシューマーはその後、Amazon Athena、Amazon SageMaker、AWS Glue、Amazon EMR などのサービスを使用して、各チームのユースケースにデータを活用します。プロバイダーとコンシューマーのどちらも、サービスの使用は独自のアカウントで行い、共有しているのは、中央 API で制御できる、明確に定義されたインターフェイスのみです。これにより、ボトルネックを回避できます。個々のデータレイヤーは Amazon S3 バケットに保存され、スキーマは AWS Glue データカタログに登録されています。

技術的なメタデータを AWS Glue データカタログに収集するだけではなく、人間が読み取れるデータカタログを作ることが、組織全体でデータを民主化するために不可欠であることに BMW Group は気付きました。こうすることで、CDH にどんなデータアセットがどのように集められているかについて、透明性が非常に高くなります。フロントエンドのアプリケーションである Data Portal は、データエクスプローラとして機能します。データリソースをわかりやすく表示し、組織全体で 500 を超えるユーザーのデータ使用パターンに基づいた「人気度指標」を提供することで、データアナリスト、データサイエンティスト、エンジニアの生産性を底上げします。

さらに、CDH は AWS AppSync 経由で GraphQL を利用して、スケーラブルな汎用 API を構築し、データプロバイダーとコンシューマーのどちら対しても開発の柔軟性を向上させています。GraphQL 上に構築されたインターフェイスは、従来の REST API とは異なり、データカタログのメタデータの表示や、接続された車両から収集された異種データの提供など、革新的な要望に対応するのに適しています。開発者は、ペイロード構造を定義し、パラメータをクエリして特定のユースケースに必要なデータを取得する柔軟性を得られます。これにより、異なるデータ要件のセットを使用するプロジェクトごとに新しい API のセットを作成する必要がなくなるため、以前よりも大幅に迅速にアプリケーションを構築できます。

イノベーションを加速

一元管理される AWS ベースのデータレイクは、BMW Group がデータ駆動型 IT ソリューションを開発するための基礎を形成しており、サーバーレスアーキテクチャ上で自動的かつ個別にスケールできます。これにより、以前のオンプレミスソリューションより速くイノベーションを起こすことができるようになります。以前は、新しい取り組みのたびにインフラストラクチャの管理と容量計画が必要でした。

BMW Group は、API、アーキテクチャ、Data Portal を含む CDH 周辺の主要コンポーネントをオープンソース化する予定です。BMW Group が、主権データスペースを確立するための欧州イニシアチブである Gaia-X の初期メンバーであるという事実が、これをさらに加速させています。

今後も BMW Group は、CDH プラットフォームの性能を拡大し、デジタルトランスフォーメーションをさらに加速させて、ビジネス全体で付加価値を促進し、革新的なカスタマーエクスペリエンス、新しいモビリティサービス、そして社内ビジネスインサイトを強化していきます。    Demtröder 氏はこう締めくくりました。「AWS とともに歩む私たちの行程は始まったばかりです。未来に向かってイノベーションを促進するという戦略を私たちのビジネスが遂行するための力となるのが楽しみです」

詳細については、aws.amazon.com/automotive をご覧ください。

図 1: CDH アーキテクチャの概要

図 1: CDH アーキテクチャの概要

図 2: CDH ポータルの外観

図 2: CDH ポータルの外観

BMW グループについて

BMW、MINI、Rolls-Royce、BMW Motorrad という 4 つのブランドを擁する BMW Group は、高級自動車とオートバイを製造する大手企業です。また、プレミアムな金融サービスおよびモビリティサービスも提供しています。

AWS のメリット

  • データ使用を大規模に民主化
  • 毎日何百万台もの車両からのテレメトリデータを処理
  • 問題を顧客に影響が出る前に解決
  • イノベーションを加速

利用している AWS のサービス

Amazon Kinesis Data Firehose

Amazon Kinesis Data Firehose は、ストリーミングデータをデータレイクやデータストア、分析サービスに確実にロードする最も簡単な方法を提供するサービスです。ストリーミングデータを取り込んで変換し、Amazon S3、Amazon Redshift、Amazon Elasticsearch Service、汎用 HTTP エンドポイント、さらに Datadog、New Relic、MongoDB、Splunk のようなサービスプロバイダーに配信できます。

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Amazon SageMaker

Amazon SageMaker は、すべてのデベロッパーやデータサイエンティストが機械学習 (ML) モデルを迅速に構築、トレーニング、デプロイできるフルマネージドサービスです。SageMaker は高品質モデルの開発を容易にするため、機械学習の各プロセスから負荷の大きな部分を取り除きます。

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AWS AppSync

AWS AppSync は、GraphQL API の開発を容易にする、フルマネージドサービスです。このサービスは、AWS DynamoDB や Lambda、その他のデータソースとの安全な接続に必要な、面倒な作業を自動的に処理します。デプロイが完了すると、API リクエストのボリュームに合わせた GraphQL API 実行エンジンの自動的なスケールアップとダウンが、AWS AppSync により行われます。

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AWS Glue

AWS Glue は抽出、変換、ロード (ETL) を行うフルマネージド型のサービスで、お客様の分析用データの準備とロードを簡単にします。

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開始方法

あらゆる業界のさまざまな規模の企業が、AWS を活用してビジネスを日々変革しています。AWS のエキスパートにお問い合わせのうえ、今すぐ AWS クラウドジャーニーを開始しましょう。