UNOX はサービスレベルの顧客リクエストの 95% に対応し、AWS に全面的に移行することでイノベーションを推進

UNOX の使命は、温度や湿度を調整して調理プロセスを最適化するなどのタスクを実行できる、フードサービス機器業界向けの「インテリジェントな」オーブンを開発することです。しかし、2019 年までに、UNOX のカスタマーサービス技術は、同社の優れたモノのインターネット (IoT) オーブンに遅れずについていけるようテコ入れが必要でした。「当社のオンプレミスコンタクトセンターには、主要業績評価指標や他の指標を報告する能力がありませんでした」と、UNOX の最高情報責任者である Gabriele Ballarin 氏は言います。「顧客満足度を測定できず、保留中の顧客は応答を受ける前に電話を切ってしまっていました」。

UNOX は、使いやすいオムニチャネルクラウドコンタクトセンターである Amazon Connect を利用して、Amazon Web Services (AWS) のカスタマーサービスに革命をもたらしました。その成功を受けて、UNOX は AWS に全面的に移行し、オンプレミスの SAP エンタープライズリソースプランニングシステムと高性能分析アプライアンス (HANA) インフラストラクチャ、および企業ウェブサイトと製品コンフィギュレーターをクラウドに移行することを決定しました。また、AWS のサーバーレスサービスを利用して、データ主導型の調理やスマートオーブンのための新しい最先端のプロジェクトを手がけ始めました。UNOX では、AWS に全面的に移行することで、コスト削減、時間の最適化、顧客満足度が全体的に向上しました。

イタリアに本社を置く国際企業である UNOX は、フードサービス事業者向けのプロ用オーブンを設計および製造しています。IoT テクノロジーを使用して、データ、情報、人工知能によって生成されたアイデアを顧客に提供します。

AWS に移行する前は、UNOX の技術インフラストラクチャはすべてオンプレミスまたは他のクラウドプロバイダー上にあり、いくつかの問題が発生していました。オンプレミスのコンタクトセンターでは、十分なデータや透明性が得られず、他の国で事業を営む企業のために現地の電話番号も用意されていませんでした。UNOX は、データ主導型の調理技術のリーダーになるために、より早くイノベーションを起こしたいとも考えていましたが、そのクラウドインフラストラクチャには、この目標を達成するために必要なスケーラビリティや顧客ニーズに関するインサイトをもたらしていませんでした。

2018 年、Ballarin 氏は、Amazon Connect を使用してコンタクトセンターを数時間で設立する方法についてのプレゼンテーションを見て、AWS がこれらの課題を解決する決め手になる可能性があることに気付きました。「本当に感銘を受け、UNOX の AWS を追求するモチベーションが高まりました」と同氏は言います。

2019 年、UNOX は AWS ソリューションを使用してカスタマーサービスのコールセンターを刷新しました。エージェントが電話を常時管理する必要のないスケーラブルなソリューションが必要でした。Amazon Connect は、タスク管理、リアルタイムおよび履歴分析、スキルベースのルーティングのためのツールをすべて従量制料金で提供しており、まさにその条件を満たしていました。

UNOX はフランスでパイロットプログラムを開始し、数週間でコンタクトフローを構築しました。すぐにメリットがあることがわかると、プログラムを営業チームとアフターセールスチームに拡大し、その後欧州の他の支店にも拡大しました。間もなく、AWS が提供する Salesforce 統合と AWS 開発者が管理する無料の統合を利用するようになりました。これにより、ポップアップ画面などの従来のコンピューターテレフォニー統合ワークフローが可能になりました。

Amazon Connect のメリットを体験したことで、UNOX は AWS をより広範に利用できる可能性を見出しました。完全にオンプレミスだったビジネスクリティカルな SAP HANA インフラストラクチャを AWS 欧州 (ミラノ) リージョンに移行することにしました。UNOX は、サードパーティアプリケーション用の AWS リソースのサイズ設定、設定、デプロイをガイド付きで行える AWS Launch Wizard を使用して、わずか 6 時間で SAP HANA インフラストラクチャの設定を完了しました。移行は 1 週間で行えました。

その後、UNOX は Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) (どこからでも任意の量のデータを保存および取得できるように構築されたオブジェクトストレージサービス) を使用して、会社のウェブサイトと製品コンフィギュレーターを移行しました。「AWS は開発者のトレーニングに役立ち、各プロジェクトでより大きな成果をいち早く実現できるようになったため、開発者のパフォーマンスに好影響がもたらされました」と Ballarin 氏は言います。

UNOX は、AWS IoT サービスを利用して、データ主導型の調理とスマートオーブンのリーダーとしての地位を急速に高めました。UNOX のデジタルエクスペリエンスチームリーダーである Matteo Lora 氏は次のように語っています。「IoT クッキングは顧客に多大な経済的価値をもたらします。インテリジェントなテクノロジーはエネルギーを節約しながら信頼性が高く予測可能な調理結果をもたらし、オーブンを見張る必要もありません」。同社は AWS IoT サービスと、ユーザーがサーバーのプロビジョニングや管理を行わずにコードを実行できるサーバーレスコンピューティングサービスである AWS Lambda を使用して、家庭用キッチンオーブン向けの新しいウェブアプリケーションを数週間以内に開発しました。また、UNOX は IoT サービスを使用して 3 つのアプリケーションを開発しました。これらのアプリは、顧客がオーブンの機能をさらに活用したり、どこからでもオーブンを監視して遠隔操作でプログラミングしたり、調理プログラムを設定して生産を大幅に合理化したりできるようにするものです。

UNOX は現在、複数の AWS のサービス上に構築された新しいストリーミングアプリケーションをデプロイしています。そのようなサービスには、セットアップが迅速かつ簡単で、インタラクティブな動画体験の作成に最適なマネージド型ライブストリーミングソリューションである Amazon Interactive Video Service (Amazon IVS) や、データ、動画、アプリケーション、API を世界中の顧客に低レイテンシーかつ高速転送速度で安全に配信する高速コンテンツ配信ネットワークサービスである Amazon CloudFront などがあります。このアプリケーションは、UNOX の販売員やビジネスパートナーにコンテンツを配信するだけでなく、世界中の顧客に料理教室のコースを配信しています。

AWS に全面的に移行したことで、UNOX はスケーラビリティの向上、内部コストの削減、顧客のコスト効率の向上、時間の最適化、俊敏性など、さまざまな成功を収められました。当初の目標である「コンタクトセンターの改善」の観点から、UNOX はサービスレベルを劇的に改善しました。サービスレベルは、90 秒以内にキューから取り除くことができる通話の数で測れます。AWS 上で、UNOX は今では顧客のサービスレベルリクエストの 95% を満たしていますが、以前は 67% でした。

UNOX では、AWS のサービスをさらに活用し、新しい AWS テクノロジーを自社製品に統合する計画が数多くあります。同社は包括的な機械学習サービスである Amazon SageMaker を組み込んだプログレッシブ機械学習の研究開発をしています。UNOX は、性能シミュレーションを高速化するために、オーブン内の調理効果の流体力学テストを AWS インフラストラクチャに移行することを検討しています。

Ballarin 氏は、より迅速なイノベーションを求めている他のビジネスリーダーも AWS のサービスの恩恵を受けられる可能性があると示唆しています。「ソリューションの信頼性と有効性をテストする前に多額の費用をかける必要はありません」と同氏は言います。「ワークフローや研究開発のスタイルに合わせて、より効果的な製品を生み出し、より迅速なやり取りを実現して、より効果的なビジネス成果につなげることができます」。

UNOX が 2019 年と 2020 年に成し遂げた一連のイノベーションを振り返ると、Ballarin 氏は、自社が今日の顧客ニーズの一歩先を行くのに AWS が役立ったことを認めています。「AWS を利用することで、製品の革新とプロセスのデジタル化という点で大きな変革をもたらしました。これにより、データ主導に引き続き注力しながら、市場投入までの時間を短縮し、運用効率を高めることができました」と同氏は言います。「絶えず改善され、顧客の成功を新たなレベルへと引き上げているさまざまな AWS テクノロジーは、事業を大規模に拡大するという当社の使命の中で中心的な役割を果たしています」。

詳細については、aws.amazon.com/connect をご覧ください。