Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2024/8/5週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
今週は夏休みを取られている方も多いのではないかと思います。そんなお休み中の学習として、6月に開催した AWS Summit Japan 2024 の各種セッションはいかがでしょうか?
以下のサイトでセッションの動画やPDFが閲覧できるようになっています。大量にありますが、キーワードやセッションIDの検索、カテゴリで絞り込めるようになっていますので、ぜひご活用ください。
– セッション一覧
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。今回大変多くのアップデートがあったので、それぞれの説明はいつもよりコンパクトにしています。詳細はリンク先のWhat’s newやドキュメントを参照してください。
2024年8月5日週の主要なアップデート
- 8/5(月)
- Amazon Connect now supports audio optimization for Amazon WorkSpaces cloud desktops – AWS
Amazon Connect が Amazon WorkSpaces (VDI) 環境での動作を改善し、より高品質の音声通話を容易に実現できるようになりました。Amazon Connect は、エージェントのローカルPCから Connect にメディアをVDIの音声デバイスを介さずにリダイレクトすることで、ネットワーク経路を最適化し音質を向上させることが可能です。 - AWS CodeBuild now supports three new Arm-based compute types – AWS
AWS CodeBuild では、ARM ベースの新しい 3 つのコンピューティングタイプ (ARM Medium, ARM X-Large, ARM 2X-Large) でのビルドとテストが可能になりました。AWS Graviton 3プロセッサを利用し、最大 48 vCPU / 96 GB メモリの環境を利用可能です。詳細はこちらのドキュメントを参照してください。 - Amazon DataZone offers business use case-based grouping with data products – AWS
Amazon DataZone に Data Product 機能が追加されました。これまではデータの共有は1つのデータ(表)単位だったのですが、この機能を使うことで複数のデータをProductとしてバンドルして共有が可能になり、より容易に必要なデータを検索・共有することが可能になります。詳細はこちらのブログをご覧ください。
- Amazon Connect now supports audio optimization for Amazon WorkSpaces cloud desktops – AWS
- 8/6(火)
- New version of Amazon ECR basic scanning is now generally available – AWS
Amazon Elastic Container Registry (ECR) は、basic scanning (脆弱性検査)の新バージョンの一般提供(GA)を発表しました。ECR basic scanningの新バージョンでは、Amazon のネイティブスキャンテクノロジーを使用しており、広く使用されているさまざまなオペレーティングシステムでの脆弱性スキャンに対応します。ECR basic scanningは無料で利用することが可能であり、管理コンソールやAPIから設定可能です。詳細はこちらのドキュメントを参照してください。 - Large language models powered by Amazon Sagemaker Jumpstart available in Redshift ML – AWS
Amazon Redshift MLは SQL を使うことで Redshift が保持するデータから機械学習モデルを作成、トレーニング、デプロイする機能です。今回、Redshift ML から Amazon SageMaker JumpStart で事前トレーニング済みのLLMを呼び出すことが可能になりました。たとえば、Redshift テーブル内のデータに対するフィードバックの要約等をLLMで作成することが可能になります。 - Introducing Titan Image Generator v2 now available on Amazon Bedrock – AWS
AWS が提供するLLMである Amazon Titan Image Generator v2 が一般提供開始になりました。V2ではイメージコンディショニング(イメージを参照した出力)や、背景の削除など、より高度な機能が追加されています。詳細はこちらのブログをご覧ください。
- New version of Amazon ECR basic scanning is now generally available – AWS
- 8/7(水)
- Claude 3.5 Sonnet and Claude 3 Haiku now available in more regions – AWS
Amazon Bedrock で Anthropic社の最新モデル Claude 3.5 Sonnet が利用可能になりました。オレゴン、フランクフルト、東京、シンガポールリージョンで利用可能になっています。あわせて Claude 3 で最もコンパクトは Claude 3 Haiku の利用可能リージョンが拡大され、東京およびシンガポールリージョンで利用可能になりました。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。 - Amazon EFS now supports up to 30 GiB/s (a 50% increase) of read throughput – AWS
Amazon EFS はサーバーレスのNFSストレージサービスです。今回の改善でリードスループットが最大 20 GiB/秒から 30 GiB/秒 に引きあげられました。これにより、より高いスループット要求のワークロードにEFSを利用可能になります。この機能向上は、北バージニア、オハイオ、オレゴン、ダブリン、東京リージョンのEFSで利用可能です。 - Announcing the general availability of AWS Backup logically air-gapped vault – AWS
AWS Backup で、Logically Air-Gapped Vault (論理的に隔離された保管庫)が一般提供開始(GA)になりました。これはアカウント間・組織間でバックアップを安全に共有できる新しいタイプの保管庫です。Logically Air-Gapped Vault は、デフォルトでロック(更新不可)され、暗号化されることで、ロジカルに不変のバックアップコピーを維持する仕組みです。これまでもAWS BackupのVault Lockを設定し、IAMの統制をすることで同様のことは実現できましたが、本機能を使うことでより簡便に別AWSアカウントへの保管を実現できます。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon QuickSight now includes nested filters – AWS
Amazon QuickSight にNested Filter (ネストされたフィルター)という新しいフィルタータイプが追加されました。これを利用すると、あるフィルタで絞り込んだ結果セットを元に別のフィルタの絞り込みを行うことが可能になります。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon CloudWatch Application Signals now supports Amazon Bedrock – AWS
Amazon CloudWatch Application Signals が Amazon Bedrock をサポートするようになりました。Application Signals はアプリケーションとサービスとの依存関係のメトリクス、トレース、ログ、リアルユーザーモニタリング等をダッシュボードで表現できるため、これまでより生成AIアプリケーションのエラーやパフォーマンスの低下の発見やトラブルシューティングが容易になります。
- Claude 3.5 Sonnet and Claude 3 Haiku now available in more regions – AWS
- 8/8(木)
- AWS Glue announces GA of new ML-powered Glue Data Quality capability – AWS
AWS Glue Data Quality に機械学習(ML)ベースの異常検出アルゴリズムを活用した、品質の問題や異常を検出する機能が一般提供開始になりました。これにより開発者が予期していなかった異常にも気づくことが可能になります。既存のルールベースの品質チェックと組み合わせることで、より精緻なデータ品質に関する問題の発見と解決が可能になります。東京リージョンでも利用可能になっています。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon RDS for Db2 supports loading data from Amazon S3 – AWS
Amazon RDS for Db2 で Amazon S3 上のオブジェクトをDb2内に直接ロードすることが可能になりました。これまでのクライアント端末からのロードと異なり、Binary Long Object (BLOB)やJSONデータのロードにも対応しています。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。 - Amazon WorkSpaces Thin Client now supports Amazon WorkSpaces Pools – AWS
Amazon WorkSpaces Thin Client での Amazon WorkSpaces Pools の利用が可能になりました。これにより永続的な仮想デスクトップである Amazon WorkSpaces Personal と、コスト効率が高く非永続的な仮想デスクトップである Amazon WorkSpaces Pools のどちらかを柔軟に選択できるようになります。また、 Microsoft 365 Apps for enterprise license の利用もサポートされています。 - AWS announces private IPv6 addressing for VPCs and subnets – AWS
Amazon VPCとそのサブネットでインターネットに公開されないIPv6アドレス(プライベートIPv6アドレス)の利用が可能になりました。Amazon VPC IP Address Manager (IPAM) で、プライベートスコープで Unique Local IPv6 Unicast Address (ULA) と Global Unicast Address (GUA) をプロビジョニングすることで、プライベートアクセス用のVPCおよびサブネットを作成できます。これらの IPv6 アドレスは、AWS によってインターネットにアドバタイズされることはなく、また公開することもできません。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Announcing pgvector 0.7.0 support in Aurora PostgreSQL – AWS
Amazon Aurora PostgreSQL-Compatible Edition で pgvector 0.7.0 が利用可能になりました。これはデータベースにベクトル埋め込みを保存するための オープンソースの Extension です。pgvector にはベクトル類似性の検索機能があり、生成AIアプリケーションにおけるセマンティック検索と検索拡張生成 (RAG) のために Aurora を利用できるようになります。 - AWS Glue Data Catalog views are now GA with Amazon Athena and Amazon Redshift – AWS
Glue Data Catalog View が一般提開始(GA)になりました。現在、 Athena と Redshift からの参照をサポートしています。この機能は Glue Data Catalog (データレイクのカタログ) 上で複数のクエリエンジン(SQL)の方言に合わせたVIEW定義と、共通で参照できるビュースキーマを作成することを可能にする機能です。GlueやLake Formationなどのセキュリティの管理層からは同じ名前で見えているので、AthenaからでもRedshiftからでもどちらも同じ名前で参照しつつ、実際にVIEWの実行時に実行されるクエリはことなるということが実現できます。詳細はこちらのブログをご覧ください。
- AWS Glue announces GA of new ML-powered Glue Data Quality capability – AWS
- 8/9(金)
- (この日はとりあげる発表がありませんでした)
まだまだ暑い日が続きますが、ぜひお体に気をつけてお過ごしください。
それでは、また来週!