Amazon Web Services ブログ

NTTドコモがビジネスユーザー向けにAmazon QuickSightビジネスインテリジェンスを活用、セルフサービス分析を推進

この記事は DOCOMO empowers business units with self-service knowledge access thanks to agile AWS QuickSight business intelligence を翻訳したものです。

NTTドコモは日本最大の通信会社で、革新的かつ安全なモバイルサービスでお客様の快適なライフスタイルを実現しています。世界で最も進歩的な全国展開の 5G ネットワークなど、国内 8300 万人以上のお客様がNTTドコモのモバイルネットワークを利用しています。豊富な通信サービスに加えて、+d施策を通じたスマートライフ事業も展開しています。例えば、顧客ロイヤリティポイントプログラムのdポイントクラブ、モバイル決済に対応したd払い®があります。

これらのサービスは、日々膨大なデータを生み出し、同時に、そのデータから有用な情報が抽出できれば、ビジネス価値を生み出す機会ともなります。これを実現すべく、NTTドコモは Amazon QuickSight と AWS のビッグデータ技術を駆使してお客様の理解を深め、営業チームを支援しています。

データ分析チームで多数のサービスを統合

NTTドコモのデータチームがマーケティングプラットフォームを管理しており、業務にはスマートライフ事業のデータ収集・分析・レポーティングが含まれます。データの収集と集計には DWH(データウェアハウス)サービスである Amazon Redshift を活用しています。Amazon Redshift は大量の構造データを高い性能と信頼性で保管しクエリするのに長けています。

「何百万ものお客様にサービス提供するには高機能・性能なデータプラットフォームが必要不可欠であり、AWS は必要とする性能を提供してくれています。」と、マーケティングプラットフォーム推進部データ戦略担当部長の西村一成氏は語ります。

DWH でのレポーティングに加えて、ビジネス担当は KPI をリアルタイムで把握することが重要と考えています。例として、d払いにおいては日次・月次のアクティブユーザー数を追っています。これら分析を踏まえ、ビジネス担当は売上向上に向けたサービスの改善案を考えます。

ビジネスユーザーに分析環境を提供

これまでは非技術者の意思決定者からセルフサービス分析の依頼があったとしても良い提供方法がありませんでした。そこで高速なクラウド標準の BI(ビジネスインテリジェンス)である Amazon QuickSight を採用することで、サーバー管理の負担なしに素早く環境を立ち上げることができました。

「 Amazon QuickSight は、AWS サービス(特に Amazon Redshift )との親和性に優れていることから、データ連携も簡単で、すぐに導入できました。結果、最初の Amazon QuickSight のダッシュボードをたった1日で作り上げることができました。」と、西村氏は語ります。

自動化されたデータパイプラインを構築しており、まず Amazon EC2 上で ETL(抽出・変換・ロード)を実行のうえ、Amazon Redshift に取り込んでいます。Amazon SageMaker を使い集計後、Amazon S3 に出力し、最後に Amazon QuickSight で可視化をしています。

こちらがNTTドコモで利用しているダッシュボードの例です。d払いに関するマーケティングキャンペーンの実施時に、全体の新規登録者数に対して、キャンペーンによる登録者数を分析しています。これにより、キャンペーンの各ユーザー層への影響度を把握することができるようになりました。

従量課金制であることから、ビジネスユーザーのアドホック利用においても初期投資を抑え、安価に始めることができます。かつ、Amazon QuickSight の特徴として、必要に応じてこの規模をいつでもスケールさせることができます。

ダッシュボードはどのデバイスからもアクセスできるため、製品管理チームにとっても便利です。データ分析の専門的な知識がなくとも、簡単かつ直感的に利用でき、SQL やスクリプトを書く必要もありません。

高速な分析サイクルでサービスの差別化

これまでレポート準備には、依頼を受けてから数日のリードタイムを要していましたが、今はユーザーが必要なときに自分で即座に KPI を確認できます。

「不必要な依頼への対応が減ったため、DWH とレポート運用の管理に集中できるようになりました。」と、西村氏は語ります。

このソリューションは営業メンバーが、d払いを利用する小売り顧客と接するのに役立っています。営業は関連する KPI や属性データの傾向を顧客に共有し、サービス改善に活用しています。Amazon QuickSight を使うことで、営業チーム自身が直感的なビジュアル、かつ、最新のデータを用いたダッシュボードを作成することができています。また、既に用意されているビジュアルを利用することで、ダッシュボード作成の時間も短縮できました。

まとめ

NTTドコモはインサイトからサービス改善を行っているデータドリブンな組織です。AWS は、何百万件ものデータを保管するエンタープライズ向け DWH や、Amazon QuickSight といったサービスを提供し、これらを利用することにより、非技術者が瞬時にリアルタイムな情報を収集・活用することができています。

「これらの AWS サービスを活用することでデータ分析の普及を推進しています。」と、西村氏は語ります。

*「d払い」は、株式会社 NTT ドコモの登録商標です。


著者について

Daiki Itoh, Business Development Manager

Chirag Dhull, Product Marketing Manager

翻訳はアナリティクス事業本部事業開発マネージャーの白鳥磨己が担当しました。