Amazon Web Services ブログ
IBC 2024 でメディアサプライチェーンの可能性を最大限に解き放つ
メディア & エンターテインメント (M&E) 業界は、消費者の期待の変化、競合するストリーミングプラットフォームの台頭、データ駆動型のインサイトの重要性の高まりによって大きな変革を経験しています。コンテンツライブラリーが 継続的に拡大するつれ、多くのメディア企業は、貴重な既存コンテンツ資産をクラウドに移行する必要性を認識しています。そうすることで、持続可能なビジネス成長の機会、サプライチェーン業務の最適化、消費者エクスペリエンスの向上を実現できます。
IBC 2024 で Amazon Web Services (AWS) は、M&E 企業の業界変革を支援する 6 つの実例を紹介する予定です。コンテンツ移行と収益化にむけた自動化、クラウドベースのオーケストレーションワークフロー、高度なローカライゼーション機能など、業界が直面する最も重要な課題に対するソリューションのデモ展示を行います。
AWS メディアワークロードのデモは IBC 5.C90 ブースでご覧ください。
- アーカイブの移行
- ローコードでのワークフロー自動化
- AWS 上のニュースルームとデイタイムクラウド制作
- メディアのためのデータレイクとメタデータレイク
- インテリジェント QC とサステナビリティ
- コンテンツのローカライゼーションとアクセシビリティ
Migrate to monetize : 収益化に向けた移行
メディアアーカイブには貴重な知的財産が含まれていますが、多くのメディア企業は、膨大なライブラリの動画、オーディオ、テキストベースのコンテンツを効果的に収益化することに苦慮しています。「Migrate to monetize:収益化に向けた移行」ではシームレスな移行から収益化までのクラウドベースのワークフローを実現するために、AWS のサービスとパートナーソリューションを統合したデモを実演予定です。
このワークフローは、コンテンツを AWS に移行することから始まります。ローコード/ノーコードのソリューションにより、オペレーションチームがオーケストレーションを修正可能です。移行したコンテンツ、メタデータは、複数の分散したビジネスユニットがアクセスできるアセット管理システムに格納されます。
Demonstration: Archive Migration: Unlock the hidden value in your content archives:アーカイブ移行: コンテンツアーカイブの隠された価値を解き放つ
このデモンストレーションは、データをクラウドに移行するための Cloudfirst の archive migration as a service (AMaaS) からスタートします。AMaaS は、コンテンツを次世代のデジタルアーカイブに移行するための効率的で低リスクな方法です。次に、PwC の AI 駆動のアノテーションソリューションが、AWS の大規模言語モデル (LLM) を活用して、権利契約から条件と規定を抽出することで、契約を digital intelligence に変換します。
Media2Cloud on AWS は、クラウドへのメディアアセットの移行プロセスを簡素化します。Media2Cloud で、コアメタデータの抽出を自動化し、インテリジェントな要約を生成することで、アーカイブされたメディアの収益化の可能性を引き出すことが可能になります。Rightsline の包括的な権利プラットフォームにより、コンテンツライブラリの追跡、管理、収益化 が可能になります。Vidinet メディア管理エンジンは、Vidispine から提供され、移行したアセットを制作およびディストリビューション用途に整理・インデックス化します。Vubiquity の MetaVu は、メタデータ管理を簡素化し、さまざまな標準フォーマットと 2,000 を超えるディストリビューションエンドポイントをサポートし、コンテンツの検索性と業務効率を向上させます。
これらのソリューションを組み合わせることで、インテリジェントなメタデータ抽出、先進的なアナリティクス、ターゲットを絞ったコンテンツ配信を活用し、メディアアーカイブからの新たな収益機会を特定できます。
Demonstration:Low-Code Workflow Automation: Streamline content production and distribution:ローコード でのワークフロー自動化: コンテンツ制作とディストリビューションを合理化する
このデモンストレーションでは、4 つのパートナーソリューションにわたるローコードによるワークフロー自動化を紹介します。ローコード/ノーコードのプラットフォームにより、ユーザーは最小限のコーディングで独自のアプリケーションを構築・展開できるため、技術チーム以外のチームでもワークフローを最適化しやすくなります。
デモンストレーションでは、アセットのライフサイクルを案内し、制作済みのマスターファイルから始まります。インテリジェント品質管理 (QC) を活用して、ワークフローは高度な QC チェックを実行し、コンテンツが技術仕様と編集基準を満たしていることを確認できます。Embrace Pulse-IT のローコードプラットフォームは、このワークフローのための高度な自動化、オーケストレーション、コラボレーション機能を提供し、Codemill Accurate.Video プレーヤーを使用して QC の例外をタイムドメタデータを使用してレビューできます。
QC 分析が成功すると、コンテンツは C2PA 仕様で署名され、デジタルメディアの出所と整合性を認証します。Veritone の Digital Media Hub は、AI 駆動のコンテンツ最適化、収益化、シンジケーション向けソリューションで、ビジネス間 (B2B) のコンテンツ取得ポータルで販売用にコンテンツをパッケージ化します。
ご来場いただくお客様には、制作からディストリビューションまでのエンドツーエンドのスケーラブルなワークフローをご確認いただけます。これにより、メディアチームは創造性とエディトリアルの取り組みに集中しつつ、オペレーションの効率化と出荷までの時間の短縮を実現できます。
Demonstration: Newsroom and Daytime Cloud Production on AWS: Enable cost-effective live and file-based workflows:AWS 上でのニュースルームとデイタイムクラウド制作: コストパフォーマンスの高いライブとファイルベースのワークフローの実現
ニュース放送局やメディア組織にとって、魅力的で、費用対効果の高いデイタイムのプログラムを提供することが、ますます重要になっています。AWS は、ライブクラウド拠点からファイナルプログラム配信までのニュースルームと制作のライフサイクル全体にわたる、エンドツーエンドのクラウドソリューションを紹介します。
ご来場いただくお客様には、Amazon Elastic File System (Amazon EFS)、Amazon FSx for Windows File Server、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) などの AWS サービスが、シームレスで、クラウドによるデイタイムの番組やニュースルームの制作ワークフローを可能にするための AWS パートナーソリューションとどのように統合されているかご確認いただけます。主なパートナーには、Production Asset Management (PAM) に Mimir、Newsroom Control System (NRCS) に Dina、cloud-based editing に Cuttingroom、CG と virtual studio integrationに Vizrt、高度な編集ニーズに向けた Adobe Premiere が含まれます。
AWS のスケーラビリティ、信頼性、コストパフォーマンスを活用することで、メディア企業は、変化するコンテンツ需要や視聴者の好みに迅速に対応できる柔軟なクラウドベースの制作環境を構築できます。このデモンストレーションでは、ライブおよびファイルベースのワークフローを合理化し、オペレーションコストを削減、オンプレミスの容量制限を軽減しつつ、高品質のデイタイムおよびニュースルーム番組を配信する方法をご紹介いたします。
Media insights, search, and analysis:メディアのインサイト、検索、分析
現在のデータ駆動型なメディア業界において、包括的なコンテンツ戦略を構築するには、カスタムメタデータを統合、分析、実行可能なインサイトを抽出する必要があります。AWS は、そのサービスとパートナーソリューションを活用して、先進的なメディアインテリジェンス機能を実現し、コンテンツクリエイター、ディストリビューター、マーケッターの意思決定に役立つデータを活用できるようにしています。
Demonstration: Data Lake for Media and Metadata Lake: Unlock the power of consolidated data strategies: メディアとメタデータのデータレイク: 統合されたデータ戦略の力を引き出す
このソリューションのコアは、ビジネスインテリジェンス機能を提供する Amazon QuickSight 、業界データフィードを提供する AWS Data Exchange、リアルタイムデータストリーム処理を行う Amazon Kinesis、データ統合および ETL に利用する AWS Glue、メディア資産からのメタデータを自動抽出する Media2Cloud on AWS を統合したものです。
Twelve Labs や IMDb などの業界リーダーとのパートナーシップにより、AWS は、最先端の自然言語処理、コンピュータービジョン、マルチモーダル検索機能を活用して、コンテンツライブラリから豊富なインサイトを引き出す方法をデモします。ビジターは、制作からディストリビューションまでのメディアサプライチェーン全体で、シームレスなコンテンツ検索、メディアの重複排除、ターゲティングされたマーケティングキャンペーン、データ駆動の意思決定を可能にする、中央集約されたデータ戦略を設計する方法をご確認いただけます。
Localization, accessibility, and compliance:ローカライゼーション、アクセシビリティ、コンプライアンス
メディアコンテンツを世界中の視聴者に届けるために、ローカライゼーション、アクセシビリティ、進化する規制への準拠を確保することが不可欠になっています。AWS は、従来の技術的な QC (Quality Control) を超えて、言語、アクセシビリティ、コンテンツ認証要件に対処するマルチベンダーの QC ワークフローを紹介します。
Demonstration: Intelligent QC & Sustainability: Comprehensive Global Content QC:インテリジェント QC とサステナビリティ: 包括的なグローバルコンテンツ QC
コンテンツの品質、コンプライアンス、出所の保証は、コンテンツディストリビューターにとって非常に重要です。「インテリジェント QC」は、従来の技術的チェックを超えて、コンテンツ検証要件の複雑性の高まりに対応する包括的な QC ワークフローです。AWS サーバーレスサービスとパートナーソリューションを統合することで、このデモンストレーションは、メディア企業が QC プロセスをシームレスにスケールし、最高水準の QC とサステナビリティを維持する方法を示します。
ご来場いただくお客様には、ビデオ、言語、コンプライアンスなど、包括的なチェックを実行するための、Media2Cloud on AWS と Venera Quasar、Spherex AI などのパートナーソリューションを統合したマルチベンダーの QC ワークフローを紹介いたします。この QC ソリューションは、コンテンツの法令順守要件の高度化に対応するためにスケールすることができます。これには、地域の規制への準拠チェックや、European Corporate Sustainability Reporting Directive (CSRD) に基づく炭素排出の報告なども含まれます。
このワークフローの鍵は、Apptek の高度な言語 AI 機能を含む AWS パートナーテクノロジーの統合です。技術的 QC と、このようなコンテキストおよびコンプライアンスに重点を置いたチェックを組み合わせることで、メディア企業はコンテンツが世界中の視聴者と規制当局が期待する厳格な品質基準を満たしていることを確認できます。
Demonstration: Content Localization & Audience Accessibility: Ensure global reach and regulatory adherence: コンテンツのローカライゼーション & オーディエンスアクセシビリティ: グローバルな浸透と規制順守を確保する
メディア企業がグローバルへ市場を広げるにつれ、国際市場向けのコンテンツのローカライズや、障害を持つ視聴者のアクセシビリティを改善することの重要性が高まっています。AWS は、コンテンツの長さ、レーティング、地域別の分類を特定するためのサービスとパートナーソリューションを提供しています。
このデモンストレーションでは、ローカル言語への翻訳や聴覚障害者向けの字幕、音声解説、視覚サインの生成など、コンテンツへのアクセシビリティを向上させるためのガイダンスをご紹介いたします。このガイダンスは、アクセシビリティ基準に対処するのに役立ちます。
ローカライゼーションとアクセシビリティのワークフローでは、AWS Step Functions と AWS Lambda を使ってプロセスステップをオーケストレーションしています。AudioShake Dialogue、Music、& Effects Separation によるオーディオトラックの分離、DeepDub Go による AI 駆動のダビングと言語翻訳など、注目のパートナーが含まれています。AWS サービスと AWS パートナーソリューションを統合することで、メディア企業は、多様な世界中の視聴者の要件を満たし、アクセシビリティ規制に準拠しながら、コンテンツを効率的にグローバル展開できるようになります。
おわりに
コンテンツアーカイブの隠れた価値を引き出したい、制作プロセスを合理化したい、世界中の視聴者にとってよりアクセスしやすくローカライズされたコンテンツを提供したい、などのニーズに対し、AWS は包括的なサービスとパートナーソリューションをご提供いたします。クラウドのスケーラビリティ、信頼性、コストパフォーマンスを活用することで、メディア企業は、変化する市場のニーズと視聴者の好みに迅速に対応できる柔軟なデータ駆動型のメディアサプライチェーンとアーカイブのエコシステムを構築可能です。
IBC 2024 の AWS スタンド 5.C90 で、これらのデモンストレーションを実際に体験してください。AWS メディアサプライチェーンとアーカイブチームとの面談をスケジュールするか、AWS 担当者に連絡して詳細をご確認ください。一緒に、進化するメディア業界の中で、どのようにAWSがお客様の組織の成長を後押しするのかを探求しましょう。
アムステルダムでお会いできることを楽しみにしています!
翻訳はメディアソリューションアーキテクトの安司・石井が担当しました。 原文はこちらをご覧ください。
参考リンク
AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)
AWS のメディアチームの問い合わせ先: awsmedia@amazon.co.jp
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