TransferWise

TransferWise、金融アプリケーションを AWS に移行することでグローバルな成長を実現

2020

TransferWise は、世界中のお金を移動させるためのより良い方法を開発することに取り組んでいるグローバルな金融テクノロジー企業です。9 年前のリリース以降、同社は世界的にビジネスの成長を遂げています。低コスト、使いやすさ、優れた効率により、600 万人以上の人々と企業が従来のプロバイダーから TransferWise に乗り替えました。

TransferWise は、オンプレミスのデータセンターでアプリケーション環境をホストしていたため、顧客が期待する高い可用性を確保しながら、成長速度を保つことは困難を極めました。「物理的な環境では、スペースがコストと地理的条件の制約を受けます」と、TransferWise のテクノロジーリードである Thomas Hewer 氏は言います。「当社はグローバルに成長したいと考えており、データセンターに関して、世界中で複数のベンダーとパートナー関係を構築することは望んでいませんでした」。 TransferWise が新しい地域でサービスの提供を開始したとき、自社のオンプレミスデータセンターに限界があることは明白でした。「当社は、データセンターをヨーロッパに有していましたが、南米、北米、東南アジアなど、当社が新しく事業活動を開始した地域には持っていませんでした」と Hewer 氏は言います。

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AWS を使用すると、必要な場所で必要なときに、以前よりもはるかに高速にコンピューティングリソースとストレージリソースをスピンアップできます。AWS は、私たちのグローバル展開の推進に役立っています」

Thomas Hewer 氏、
TransferWise 社のテクノロジーリード

クラウド移行へのハイブリッドアプローチ

グローバルな成長の課題を解決するため、同社は、アマゾン ウェブ サービス (AWS) への移行を選択しました。「他のプロバイダーについても検討しましたが、AWS は、当社が実現したいことに最適な設計であることが分かりました」と Hewer 氏は言います。「当時、そして現在においても、市場で最も成熟したクラウドプロバイダーと言えます。他のプロバイダーは、パフォーマンスやキャパシティーに関して、AWS と同じレベルまで実績を積んでいるとは言えません」。

TransferWise は、ハイブリッドクラウドストレージアーキテクチャを活用してデータバックアップ環境を AWS に移行することから、クラウドの利用を開始しました。同社は、クラウドストレージへのオンプレミスアからのクセスを提供するハイブリッドクラウドストレージサービスである AWS Storage Gateway を使用して、すべてのバックアップを AWS に移行しました。「AWS Storage Gateway を使用して、私たちが抱えていた負荷とネットワークの制約に対処できます。負荷とネットワークの制約は、バックアップの実行を妨げていたものです」と Hewer 氏は言います。

TransferWise は、AWS Storage Gateway のテープゲートウェイモードを使用してテープバックアップを置き換え、その後、データベースバックアップをボリュームゲートウェイに書き込むように移行しました。これにより、AWS Backup サービスによって管理される Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) スナップショットが作成されました。その結果、TransferWise は、オランダにあった災対用のデータセンターを閉鎖することができました。

自社のデータベースが AWS にバックアップされると、TransferWise は、それらのバックアップを使用してデータベースの移行に着手しました。「ボリュームゲートウェイと Amazon EBS スナップショットの活用が、確実にデータを AWS に取り込むための効果的な方法であることがすぐにわかりました」と Hewer 氏は言います。「これにより、データベースチームの既存のプロセスと知識によってマイグレーションを簡単に行うことができたのです」。

同社は、このアプローチと AWS Database Migration Service を使用して、ドイツのデータセンターの 90% を AWSへ移行しました。これまで、TransferWise は、Amazon EBS を使用して、数百の PostgreSQL および MySQL データベースを Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) および Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) の組み合わせに移行しました。「当社は、可能な限り、Amazon RDS を使用してデータベース管理に費やす時間を削減しています。一方で、Amazon EC2 でより「特殊なケース」のデータベースを実行できる柔軟性も備えています」と Hewer 氏は言います。

ストレージ管理の合理化

同社はまた、AWS Backup を使用して、バックアップ操作を管理し、自動化しています。このサービスにより、TransferWise は、Storage Gateway に書き込まれたオンプレミスバックアップ、Amazon Elastic File System (Amazon EFS) にバックアップされたデータベース、および Amazon RDS データベースのデータ保護ポリシーを一元管理する方法を提供します。「AWS Backup は、とても簡単にセットアップして使用できます」と Hewer 氏は言います。「過去に使用したどの製品よりもはるかに容易で、また、コンプライアンスの遵守に関わる情報を監査人に提示することもできます。当社は、AWS Backup の活用計画を非常に迅速に作成し、テンプレートとタグをセットアップしたため、どのチームでも適切なバックアップ計画を立てることで新しいリソースを自動的に保護できます」

10 倍のビジネスの成長をサポートする迅速なスケーリング

TransferWise は、オンプレミスのインフラストラクチャに制約されることなく、ウェブおよびモバイルアプリケーションプラットフォームを簡単にスケーリングして、1 年で 10 倍の成長に対応できるようになりました。その結果、同社は、ビジネスの成長に合わせてサービスをより迅速に拡大できるようになっています。「以前は、アプリケーションをスケーリングするためにより多くの容量を確保すべく、サーバーを探して追加購入し、インストールしなければなりませんでした」と Hewer 氏は言います。「現在では、AWS のおかげで、サービスを立ち上げて実行するための時間と労力がほとんどなくなりました」

AWS がグローバルな存在であることにより、TransferWise は、新しい地域のプロジェクトであっても、サービスを簡単に利用できます。「オーストラリアやシンガポールのような場所で、パートナーの銀行や政府と協業するプロジェクトがあります」と Hewer 氏は言います。「利用可能な AWSリージョンが複数あるため、これまでよりも容易にこれらの要求に対応できます」 TransferWise は、グローバルに複製されたストレージレイヤーの活用によって、同社のウェブおよびモバイルアプリケーションのコードの複雑さが大幅に軽減されるというメリットを享受しています。

新商品の世界規模での立上げ

TransferWise は、AWSのスケーラビリティ、俊敏性、および可用性を活用して、イノベーションをより適切にサポートできます。たとえば、2018 年に同社は新しいボーダレスデビットカード商品を立ち上げました。このサービスは、その高いアプリケーションの可用性からの恩恵を受けています。Hewer 氏は次のように述べています。「AWS クラウドの信頼性と高可用性により、ヨーロッパでのデビットカードアプリケーションのアップタイムを改善し、北米、オーストラリア、ニュージーランドなどの地域においては、新しいデータセンターの構築を行うことなく、カードを展開しました。AWS が無ければこれらを実現することはできなかったでしょう」

今後、TransferWise は、新しいデビットカードを他の国でも展開する予定です。「AWS を使用すると、必要な場所で必要なときにコンピューティングリソースとストレージリソースをスピンアップできます。これまでよりもはるかに高速です」と Hewer 氏は言います。「今後もAWSを活用し、グローバルな拡大を推し進めていきます」。

詳細については、aws.amazon.com/solutions/database-migrationsをご覧ください。

TransferWise、金融アプリケーションを AWS に移行することでグローバルな成長を実現

TransferWise について

TransferWise は、世界中のお金を移動させるためのより良い方法を開発することに取り組んでいるグローバルな金融テクノロジー企業です。2011 年に創業して以来、低コスト、使いやすさ、優れた効率により、600 万を超える人々と企業が従来のプロバイダーから TransferWise に乗り替えました。TransferWise は、毎月50億ドル(約5,250億円) を超える支払いを処理し、その顧客が年間10億ドル (約1,050億円) を超える金額を節約できるようにしています。

AWS の利点

  • バックアップとデータベースを AWS に移行してデータセンターを閉鎖する
  • グローバルに年間 10 倍の成長をサポートするために迅速にスケーリングする
  • ボーダレスデビットカードを世界規模で立ち上げる

使用されている AWS のサービス

AWS Storage Gateway

AWS Storage Gateway は、オンプレミスから実質無制限のクラウドストレージへのアクセスを提供するハイブリッドクラウドストレージサービスです。お客様は Storage Gateway を使用して、ストレージ管理を簡素化し、主要なハイブリットクラウドストレージのユースケースでコストを削減できます。

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AWS Backup

AWS Backup は、AWS Storage Gateway を使用して、オンプレミスだけでなくクラウド内で AWS のサービス全体のデータのバックアップの一元化と自動化を簡単に実行できる、完全マネージド型のバックアップサービスです。

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Amazon Elastic File System

Amazon Elastic File System (Amazon EFS) は、AWS クラウドサービスおよびオンプレミスリソースで使用するための、シンプルでスケーラブル、かつ伸縮自在な完全マネージド型の NFS ファイルシステムを提供します。これは、アプリケーションを中断することなくペタバイト規模にオンデマンドでスケールするよう設計されており、ファイルの追加および削除に合わせて自動で拡大および縮小されるため、拡張に合わせた容量のプロビジョニングや管理の必要がなくなります。

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Amazon Relational Database Service (RDS)

Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) を使用すると、クラウド上のリレーショナルデータベースのセットアップ、オペレーション、スケールが簡単になります。ハードウェアのプロビジョニング、データベースのセットアップ、パッチ適用、バックアップなどの時間がかかる管理タスクを自動化しながら、コスト効率とサイズ変更可能なキャパシティーを提供します。

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開始方法

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