Leading with Humanity

Amazon の取締役 Edith Cooper との対話

このエピソードでは...

Amazon の取締役で元 Goldman Sachs CHRO の Edith Cooper が、現代の職場におけるリーダーシップ、組織文化、人と人とのつながりについて語ります。Cooper が、Goldman Sachs での経験と、コーチング組織である Medley の共同創設者としての経験から得たインサイトを共有します。同氏は、人の専門性を保ちながら、顧客中心主義を維持し、本物の人間関係を育み、データとテクノロジーを活用することの重要性を強調しています。(2025 年 2 月)

会話の文字起こし

参加者: AWS の Enterprise Strategist である Miriam McLemore、および Medley の共同創業者であり、Amazon の取締役でもある Edith Cooper

Miriam McLemore (33:49):
Executive Insights ポッドキャストへようこそ。私の名前は Miriam McLemore です。私は AWS の Enterprise Strategist です。本日は、Amazon の現取締役であり、Goldman Sachs の元 CHRO である Edith Cooper をお迎えします。Edith はまた、コーチング組織である Medley を、娘の Jordan と共同で創業しました。同社は 2020 年に設立されました。Edith、ご参加いただき、ありがとうございます。

Edith Cooper (34:27):
お招きいただき、ありがとうございます。ご一緒できて光栄です。

Miriam McLemore (00:54):
Medley についてもう少し詳しく教えていただけますか?

Edith Cooper (00:57):
よくわかりました。Medley は、娘の Jordan Taylor と一緒に立ち上げた会社です。設立からもう 5 年近くになります。その指針となる原則は、人々が成功するには他者が必要であるというものです。私たちは、生活の中で、学校のグループ、教会のグループ、私たちが本当に気にかけている組織など、さまざまな仕組みに頼っています。しかし、人生を歩んでいき、仕事に就くようになると、そのようなつながりをどのように築いていくのかは自分次第です。

(01:30):
リーダーとして、人々が成功できる環境を生み出すという責任を果たすことは、私にとって非常に重要なことでした。また、他者と実際に会い、個人として関わり合いながらも、グループの一員となるような交流から恩恵を受けた娘の Jordan Taylor にとっても、それは非常に重要なことでした。それがまさに Medley の起源となったのです。娘は、それが元は彼女のアイデアであり、Medley を立ち上げる際に彼女を参加させたのは私のアイデアだったと私によく言います。

Miriam McLemore (02:03):
すばらしいです。母娘の冒険というだけでなく、コーチングでもありますね。Coca-Cola で働いていた頃、私にはエグゼクティブコーチがいて、それが私の成長の基礎となっています。

Edith Cooper (02:18):
そうなのですね。私にもエグゼクティブコーチがいて、当時は「これはすばらしい経験だった。もっと早くプロのコーチの指導を受けていたら、私はどうなっていただろう?」とよく思ったものです。 Goldman Sachs でリーダーとして、そして、その後に HR のリーダーとして働いていたときに、私が多くの時間を費やして考えていたもう 1 つのことは、チームやグループで効果的に活動する方法について人々が本当に学べるような経験をどのように生み出せるのか、ということでした。

(02:48):
そこで、Medley では、従業員の能力開発をサポートする企業と連携し、6~8 名のグループを編成して、グループの指導に非常に慣れた並外れたコーチを割り当てています。メンバーは学習における共通の興味に基づいて集められます。そして、これらのメンバーは、これまでソフトスキルとして知られていたようなものが、実際には人々が成功するための能力を備えるための基礎であることに気付くのです。聞くことはその一例です。聞くことは非常に重要です。特にさまざまな視点がある状況で、効果的な方法で反応し、コミュニケーションを取ることもそうです。

(03:33):
安心感のある空間でそれらのことを実践し、関連スキルを学ぶことができたことは、当社のメンバーにとっても、コーチにとっても、本当にすばらしい経験となりました。

Miriam McLemore (03:45):
これはすばらしいことです。取締役であるあなたはもちろんご存知のとおり、Amazon では、私たちが業務を遂行したり、さまざまなビジネスに対するアプローチにおいて成長し、一貫性を保ったりするうえで、文化が鍵となっていますね。元 CHRO であり、現在は Amazon の取締役であるあなたは、その文化をどのように感じているのか、少し教えていただけますか?

Edith Cooper (04:22):
Amazon の文化はすばらしいです。正直に申し上げて、私が関わりたい組織について考えていたとき、特にガバナンスの観点から、文化から考え始めました。私は、表明されている文化的信条から考え始めたのです。それらはかなり公に表明されています。しかし、私が本当に注意を払ったのは、他の取締役や会社のリーダーとの会話において、それらの文化的信条がどのように伝わってきたのかということでした。

(04:52):
お客様中心主義は、Amazon の取締役会レベルで議論されるほぼすべての決定において念頭に置かれています。特に Amazon に雇用されるプロフェッショナルや人材の範囲を考えると、従業員の経験を理解することは重要です。従業員はどのようにリソースを活用できるのか? 従業員にキャリアパスを与えることをどのように考えているのか? そして、率直に申し上げて、集団で成功を収めるという文化の中で、卓越性と個人の説明責任の基準をどのように作成し、維持していくのか?

(05:32):
これらはすべて、私が Amazon について知り始めた当初に目にしたものであり、取締役会において、あるいは re:Invent で Amazon のリーダーたちと会ったときや、世界中のフルフィルメントセンターを訪問して、自らのコミットメントをお客様のコミットメントと整合させ、お客様との約束を果たしている Amazon の従業員と会ったときなど、日常的に目にするものです。

Miriam McLemore (05:59):
取締役会でお客様中心主義が非常に重視されているということを聞くのはうれしいです。なぜなら、それは私が Amazon に入社した理由の 1 つであり、7 年を超える期間にわたってこの会社で働き続けている理由でもあるからです。私は過去に、消費者中心主義を自認する Coca-Cola で働いていました。そのため、ある意味ではお客様中心主義の会社に移ったことは筋が通っています。しかし、それは私たちの日々の仕事の核となるものです。あなたにとってそれが重要なのはなぜですか?

Edith Cooper (06:46):
Amazon のような会社で成果を上げることのできる取締役になるには、時間を投資することが重要です。そして、それには時間がかかります。私は、Amazon の優秀な人材のうち数名と交流する機会を得られただけでなく、Amazon のお客様とも幅広く交流できたことを非常に幸運に思います。なぜなら、そのような交流の場では、その瞬間だけでなく、将来に向けた流れの中で、テクノロジーとクラウドの現状を知ることができるからです。

(07:29):
その中心にいて、学習曲線を経験することが、これほど決定的に重要だったことはこれまでにありませんでした。Amazon の取締役としてだけでなく、さまざまなビジネス構造の中で活動する個人としても、それは極めて重要なのです。

Miriam McLemore (07:48):
なるほど。さて、Goldman の元 CHRO として、組織的な変革を推進しようとしていた際にどのような取り組みを行いましたか? また、あなたが行ったことでうまくいったことと、うまくいかなかったことに多くの人が関心を持っていると思います。

Edith Cooper (08:09):
はい。Goldman Sachs や Amazon のような組織の文化は、似ている、と言いますか、物事のやり方に関する精神に深く根ざしていると言えます。Amazon の従業員や Goldman Sachs の従業員、あるいは強力な文化を持つ組織の従業員に、「文化的な信条は何ですか」とたずねると、 これらの従業員は、「お客様が最優先です」とか、「インクルージョンとダイバーシティの感覚です」などと答えるでしょう。そして、これが重要なスタートとなります。

(08:41):
さらに重要なのは、急成長や繁栄を遂げている時期であろうと、物事が停滞したり、うまくいかなかったりする時期であろうと、従業員が日々どのように行動するのかということです。まず第一に、 顧客にどのように対応するのか、そして、上司と部下のいずれであるかを問わず、ともに働く人々にどのように対応するのか、ということです。

(09:06):
ですから、私の経験から申し上げると、組織内のどのポジションに就いているのかにかかわらず、注意を払うことが極めて重要だと思います。ただし、組織のリーダーであるときは、これは特に当てはまります。なぜなら、かなり距離が出来てしまう可能性があるからです。自分と同じようなレベルの人たちに囲まれ、情報は組織を通じてあなたの下に流れてきます。そして、会社のリーダーとして、今度はその情報を取締役会に流します。そのため、フィルターがかかった視点ではなく、その過程で仕事をしている人たちの視点で情報を得ることが非常に重要なのです。それが CHRO の役割において、私にとって本当に重要なことだったと思います。

(09:52):
正直に申し上げると、私はよく、それが世界で最高の仕事だと言っていました。なぜなら、私の仕事の一部は、大学を卒業したばかりの人々、組織でキャリアを積んできた人々、そして、今後のビジネスの優先順位を決める上で本当に重要な役割を果たしているお客様と時間を過ごすことだったからです。これらはすべてリーダーとして、特に組織の CHRO として非常に重要なことでした。

Miriam McLemore (10:22):
はい、まったく同感です。なぜなら、リーダーが現実から離れているかどうかはすぐにわかるからです。そのようなリーダーの発言は、もはや組織の感情を反映していません。伝統的なリーダーの役割から抜け出すことは、リバースメンタリングと呼ぶにせよ、プロジェクトの現場に入って実際に関わりながら理解するにせよ、組織にとっても力強い印象を与えることでしょう。

Edith Cooper (10:58):
そして、世界で生じているすばらしいことや困難なことにおける急速な変化を考えると、物事の進め方、デューデリジェンス、機会の追求の徹底、リスクを取ること、そして、機会が今後どこに向かうのかという、自分が信じるビジョンに合致する限りにおいて、リスクを取って失敗することをいとわないことなど、中心となるコアバリューシステムを確実に持つことが非常に重要です。そして、それが何を意味するかというと、ある種の束縛です。それが必要なのです。風向きが変わっても、集中力を維持できるのです。

(11:43):
あらゆる世代が Day One からすべてを変えることができると言っているわけではありません。私自身、Medley で仕事をする中で、そのことを何度も学んでいます。私たちは 8 名のグループです。私は娘と一緒に仕事をしています。私は娘やチームから日々多くのことを学んでおり、できれば、これらの人々と共有したいと思っています。なぜですか? なぜなら、これらの人々は異なる視点から物事を見ているからです。まったく異なるレンズを持っているのです。そのため、この組み合わせは非常に強力ですが、意図が必要です。

Miriam McLemore (12:12):
なるほど。ご存知のとおり、Amazon では、一連のメカニズムを持つことを信条としています。つまり、文化をどのように根付かせるのかはリーダーに左右されるものではありません。組織全体で一貫した働き方があります。取締役会レベルでは、そのような文化を目にすることがあり、議論されていますか? また、その影響はありますか?

Edith Cooper (12:38):
ご存知のとおり、Amazon の取締役会は、一般的にカジュアルな状況ではありません。ガバナンスの観点からだけでなく、ビジネスを理解する観点からも、議論の対象となる資料がたくさんあります。本当にたくさんあります。

(12:56):
Amazon には、それを実行する方法があるのです。Amazon は PowerPoint のプレゼンテーションを好みません。すばらしい書面が用意されます。老眼鏡が必要な人にはあまり向いていませんが、内容は充実しており、対話や会話を本当に促進します。これはすばらしいことだと思います。なぜなら、深く掘り下げること、そして、隅々まで目を配り、少し関連性の薄い質問をすること、そうであっても、会話を重要なところまで進めること、それが重要なことだからです。それが Amazon の文化です。

Miriam McLemore (13:36):
本当にそうですね。

Edith Cooper (13:37):
まさにそうです。

Miriam McLemore (13:39):
頻繁に書き、読み、速読するという文化です。

Edith Cooper (13:41):
読むこと、そして、問うことですね。

Miriam McLemore (13:47):
はい。

Edith Cooper (13:47):
そして、質問されることを恐れないことです。 会話の中で質問が出なければ、私はその場にいるリーダーたちを見ることがよくあります。これらのリーダーは、「何か問題でも? 難しいことは何も話していないじゃないか」というような顔をしています。 しかし、取締役会では、興味深い機会やアプローチ、アプローチの選択肢が常に提示されるため、必ず質問があります。これは非常にすばらしいことです。

Miriam McLemore (14:09):
取締役会がこれらの書類に目を通していることを組織は喜んで聞いていると思います。一生懸命に取り組んでいるので。

Edith Cooper (14:16):
本当に一生懸命に取り組んでくれていますし、それを実際に見て取ることができます。

Miriam McLemore (14:18):
これらの書類にも現れていますよね。

Edith Cooper (14:19):
そのとおりですね。

Miriam McLemore (15:49):
Edith、私は Coca-Cola の CIO で、HR と非常に密接な関係がありました。

Edith Cooper (15:59):
すばらしいですね。それを聞けてうれしいです。

Miriam McLemore (16:01):
テクノロジーと CHRO の関係の重要性について少しお話しいただけますか?

Edith Cooper (16:10):
はい。CHRO は、雇用、能力開発、給与、異動など、人に関するすべてのことに責任があるため、その役割は興味深いものです。ほとんどのリーダーに責任は何かとたずねれば、同じようなことを言うでしょう。また、自らが責任を負う損益ラインや部門などがあれば、それらを加えるでしょう。私がこれらの点を強調するのは、効果的な HR 戦略は、組織内のすべての重要なビジネスラインや部門と本当に密接に連携することで実現できるものであることを知るのが本当に重要だからです。

(16:53):
また、HR 部門内での特定領域における専門知識を一瞬たりとも軽視してはなりません。なぜなら、これらすべてのさまざまなことは複雑だからです。人材の能力の認識および評価、能力開発、報酬について考えるには、高いレベルの経験と科学が必要なのです。これは非常に重要です。

(17:15):
しかし、私がいつも非常に重要かつエキサイティングだと感じていたのは、組織内の他の主要なビジネスリーダーとのパートナーシップを築くことでした。私の場合は、Goldman Sachs でした。あなたは CIO だったとおっしゃいましたね。私は、会社のトップが集まる経営委員会に出席していたので、営業や取引リスクの領域の同僚やビジネスリーダーと膨大な時間を過ごしました。そして、会社のリスクを適切にモニタリングするために、リスクシステムをどのように構築するのかについて聞きました。

(17:54):
話を聞いた私は「それらがいくつか必要だ。そのようなテクノロジーがいくつか必要だ。方法を考え出す必要がある」と考えました。

Miriam McLemore (17:59):
「どのようにして実現すればよいのだろう?」ということですね。

Edith Cooper (18:00):
そのとおりです。 そして、それはこれまで投資が不足してきた領域だと思います。そのため、私たちは当時は非常にローテクな方法で、強い意志をもって、すべての人々を雇用し、給料を払うためのインフラストラクチャを構築することに、多くの精神的エネルギーを費やしてきました。物事は大きく進歩したと思います。しかし、テクノロジー、科学、データサイエンスを別の方法で活用するうえで、私はエンジニアリング部門の同僚や、Goldman Sachs でリスクを負うビジネスのリーダーたちを自分の思考パートナーとしていました。そして、それが私たちの人材ゲームを次のレベルに引き上げることを可能にしてくれました。

(18:43):
例えば、私たちはマネージャーの重要性について多くの時間を費やしました。そして、トップや組織全体の誰もが「そうだ、マネージャーは本当に重要だ」と言いました。 しかし、さらに深く掘り下げていくと...

Miriam McLemore (18:57):
「それはどういう意味なのか?」ということになりますね。 なるほど。

Edith Cooper (18:57):
そうです。 「本当に重要なのか?」ということです。

Miriam McLemore (19:00):
なるほど。はい。

Edith Cooper (19:00):
つまり...

Miriam McLemore (19:01):
「優れたマネージャーであることをどのように測定すべきか?」ということですね。

Edith Cooper (19:02):
あるいは「優れたマネージャーの資質は何か?」ということです。 とてもいい人であればよいのでしょうか。実際、同僚は私に次のように言いました。「優れたマネージャーとは、とてもいい人だよ。皆をいい気分にさせてくれる人だ」と。 私は「違う」と思いました。

(19:13):
そこで、これらの質問に対する答えを得るために、私たちは他のビジネスに従事していた数名のデータサイエンティストと協力しました。わかったことは、ある特定のビジネスの従業員のプールに、一定の基準に基づいて優れたマネージャーと定義された人がいれば、そこに属する人が優れたパフォーマンスを発揮する可能性が 70% 高くなるということです。想像してみてください。それに気づいた瞬間、これはすごいことだ、と思いました。

Miriam McLemore (19:42):
優れたリーダーは優れたリーダーを雇うのですね。

Edith Cooper (19:43):
そして、さらに掘り下げていきます。

Miriam McLemore (19:44):
そうですね。

Edith Cooper (19:44):
さらに掘り下げて、次のように考えます。「だとしても、マネージャーの資質とは何か?」。 「評価スコアに関する情報は山ほどあるのに、誰も信用していない」。「これらの資質が何であるのかについて、もう少し慎重に考えたほうがいいかもしれない」というように考えるのです。 それが一例です。

(20:06):
もう 1 つの例は、パイプラインに何が起こっているかです。私たちは皆、パイプラインについて考えるのに多くの時間を費やし、優秀な人材を確保できるようにしてきました。組織は、優秀な人材、あらゆる種類のスキル、視点、背景などを求めています。そして、あなたはこのように考えます。「一体、これらの人材はどこにいるんだ? 何が起こったんだ? 私たちは、これらすべての人材を雇ったのに、適切なエンジニアがいない。幅広い意味での多様性も足りない。どうなっているんだ?」 そこで、私たちは、これらの人材のキャリアがどのようになっているのかを確認する作業を開始しました。 これは複雑なテクノロジーではありません。複雑ではありません。私たちが今どのような可能性を活用できるのかを想像してみてください。

(20:49):
いくつかの生成 AI ツールを活用することで、データをより強力な方法で見ることができます。同時にリスクもあります。そして、ここで最初の話に戻りますが、重要なのは、エキスパートたちが緊密に連携することです。ここでは、HR のエキスパートと、今日のテクノロジーを理解するだけでなく、将来のテクノロジーの可能性も見据えているエキスパートが協力する必要があるのです。

Miriam McLemore (21:30):
なるほど。生成 AI の時代になって、あらゆる物事が急激に変化しているのは興味深いことです。HR の分野でも、履歴書のチェックや求人票の作成など、AI は既に生産性向上のツールとして活用されていますね。

(21:53):
でも、おっしゃるとおり、HR の専門知識をきちんと活かすことが大切ですね。私はよく、お客様に次のように伝えています。すなわち、IT リーダーとして、私たちは財務と HR から学べることがあるということです。なぜなら、財務と HR は、すべてのリーダーに優れた財務の管理能力と人材の管理能力を持つよう求めてきたからです。少なくとも、私たちはそうであるように真剣に努力してきました。

Edith Cooper (22:30):
私たちは常に理想を追い求めることができますよね。

Miriam McLemore (22:33):
しかし、今日のテクノロジーの時代においては、リーダーには、テクノロジーの管理能力や同程度の理解度も求められます。財務や HR の専門知識も、技術者の専門知識も、状況に合わせながら、活用していく必要がありますね。

Edith Cooper (23:00):
そのとおりですね。私たちは、驚くべき時代を生きています。でも、あなたが CIO としてのキャリアを振り返ると、これまでも「驚くべき時代」は何度かあったでしょう? 想定どおりに進化したものもあれば、そうでないものもありましたよね。でも、現在開発されているツールや今後開発されるツールは、仕事の仕方に影響を与えるでしょうし...

Miriam McLemore (23:26):
私たちの働き方にも影響を与えますね。

Edith Cooper (23:27):
そのとおりです。そこで、広い意味でのリーダーとしての重要な役割を考えると、「いかにして人間を育てていくか?」という問いが重要になってきます。これは本当に大事なことです。しかし同時に、これらのツールの活用法についてアイデアを生み出し、受け入れることも重要です。なぜなら、私は...終わりのない学習曲線があると考えています。Amazon で働くすばらしい仲間たちからは、「興味深いアイデアの多くは、ツールを実際に使用し始めた人たちから生まれます。トップダウンのアプローチも可能ですが、従業員の日々の仕事の一部とすることもできるのです」という話を聞きます。 これはとても刺激的なことであり、大きなチャンスでもあります。

Miriam McLemore (24:21):
なるほど。まったく同感です。ご存知のように、Amazon では、人材の水準を高く保つことが私たちの基本原則の 1 つです。私たちはデータを非常に重視する文化を持っているので、データがあるということは大きな強みであると考えています。あなたが述べたように、HR のルーティン業務をこなすだけでなく、データ駆動型の組織になることが重要ですよね。

Edith Cooper (24:49):
そして、よりスマートになっていくことが大切です。つまり、組織の規模にかかわらず、特に大企業ではデータポイントが多いため、そこから得られる情報は特に興味深いものとなります。これには、従業員に関するデータも含まれます。従業員は、残っている休暇日数や、社内のポリシーの内容を知りたいと思いますし、評価を受け、給与が支払われます。これらのすべてがデータとなり、物事が進む方向に関して、興味深いインサイトを得ることができるでしょう。ただし、責任をもってデータを扱うことが大前提です。なぜかと言うと、私は、過去のパフォーマンスに関する指標を、未来の予測に使うことについてよく考え、懸念しているからです。なぜなら、正直に申し上げると...

Miriam McLemore (25:32):
あまりいいことではありませんね。そうですね。

Edith Cooper (25:33):
...10 年前のデータを見て成功した人材の特徴を分析した場合、私たちには当てはまらないかもしれませんね。私は長いこと働いているので、25 年前と言った方がいいかもしれませんが...

Miriam McLemore (25:44):
ええ、私もです。

Edith Cooper (25:44):
なるほど。

Miriam McLemore (25:45):
私たちはここには座っていないでしょう。

Edith Cooper (25:46):
なるほど。

Miriam McLemore (25:47):
なるほど。Edith、現在のテクノロジーが進化する中で、あなたがこれまで関わってきたさまざまな取り組みについてお聞きしたいのですが、今後、あなたが楽しみにしていることは何ですか? また、人材、リーダー、組織が文化を変えるための機会に関して、どのような展望をお持ちですか? なぜなら、文化を変えるのは...

Edith Cooper (26:20):
重要ですよね。

Miriam McLemore (26:21):
難しいことです。

Edith Cooper (26:22):
私は生涯学習者です。私は Goldman Sachs で重要な事業に携わり、推進する立場から、未知のスタートアップへと方向転換し、Slack で初めて民間企業の取締役となり、その後、Amazon の取締役となりました。そして私のキャリアの大部分は、居心地の悪い環境でも快適でありたい、学びたいという私の願望によって推進されています。そして時が経つ中で、私の経験には、10 人の会社である Medley であれ、170 万人の会社である Amazon の取締役としてであれ、非常に関連のあるパターンがあることがわかりました。これらの会社は明らかに...

Miriam McLemore (27:18):
拡大/縮小する。

Edith Cooper (27:19):
規模が違います。しかし、それは私にとってすばらしいジャーニーでした。そのジャーニーについて考えてみると、今ではその情報をはるかに簡単に入手できるようになったと思います。とても簡単です。ですから、私が抱える最大の課題は、居心地の悪い状況にいられる時間を作ることだと思います。そういう意味で、Amazon のような会社で働くのは私にとっていいことです。ビジネスが複雑で、規模も大きいですから。

Miriam McLemore (28:00):
想像できます。はい。

Edith Cooper (28:00):
しかし、日々の業務や関わっているビジネスについて考えてみると、物事を異なる方法ですることについて、自分自身にどのように挑戦しているのか、と疑問に思います。 情報を探し回るのに時間を費やす必要はなくなりました。それに、私のために探し回ってくれるよう、誰かにお願いすることもないでしょう。それらに費やしていた時間を、考えることに使えるようになります。そして、パズルのピースを組み合わせていくのですのですが、パズルの絵は常に変化しています。本当にワクワクします。

(28:35):
そして、私がとても興奮しているもう 1 つの点は、人間の重要性が高まっていることです。人間は非常に複雑ですから。そして、私たちはこれまで、「聞き上手であることは良いことだ。良いコミュニケーターであることは良いことだ。...であることは良いことだ」などと言ってきました。しかし、テクノロジー、AI、そして生成 AI によって多くの発見がなされるようになった今日において、より重要なことは何でしょうか? それは、私がここに座ってあなたと会話をすることです。

Edith Cooper (29:09):
あなたの質問に耳を傾け、なぜあなたがそれをたずねているのかを考え、その後も考えて、あなたに返答し、あなたとの関係を築き、つながりを保つ方法を見つけることが重要なのです。なぜですか? それは、そこから本当に興味深い何かが生まれ、それがタスクよりも重要だからです。

Miriam McLemore (29:31):
なるほど。とても多くの重要な点をご指摘いただきました。以前、Coca-Cola のすばらしいリーダーがこのようなことを言っていたのを思い出しました。「私が見たいのは、あなたたちが常に何かをしている状態ではない。あなたたちが考えているところを見たいのだ」と。

Edith Cooper (29:47):
はい。

Miriam McLemore (29:48):
おわかりいただけたでしょうか。 また、私たちはいつも、テクノロジーに熱心なティーンエイジャーのような姿勢でいることの必要性をお客様にお伝えしています。つまり、好奇心を持って関わるということです。 必要なら若い人に頼ってもよいでしょう。しかし、今は好奇心を持ち、これまでのやり方から抜け出すべき時なのです。仕事はこれまでとは異なる方法で行われるようになるのですから。これらの機会を積極的に利用すべきです。そして、私たちは、いわゆるデジタルフルエンシーを高めるのをサポートするために、組織のあらゆるレベルでトレーニング教材を提供することに尽力しています。なぜなら、それは現代のリーダーに不可欠だからです。Edith、あなたの考え方には本当に共感します。

Edith Cooper (30:30):
そして、そのすべての根底にあるのは、私が昔、営業をしていた頃に学んだ基本的な原則なのです。すなわち、「お客様を本当に理解すること」です。お客様がどのような意思決定プロセスを経るのか、誰がキーパーソンなのか、 どの程度の期間で成果を得ようとしているのか、 このクライアントにとっての投資対効果は、別のクライアントとどのように異なるのか、 今だけでなく、将来も見据えながら、実装ツールを使用してどのようにサポートできるのか、を真剣に考えるのです。

(31:05):
このように、お客様を理解することは、まさに今の時代の投資とも言えると思います。クライアント側のすばらしい頭脳が集まる場では、誰もが、「それに関してはあまり考えたことがなかった。とても興味深い。さらに学びたい。さらに深く掘り下げる必要がある」といった気づきを得ることができるでしょう。少なくとも私は確実にそうなると思います。 だからこそ、私が「re:Invent Medley」と呼んでいるこのような場はとても重要なのです。

Miriam McLemore (31:29):
Edith、すばらしいお考えです。お時間をいただき、本当にありがとうございました。

Edith Cooper (31:32):
この場に参加できて光栄でした。お招きいただき、ありがとうございました。

Edith Cooper:

「私がよく考えていること、そして実際に懸念していることの 1 つは、過去のパフォーマンスメトリクスを将来の予測因子として使用することです。率直に言って、成功事例の人口統計を振り返ってみると、おそらくここにはいないことでしょう