Miriam McLemore (16:01):
テクノロジーと CHRO の関係の重要性について少しお話しいただけますか?
Edith Cooper (16:10):
はい。CHRO は、雇用、能力開発、給与、異動など、人に関するすべてのことに責任があるため、その役割は興味深いものです。ほとんどのリーダーに責任は何かとたずねれば、同じようなことを言うでしょう。また、自らが責任を負う損益ラインや部門などがあれば、それらを加えるでしょう。私がこれらの点を強調するのは、効果的な HR 戦略は、組織内のすべての重要なビジネスラインや部門と本当に密接に連携することで実現できるものであることを知るのが本当に重要だからです。
(16:53):
また、HR 部門内での特定領域における専門知識を一瞬たりとも軽視してはなりません。なぜなら、これらすべてのさまざまなことは複雑だからです。人材の能力の認識および評価、能力開発、報酬について考えるには、高いレベルの経験と科学が必要なのです。これは非常に重要です。
(17:15):
しかし、私がいつも非常に重要かつエキサイティングだと感じていたのは、組織内の他の主要なビジネスリーダーとのパートナーシップを築くことでした。私の場合は、Goldman Sachs でした。あなたは CIO だったとおっしゃいましたね。私は、会社のトップが集まる経営委員会に出席していたので、営業や取引リスクの領域の同僚やビジネスリーダーと膨大な時間を過ごしました。そして、会社のリスクを適切にモニタリングするために、リスクシステムをどのように構築するのかについて聞きました。
(17:54):
話を聞いた私は「それらがいくつか必要だ。そのようなテクノロジーがいくつか必要だ。方法を考え出す必要がある」と考えました。
Miriam McLemore (17:59):
「どのようにして実現すればよいのだろう?」ということですね。
Edith Cooper (18:00):
そのとおりです。 そして、それはこれまで投資が不足してきた領域だと思います。そのため、私たちは当時は非常にローテクな方法で、強い意志をもって、すべての人々を雇用し、給料を払うためのインフラストラクチャを構築することに、多くの精神的エネルギーを費やしてきました。物事は大きく進歩したと思います。しかし、テクノロジー、科学、データサイエンスを別の方法で活用するうえで、私はエンジニアリング部門の同僚や、Goldman Sachs でリスクを負うビジネスのリーダーたちを自分の思考パートナーとしていました。そして、それが私たちの人材ゲームを次のレベルに引き上げることを可能にしてくれました。
(18:43):
例えば、私たちはマネージャーの重要性について多くの時間を費やしました。そして、トップや組織全体の誰もが「そうだ、マネージャーは本当に重要だ」と言いました。 しかし、さらに深く掘り下げていくと...
Miriam McLemore (18:57):
「それはどういう意味なのか?」ということになりますね。 なるほど。
Edith Cooper (18:57):
そうです。 「本当に重要なのか?」ということです。
Miriam McLemore (19:00):
なるほど。はい。
Edith Cooper (19:00):
つまり...
Miriam McLemore (19:01):
「優れたマネージャーであることをどのように測定すべきか?」ということですね。
Edith Cooper (19:02):
あるいは「優れたマネージャーの資質は何か?」ということです。 とてもいい人であればよいのでしょうか。実際、同僚は私に次のように言いました。「優れたマネージャーとは、とてもいい人だよ。皆をいい気分にさせてくれる人だ」と。 私は「違う」と思いました。
(19:13):
そこで、これらの質問に対する答えを得るために、私たちは他のビジネスに従事していた数名のデータサイエンティストと協力しました。わかったことは、ある特定のビジネスの従業員のプールに、一定の基準に基づいて優れたマネージャーと定義された人がいれば、そこに属する人が優れたパフォーマンスを発揮する可能性が 70% 高くなるということです。想像してみてください。それに気づいた瞬間、これはすごいことだ、と思いました。
Miriam McLemore (19:42):
優れたリーダーは優れたリーダーを雇うのですね。
Edith Cooper (19:43):
そして、さらに掘り下げていきます。
Miriam McLemore (19:44):
そうですね。
Edith Cooper (19:44):
さらに掘り下げて、次のように考えます。「だとしても、マネージャーの資質とは何か?」。 「評価スコアに関する情報は山ほどあるのに、誰も信用していない」。「これらの資質が何であるのかについて、もう少し慎重に考えたほうがいいかもしれない」というように考えるのです。 それが一例です。
(20:06):
もう 1 つの例は、パイプラインに何が起こっているかです。私たちは皆、パイプラインについて考えるのに多くの時間を費やし、優秀な人材を確保できるようにしてきました。組織は、優秀な人材、あらゆる種類のスキル、視点、背景などを求めています。そして、あなたはこのように考えます。「一体、これらの人材はどこにいるんだ? 何が起こったんだ? 私たちは、これらすべての人材を雇ったのに、適切なエンジニアがいない。幅広い意味での多様性も足りない。どうなっているんだ?」 そこで、私たちは、これらの人材のキャリアがどのようになっているのかを確認する作業を開始しました。 これは複雑なテクノロジーではありません。複雑ではありません。私たちが今どのような可能性を活用できるのかを想像してみてください。
(20:49):
いくつかの生成 AI ツールを活用することで、データをより強力な方法で見ることができます。同時にリスクもあります。そして、ここで最初の話に戻りますが、重要なのは、エキスパートたちが緊密に連携することです。ここでは、HR のエキスパートと、今日のテクノロジーを理解するだけでなく、将来のテクノロジーの可能性も見据えているエキスパートが協力する必要があるのです。
Miriam McLemore (21:30):
なるほど。生成 AI の時代になって、あらゆる物事が急激に変化しているのは興味深いことです。HR の分野でも、履歴書のチェックや求人票の作成など、AI は既に生産性向上のツールとして活用されていますね。
(21:53):
でも、おっしゃるとおり、HR の専門知識をきちんと活かすことが大切ですね。私はよく、お客様に次のように伝えています。すなわち、IT リーダーとして、私たちは財務と HR から学べることがあるということです。なぜなら、財務と HR は、すべてのリーダーに優れた財務の管理能力と人材の管理能力を持つよう求めてきたからです。少なくとも、私たちはそうであるように真剣に努力してきました。
Edith Cooper (22:30):
私たちは常に理想を追い求めることができますよね。
Miriam McLemore (22:33):
しかし、今日のテクノロジーの時代においては、リーダーには、テクノロジーの管理能力や同程度の理解度も求められます。財務や HR の専門知識も、技術者の専門知識も、状況に合わせながら、活用していく必要がありますね。
Edith Cooper (23:00):
そのとおりですね。私たちは、驚くべき時代を生きています。でも、あなたが CIO としてのキャリアを振り返ると、これまでも「驚くべき時代」は何度かあったでしょう? 想定どおりに進化したものもあれば、そうでないものもありましたよね。でも、現在開発されているツールや今後開発されるツールは、仕事の仕方に影響を与えるでしょうし...
Miriam McLemore (23:26):
私たちの働き方にも影響を与えますね。
Edith Cooper (23:27):
そのとおりです。そこで、広い意味でのリーダーとしての重要な役割を考えると、「いかにして人間を育てていくか?」という問いが重要になってきます。これは本当に大事なことです。しかし同時に、これらのツールの活用法についてアイデアを生み出し、受け入れることも重要です。なぜなら、私は...終わりのない学習曲線があると考えています。Amazon で働くすばらしい仲間たちからは、「興味深いアイデアの多くは、ツールを実際に使用し始めた人たちから生まれます。トップダウンのアプローチも可能ですが、従業員の日々の仕事の一部とすることもできるのです」という話を聞きます。 これはとても刺激的なことであり、大きなチャンスでもあります。
Miriam McLemore (24:21):
なるほど。まったく同感です。ご存知のように、Amazon では、人材の水準を高く保つことが私たちの基本原則の 1 つです。私たちはデータを非常に重視する文化を持っているので、データがあるということは大きな強みであると考えています。あなたが述べたように、HR のルーティン業務をこなすだけでなく、データ駆動型の組織になることが重要ですよね。
Edith Cooper (24:49):
そして、よりスマートになっていくことが大切です。つまり、組織の規模にかかわらず、特に大企業ではデータポイントが多いため、そこから得られる情報は特に興味深いものとなります。これには、従業員に関するデータも含まれます。従業員は、残っている休暇日数や、社内のポリシーの内容を知りたいと思いますし、評価を受け、給与が支払われます。これらのすべてがデータとなり、物事が進む方向に関して、興味深いインサイトを得ることができるでしょう。ただし、責任をもってデータを扱うことが大前提です。なぜかと言うと、私は、過去のパフォーマンスに関する指標を、未来の予測に使うことについてよく考え、懸念しているからです。なぜなら、正直に申し上げると...
Miriam McLemore (25:32):
あまりいいことではありませんね。そうですね。
Edith Cooper (25:33):
...10 年前のデータを見て成功した人材の特徴を分析した場合、私たちには当てはまらないかもしれませんね。私は長いこと働いているので、25 年前と言った方がいいかもしれませんが...
Miriam McLemore (25:44):
ええ、私もです。
Edith Cooper (25:44):
なるほど。
Miriam McLemore (25:45):
私たちはここには座っていないでしょう。
Edith Cooper (25:46):
なるほど。