今年で第 4 回目を迎える AWS のグローバルカンファレンス“re:invent 2015”。Day1 の基調講演では Andy Jassy(Sr. Vice President, Amazon Web Services, Inc.) が登壇し、7 つの 「Freedom=自由」を軸にその内容が進行され、、ゲストスピーカーとして GE、アクセンチュア、STRIPE、MLB などが登壇しました。
また、新サービスとして BI サービスである Amazon Quick Sight 、継続的な AWS へのストリーミングデータ収集を実現する Amazon Kinesis Firehose、大容量のデータをセキュアに AWS に移動させる Amazon Snowball、6 つ目のデータベースサービスとなる Amazon RDS for MariaDB、あらゆるサイズのデータベースを同じエンジンのAWS RDS に移行させる AWS Database Migration Service、また異なる DB 間の移行ツールである AWS Schema Conversion Tool、セキュリティとコンプライアンスを強化する AWS Config Rules、AWS の過去のセキュリティに関する AWS の実績を元にセキュリティを強化する Amazon Inspector が発表されました。
こちらでは、Day1 の基調講演の模様をレポートします。
- Day 1 キーノート(10/7)レポート
- Day 2 キーノート(10/8)レポート
- 発表された新サービスと機能
初日の基調講演は Amazon Web Services の Senior Vice President である Andy Jassy の登壇で幕を開け、今回は 19,000 名の参加者、35,000 名のライブストリーム登録、278 のブレイクアウトセッションの規模での開催となりました。
冒頭では Andy より re:invent の位置づけが、従来のベンダーが提供する技術、営業やマーケティング目的のカンファレンスと異なり、「ラーニング&エデュケーション=学び」のセッションであることが強調されました。
2014 年の re:invent では 「クラウドがニューノーマルになった」 というメッセージが発せられましたが、その後 AWS の規模は、現在 100 万のアクティブカスタマーにご利用いただき、2014 年 Q2 と 2015 年の Q2 を比較すると、Amazon EC2 の利用料は 95 % の成長、Amazon S3 については 120 % 利用量が増加、加えてデータベースサービスについては 127 % の年間成長をしており、2014 年 Q1 からの積み上げで現在月間 10 億ドルを超える売り上げのランレートとなっていると発表されました。また、これらの成長により AWS の 2015 年 Q2 の売り上げは 73 億ドルとなったことも伝えられました。
続けて IT 業界全体の成長とクラウドの市場について、AWS は 81 % の成長をしている中、他社については数パーセントしか売り上げ成長していないことを指摘。2015 年のガートナー社によるマジッククアドランドにおいて AWS はリーダーポジションに位置づけられ、ガートナーは AWS のキャパシティが他社の 10 倍以上であることが示されていることを紹介しました。
また AWS は世界中の様々な業種において利用されており、スタートアップにおいては Airbnb、ガス・エネルギーにおいては BP や Shell、金融については Intuite、Suncorp、また製薬においては J&J、Phyzer、ブリストルマイヤーズ、製造においては GE、フィリップス、サムソン、アドビ などあらゆる業種のお客様が AWS を使いこなし、加えて公共セクターにおいても 2,000 以上の政府機関から学術機関まで多くのユーザーが利用していることが紹介されました。
お客様の紹介に続き、Andy Jassy よりこれらのお客様のシステムを支援しているパートナーについて、AWS にとってパートナーエコシステムが重要な要素であることが紹介されました。AWS のパートナーからは変革を求める顧客に対してシステムインテグレーションやレポート、マネージドサービスが提供されており、また ISV についてもいくつかの ISV パートナーは AWS 上で自社アプリケーションの SaaS サービスを提供しており、Oracle、Pega、SAP など、SI と ISV とのエコシステムが AWS のビジネスには重要です。これに関連して、AWS Marketplace については、現在 35 のカテゴリー、2,300 の品ぞろえ、800 の ISV の環境が提供され、先月には月間で 143 百万時間の Amazon EC2 インスタンスの稼働があったことがアップデートされました。
なぜクラウドに人が集まるのか
AWS では以下のような 6 がつの理由であると考えています。
- 初期投資費用を価値のある経費へ、
- 価値の低い経費よりもより顧客はやりたいことの実現を、
- キャパシティを考えない、
- アジリティの加速、
- 重い荷物から解放、
- 世界進出を瞬時に実現すること
なぜ人々はクラウドに情熱的なのか
システムを構築する人々=Builders は新しいシステムが「アイデア」を元にしたものに近いほど、実現できない、来年の検討に回そう、それはサポートすることができないというように悲観的であるが、AWS はこれらの状況に対しても 「7 つの自由」 を提供しています。
AWS では多くの機能をサービスして提供しています。また、これらのサービスは 11 のリージョンから提供しており、耐障害性をを気にするお客様に対しては、マルチアベイアビリティゾーンのという複数のデータセンターの冗長構成環境を提供することで他社とのアーキテクチャの違いを提供します。
特徴的なものとして 5 つの異なる DB サービス、CDN などのネットワークレイヤーにおけるサービス、分析ではバッチ、DWH、ストリーム、モバイル、またデプロイメントにおいては GUI や AWS Lambda、アプリケーションサービスでは Amazon CloudSearch や、 Amazon Workdocs、Amazon Workmail、デスクトップサービなども提供しており、、アカウントマネジメント、コンサルティングであるプロサービス、トレーニング、認定など人が提供するサービスもあります。
しかしながら AWS では単純にこれらサービス提供をしているだけではなく、「機能」を提供しているのが特徴です。例えば Amazon EC2 では SSD ディスク、メモリや、IO 処理性能など特化したインスタンス、DB においても Microsoft SQL、Oracle DBに加えて昨年発表した Aurora、Postgres の 5 つのリレーショナル DB サービスで、全てマルチアベイアビリティゾーンによるデータの同期を機能として提供しています。
エンクリプションにいおいては、サーバーサイドのオブジェクトエンクリプション機能、AWS CloudHSM、Amazon Key Management Serviceによる権限管理、アクセスコントロールでは認証、ロケーション、Time-based などのポリシー設定ができるため、遠隔地でのサーバー稼働時間のコントロール機能も提供しています。ガートナー社の Lydia Leong 氏が語った一節を紹介するとともに、顧客は今や 2017 年の IT システムを求めているのではなく今必要なものを求めていると伝えられました。
ここで、AWS の機能を特徴的に利用いただいているユーザーとして、約 7 千万のユーザーアカウントを持つ米国のクレジットカードの会社 CAPITAL ONE の CIO である Rob Alexander がゲストスピーカーとして登壇しました。同社のウェブ・モバイルアプリケーション分野において、デジタルでの顧客との接点は、モバイルアプリケーションが 2014 年 10 月にウェブアプリケーションを逆転し、現在は 2 倍のアクセスの開きがある点と、それに伴ってモバイルバンキングの利用が拡大していることが伝えられました。CAPITAL ONE では自社を Innovative Technology Company と謳っており、OSS の採用、Dev-Ops 開発、マイクロサービスおよび Big / Fast DATA などの技術を積極的に取り込む上で、AWS はこれらの方針の実現においては欠かせないパートナーであるというお話をいただきました。また、当初 AWS の利用は、イノベーションラボなどの 実験フェーズからスタートしていましたが、その後 開発・テスト、本番環境において、オンラインバンキング、ストリームデータの処理、モバイルバンクアプリケーションでの利用に変化してきているという変化についてもお話いただきました。
さらに、クレジットカードの処理には拡張性が極めて重要な要素なため、例えばブラックマンデーのような予測不可能なトランザクションが発生する業務であり、AWS の数多いオファリングがこのようなトランザクションに耐えうるサービスを作るのに非常に有効であるとしました。
現在はモバイルアプリケーションの連携に Amazon API Gateway を利用し、デジタルバンキングのアプリケーションを構築しているという紹介もされ、最後に Rob 氏からはこれら AWS のあらゆるサービスと技術の利用の紹介があり、講演は「モバイルは新しい財布になる」とお話いただきました。
再び壇上にAndy Jassyが登場すると、2つ目の自由のテーマとして「Freedom to get the real value from your data(データから真の価値を手に入れる自由」 というテーマにセッションは移行し、多くのデータというものは気づきを与えてくれるものであり、AWS はデータを分析する為の数多く提供しているとして、オブジェクトストレージである Amazon S3、Hadoop エンジンである Amazon Elastic MapReduce、最速でサービス利用が増加している Amazon Redshift、機械学習サービスである Amazon Machin Learning や Amazon Kinesis など既に AWS が提供しているサービス群を紹介。
同時にこれらのサービスを利用しているお客様事例として、Amazon Redshift を活用している NTTドコモ、メディアキャンペーン分析で OPEX 75 % 減、解析時間を 6 時間にまで短縮したVIVIKI、1,900 万人の患者データを格納するだけでなく分析まで実現している PHILIPS のヘルスケアサービスなどが紹介されました。
ここで Andy は従来のデータ分析、というものは社内の少数のスペシャリストが作業を行い、社内からの様々な分析リクエストに対応している、というポイントを指摘。多くの従業員がデータ分析を行おうにも、従来の BI ツールでは使い勝手が悪く、コストが高価、維持費もかかる、というポイントも指摘した。
こういった課題を解決する新サービスとして「Amazon QuickSight」を発表しました。Amazon QuickSight を利用することで従来とは異なり簡単にデータ分析ができる点を強調し、更にパラレルメモリーエンジンである SPICE による高速化、外部サービス・アプリケーションなどとの容易な連携の実現、従来の BI ツールの 1/10 のコストで利用できるといった内容が伝えられました。
ここで、AWS の Product Storategy の GM である Matt Wood が登壇し、Amazon QuickSight は大量のデータを簡単に活用できるようにしたい、というニーズに対して以下の重要な 3 つのポイントに応えたと紹介しました。
1 : サービスを簡単に使えるようにしたい。
Amazon QuickSight を利用することで Amazon S3、Amazon Redshift、Hadoop クラスターなど複数のデータソースにアクセスし、データタイプを自動的に判別、最適なグラフを提示できるようになる。
2 : データをなるべく早く見たい。
SPICE(Super-fast, Parallel, In-memory Calculation Engine)というパラレルメモリーエンジンによって SSD よりも 3 倍高速に実現できるようになる、と説明。同時にサードパーティの BI ツールからのこのエンジンを利用することができる。
3 : 簡単にデータを共有したい。
Amazon Quick Sight により表示されるグラフはウェブ、ダッシュボードなどへの組み込みやモバイルアプリなど多彩なアプリケーションにと連携することで結果を容易に共有することができるようになる。
さらに、Matt からは実際の画面デモも紹介されました。Amazon Quick Sight はこの日からプレビュー申し込みが可能となっています。
続いて、Andy は「FREEDOM to get your data into the cloud Easily(簡単にクラウドへのデータの出し入れができる自由」というテーマについてセッションを開始しました。これは実際のお客様から多くの要望を頂いており、AWS では、インターネット経由、AWS Direct Connect 経由、Amazon Kinesis など複数の方法で AWS 環境にデータを移行する方法を提供しているが、全てのユースケースを網羅しているわけでないとしました。
ストリーミング領域で利用される Amazon Kinesis においては、モバイルなどのアプリケーションからデータを取り込むなどのニーズが高まっていることから、Amazon Kinesis Streams を 2 年前に発表し、多数のお客様に利用されるようになりつつも、Amazon Kinesis を利用する場合アプリケーションが必要であった、と紹介。こういった課題、ストリーミングデータを AWS 上に簡単に格納する為の新しいサービスとして、テレメトリーデータなど様々なデータを Amazon S3 や Amazon Redshift に簡単に圧縮しながら格納できることがサービスで Amazon Kinesis Firehose が発表されました。
次のお客様のニーズとして 「大量のデータを早くクラウド上に移行させたい」というニーズについて説明が移り、毎秒ギガビットのネットワークがあっても AWS 環境に移行させる、というのは非常に時間を要し、大変なものであり、また、AWS からは AWS Import/Export というディスクでのデータ移行を行うサービスを提供していても、データボリュームが大量になった場合、お客様ご自身でディスクを手配、暗号化の考慮、ディスク移行、運搬業者選定など非常に多くの考慮項目が多く、負荷が高い、という声を紹介しました。
こういった課題を解決する為の新しいサービスとして、「Amazon Snowball」が発表されました。50 TB から利用することができ、データを暗号化し、セキュアに簡単に大量のデータを移行することができるようになります。
AWS の VP の Bill Vass が登場し、Amazon Snowball の実物を消化しながら、サービスの説明が行われました。
Amazon Snowball は現在 米国東部リージョン(バージニア北部)、西部リージョン(オレゴン)でデータインポートが可能となっています。
これまでのデータベースは高価でベンダーロックインされるため、オープンソースのデータベースに移行するお客様も多くいるとしているお客様も多い、と Andy は指摘しました。昨年 AWS では、Amazon Aurora を発表しましたが、これは My SQL 互換でパフォーマンスが高く、可用性に優れ、そして低価格で提供されており、すでにたくさんのお客様にご利用いただいています。
しかし、Andy はお客様にとって重要なことはより多くの選択肢があることである、として、新たに Amazon RDS for MariaDB を発表しました。Amazon RDS for MariaDB はこの日からご利用可能です。
また、これまでデータベースをクラウドに移行するにはアプリケーションのダウンタイムが発生しており、大規模のアプリケーションであればダウンタイムは何時間にもなり、コストもかかっていたという問題を解消するため、AWS Database Migration Service を新たに発表しました。データレプリケーションやリアルタイムモニタリングの機能を提供し、1TBあたりのデータ移行は 3 ドル程度で行うことができます。このサービスによって、オンプレミスのデータベースから AWS に早く、簡単に、かつ低価格で移行することができます。AWS Database Migration Service はこの日からプレビュー申し込みが可能です。
さらに Andy は、別のデータベースに移行するのは大きな時間と労力を要し、6 ヶ月から 1 年かかる場合もある現状を改善するため、AWS Schema Conversion Toolを発表しました。これにより、データの変換を簡単に行い、データベース上に格納されたデータをコピーできるとし、自動でおよそ 85 % は自動でコンバートできるため、移行コストとスピードが改善される、と示しました。
多くのエンタープライズ企業がフェーズを分けて移行している点について、Andy は話を始めました。
まず開発、テスト、次にウェブサイトやモバイル、分析、その後はミッションクリティカル、最後にデータセンターの移行というフェーズです。多くのお客様がこのような形で移行しており、日本通運様などすでにたくさんのエンタープライズが All-In に移行しています。もちろん、データセンターを自社で持っているお客様は数多くおり、AWS とシームレスに同期させたいというご要望も伺います。オンプレミスとのハイブリット事例も日立様や任天堂様など多数あることが紹介されました。
ここで、GE の CIO である Jim fowler 氏がゲストスピーカーとして登壇しました。GE では今後の将来像として、世界における最先端なデジタル企業になっていき、それに伴い、今後 500 億ドルをソフトウエアで創出するようになるだろうと話しました。その将来へ向け、変えなければいけないこととして人材、テクノロジーをあげ、企業として差別化につながらないものは AWS に任せるとし、9,000 のアプリケーションを 4,000 にして AWS に移行、データセンターは 4 つにして守秘義務があるもののみを稼働させるといった方針が伝えられました
現在では 50 % を AWS に移行しており、52 % の TCO 削減ができただけでなく、これまで 20 日かかっていたものが 2 分でできるようになり、可用性、パフォーマンスも向上したとお話いただきました。
Andy が再び登壇すると、GE とのパートナーシップは AWS にとってとても光栄であるとした上で、社内に実現するためのリソースがないとなかなか GE のような移行は実現しない、として Accenture の Chief Strategic Officer である Omar Abbosh 氏を紹介しました。
Omar 氏からは、Accenture AWS Business Group を紹介し、クラウドファーストのアプローチがアクセンチュアの戦略となっており、今後もクラウド移行を支援していくと紹介され、お客様の声を聞きクラウド、ビックデータ、セキュリティー、IoT といった分野でこのグループがお客様の支援を行っていくというお話をいただきました。
Andy が再び登壇すると、AWSは SOC1、2、3、ISO9001、 PCI:DSS など様々な認定を受けてきており、ネットワーク、 暗号化、アイデンティティー、コンプライアンスに応じた製品を提供してきたことを紹介しました。また、このキーノートの前日には、WAF(Web Application Firewall)によるセキュリティー強化も発表されましたが、ここで、新たに、コンプライアンスルールが設定できるサービスとして、AWS Config Rules が発表されました。AWS Config Rules では、たとえば組織内で Amazon EBS ボリュームを作って暗号化されていなければ通知したり、ルールを設定してアクションが取れ、ステータスチェックもできる。カスタムルールを作成することもできると紹介されました。
Amazon や AWS では多数のアプリケーションを予測、評価する事が出来ますが、お客様からも同じアセスメントを自分たちのアプリケーションでも行いたいという要望があると Andy は話し、問題が起きる前にアクションを起こす、新しい自動のセキュリティアセスメントサービスとして、Amazon Inspector が発表されました。
Amazon では 20 年、AWS は 9 年半アセスメント行ってきていますが、この経験を活かして、Amazon Inspector では、アプリケーションのコンプライアンス上の問題等を発見し、潜在的なネットワーク、仮想マシン、OS、ストレージへの問題を自動的に特定し、詳細なセキュリティー監査レポートを提供し、ガイダンスも提供します。また、こうした問題点や修復策などの重要な情報を AWS CloudTrail に保管することができます。
Amazon Config Rule や Amazon Inspector の登場により、以前は、「Move Fast “or” Stay Secure」の選択が求められたものが、今は「Move Fast “and” Stay Secure」になり、選択の必要が無くなったと Andy から伝えられました。
ここで、STRIPE の Manager of Infrastructure である Jorge Ortiz 氏がゲストスピーカーとして登壇しました。STRIPE はモバイル決済サービスを提供しており、スタートアップのインターネット企業から大企業まで、数千万の企業が利用しています。
AWS はシームレスにスケールする事が出来、生産性が高く、世界中のデータセンターへアクセスできるだけでなく、Amazon VPC を利用する事で、自分達では出来ないセキュリティも提供してくれるため、同社の認証取得の労力を最小限に抑える事が出来たことが紹介されました。
Andy が再び檀上に戻ると、経営陣は保守的になる事があり、それにより俊敏性に欠ける事があるということ、また複数のプロジェクトに同時に YES と言えない事があることを伝えました。Amazon は AWS を使っているので新しいアイディアに YES といえる。だから革新的なビジネスを作ることができます。
Airbnb や Stripe は YES と言える代表的な企業であり、スタートアップはイノベーションに富んだ業界です。しかしながら、エンタープライズ企業でもそうした事例は多くあります。
Singapore Post はアジア・パシフィックで最大の運送会社で、スクラッチから E コマースサイトを 3 ヶ月で開発し、50 % コストダウンし、30 % 売上を改善しました。カンタス航空は新しいホテル予約サイトの開発に対して、毎年 NO と言ってきたが、AWSの利用により数か月で YES と応えることができるようになり、25 % のパフォーマンス向上し、膨大なアクセスにも対応出来ています。
ここで最後のゲストスピーカーとして、MLB advanced media(MLBam)の CTO である Joe Inzerillo 氏を紹介しました。
Joe 氏は昨年の re:invent 紹介した Statcast から 1 年が経ち、パイロット中のサービスを紹介しました。これは動画だけではなく、統計情報を分析したり、ホームランの打ち方の解析やピッチングのスピードを解析できるものであるとして、デモが実演され、3D を活用したい、シュミレーションしたい。ピッチングの速さや効率よく走っているかを 3D で表示できます。さらに、次世代のイメージングとして、3D で 360 度見る事が出来る点などが紹介されました。
早く YES といえるアジリティを今後充実させるとし、MLBamは NHL と提携したことも紹介されました。今後、MLBam では何を行うにしても、必ず AWS 上で行い、AWS とのパートナーシップを強化していくとお話いただきました。
Andy が檀上に戻ると、キーノートの最後の言葉として、チケットマスター CTO の言葉を引用しました。
「AWS API はもっといい質問が思いついたら戻ってこい、とは言わない。
AWS API は私のフロアから出ていけとは言わない。
顧客経験を良くしようと、血と汗と涙を流すような奴を採用しろ。
彼らを自由にすると信じられない事が起る。
彼らは励まされ、自分のウェブサイトだとだと感じる。
初めて、私のエンジニアの一人が、これは自分のウェブサイトだと言うのを聞いた時、彼が自分のものだと感じ、任されていると感じた時に起こった事は驚きだった。」
Andy は、「我々は他とは違う、差別化したい、新しいアイデアを試したい。自分たちの運命をコントロールしたい。」という感情が AWS を利用する原動力となる、として、キーノートを締めくくりました。