国立大学法人広島大学は、11大学院、11学部、1特別専攻科、大学院生約4,200人、学部生約11,000人の総合大学です。

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従来はオンプレミスで基幹業務のシステム運用を行っていましたが、物理システムおよびデータの将来的な災害・障害対策をどのように行うかを検討していました。また、システムを拡張するための環境構築も必要であったことに加え、既存のオンプレミスのインフラも経年劣化していたため、刷新する必要がありました。

こうした背景から、本学における新しいインフラの検討を開始することとなり、近年のクラウドサーバーの普及も考慮し、オンプレミスとクラウド両方で比較検討を行うこととなりました。

検討にあたっては、クラウドサービス各社と、オンプレミスでの更新での比較を行いました。具体的には他社の導入事例や、プロバイダー側からのサポート情報といったものに加え、以下のような点を重視しました。

  • 業務に応じたサービスの充実度やスペックの拡張性
  • 地震などの大規模災害など、BCP(事業継続計画)観点での対策
  • データベースや SAP を使った業務システムとの親和性
  • サーバーおよび周辺機器の設置場所における空きスペースの確保

こうした比較検討の結果、拡張性や信頼性の面で AWS が最も使いやすいことがわかりました。また、AWS が SAP ERP を本番環境上で実装可能であるという認証を取得したこともあり、AWS の採用を決定しました。

AWSを利用することにより、インフラ構築を迅速に行うことができるため、導入決定から本番環境の稼働まで、SAP 環境で 10 ヶ月ほどでリリースすることができました。

また、本学では人事・給与システムや就労管理に、基幹業務システムである「COMPANY」を利用していますが、こちらも移行決定から、3 ヵ月ほどでリリースすることができました。

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導入時、大学や自治体でパブリッククラウドを採用している事例は少なく、不安もありましたが、実際の導入作業では特に大きな問題は起こりませんでした。

また、 AWS に移行したことにより、本学で利用している財務会計システムや人事・給与システムなどの基幹業務システムも、可用性、安全性、機密性を高いレベルで担保しつつ運用することができています。

コスト面でも、クラウドとオンプレミスでインフラコストの比較を行い、AWS でコスト削減ができることはわかっていたのですが、実際利用してみると、当初の見込みよりもインフラコストに加え、運用コストについても削減することができています。

こうしたことに加えて、サービス時間内の稼働率についても改善が見られたのですが、特にアクセス制限等のセキュリティ面では、AWS を採用したことにより大きく改善されたため、安心して利用することができています。

現在は、研究者総覧システムも AWS へ移行しているところですが、今後公式ウェブサイトの移行も予定しています。

 

- 国立大学法人広島大学 学術・社会産学連携室情報化推進グループ 主査 清水 秀明 様