NASA のジェット推進研究所 (JPL) では、ATHLETE (All-Terrain Hex-Limbed Extra-Terrestrial Explorer) ロボットを開発しました。多目的運搬車として開発された ATHLETE は、6 本の脚の先にタイヤが付けられており、なだらかな平面や急斜面からでこぼこの地面に至るまで、どのような地形でも走行できるように設計されています。また、車輪をロックすれば、その脚を汎用目的の脚として利用することもできます。ATHLETE ロボットは、荷物の積み下ろしや長距離の搬送にも使用できます。

砂漠研究技術調査 (D-RATS) の一環として、NASA/JPL では ATHLETE ロボットと他の NASA センターのロボットを一緒に使用し、年 1 回のフィールドテストを実施しています。ロボットの操作担当者は、高解像度の衛星画像を利用して、ロボットの誘導や配置、および状況確認を行います。衛星画像の処理を合理化するために、NASA/JPL のエンジニアはワークフローの並列性を利用するアプリケーションを開発しました。NASA/JPL はこのプロジェクトにおいて、アマゾン ウェブ サービス (AWS) を活用しました。

アプリケーションは Polyphony をベースとして構築されています。Polyphony は、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) の何百個ものノードを活用するプロセスを合理化するように設計された、モジュール式ワークフローオーケストレーションフレームワークです。ローカルマシンの余剰の容量とスーパーコンピューティングセンターの余分なリソースを合わせることで、Polyphony と AWS クラウドは完全に調和されます。最も重要なのは、Polyphony により、リソースが連携して共通の目的を達成できることです。Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) を使用することで、NASA/JPL の開発者は 1 つのクラスを書くだけで Amazon EC2 に巨大な計算能力をデプロイできます。

以前、NASA/JPL では、Amazon EC2 環境で数十万枚の小さな画像を処理し、クラウドコンピューティングの実用性を検証するために Polyphony を使用したことがありました。しかし、NASA/JPL では、大きな画像の処理にクラスターコンピューティング環境を採用しています。最近では 3.2 ギガピクセルの画像を処理し、2010 年の D-RATS フィールドテストにおいて ATHLETE ロボット操作をサポートしています。「30 個のクラスターコンピューティングインスタンスからなるクラスターでも、AWS リソースでは 2 時間未満で処理が完了しました。これは、以前の実装に比べて、大幅な改善が実現したことを示すものです」と、シニアソリューションアーキテクトの Khawaja Shams 氏は言います。

ATHLETE ロボットのサポートに加えて、火星からダウンロードしたデータを処理するための主要なデータ処理と配信パイプラインの 1 つとして、Polyphony はマーズサイエンスラボラトリーでも利用されています。「このアプリケーションにより、カッシーニからの 20 万枚に及ぶ画像はわずか数時間で処理できます。しかも、AWS で発生する料金は 200 ドルもかかりません」と、Shams 氏は言います。AWS に切り替える前は、内部に伸縮性のある機能がなかったため、Shams 氏は、「1 台のマシンしか使用できず、同じタスクを完了するのに 15 日余りを費やしていました」とも言います。これにより、AWS が提供する高い効率性とコスト削減効果が重要であることが実証されています。

AWS クラウドでウェブアプリケーションを構築する方法の詳細については、http://aws.amazon.com/web-mobile-social/ をご覧ください。

AWS クラウドが利用されている NASA/JPL の他のミッションや研究の詳細については、AWS 導入事例の NASA/JPL's MER and CARVE MissionsNASA/JPL の火星探査機キュリオシティのミッションをご覧ください。