Amazon Aurora を用いて構築した安全運転支援サービス『DRIVING!』は、リリース以降安定稼働を続けており、24 時間 365 日の信頼性が求められる自動車保険のサービスを支えています。
 
上月 涼平 氏 損害保険ジャパン日本興亜株式会社 リテール商品業務部 商品開発グループ 課長代理

 

「お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスを提供し、社会に貢献する」を経営理念に国内の損害保険事業を展開する損害保険ジャパン日本興亜。国内の損害保険市場でトップクラスのシェアを占める同社は、国内約 2,000 万人のお客様に対して、自動車保険、火災保険など多様なリスクに対応する商品を提供しています。

2016 年度にスタートした SOMPO ホールディングスの中期経営計画で「安心・安全・健康のテーマパークの実現」を掲げる中、AI、自動運転、ロボットなどを活用した「デジタル戦略」は主軸の 1 つとなっています。同社のデジタル戦略を担うサービスの 1 つである個人向け安全運転支援サービス『DRIVING!』誕生の背景にはこれまでのノウハウの蓄積がありました。すでに 4 万台以上に導入されている法人向け安全運転支援サービス『スマイリングロード』がその 1 つです。『スマイリングロード』はビッグデータの解析技術やテレマティクス技術を活用しており、通信機能付きドライブレコーダーから取得する走行データからドライバーの運転状況を把握し、危険挙動についてはリアルタイムに、発生場所や状況等の詳細を画像付きで上長に報告します。上長は、効率的・継続的な安全運転指導が可能となり、導入企業全体で約 20% の事故削減効果を実現しています。

次にリリースされたのが個人向けスマートフォン用カーナビアプリ『ポータブルスマイリングロード』です。GPS や事故データを利用しルート案内、事故多発地点アラート、駐車場の空き情報のほか、スマートフォンの GPS や加速度センサーを用いて取得した情報から運転者の安全度を判定してアドバイスする運転診断サービスを提供し、利用者から高い評価を得ています。

 

『DRIVING!』はこうした背景をもとに開発され、2018 年 1 月より自動車保険の特約としてサービスを開始しました。「近年のあおり運転の問題などからドライブレコーダーへの関心も高まり、さらに自分の運転技術を客観的に判断したいという要望に応えて、サービス化に踏み切りました。」と語るのはリテール商品業務部 商品開発グループ 課長代理の上月涼平氏です。

特徴は、通信機能付き多機能ドライブレコーダーを活用した安全運転サポート機能、運転診断レポートや運転能力などのセルフメンテナンス機能に加え、事故時に警備会社のガードマンが 24 時間 365 日体制で現場にかけつけ、安全確保や救急車の手配などを支援することにあります。「幅広い年齢層にご利用いただき、リリースから 1 年間で契約台数は約 5 万台に達しています。加入したお客様からは “安全運転の意識が高まった ”かけつけ安心サービスは頼りになる” "診断サービスで自分の運転レベルがわかった” といった声が届いています。」(上月氏)

『DRIVING!』を提供するインフラ基盤について、「オンプレミスとクラウドサービスを比較し、スピード、コスト、スケーラビリティ、可用性、セキュリティなどを総合的に考慮した中から AWS を採用しました。シェアが高い AWS は、クラウドの基本的なメリットに加え、災害復旧(DR)の面でも東京リージョンで、データセンターを複数に分けることで冗長性や可用性が確保できます。SOMPO ホールディングス全体でも AWS の採用実績があり、AWS の採用は自然の流れでした」と語るのは SOMPO システムズ株式会社 システム統括本部 システム計画・推進グループの藤田智彦氏です。また『DRIVING!』の開発に携わった協力会社からも「技術情報やドキュメント類が豊富で、開発や運用のノウハウが得られやすい」といったコメントがあり、AWS 採用の決め手となりました。

『DRIVING!』の実行基盤は、Web サーバー、アプリケーションサーバー、データベース(DB)の 3 層で構成され、サーバー用途に Amazon EC2、DBには Amazon Aurora と Amazon RDS を採用しています。データベースには、高い可用性とパフォーマンス、メンテナンス性が求められます。そこで、メンテナンスが容易で、クラスタリングが自動化できる Amazon Aurora に着目、手動による DB の多重化の運用負荷の軽減を実現しています。また、リリース当時は MySQL のバージョンの関係で一部に Amazon RDS も採用しました。この基盤により、ユーザーは、スマートフォンや PC から、運転診断レポートの閲覧、危険運転一覧 / 事故・逆走多発地点マップの表示、警備会社によるかけつけ安心サービスの利用が可能になりました。ドライブレコーダーからインターネット経由で送られてくる走行データや事故通報情報などは、Amazon Kinesis Data Streams を介して取得し、Amazon DynamoDB に一時的に保管してから Amazon S3 に蓄積しています。

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『DRIVING!』をリリースして以降、サービス提供基盤は安定稼働を続けており、24 時間 365 日の信頼性が求められる自動車保険サービスを支えています。インフラ構築のコスト面では、オンプレミスと比べて 2 分の 1 以下に削減ができました。月額コストも定額料金かつ割引価格のリザーブドインスタンスにより、オンデマンド料金よりも低価格で利用できているといいます。日々の運用に関しては、多くのリクエスト情報を統一監視ができる Amazon CloudWatch が、負荷の軽減に貢献しているといいます。サービス企画面でも AWS を利用するメリットは大きく、上月氏は「インフラの調達が不要な AWS は、新しいサービスを試してみるのにも最適な環境です。」と語ります。

今後については、利用者の声を参考にしながら『DRIVING!』の機能を強化し、利用者のさらなる獲得を目指していく考えです。「例えば、現在の車間通知機能に加えて、より安全運転を促す各種アラート機能、車載カメラで運転者の安全を見守る機能、ドライブデータや運転手の生体情報を用いてリスクを早期に検知するサービスなど AI を活用したより安全性を高めるサービスが考えられます。サービス価値向上に向けて、引き続き研究・開発を進めていきます。」と上月氏は語ります。

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上月 涼平 氏 

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藤田 智彦  氏 

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