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【開催報告 & 資料公開】【教育委員会様向け】クラウド化で実現する校務支援システムの共同利用とゼロトラスト

こんにちは、AWS ソリューションアーキテクト の大南です。

2024 年 6 月 27 日に「【教育委員会様向け】クラウド化で実現する校務支援システムの共同利用とゼロトラスト」というタイトルでウェビナーを開催しました。開催報告として、ウェビナーの内容と当日の資料や収録映像を紹介します。

開催の概要

統合型校務支援システム共同利用(ゼロトラストモデル)の実現に取り組まれている教育委員会や支援を担っているベンダーから具体的な取り組みや事例をご紹介いただきます。また、関連するソリューションを提供しているベンダーや Amazon Web Services (AWS) からもゼロトラストの実現を支援するサービスや構成等をご紹介いたします。

セミナー内容紹介 / 収録映像

タイトル : 【教育委員会様向け】クラウド化で実現する校務支援システムの共同利用とゼロトラスト
開催日 : 2024 年 6 月 27 日 (木)
資料 : 資料ダウンロード
動画視聴 : こちら (必要情報を入力後に視聴可能となります)

岩手県域における統合型校務支援システム共同利用(ゼロトラストモデル)の取り組み

岩手県域における統合型校務支援システムの共同利用について、岩手県教育委員会様から、共同利用に踏み切った背景やゼロトラストモデルの採用に至った背景や、プロジェクトを振り返って、クラウド化によるメリットや課題について紹介しています。また、システムディ様から、岩手県域における統合型校務支援システムの共同利用を通して、システムディ のサービスやクラウド環境のメリットのご紹介と次世代校務に関する情報を解説しています。

岩手県教育委員会 教育企画室 学校教育情報化担当課長 門脇 優行 氏


岩手県教育委員会では、県と市町村が連携して学校教育のさまざまな課題を共有しながら ICT 化に取り組んでいます。令和元年時点の統合型校務支援システムの整備率が全国平均より低かったことから、共同調達と共同利用を目指し、2021年2月に協議会の枠組みを利用することでワーキンググループを設置し着手しました。

共同利用の実現には、県がイニシャルコストを全額負担し市町村の参加を促進したこと、教育長の理解を得て業務の標準化を進めたことが重要でした。またゼロトラストモデルを採用したクラウド環境での構築により、セキュリティ強化と費用対効果の向上を図ることとしました。

プロポーザル方式で選定したシステムは、教職員の業務効率化や生体認証の導入など、様々な機能を備えています。今後の課題は、運用開始時の初期トラブル対応、効果的な運用に向けたモニタリングと改善、教職員の業務負担軽減と教育の質の向上であるとし、県と市町村が連携しながらこの取り組みを推進していくとのことです。

株式会社システムディ 公教育ソリューション事業部課長 中村 岳志 氏

株式会社システム ディは、校務支援システム「School Engine (スクールエンジン)」を提供しており、これまで全国5団体にて共同利用での統合型校務支援システムを導入しています。校務支援システムの共同利用クラウド化のメリット、岩手県教育委員会と取り組んでいる内容と AWS をクラウド基盤に採用した経緯について解説しています。

岩手県のように都道府県単位での共同利用を行うことで、コストの割り勘効果が得られることや、学習システムとのデータ連携、業務の標準化などのメリットをあげられています。また、実際の構築においては、短期間での稼働が実現できおおむね満足できる結果となったとのことです。今後は AWS のサービスアップデートに追従する体制作りの必要性や、生成 AI との連携を取り組んでいきたいとのことです。

校務 DX ・ゼロトラストを支える ID 基盤とは教職員と児童生徒のアカウントの一元管理と認証

セキュリティの強化は、校務 DX ・ゼロトラストを考えていく上で重要な課題となっています。エクスジェン・ネットワークスが提供する Extic は ID の統合管理を支援するサービスです。実際のお客様のユースケースを交えて解説しています。

エクスジェン・ネットワークス株式会社 専務取締役 引間 賢太 氏

エクスジェン・ネットワークス株式会社 引間氏より、校務 DX とゼロトラスト基盤を支える ID 基盤について解説しています。
ID 管理製品を扱う専業メーカーであるエクスジェン・ネットワークスは、統合 ID 管理パッケージソフトウェア「LDAP Manager」とクラウドサービス「Extic」を提供しています。ギガスクール構想における校務 DX の推進に伴い、ID とアクセス権限の一元管理が重要になると説明しています。Extic は認証管理と ID 管理の機能を備え、児童生徒や教職員のアカウントを一元管理し、各アプリケーションへのシングルサインオンを実現します。また、アクセス権限を所属や役職に応じて制御することで、ゼロトラストセキュリティを実現できるとしています。最後に製品の機能概要と価格モデルを紹介し、教育委員会の課題解決に貢献できると解説しています。

ダイワボウ情報システムが展開する、教育 ICT 環境におけるクラウド化の取り組み

ダイワボウ情報システムが教育委員会向けに提供するプリペイドチャージや、ハンズオントレーニング等のソリューションをご紹介します。

ダイワボウ情報システム株式会社 クラウドサービス推進グループ 西崎 豪 氏

ダイワボウ情報システム株式会社では、国内初の AWS ディストリビューターとして、約1,300社の AWS ディストリビューションセラーを通じて AWS サービスを提供しています。DIS クラウドエコノミクスライトによるクラウド移行の効果分析、プリペイドチャージ for AWS による予算内での利用教育機関向けのクラウド移行を支援するメニューを用意しており、全国の教育機関の情報化、教育 DX 推進を支援していくとの解説をしています。

AWS とパートナー製品で実現する校務支援システムのゼロトラスト構成

AWS サービスとパートナー製品を組み合わせた実践的なゼロトラスト構成についてご紹介します。

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 パブリックセクター 技術統括本部 大南 賢亮

AWSサービスとパートナー製品による、校務支援システムのゼロトラスト構成を実現するための対応方法を解説しています。

校務支援システムを取り巻く状況、ゼロトラストの概念を解説し、文科省による教育情報セキュリティポリシーガイドラインを紹介しています。AWS サービスとパートナー製品を組み合わせることで、セキュリティ、安定性、コスト、使い勝手に優れた構成が可能であること、また、アーキテクチャとともにガイドラインを満たすためのパートナーソリューションの具体例を紹介しています。最後に AWS の採用事例と、AWS ソリューションアーキテクトによる技術支援の内容について触れ、校務支援システムの設計において、実践的な内容が示されています。

おわりに

本セミナーの内容が、校務支援システムの共同利用やゼロトラストモデルの活用の一助になれば幸いです。AWS の活用や提案に関する相談、要望がありましたら、担当営業、もしくは公式サイトの お問い合わせ よりお問い合わせください。
このブログは、2024 年 11 月 26 日時点の情報に基づいて ソリューションアーキテクト 大南賢亮 が執筆しました。