Amazon Web Services ブログ

Amazon Alexa デバイスで WordPress サイトを「読む」

昨年初頭、WordPress 向け Amazon Polly プラグインを発表しました。このプラグインを使用することで、WordPress を使用するブロガーやウェブサイトの作成者は、投稿、記事、ウェブサイトのオーディオバージョンをすばやく簡単に作成できるようになります。それから数か月後、そのプラグインに Amazon Translate サービスを使用して、ウェブサイトのコンテンツをすばやく他言語に翻訳する機能が盛り込まれました。オーディオバージョンを作成できる機能と合わせたこの機能を使用することにより、翻訳された言語でサイトのコンテンツを音声化できるようになります。AWS の提供する最新の AI サービスを活用して、クリエーターや作者の皆さんに世界中のより多くの読者/視聴者にコンテンツを届けていただければと思います。本日は、このプラグインに追加されるもう 1 つの拡張機能についてお話しします。この拡張機能により、WordPress のウェブサイトやブログの拡張に Alexa デバイスを使用できるようになるというものです。この拡張機能はウェブサイトのクリエーターや制作者にとって、さらに広範な視聴者に到達できる、新たな可能性の扉を開くことになります。また、視聴者は Alexa に読み上げを頼むだけでお気に入りのブログを聞けるようになるので、視聴者の利便性も向上します。 前置きはこれくらいにして、WordPress のウェブサイトと Alexa を統合する方法についてご紹介していきましょう。

さらに、今日はこのプラグインの正式名称が Amazon AI Plugin for WordPress に変更されたことも発表します。これは AWS AI エコシステムとの広範な統合をより適切に反映させるためのものです。

次の図は Alexa を介してウェブサイトを公開するために必要な連係とコンポーネントの流れを示しています。

これから実装する各プロセスを見ていきましょう。

  1. ユーザーはたとえば、「Alexa, ask Demo Blog for the latest update」(Alexa、デモブログに最新の記事を確認して) と話かけることで、新しい Alexa スキルを呼び出します。
    1. このスキル自体は、Alexa Skill Blueprints の 1 つを使用して作成されています。この機能を活用すると深い技術的な知識がなくても、Alexa デバイスを使ってスキルを公開できます。
  2. Alexa スキルはその呼び出しと Amazon AI plugin for WordPress によって生成された RSS フィードを分析し、最新の記事のオーディオバージョンへのリンクを返します。
  3. フィードによって提供されたリンクに基づき、Alexa は Amazon S3 に保存されたオーディオファイルを再生することで、記事を読み上げます。

この図は、Amazon Polly や Amazon Translate などといった AWS のサービスについて示したもので、WordPress plugin はオーディオバージョンの生成にこれらを使用します。

早速詳細を見て、Alexa を使用しサイトを公開してみましょう。 このブログ記事では WordPress ウェブサイトでのプラグインのインストール方法には触れていません。その手順についてはこちらをお読みいただくか、WordPress プラグインウェブサイトに記載されている手順をご覧ください。一般的に、この作業は 15 分ほどで完了します。このプラグインを有効にしたあと、テキスト読み上げ機能と Amazon Pollycast 機能を有効にするのをお忘れなく。これらを有効にすることで、次のフェーズで使用する RSS フィードが WordPress サイトに生成されます。ファイルのデフォルトストレージとして Amazon S3 を有効化します。生成されたフィードを Alexa に公開する際、ウェブサイト上でセキュアな HTTPS 接続を使用することが重要です。

これらのステップを完了すると、プラグインのポッドキャストタブに Amazon Pollycast リンクが表示されるはずです。

フィードのリンクを開くと、公開した記事に関する情報を見ることができます。

次のステップでは実際のスキルを作ります。前に申し上げたとおり、既存の Alexa Skill Blueprints を使用するので、この作業はとても簡単です。Alexa Skill Blueprints ページを開き、ブログブループリントを見つけてください。

見つかったら Make Your Own (自作する) を選択します。このあと、独自のスキル作成をガイドする 3 つのステップのウィザードが開きます。最初のページでは先にコピーした RSS フィードへのリンクを入力し、Next: Experience (次: エクスペリエンス) を選択します。

次のページではスキルをカスタマイズできます。このブログ記事ではそのままにして、Next: Name (次: 名前) を選択します。

次のステップではスキルに適切な名前を選択します。これは読者/視聴者がスキルを呼び出し、Alexa に新しい記事の読み上げを依頼するのに使用する名前です。この例では Demo Blog (デモブログ) としています。次に、Next: Create Skill (次: スキルの作成) を選択します。

スキルが作成させるまでに数分かかるので、コーヒーブレークといきましょう。

さて、ページの上部にある作成したばかりのスキルリンクをクリックすると、あなたの Alexa スキルが表示されるはずです。おめでとうございます!

次の短い動画では、ソリューションについて簡単に紹介しています。

結論

現時点では、あなたのスキルはスキルを構築するのに使用した Amazon アカウントに登録されているデバイスからのみ利用できます。次のステップでは、スキルストアで公式スキルとしてこのスキルを公開します。これを実行するには、スキルの詳細ページを開きます。Publish to  Skill Store (スキルストアに公開する) ボタンを押すと見つかります。記載されている手順に従ってください。

この動画ではスキルを公開するプロセスをご覧いただけます。

ここまでできたら、あなたのウェブサイトが Alexa で利用できると世界に向けて発信できるようになります。 おめでとうございます!


著者について

Tomasz Stachlewski は AWS のソリューションアーキテクトで、(スタートアップからエンタープライズ規模まで) あらゆるサイズの企業のクラウド展開を支援しています。彼はサーバーレスアーキテクチャといったイノベーティブなテクノロジーの信奉者です。こうしたテクノロジーは企業がデジタル変革を推進するのに役立ちます。