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【開催報告】SaaS on AWS 2023 セミナー・イベント(10/10 – 11)

こんにちは!アマゾンウェブサービスジャパン合同会社  ソリューションアーキテクト の塚本です。

2023 年 10 月 10 日と 11 日の 2 日間にわたり、対面式とオンライン配信のハイブリッドで、SaaS on AWS 2023 セミナーイベント を開催しました。開催報告としてセミナーでの発表内容や、会場で行われた各種コンテンツ、懇親会での様子をご紹介します。

開催当日の様子と概要

開催の概要

SaaS on AWS は、SaaS 事業を行う皆様や今後 SaaS 事業を展開しようと考えているソフトウェア事業会社( ISV )の皆様が、 AWS を利用してビジネス成長していくにあたっての情報収集やネットワーキングに利用できる機会となっています。今押さえておくべき SaaS に関係するテクノロジーやビジネス拡大の手法について、ユーザー事例をはじめとする 28 の セッションを通じて網羅的に学ぶことができます。

10 月 10 日に開催された  Day 1 は、ISV/SaaS のビジネス面を中心とした内容で、SaaS 事業のトレンドや事例など多数のセッションがありました。お客様の事例セッションの他、近年盛り上がりを見せる 生成系AI の活用についてのセッションもあり、皆様のビジネスの成長に向けて様々な角度で情報を得ることができる内容でした。
10 月 11 日に開催された  Day 2 は、設計・開発・実装・運用などの技術面を中心とした内容で、AWS で利用できる AI/MLサービス の活用についてや、SaaS における目的別データベースの利用、分析系サービスの活用といった内容をソリューションアーキテクト が紹介しました。また、Day 2 でも多くのお客様セッションがあり実際に利用されている技術について聞くことができました。

Day 1 、Day 2 とも一部オンライン配信となっており、SAAS コンテンツ アーカイブ – AWS JAPAN にて動画、資料を公開しております。

セミナーアジェンダ

開催概要についてはこちらもご確認ください。

Day1 の様子

Day 1 では SaaS ビジネスに関する内容について、お客様セッションを中心に 10 のセッションが実施されました。Day 1 の様子を一部抜粋してお伝えします。

セッション

『X-point』のクラウド版へ一本化を決断!ワークフローのリーディングカンパニーが選択した方針とは?

お客様からのセッションの中では、株式会社エイトレッド 青木 健一様より、パッケージ製品として販売されていたX-point をクラウド版での販売に一本化されたご決断の背景について発表いただきました。クラウド版への一本化を進める際には、製品のアーキテクチャなどの技術的な変更だけでなく、既存ユーザーからの理解、販売パートナーからの理解、社内の体制の変更と様々な課題を抱えていました。その中で株式会社エイトレッドではどういった対応をされてきたかを知ることができるセッションでした。

AWS のデータ活用と生成系 AI 成功につながるベストプラクティス

AWS からのセッションとして、AI/ML 事業開発マネジャー 浅倉 靖之より「 AWS のデータ活用と生成系 AI 成功につながるベストプラクティス」をお伝えしました。このセッションの中では、生成系 AI を SaaS の中でどう使うのかや、10 月に東京リージョンで一般利用開始となった Amazon Bedrock について用例を解説しました。 Amazon Bedrock の名前の由来など、興味深い小話も楽しめるセッションとなっていました。

Day 2 の様子

Day 2 では SaaS 製品を実装し改善していくための技術について知ることができるセッションが数多く開催されました。会場ではセッションの他、AWS のソリューションアーキテクトに直接相談のできる Ask The Expert や SaaS 構築に役立つ Workshop も実施しました。 Day 2 の様子を一部抜粋してお伝えします。

セッション

SaaS 事業立ち上げの為の Day1 からのデータ基盤拡張戦略

お客様からのセッションの中では、マネーフォワードi株式会社 村上 勝俊様より、SaaS 事業者がビジネスの分析を行い、データをもとにした正しい戦略を立てるために必要なデータ分析基盤の構築を始める方法をご共有いただきました。4 つのステップに分けて無理なく機能を拡張していく手法を、アーキテクチャのサンプルも交えて解説されており、すぐにでも活用できそうな内容となっています。その中では ゼロETL を使うことで Amazon Aurora と Amazon Redshift を 複雑な ETL の仕組みを作ることなくつなぐ手法も紹介されていました。

Amazon QuickSight で実現するマルチテナント BI

AWS からのセッションとして、ソリューションアーキテクトの 高橋 佑里子 より、Amazon QuickSight をマルチテナント SaaS  製品の中で利用する方法を共有しました。Amazon QuickSight のダッシュボードを SaaS 製品に組み込む際に、閲覧するユーザーが属するテナント以外のデータが見れないような制限をかけるための方法を実際の設定についてのデモも交えながらの解説しました。

Amazon CodeCatalyst で実現する SaaS 開発の加速

AWS からのセッションをもう一つご紹介します。ソリューションアーキテクトの 遠藤 宣嗣 より、SaaS 開発を加速させるために使える統合ツール、Amazon CodeCatalyst を紹介しました。SaaS の開発の中では、市場の変化により早く対応するため、開発もスピード感を持って進めなければいけません。より頻繁にデプロイを行なえるような自動化された環境構築を行い、ビルド履歴や Issue 管理も一つのプラットフォームで行えるのが Amazon CodeCatalyst で、このセッションの中では導入のメリットについてより詳しく触れられています。

SaaS 企業  CTO  の パネルディスカッション テーマ「開発組織のカルチャー」

セッションの中では、SaaS 企業の CTO にお話を伺うパネルディスカッションも開催されました。  SaaS への変革はビジネスモデルの変革であり、組織自体も大きく変更していかなければなりません。そこで、開発組織のカルチャーを変更した方法を株式会社アルファドライブ 赤澤 剛様、株式会社カオナビ 松下 雅和様、パイオニア株式会社 岩田 和宏様、弥生株式会社 佐々木 淳志様をパネラーに迎え、AWS ソリューションアーキテクト 上原 誠 をモデレーターとしてパネラーの皆様のご経験やお考えをお話しいただきました。

Ask The Expert

AWS のソリューションアーキテクトとセッションで発表してくださった登壇者の方々が参加者の疑問に回答する部屋も用意されていました。AI/ML 、データベースとアナリティクス、SaaS 全般などのトピックにごとに相談を受け付けており、普段 AWS との技術相談を行っていない方でも、気軽に相談いただける機会となりました。

Workshop

SaaS アーキテクチャを体験するワークショップも開催されました。SaaS アーキテクチャの重要な要素であるコントロールプレーンについて学べる SaaS Boost Workshop 、サーバーレスなサービスを使って SaaS アーキテクチャを構築する Serverless SaaS Workshop 、マルチテナントの認証認可について学ぶことのできる SaaS AuthN/Z Workshop (GitHub)の3種類のワークショップが提供され、多くの方にご参加いただきました。

ネットワーキング

Day 1 、Day 2 ともセッションの合間にコーヒーブレイクがありました。この時間は SaaS on AWS に参加する他社との交流や、AWS の技術者、発表者とのコネクションづくりに利用していただくことができました。また、Day 2 の最後に行われた懇親会では AWS に関するクイズを出題するウルトラクイズが開催され、クイズの正解者には書籍の贈呈もありました。

収録動画 / 資料

セッションの動画及び資料は SAAS コンテンツ アーカイブ – AWS JAPAN より閲覧いただけます。

おわりに

本イベントでは、ISV/SaaS 事業会社に所属するビジネスリーダー層と技術者の方向けに、 SaaS に特化したソリューションや事例紹介をお届けしました。お忙しい中ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。今回ご紹介した内容が、みなさまの今後のビジネス成長にお役に立てれば幸いです。