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Amazon SageMaker Neo が、エッジデバイスでの物体検出と画像の分類を支援

野村総合研究所 (NRI) は、日本におけるシステムソリューションおよびコンサルティングサービスの世界的大手プロバイダーであり、APN プレミアムコンサルティングパートナーです。NRI では、顧客が在庫と生産計画を最適化し、コストを削減し、より良いカスタマーエクスペリエンスを創造するのを支援する要求がますます高まっています。こうした要求に応えるために、同社は、顧客のより良い事業運営を支援するために、新しいデータソース、特に動画や写真に目を向けています。

例えば、NRIでは日本のコンビニエンスストアの店内カメラ画像を利用した在庫管理のサポートや、日本の空港で空港利用者の導線パターンを分析し、空港内の利用者の導線の最適化のサポートなど実施もしくは予定しています。

こうしたシナリオでは、物体を検出する機械学習モデルを作成する必要がありました。商品 (飲み物、軽食、紙製品など) や、小売店の店舗を出る人々、空港の通勤者を検出する必要がありました。

NRI は、こうした目標を達成するために Acer と AWS に着目しました。Acer aiSage は、コンピュータビジョンと AI を使用してリアルタイムの洞察を提供するエッジコンピューティングデバイスです。 Acer aiSage は、物体を検出して画像を一度分類するとどこでも実行できるモデルをトレーニングするサービスである Amazon SageMaker Neo、およびローカルコンピューティング、メッセージング、データキャッシング、同期、および機械学習の推論機能をエッジデバイスに提供するサービスである AWS IoT Greengrass を利用します。

NRI の執行役員/DX生産革新本部長である 大元 成和 氏は、「当社の顧客であるヤマハ発動機は、AIによる店舗解析、スマートストア機能の評価を検討中です」と述べています。「こうしたソリューションには、複数のコンピュータビジョンモデルを構築する必要があります。MXNet GluonCV を使用してモデルを構築後、Amazon SageMaker Neo を使用してモデルをコンパイルし、AWS IoT Greengrass を利用して Acer の aiSage にモデルをデプロイします。  Amazon SageMaker Neo は ML フレームワークを抽象化することでモデルのフットプリントを削減し、エッジデバイスでより高速に動作するように最適化できます。当社では、AI ソリューションのエッジ領域までを含めてフルに AWS の技術スタックを活用しています。」

以下は、NRI で物体検出と画像分類が機能している仕組みです。

Amazon SageMaker は、機械学習モデルのトレーニング、構築、デプロイに使用されています。Amazon SageMaker Neo は、一度機械学習モデルをトレーニングすれば、クラウドやエッジのどこでもそれを実行することができるようにします。

Amazon SageMaker Neo は、精度を損なうことなく、10 分の 1 以下のメモリ使用量で最大 2 倍の速度で実行するようにモデルを最適化します。最初に、MXNet、TensorFlow、PyTorch や XGBoost を使って機械学習モデルを構築し、Amazon SageMaker を使ってトレーニングします。次に、ターゲットハードウェアプラットフォームを選択します。ワンクリックで、Amazon SageMaker Neo はトレーニング済みモデルを実行できるようにコンパイルします。

コンパイラはニューラルネットワークを使用して、特定のパフォーマンス最適化をすべて検出して適用し、ターゲットハードウェアプラットフォームでモデルを最も効率的に実行できるようにします。モデルをデプロイして、クラウドまたはエッジで予測を開始できます。

ローンチ時、Amazon SageMaker Neo は次の 4 つの AWS リージョンで利用できました。米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (アイルランド)、アジアパシフィック (ソウル) です。2019 年 5 月から、SageMaker Neo は日本のアジアパシフィック (東京) で利用できるようになりました。

Amazon SageMaker Neo の詳細については、「Amazon SageMaker Neo」のウェブページをご覧ください。


著者について

Satadal Bhattacharjee は、AWS AI の主席プロダクトマネージャーです。彼は、SageMaker Neo、AWS Deep Learning AMI、AWS Elastic Inference などのプロジェクトに取り組んでいる Machine Learning Engine PM チームを率いています。仕事以外の楽しみとして、Satadal はハイキングをしたり、ロボットチームを指導したり、彼の家族や友人と過ごすのが大好きです。

 

 

 

Kimberly Madia は、AWS Machine Learning のプリンシパルプロダクトマーケティングマネージャです。彼女の目標は、Amazon SageMaker を使用してお客様が機械学習モデルを簡単に構築、トレーニング、デプロイできるようにすることです。仕事以外の楽しみとして、Kimberly は料理、読書、そしてサンフランシスコのベイトレイルを走るのが好きです。