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リザーブドインスタンスの効率的な運用 – Cost Explorer
みなさん、こんにちは。アマゾン ウェブ サービス ジャパン、プロダクトマーケティング
エバンジェリストの亀田です。
今日はリザーブドインスタンス(RI)の運用に役に立つツール、AWS Cost Explorerをご紹介します。リザーブドインスタンスはオンデマンド料金に比べて大幅な割引価格 (最大 75%) が適用される非常にコスト効果の優れたソリューションですが、購入後正しくそのライセンスが適応されているか、どれくらいRIで稼働インスタンスがカバーされているか、RIを追加で購入しコスト削減が見込めるか?等の確認が難しい、というお問い合わせをよくいただきます。
このCost ExplorerではAWSアカウントにおけるRIの利用状況をグラフィカルに表示してくれるツールがあり、RIを運用されているお客様にとってとても便利なツールとなります。
Cost Explorerには大きく3つの機能があります。
1. RIの使用状況(適用率)を確認できるRI Utilization
2. 稼働インスタンスに対するRIのカバー率を確認できるRI Coverage
3. 利用状況に応じたRIの提案を行なうRecommendation
現在対応しているサービスはAmazon EC2, Amazon RDS, Amazon Redshift, Amazon ElastiCache, Amazon Elasticsearch Service の5つです。
Cost Explorerへのアクセス
URL:https://console.aws.amazon.com/billing/home#/costexplorer
もし正しく表示されない場合は、以下の手順でコストエクスプローラーを有効化してください。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/awsaccountbilling/latest/aboutv2/ce-enable.html
画面左の[Cost Explorer]から各レポートへのアクセスが出ます。試しに[Cost & Usage]へアクセスしてみましょう。
AWSアカウントの費用状態が可視化されて表示されています。(Amazon Neptune や Amazon SageMakerが最近は動いていることがわかりますね!)この画面では、いろいろと値を操作することで別のデータを出すこともできますし、CSV出力も可能です。例えばRegion単位でコストを見ることもできます。
Reserved Utilization(予約の利用率)
では2つ目のレポート。本題のRIの利用状況がわかる画面へ遷移してみます。
右側ペインでRIを適応可能なサービスを選ぶと、左側のペインに削減可能額や、(すでにRIを購入済の場合)削減された額などが表示され、全体像を一覧として把握することができます。ここで出てくる[ターゲットライン]は少し考え方がややこしいので注意が必要です。
お客様の中には、RIによるコスト削減とオンデマンドでいつでも変更可能なインスタンス構成を保持するために、意図的にRIを購入せず、オンデマンドで保持されるケースがあります。その場合例えばターゲットを80%と設定することで、残り20%をオンデマンドインスタンスに残しておくことでコスト削減と変更可能な柔軟性を両立することができます。
画面下には購入済RIの一覧が出てきます。こちらをクリックすることでさらに詳細なレポートを入手することができます。
Reserved Coverage(予約のカバレッジ)
では3つ目のレポートを見てみましょう。これは2つ目のレポートのReserved Utilization(予約の利用率)と取得可能な内容や見た目が似ていますが以下の違いがあります。
〇Utilization
・RI自体の使用状況(適用率)を確認可能
・稼働インスタンス/RI
〇Coverage
・全体の稼働インスタンスに対し、RIがどれだけ適用されたか(カバーされたか)を確認可能
・RI/稼働インスタンス
(例)
・稼働(オンデマンド)インスタンス:t2.micro 2台
・RI:t2.micro 1台
を持ち、RI 1台は正常に適用された場合のUtilization/Coverageは以下となります。
・Utilization:100%( 1 / 1 = 100%)
・Coverage:50%( 1 / 2 = 50%)
つまり、購入済のRIの利用状況はReserved Utilization(予約の利用率)、AWSアカウント全体のRIによる節約可能状態の把握はReserved Coverage(予約のカバレッジ)を確認するとことになります。
いかがでしたでしょうか。RIによりAWSをより安く使うことができますので、是非皆さんご活用ください。
また、RIは昔と違い、購入したのち構成が変更可能なコンバーティブルリザーブドインスタンスというものも存在しています。通常RIと比べると少し値引き率が下がりますが、構成変更の柔軟性を確保することができますので、合わせて検討してみてください。
– プロダクトマーケティング エバンジェリスト 亀田