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Mainframe Modernizationへのアプローチ(後編)

メインフレームはビジネス成長を支えるサービスとして長く利用されていますが、複雑性、運用保守コストや人材不足が課題となっています。ベンダーの製造・販売からの撤退も大きな衝撃をもたらしています。本ブログではMainframe Modernizationへのアプローチとして、前編では(1)ビジネス状況に応じたビジネスゴールの設定、(2)Mainframe Modernizationに向けた戦略立案についてご紹介し、後編では(3)AWS Mainframe Modernizationでのソリューション選定についてご紹介します。

(3)AWS Mainframe Modernizationでのソリューション選定
AWSやAWSパートナーはさまざまな移行ソリューションを提供しており、用途に合わせた最適なソリューションを選定することができます。ここではAWS Mainframe Modernizationが提供する「自動リファクタリング」、「リプラットフォーム」についてご紹介します。なお、データ移行の新しいソリューションとしては、「データレプリケーション」、「ファイル転送」があります。

a. 「自動リファクタリング」ソリューション
AWS Blu Ageは、新しいウェブ・フレームワークとクラウドDevOpsのベストプラクティスを駆使し、レガシーな言語アプリケーションをアジャイルなJavaベースのサービスに自動変換する強力なリファクタリング・ソリューションです。AWS Blu Ageは業務ロジックの変更を最小限に抑え、初期投資を削減することを目指しています。これにより、既存のシステムを効率的にアップデートし、ビジネスへの影響を低く抑えることができます。アップデートされたシステムと幅広いソリューションのオプションにより、新しいニーズにも素早く対応できるのは大きな利点です。また、AWS Blu AgeはJavaとの親和性を活かし、既存のシステムと新たなシステムをシームレスに連携させることができます。さらに、AWS Blu Ageは、システム全体に与えるリファクタリングによる影響を事前に評価し、品質を確保することができるため、安定したシステム運用を維持しつつアップデートを進める信頼性があります。このように、AWS Blu AgeとJavaを組み合わせることは、効率的かつ確実な業務モダナイゼーションを実現するための有力な手段です。

b. 「リプラットフォーム」ソリューション
Micro Focusツールチェーンを使用して、COBOLアプリケーションの移行を行うアプローチは、特に注目されています。なぜなら、COBOLは長い歴史を持ち、その安定性と信頼性が確立されており、多くの企業で広く利用されているからです。したがって、既存のCOBOLシステムを維持しながら、プラットフォームをアップデートすることで、ビジネス運用の安定性を確保することが可能です。リプラットフォームのアプローチは、新たなシステムへの移行に比べてコストを大幅に削減できる点でも魅力的です。既存のシステムを基盤として、必要な部分を最新の技術で更新することで、コストを節約しながらシステムをモダナイゼーションできます。また、COBOLのスキルを持つエンジニアや開発者が新たなスキルを習得するためには時間とリソースが必要ですが、既存の人材を活用することでシステムの継続的な運用を確立することができます。統合されたMicro Focusツールチェーンを使用したCOBOLアプリケーションの移行は、AWS Mainframe Modernizationの成功事例の一つとしてビジネスに大きな価値を提供します。

おわりに
Mainframe Modernizationは、ビジネスゴールを明確に設定し、最適な戦略を立案し、最適なソリューションを選択することで、多くのビジネス・メリットを享受することが出来ます。新しいテクノロジーとアプローチを活用することで、コストの削減、アジリティの向上、技術的負債とリスクの低減などが実現可能です。ビジネスのさらなる発展に向けてMainframe Modernizationへの取り組みは現代のビジネス環境に不可欠なステップになります。