AWS Startup ブログ

「RoomClip」の考える技術選定ポイントとは

はじめまして、AWSでスタートアップ向けの事業開発をしている森田です。

スタートアップの皆様に向けてAWSの導入支援などを担当しています。

さて、今回はルームクリップのCTO 平山さんにお話を伺ってきました。衣食住の中で”住”に特化した部屋の様子をシェアするアプリ”RoomClip”を展開されています。提供されているサービスのお話から、技術選定のポイントなどお伺いできました。

提供されているサービスの概要・特徴は?

サービスのRoomClipは表向きSNSですが、中身はツールとしても使え、すべてのユーザーさんに対して自分にとって快適なライフスタイルを見つけることができる事を目指しています。サービスも多くのユーザ様に使って頂いており330万MAUを超えました。

昨年11月には「RoomClip 10000人の暮らし」という書籍も発刊しました。

これは、アプリ上で投稿された1万人の部屋の写真です。リビングからベットルーム、子供部屋、更にトイレまで。1万人規模でリアルな暮らしを紹介することで、「現代日本の暮らしの歴史的記録」として、百年後の価値も追求してきたいという意味を込めて敢えてアナログな紙ベースで部屋の写真の本を出版しました。

AWSとの出会いは?

ルームクリップ(創業当時はTunnel株式会社)の創業時からずっとAWSを採用してきました。
2011年5月にEC2をはじめて触り、実際に数クリックでEC2インスタンスが起動したことは今でも感動を覚えています。
AWSを採用したきっかけは、まず世界中の多くのスタートアップがAWSを利用していたことです。これは、実際にAWSを触れるエンジニアも多く、技術情報の収集に非常に役に立ちました。さらにAWSのコミュニティの広さに惹かれました。

 

AWSを利用頂いているなかでの率直な感想は?

とにかく新しいサービスのリリース、機能拡張が多いです。年々年を追う毎にスゴイ勢いで進化していくところが本当にスゴイところだと思っています。また、これが米国だけでなく、世界中のリージョンで利用できる環境を提供されていると言うことに驚きです。今後更に期待したいことは、更なるサーバレス、ビッグデータについてのサービスの拡張を期待しています。AWSらしい、チャレンジナブルなものとでやってほしいですね。

技術選定のポイントはどこでしょうか?

基本は、「はやい」「安い」「安全」。この3 点がベースです。
Startupなのでマイクロなサービスを沢山リリースしていきたいです。その過程で検証も沢山必要です。
いきなり完璧な状態ではなくブートストラップでいいと思っています。
誰よりもはやく一瞬でつくれるか。モノリシックでいいのですばやくつくれるか!というのが重要だと思っています。
現在は、Nuxt.jsとRailsをベースで開発しています。
また、コミュニティの恩恵を受けられるかどうかも非常に重要なポイントです。
チームメンバーの推進者達が好む環境を採用してきましたし、今後もそうしていきます。

 

最近アーキテクチャの変更などありますか?

Amazon RDSからAmazon Auroraに変更しました。
ルームクリップの様なSNSサービスにとってDBは非常に重要なシステムです。そのため、そう簡単にマイグレーションや不必要なアップデートはしたくないのですが、Auroraは検証した段階で、高い効果が見込めそうな事と、マイグレーションも非常に簡単にできそうな事が分かりました。特にレプリカラグが実質存在しない、という点は、DBレイヤのスケールが必須になるサービスにおいては非常に魅力的でした。実際に移行作業も大きな問題なく移行することができました。

結果として、RDSよりDBアクセスのレイテンシーが向上しており、高速になりました。耐障害性も格段に上がっており、Auroraは安心の塊です(笑

今後の展望・目標は?

究極は、無形的な価値をつくり続けていきたいです。本質的に社会や人々の習慣が変わっていくことをやっていきたいですね。そこはアマゾンにも共感しており、例えばAWSのサービスは突然値下げを発表しますよね。

しかし、それってサービスの価値は下がってないと思うんです。むしろ価値は上がっているのではないでしょうか。その結果、ユーザも増えサービスもどんどん増えみんながクラウドを使うことによって世界が変わっていく。

ルームクリップも仕組みを作り上げる事で、最終的に人の生き方や、考え方が変わっていく。そんなサービスをリリースし続けたいです。

インタビューは、素敵なオフィスで平山さんの情熱を感じたあっという間の取材の60分でした。