AWS Startup ブログ
テクノロジーは近未来の家とオフィスをどのように変えるのか【AWS Summit Tokyo – AWS Startups Future Home Future Office】
AWS について学べる日本最大のイベント「AWS Summit Tokyo」が、2023 年 4 月 20 日(木)、21 日(金)の 2 日間にわたり開催されました。「AWS Summit Tokyo」では各種の基調講演や 150 を超えるセッション・企画、会場内のブースによって AWS の知識を身に付けられるだけではなく、参加者同士でベストプラクティスの共有や情報交換ができます。
今回は「近未来のスマートホーム、オフィス環境、新しい住環境」をテーマにした事例展示である「AWS Startups Future Home Future Office」の模様をレポート。AWS を活用してサービスを構築するスタートアップ 8 社が、どのようなプロダクトを提供しているのかをご紹介します。
アトモフ株式会社
アトモフ株式会社は、世界初の窓型スマートディスプレイ「Atmoph Window 2」を開発・提供するスタートアップです。「音楽を選ぶように、気分に合わせて景色も変えたい」「自宅やオフィスにいながら、世界中の雄大な自然を楽しみたい」という夢を叶えてくれるのが「Atmoph Window 2」。壁に掛けるだけで、同社が独自に撮影した世界の風景映像がサウンドとともに部屋の中に広がります。ユーザーはハワイやパリ、アイスランド、エジプトといった世界 1,500 カ所以上の風景を室内にいながら楽しむことができます。
他にも、ディズニー映画や「スター・ウォーズ」シリーズ、「ストレンジャー・シングス」シリーズの風景を搭載した「Atmoph Window 2 | Disney」「Atmoph Window 2 | Star Wars」「Atmoph Window 2 | Stranger Things」など、さまざまなラインナップが用意されています。自宅やオフィスにいながら、窓型スマートディスプレイを通じて世界中を旅する感覚。そんな、バーチャル小旅行を体験させてくれる美しいプロダクトです。
株式会社ビットキー
株式会社ビットキーは、住宅の専有部住戸に設置するスマートロックや、共用部エントランスドアを制御するコントローラーなどの提供を通じて、あらゆる場所をシームレスにつなぐ「スマートアクセス化」を推進する企業です。
通常、人が住居や各種の施設、オフィスなどに入居・入館するためには、それぞれの建物・部屋に合わせた鍵や入館証を持ち歩く必要があります。これらの管理は煩雑であり、変形・紛失・盗難などのリスクもあります。また、すべての建物や部屋を網羅的に対応できるスマートロックやシステムは、現状では世の中に少ないという実情があります。
こうした課題を解決するため、同社はスマートフォンアプリや Apple Watch、顔認証、モバイル FeliCa、テンキー操作、専用リモコンキー「bitbutton Card」などを用いて認証できる住宅・オフィス向けスマートロックやスマート受付システムなどの各種プロダクトを提供。これにより、多種多様な手段であらゆる場所へとシームレスに入室できる世界を実現します。
展示会場では、イベント参加者がスマートワークブース「Bitkey work booth」を体験できるようになっていました。
mui Lab株式会社
mui Lab株式会社は「Calm Technology & Design」というコンセプトを掲げ、人と自然とテクノロジーとが調和した暮らしを実現する製品・サービスを開発しているスタートアップです。「いつでも人の心に寄り添ってくれるデジタルテクノロジーを普及させる」ことをパーパスに掲げています。
あらゆる IoT デバイスやシステムを“穏やか”にし、生活空間において柔らかく温もりのあるデジタル情報体験を実現する「mui プラットフォーム」を提供。代表的なプロダクトは、天然木のタッチパネルディスプレイで違和感なく室内に溶け込むスマートホーム Hub(集約装置)「mui ボード」です。
「mui ボード」では、手書きメッセージやボイスメッセージのやり取り、天気予報やその日の予定の確認、タイマー設定、照明・エアコン・ネットワークスピーカーなどの IoT 機器の操作を行えます。リビングやキッチン、寝室に置いてあっても暮らしの妨げにならない、心が落ち着く穏やかなデバイスです。
株式会社RABO
株式会社RABO は、猫の活動を 24 時間記録し、バイオロギング技術や機械学習で解析した結果を飼い主がスマホアプリからいつでも確認できる首輪型ウェアラブルデバイス「Catlog」を提供しています。「Catlog」を用いることで、猫の普段の行動や生活環境を把握可能。現在は「食べる・走る・歩く・寝る・くつろぐ・毛づくろい・水飲み」の 7 つの行動パターンに対応しています。
猫は体調不良を隠すという特性があるため、なんらかの疾患にかかっていても人間が早期に発見することは困難。飼い主が気づいたときには、すでに病状が進行しているケースも多いのです。
そこで「Catlog」は、食欲減退・運動量低下などを含む独自の総合的な指標から、通院判断が必要となりそうな不調の兆候を検知します。同社のミッションである「世界中の猫と飼い主が、1 秒でも長く一緒にいられるように 猫の生活をテクノロジーで見守る。」が示すように、猫が健康で長く生きるためのサポートを行うプロダクトです。
ルームクリップ株式会社
ルームクリップ株式会社は、部屋のレイアウトや大型家具、小物・雑貨など 500 万枚以上の写真を掲載する日本最大の部屋のインテリア実例共有サイト「RoomClip」を運営する企業です。「RoomClip」は住生活の実例写真を投稿・閲覧する機能のほか、フォローやいいね、保存などの機能がある SNS。日本全国のさまざまな住空間を知り、ユーザー同士がつながることができます。
2021 年からは新しく、関連サービスの「RoomClip ショッピング」がリリースされました。これは「RoomClip」に投稿されている実例写真やコメントを参考にしながら、ユーザーが「RoomClip」内で商品を購入できるサービスです。「RoomClip ショッピング」には、250 社以上の暮らしに関する店舗が出店し、商品を提供しています。
近い将来、「アプリでインテリアの実例を調べて、気に入った家具をオンライン上で購入する」という体験が、多くの人にとって当たり前のものになるのかもしれません。
SEQSENSE株式会社
SEQSENSE株式会社が開発・提供する「SQ-2」は、画像認識技術やセンサー技術などのテクノロジーを駆使して生まれた自律移動型のセキュリティロボットです。生産年齢人口の減少によって、各業界で人手不足が深刻化しています。とりわけ、警備業界はその傾向が顕著です。
「SQ-2」は、そんな警備業務を人に代わって、もしくは人と分担して実施することが可能です。人手不足という課題の具体的な解決策になるだけではなく、充電時間以外は常時稼働できることからコストの最適化にも貢献してくれます。
「SQ-2」が実施する警備の内容は、大きく分けて 3 つ。あらかじめ決められた巡回ポイントを自律的に移動し、監視・点検をする「巡回業務」。警備ポイントに立って周囲の監視を行う「立哨業務」。警備拠点から人間が遠隔でロボットを操作する「動哨業務」です。
「SQ-2」本体には前方の様子を高解像度でリアルタイムに確認できる「高解像度カメラ」や 3 方向に設置された魚眼レンズで常時 360 度の撮影を実現できる「360 度カメラ」が備え付けられています。また、マイク・スピーカーも設置されており、ロボットを介した声掛けや問い合わせ対応を実現します。
株式会社スナックミー
「新しいおやつ体験を創造し、おやつの時間の価値を高める」をミッションに掲げる株式会社スナックミー。テクノロジーやインターネットを活用し、“お菓子”という「モノ」ではなく“おやつ”という「体験」を提供する、おやつブランドを目指す企業です。
素材の味を活かして安心安全で、100 種類以上の品数豊富なマルシェおやつを、パーソナライズしてユーザーに届けるサブスクリプションサービス「snaq.me」を提供。「snaq.me」では、環境負荷が低くて地球に優しく、好みやアレルギーに配慮した食材を用いています。また、味はおいしいのに形や大きさが規格外であるために廃棄されてしまうナッツや果物、オーツなどを原料にすることで、フードロスの解消を目指しているのも特徴です。
「snaq.me」が一般的なお菓子配達サービスと違うのは、テクノロジーを活用することでサービスを改善・最適化している点。ユーザーが専用のアプリから食の好みや除外したい食材などの情報を入力し、食べたおやつの評価をすることで、配達されるおやつの内容が徐々に変化します。より自分にマッチした「体験」へと変わっていくサービスなのです。
VoicePing株式会社
リモートワークをしながらも擬似的に同一のオフィスで仕事しているように感じさせてくれる、バーチャルオフィスサービスを導入する企業が近年増えています。そんな成長著しいバーチャルオフィスサービスの先駆者として、企業のリモートワーク体制における課題解決に取り組んでいるのが VoicePing株式会社です。
同社の提供するバーチャルオフィスサービス「VoicePing」では、チーム全体の活動状況をリアルタイムで可視化し、一体感のある働き方を実現しています。「VoicePing」内には擬似的なオフィスとして「ワークスペース」が存在しており、その中に部署やプロジェクト単位の活動空間として「フロア」が用意されています。
メンバーのアバターは、いずれかのフロア内で働いています。そしてアバターを見ることで、メンバーのステータスやパソコンで使用中のアプリ、ミーティング中か否かなどをひと目で確認できるのです。こうした各種の機能が、リモートワーク体制でのコミュニケーションやマネジメントを支援し、チームビルディングに貢献します。
おわりに
「AWS Summit Tokyo」の事例展示「AWS Startups Future Home Future Office」では、スタートアップ各社が家やオフィスを便利にする斬新なプロダクトを紹介していました。「これらのプロダクトが当たり前のように身の回りに存在する未来」が到来すれば、私たちの生活や仕事がより便利で快適になることが期待できます。ぜひこの記事を読んでいるあなたも、各社のプロダクトを生活や仕事に取り入れてはいかがでしょうか。
また、私たち AWS はこれからも、スタートアップの成長を支えるサービスやサポートを提供して参ります。導入支援などに関するご質問、ご相談に日本担当チームがお答えします。平日 10:00 〜 17:00 はチャットでもお問い合わせいただけます。お問い合わせはこちら