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Amazon Aurora の Fast Database Cloning

今回は、私が実に便利だと思う Amazon Aurora の機能、Fast Database Cloning について簡単にご紹介します。Aurora の基盤となる分散ストレージエンジンを利用して、データベースのコピーオンライトで素早く経済的にクローンを作成することができます。

私のこれまでのキャリアの中で、開発、実験、分析に使用するための代表的なデータサンプルを待つことに多くの時間を費やしてきました。たとえば 2 TB のデータベースがあった場合、タスクを行う前にデータのコピーの準備を待つのに何時間も掛かることがあります。RDS MySQL でさえ、スキーマの移行テストやいくつかの分析を行う前に、スナップショットコピーが完了するのを何時間も待つ必要があります。Aurora はこの問題を実に興味深い方法で解決しています。

Aurora の分散ストレージエンジンは、通常であれば実現が不可能なことをできるようにしたり、従来のデータベースエンジンでは経済的に難しいことを可能にします。各ページにポインタを作成することで、ストレージエンジンが Fast Database Cloning を有効にします。そして、ソース内のデータやクローンで変更を行うと、コピーオンライトプロトコルがそのページのコピーを新たに作成し、ポインタを更新します。つまり、これまで 1 時間を要した 2 TB スナップショットの復元タスクを約 5 分で完了することができるのです。そして、その時間の大半は新しい RDS インスタンスのプロビジョニングに費やされます。

同じストレージにポイントしているため、クローン作成の所要時間はデータベースのサイズによります。また、コピー全体ではなく変更を行ったページのストレージ分だけを支払うため、経済的にクローンを作成できます。データベースクローンは耐久性保証を含む通常の Aurora データベースクラスターです。

では、データベースのクローンを作成してみましょう。まず、Aurora (MySQL) インスタンスを選び [Instance Actions] で [create-clone] を選択します。

次にクローン名を 「dolly-the-sheep」 にし、プロビジョンします。

約 5 分半でクローンが利用可能になり、大規模なスキーマ変更をいくつか行ってもパフォーマンスへの影響は見られませんでした。Aurora チームが高速化した DDL オペレーションを有効にしているため、スキーマ変更自体は従来の MySQL で行うよりも早く完了することができました。自分で変更を追加していく間に他のチームメンバーにスキーマ変更をテストさせる場合は、これに続いてクローンのクローンを作成したり、クローンのクローンのクローン (など) を作成することもできます。RDS の視点から見ると、クローンがファーストクラスデータベースであるということは重要なポイントです。スナップショット、バックアップ、モニタリングなど、他の Aurora データベースがサポートする機能すべてを利用できます。

この機能を活用することで、あなたとチームが Amazon Aurora をベースにした実験やアプリケーション開発において大幅に時間とコストを節約できるようになると幸いです。この機能の詳細は「Amazon Aurora ユーザーガイド (Amazon Aurora User Guide)」をご覧ください。また「AWS データベースブログ (AWS Database Blog)」をフォローすることも強くお勧めします。Anurag Gupta 氏によるクォーラムと Amazon Aurora ストレージに関するブログ記事は特に興味深い情報です。

フォローアップの質問またはフィードバックがあれば、aurora-pm@amazon.com に連絡するか、こちらにコメントを残してください。皆さんからのご意見やご感想をお待ちしています。

Randall